かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。「対策したのに、頻繁にピンホールが出て、とにかく工数がかかる」という現場管理者の悩みは尽きません。溶接欠陥の発生は、ガスや母材の条件だけでなく、作業者の「技術のばらつき」に深く起因しています。
本記事では、実際に工場の勤務経験がある筆者の観点も踏まえ、MAG溶接等におけるピンホール・ブローホールの発生メカニズムと技術的な防止策を徹底解説します。さらに、熟練工のカンやコツに頼らない「標準化の方法」まで紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ピンホール(溶接欠陥)とは?発生概要と基礎知識
溶接現場での穴あきの欠陥は、製品強度を著しく下げる重大な不良です。ここでは現場で混同されやすい用語の定義と、金属が固まる際に穴ができる基本的なメカニズムを以下の順に解説します。
- ピンホール・ブローホール・ピットなどの溶接欠陥の違い
- 金属の表面状態・溶接金属の特性が欠陥に与える影響
- アーク溶接を中心とした発生メカニズムの基礎解説
ピンホール・ブローホール・ピットなどの溶接欠陥の違い
溶接部に発生する気孔欠陥は、形態と発生場所によって区別されます。まずは「ピンホール」と「ピット」の関係を整理しましょう。
結論から言うと「ピンホール」と「ピット」は全く同じ欠陥を指す言葉です。JIS規格*1では正式名称を「ピット」としており、「溶接部の表面まで達し、開口した気孔」と定義しています。現場では慣習的に「ピンホール」と呼ばれ、本記事でも以降は「ピンホール」と記述しますが、同じ「表面の穴」とお考えください。
一方、「ブローホール」は「溶接金属中に生じる球状の空洞」を指します。「ブローホール」は内部に留まっているため、外観からは判断できず、発見にはRT(放射線透過試験)などが必要です。
つまり、「表面に出ているか(ピット/ピンホール)、内部に潜んでいるか(ブローホール)」という点で違いがあります。
金属の表面状態・溶接金属の特性が欠陥に与える影響
溶接金属に気泡ができる主な原因は、溶融金属の温度変化に伴うガスの「溶解度」の差にあります。
高温の溶融金属は多くのガスを溶かし込みますが、冷えて固まる際にガスを放出する性質を持ちます。その時、ガスが外へ抜けきる前に金属が凝固すると、気泡として残ってしまいます。特に影響するのが、母材表面の不純物です。水分、油分、錆(酸化鉄)などは、溶接熱で分解されると水素や一酸化炭素などのガスを大量に発生させます。
日本溶接協会の資料*2でも、ブローホールのガス発生源として、開先の錆や水分、油脂などが挙げられています。材料表面が汚れたままでは、どれほど溶接技術が高くても欠陥は防げません。ワイヤや開先の徹底した前処理を行い、ガスの発生源を断つことが重要です。
アーク溶接を中心とした発生メカニズムの基礎解説
アーク溶接は、放電現象(アーク)の高熱を利用して金属を溶かす接合法です。
溶けた金属(溶融池)には、空気中の酸素や窒素を非常に吸収しやすいという特徴があります。そのため通常は、炭酸ガスやフラックスを用いて溶接部を大気から物理的に「遮断(シールド)」しなければなりません。
しかし、風や設備の不備でこのシールド状態が崩れると、アーク熱で活性化したガスが侵入してしまいます。日本溶接協会の資料でも、シールド不良による大気の巻き込みがブローホールの主因であると解説されている通りです。
侵入したガスは、金属が冷えて固まる際に外部へ排出されようと上昇します。その排出が間に合わずに閉じ込められると、内部の空洞や表面の穴として残るわけです。
ピンホールが再発する主な原因
対策を行ったはずなのに不良が止まらない場合、原因は1つではなく複合的に絡み合っているケースが大半です。ここでは、現場で見落とされがちな以下の5つの発生要因を深掘りします。
- ガス巻き込み・シールドガス設定不良
- 開先加工・前処理の不備
- 設備精度・老朽化がもたらす不具合
- 難材(アルミ・チタン・アルマイト材)の特有リスク
- 原因を断定しにくい“複合要因”が多い理由
ガス巻き込み・シールドガス設定不良
最も多い原因は、溶接金属を守るシールドガスの機能不全です。ガス流量が適正範囲から外れると、空気中の窒素などが溶融池に侵入します。流量が不足すればシールドが薄くなり、逆に過大すぎるとガス流が「乱流」を起こし、大気を巻き込んでしまうからです。
また、ノズルにスパッタが多量に付着している場合も注意が必要です。ガスの流れが偏向し、正常なシールド層が形成されません。さらに、アーク近くの風にも注意が必要です。工場内の扇風機や隙間風がガスを吹き飛ばして、欠陥を作ります。
開先加工・前処理の不備
ピンホールが再発する原因の多くは、開先や母材表面の清掃不足による「ガス発生」にあります。溶接金属に悪影響を与える水分、油分、錆(サビ)、塗料などが残っていると、アーク熱で分解されてガス化してしまうからです。
中でも特に警戒すべきは「水分」でしょう。梅雨時や冬場の結露などで開先に水分が付着していると、分解されて水素ガスとなり、ブローホール等の欠陥を形成します。また、黒皮(ミルスケール)や過度な防錆剤も一酸化炭素(COガス)の発生源となり得ます。
設備精度・老朽化がもたらす不具合
ピンホールの再発は、作業者の技術ではなく「設備の劣化や不具合」が引き金になっているケースも少なくありません。正常に見える設備でも、内部パーツが摩耗していると溶接品質は安定しないからです。
例えば、トーチケーブル内のライナーが摩耗している場合、ワイヤ送給が不安定になり、アーク長が変動してシールドが乱れます。また、アース(接地)不良も盲点となりがちです。接続位置が悪かったり母材が帯磁していたりすると「磁気吹き」が発生し、アークが偏って溶融池が乱れることがあります。
定期的な点検と消耗品の交換基準を設け、設備起因のトラブルを未然に防ぎましょう。
難材(アルミ・チタン・アルマイト材)の特有リスク
難材溶接においてピンホールが頻発する主な理由は、材質特有の「ガスが発生しやすい性質」への対策が不足しているからです。通常の鋼材と同じ感覚で施工すると、材料自体から発生するガスを抑え込めません。
例えばアルミニウムの場合、表面の酸化皮膜に含まれる結晶水が熱で分解し、水素ガスが発生しやすい特性があります。また、メッキ鋼板などは表面の亜鉛層が蒸発し、ガスとなって溶接部から噴き出そうとします。こうした難材では、わずかな湿気や汚れが致命的な欠陥につながります。
専用のワイヤ選定や、溶接前の徹底した酸化皮膜除去など、材質特性に合わせた施工要領を守らなければいけません。
原因を断定しにくい“複合要因”が多い理由
対策してもピンホールがなくならない原因は、複数の微細な要因が重なって「シールド不良」を引き起こしている点にあります。一つひとつの条件は許容範囲内でも、掛け合わさることで限界を超え、大気を巻き込んでしまうからです。
例えば、
- ガス流量は適正だが、アーク長が少し長かった
- 清掃はしたが、溶接速度が速すぎた
といったケースが該当します。ベテランは経験則でバランスを調整して回避しますが、感覚に頼るため若手には伝承できません。
「なぜ再発したのか」を突き止めるには、勘ではなく、溶接条件と環境要因を一つずつ潰していく必要があります。
ピンホール不良を抑えるために有効な溶接技術と対策
ピンホール対策として、ここでは、シールドガスの最適化や脱酸ワイヤーの選定、パルスMAG溶接といった設備面の対策を以下の順に解説します。
- ガス巻き込みを防ぐためにCO₂ガス・シールドガスを最適化する
- 脱酸効果を高めるTi(チタン)入りワイヤーを採用する
- 水分由来の欠陥を防ぐために予熱と湿度管理を徹底する
- 溶融池を安定させるパルスMAG溶接を活用する
- 欠陥発生を左右する溶接条件を設定する
ガス巻き込みを防ぐためにCO₂ガス・シールドガスを最適化する
ピンホール不良を抑えるために、ガスの「種類」と「流量」の厳密な数値管理は必須です。CO₂溶接は安価ですが、スパッタが多くノズル汚れによるガス閉塞を招きやすい弱点があります。一方、混合ガス(MAG)はアークが安定しますが、風の影響を受けやすいため一層の注意が必要です。
日本溶接協会の資料*2によると、ガス流量の不足だけでなく、過多による「乱流」も空気巻き込みの原因になると警告されています。流量は「多ければ安心」というわけではありません。JASS 6(建築工事標準仕様書)*4の基準にある通り、ノズル径に応じた適正値を守り、風速2m/s以上の環境では遮風板を必ず設置してください。
脱酸効果を高めるTi(チタン)入りワイヤーを採用する
ピンホール不良を抑えるために塗料や錆が多い現場では、Ti(チタン)入りワイヤーの採用が有効な解決策となります。理由は、チタンには「脱酸作用」があり、溶融池内の酸素や窒素を化合してスラグとして排出してくれるからです。
プライマー塗布鋼板など、ガス発生源が避けられない母材において、その効果は絶大と言えるでしょう。通常のワイヤーで気孔が多発する場合、化学成分を見直すだけで大きく改善することがあります。ただし、スラグ量は増える傾向にあるため、連続溶接時のスラグ巻き込みには注意しましょう。
水分由来の欠陥を防ぐために予熱と湿度管理を徹底する
水分はアーク熱で分解されると、ブローホールの原因である水素ガスに変わります。そのため、ピンホール対策において、母材の「予熱」と「湿度管理」は必須です。
特に梅雨時期や冬場の朝一番は、目に見えない結露が母材表面に付着しています。溶接前にガスバーナー等で予熱して、水分を完全に飛ばしましょう。「濡れていないから大丈夫」という目視判断は危険です。予熱工程を標準として組み込み、物理的に水素の発生源を断つ仕組みを作ることが重要です。
溶融池を安定させるパルスMAG溶接を活用する
難易度の高い溶接には、パルスMAG溶接機の導入が有効な手段です。パルス制御を活用すれば、アーク長を短く保っても短絡(ショート)を起こさずに溶接できます。
本来、「ショートアーク」の維持には熟練の技術が必要ですが、パルス機能なら機械的に制御可能です。アークが短くなればシールドガスが散乱しにくくなり、大気の巻き込みリスクは大幅に下がります。
欠陥発生を左右する溶接条件を設定する
ピンホールを防ぐために極めて重要なのが、電流・電圧・速度の厳密な「数値管理」です。設定が不適切だと、シールドガスの効果そのものが意味をなさないからです。
電圧が高すぎるとアーク長が伸びてガスが散乱し、速度が速すぎるとガスが抜ける前に金属が固まります。また、電流が高すぎてもアーク力で溶融池が乱れ、大気を巻き込むリスクが高まることが分かっています。「良い感じに調整して」という感覚的な指示は、現場を混乱させる原因でしかありません。
板厚ごとに「電流〜アンペア(A)、電圧〜ボルト(V)」といった具体的な標準値を定め、誰が作業しても同じ結果が出る状態を作りましょう。
ピンホール防止のための実践的な対策方法
原因を特定したら、次は具体的なアクションに移りましょう。ここでは、現場ですぐに取り組める4つの実践的な対策を紹介します。個人の技術に依存せず、工程そのものを改善することで、安定した品質を確保してください。
- 金属表面処理・洗浄・脱脂の徹底
- 開先形状の改善と加工精度向上
- 溶接条件(電流・電圧・速度・パルス)の最適化
- 設備点検・メンテナンスで防げるトラブル
金属表面処理・洗浄・脱脂の徹底
最も確実で即効性のある対策は物理的な汚れを除去することです。ピンホールの主な原因である水素や一酸化炭素は、母材表面の不純物から発生するからです。そのため、溶接欠陥の多くは、前処理で防止できるとも言えます。具体的には、グラインダーやワイヤーブラシで研磨してください。黒皮(ミルスケール)、錆、塗料を完全に除去することが重要です。
また、加工油などの「油分」が付着している場合は、研磨だけでは広げてしまう恐れがあります。必ずアセトンやパーツクリーナー等の溶剤を用いて、完全に「脱脂・洗浄」を行ってください。
開先形状の改善と加工精度向上
溶接加工の品質を改善するには、前工程である「開先加工」の精度を見直すことが大切です。不適切な開先形状は、ガスの抜け道を塞ぎ、新たな欠陥を誘発する原因となります。ルート間隔(隙間)が狭すぎると、ガスが裏側へ逃げられず、溶融池に閉じ込められてしまうでしょう。
対策として、板厚に応じた適切な開先角度とルート間隔の確保を心がけてください。溶接工程だけで悩まず、切断・製缶部門と連携し、ガスが抜けやすくシールドしやすい形状を作り込むことが重要です。
溶接条件(電流・電圧・速度・パルス)の最適化
ピンホールを防ぐには、「コツ」を数値化された「溶接条件」に置き換える作業が必要です。電流・電圧・速度のバランスが崩れると、シールドが正常に機能しなくなるからです。
電圧が高すぎるとガスが散乱し、電流過多ではアーク力で溶融池が激しく撹拌されてしまいます。まずは、ワイヤメーカーが推奨する溶接条件を基準に設定しましょう。
その上でパルスMAG溶接機を使用する場合は、アークが安定するポイントの微調整が必要です。良品条件は溶接施工確認試験方法書(WPS)として記録し、誰が作業しても同じ設定で作業できる環境を整えてください。
設備点検・メンテナンスで防げるトラブル
設備のメンテナンス不足は、気付かないうちに「シールド効果の低下」を招く大きな原因です。 特にノズル内側のスパッタ付着は、ガスの流れを乱して大気を巻き込む「乱流」を引き起こしかねません。
ブローホールなどの欠陥を防ぐには、シールド不良を徹底して排除する必要があります。 その対策として、流量計の数値が適正範囲にあるか、常に確認・調整を行ってください。
対策しても品質が安定しない(不良が再発)するのはなぜ?現場に潜む課題
基本的な清掃やガス管理を徹底しても不良が再発する場合、「人の感覚」への過度な依存にあります。設備が高度化しても、最終的な調整が個人の技量任せでは、品質のばらつきはなくなりません。ここでは具体的に以下の4点について解説します。
- 高度技術は“経験豊富な技術者”の設定に依存してしまう
- 作業者ごとの技能差が結果(欠陥率)に直結する構造
- 属人化が生むリスク:再発・高コスト・納期遅延
- 難材溶接で特に顕著になる“条件出し”のばらつき
高度技術は“経験豊富な技術者”の設定に依存してしまう
高性能な溶接機を導入しても、設定が属人化していれば効果はあまりありません。パルス幅や周波数の最適化には、アーク現象への深い理解が求められるからです。
日本溶接協会の資料*2では、適正なパルス周期は50〜500Hzと幅があります。広い幅から、板厚や継手形状に合う周波数を見つける作業は困難です。多くの場合、熟練工が経験則に頼ることになります。
作業者ごとの技能差が結果(欠陥率)に直結する構造
作業者のハンドスキルの差は、そのまま製品の欠陥率という数字に表れます。アーク長やトーチ操作のわずかなブレが、即座にシールド不良を招くからです。
アーク長が長いとガスが散乱し、大気を巻き込みます。こうした課題を防ぐために推奨される「短いアーク」の維持は、繊細な技術です。未熟な作業者の場合、手元のふらつきがそのままブローホールの原因となります。一方、ベテランは無意識に距離を保てるため、同じ条件でも欠陥が出にくいと考えられます。
属人化が生むリスク:再発・高コスト・納期遅延
特定の個人に依存する生産体制は、経営上の重大なリスク要因となります。担当者が退職や異動をした途端、品質維持が不可能になる恐れがあるからです。
突発的な不良による手直し作業に費やす工数は増えます。また、クライアントへの報告時に具体的な再発防止策をうまく提示できない場合もあるでしょう。企業の納期や信用は、人ではなく仕組みでを担保すべきです。
難材溶接で特に顕著になる“条件出し”のばらつき
難易度の高い材料ほど、条件設定のわずかなばらつきが品質に影響します。アルミや高張力鋼などは、欠陥なく溶接できる電流・電圧の範囲が狭いからです。
1パルス当たり1溶滴の安定移行には精密な制御が必要です。個人の感覚でこうした難しい作業を毎回行うのは、ばらつきの原因となりえます。
溶接品質を安定させる鍵は「技術の標準化」にある
品質を安定させるには、熟練者の暗黙知に依存しない「標準化」が必要です。具体的な標準化の内容として以下の3点をここでは解説します。
- 熟練者依存から脱却するための“再現可能な手順化”がポイント
- 溶接条件・動作・治具準備を標準化するメリット
- 教育だけでは限界がある理由(口頭・紙資料の弱点)
熟練者依存から脱却するための“再現可能な手順化”がポイント
熟練工の「暗黙知」を、客観的に再現可能な「形式知」へと変換することが標準化には大切です。高度な技能に依存した工程は、担当者の入れ替わりがそのまま品質不良につながるリスクとなりえます。
感覚的な「コツ」を、電流値・電圧・ウィービング幅といった定量的なパラメータとして定義し、施工要領書(WPS)へ厳密に落とし込みましょう。標準化によって、数値管理された管理幅を設けることで、カンコツに頼らない現場にできます。
溶接条件・動作・治具準備を標準化するメリット
施工条件、トーチ動作、治具拘束といった項目を標準化することは、不適合発生時の原因特定を迅速にできます。各項目が標準化されていれば、どの項目によってどのような不適合が発生するのかわかりやすいからです。
逆に、作業手順に自由度(ばらつき)が残っている状態では、変数が多くなり、原因の特定に至にくいでしょう。標準化は、変数を特定して、そこを修正する手段として有効です。
教育だけでは限界がある理由(口頭・紙資料の弱点)
従来の紙媒体や口頭伝承のみでは、アーク現象や溶融池の流動といった工学的な話は正確に伝わりづらいでしょう。静止画や文字資料では、時間軸を伴う技能の微細な挙動を再現できず、受け手の解釈が異なってしまう可能性があります。
また、従来のOJTによる「背中を見て学ぶ」手法も、教育コストの対費用効果の観点で合理的ではありません。主観的な解釈をなくして、動画などを活用した技術伝承を行うべきでしょう。
ピンホール不良を防ぐ溶接技術の標準化には「動画の活用」で対策!
ピンホール対策の要である「アーク長制御」や「運棒速度」といった動的なパラメータは、静的な紙資料では伝わりません。微細な挙動を正確に可視化し、作業標準を統一するには、動画による技術伝承システムの導入が最も有効な解決策となります。
- 動画活用による溶接技術標準化のメリット
- tebikiを活用すれば、溶接動画マニュアルを簡単に作成できる
- tebiki活用による溶接教育・品質安定化の事例
動画活用による溶接技術標準化のメリット
溶接作業における「パチパチ」という音の響きや、溶融池の微妙な色の変化といった感覚的な「カン・コツ」は、紙のマニュアルや口頭の説明だけではどうしても伝わりにくいものです。動画を活用すれば、熟練者がどこを見ているのか、どのようなリズムで手を動かしているのかを、視覚と聴覚で直感的に共有できます。
「正しい動き」のイメージを誰でも正確に掴めるようになるため、作業者ごとの技術のバラつきが自然と解消されていきます。ニュアンスまで揃った指導が可能になれば、品質が安定するのはもちろん、教える側の負担も減り、技術伝承のスピードも格段に上がります。
tebikiを活用すれば、溶接動画マニュアルを簡単に作成できる
動画教育のメリットは理解できても「動画を作るのが大変そう」「編集する時間がない」と導入を諦めてしまう現場も少なくありません。「tebiki現場教育」なら、いつものOJTの様子をスマホで撮影するだけで、簡単に動画マニュアルが作成できます。
音声認識技術が自動で字幕をつけてくれるので、テロップ入力の手間もかかりませんし、翻訳機能を使えば外国人スタッフへの教育もスムーズです。「動画作成のハードル」を極限まで下げることで、現場のノウハウが着実に蓄積され、結果として不良率低減や品質安定化といった大きな成果につながっていきます。それでは、実際にtebikiを活用して課題を解決した事例を見てみましょう。
tebiki活用による溶接教育・品質安定化の事例
鋼板加工の専門商社であるクマガイ特殊鋼株式会社様では、溶断・溶接技術の標準化にtebikiを活用し、品質を劇的に改善させました。
| 導入前(Before) | tebiki導入後(After) |
|---|---|
| ・体系化されずOJTに依存 ・新人教育に5日間を費やす ・社内不良が月4.3件発生 ・溶接試験の合格者がゼロ ・紙や口頭では伝わらない | ・動画でカリキュラム化実現 ・期間3日・工数6割削減 ・手順統一で2.4件に半減 ・動画学習で一挙4名合格 ・動画で動きを直感的に理解 |
導入前は「カン・コツ」が伝わらず、同じ作業ミスが繰り返される課題がありました。そこで「tebiki現場教育」を導入し、開先(カイサキ)加工などの重要工程を動画マニュアル化。作業前の視聴を徹底しました。その結果、溶断工程の不良件数が月4.3件から2.4件へと約半減しました。
さらに、溶接資格の取得支援にも動画を活用。座学だけでなく実技の細かな動きを動画で繰り返し学べるようにしたところ、それまで合格者ゼロだった試験で4名が合格するという快挙も達成しています。動画による「技術の可視化」が、不良削減と確実なスキルアップの両立を実現した好例です。
まとめ|ピンホール不良を防ぎ、溶接品質を安定させるために必要な視点
ピンホールなどの溶接欠陥を防ぐには、ガス流量といった「物理的要因」の管理と、属人化からの脱却を目指す「技術の標準化」が必要です。
本記事で解説した通り、パルスMAG溶接などの設備対策に加え、熟練工のカン・コツを「形式知」へ変換する仕組み作りが品質の安定につながります。
特に、微細なアーク制御や溶融池の挙動を正確に伝えるには、動画マニュアルの活用が極めて有効です。「tebiki現場教育」で正しい手順を可視化・標準化することで、不良の再発を根本から断ち、誰もが高品質な施工を再現できる強い現場環境を構築しましょう。
引用元/参考元
*1:日本産業規格の簡易閲覧「JISZ3001-4:2013 溶接用語-第4部:溶接不完全部」
*2:一般社団法人 日本溶接協会「Qブローホールはどうしてできるのですか。」
*3:一般社団法人 日本溶接協会「Q数多くのパルス溶接電源が開発されていますが,なぜこのようなパルス電流の電源が用いられているのでしょうか。それらの原理,目的,特徴について教えて下さい。」
*4:JASS 6(建築工事標準仕様書)

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