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事故を未然に防ぐためには、”ヒヤリ”とした瞬間を見逃さないことが重要です。皆さんの職場でも、危険な状況が一歩手前で回避された経験はないでしょうか?これがいわゆる「ヒヤリハット」です。ヒヤリハットの報告や分析を積み重ねることで、重大な事故のリスクを減らせます。
本記事では、ヒヤリハットとは何か、重要性や実際の事例、報告書の活用方法について詳しく解説します。ヒヤリハットを活用した安全対策の方法もご紹介しますので、職場の安全対策を見直すためのヒントにしてみてください。
現場改善ラボ編集部では、ヒヤリハット対策の手法や従業員の安全意識を高めるコツについて、以下の労働安全コンサルタントによる解説動画もご用意しています。ヒヤリハット対策の心得を知りたい方は、是非以下からご覧ください。
目次
ヒヤリハットとは「事故や災害を知らせてくれるサイン 」
耳にすることも多いヒヤリハットですが、「なんとなく内容は理解している」といった方も多いのではないでしょうか。そこで、ヒヤリハットに関する基礎知識について以下の3つを解説します。
- ヒヤリハットの定義
- ヒヤリハットとハインリッヒの法則の関係
- ヒヤリハットが重要な理由
ヒヤリハットの定義とは?
ヒヤリハットとは、予測できなかった出来事によって「ヒヤリ」として、「ハッ」とする瞬間を経験した状況です。たとえば、「足元が不安定で転倒しそうになったが、ギリギリ踏みとどまった」などがヒヤリハットの具体例です。
このように、事故が発生しなかったものの、発生しそうだった状況はヒヤリハットと呼ばれます。
事故とヒヤリハットの違いは何かというと、それは「実際に事故が起こったか、未然に防げたか」にあります。事故は既に発生してしまったものを指しますが、ヒヤリハットは「もう少しで事故が発生するところだった」一歩手前の出来事です。
日々の業務においてこのヒヤリハットをいかに見つけ、対策に生かせるかが事故防止の鍵となります。
ヒヤリハットとハインリッヒの法則の関係
ヒヤリハットを理解するうえで一緒に覚えておきたいのが「ハインリッヒの法則」です。これはアメリカの損害保険会社で働いていたハインリッヒが、2,000件以上の事故を調査した結果から導き出した経験則で「1:29:300の法則」とも呼ばれます。
つまり、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件の異常(ヒヤリハット)が存在するという考えです。
この法則からわかるのは、「ヒヤリハットを軽視すると、重大な事故に至るリスクが高まる」ということです。300件のヒヤリハットが積み重なれば、やがて重大な事故が発生する可能性は高くなるでしょう。逆にいえば、ヒヤリハットの段階で原因を特定し、適切な対策を講じることで、重大事故の発生を未然に防ぐことが可能です。
ハインリッヒの法則について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:ハインリッヒの法則とは?事故予防の取り組み例をかんたんに解説!
ヒヤリハットがなぜ重要なのか?
ヒヤリハットの段階での対策がいかに重要かを理解するためには、再びハインリッヒの法則を考えてみましょう。ヒヤリハットが多くなると、それは重大事故につながるリスクが高まっているという警告でもあります。
そのため、職場の安全を確保するには、ヒヤリハットの事例をきちんと報告書としてまとめて分析も行い、対策を講じることが欠かせません。
たとえば、作業中にヒヤリとした経験があった場合、その原因を特定し、職場全体で共有すれば同じようなヒヤリハットの発生を減らせます。
重大な事故を防ぐには、ヒヤリハットを適切に捉え、その経験を職場全体で活かしていくことが必要です。ヒヤリハットの蓄積とその対策が、事故を防ぐための重要な手段となります。
【5つのシーン別】ヒヤリハット事例
厚生労働省による「職場のあんぜんサイト」を参考に、ヒヤリハット事例を5つのシーン別にご紹介します。
- 動作の反動・無理な動作
- 墜落・転落
- 飛来・落下
- 激突され
- 交通事故
なお、工場で発生したヒヤリハット事例について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:工場のヒヤリハット事例21件を解説!事故対策につなげる方法もご紹介
動作の反動・無理な動作
動作の反動・無理な動作による事例として、以下の事例が報告されています。
業種/作業の種類 | ヒヤリハットの状況 | 発生した理由 | 対策 |
---|---|---|---|
社会福祉施設/介護 | 入浴介助中に利用者の脇を抱えて前かがみで引き上げようとしたところ、腰を痛めそうになった。 | 狭い浴槽で無理な体勢で引き上げようとした。 | ・利用者を抱える際は、腰を屈めない正しい姿勢で行う。 ・複数名での作業を検討する。 |
社会福祉施設/介護 | 起床介助において、1人で利用者の脇を抱えて抱き上げようとしたところ、無理な体勢で介助者の体に負担がかかり、肋骨を痛めそうになった。 | 無理な体勢で抱き上げようとした。 | ・無理な体勢で抱き上げない。 ・複数名での作業を検討する。 |
各種商品小売業/運搬 | 荷受場で水のケースを積んだ台車の動きが悪く、無理に動かそうとして体を捻り、腰や背中を痛めそうになった。 | ・台車の動作を事前に確認しなかった。 ・台車を押した際に不自然な姿勢をとってしまった。 | ・作業前に台車の動作を確認する。 ・急激な身体の移動をなくし、腰部に負担をかけない姿勢で台車を使用する。 ・1度に運ぶ荷の量を調整する。 |
墜落・転落
墜落・転落による事例として、以下の事例が報告されています。
業種/作業の種類 | ヒヤリハットの状況 | 発生した理由 | 対策 |
---|---|---|---|
官公署/木の剪定 | 脚立を使って木を剪定していたときに、足を踏み外して地面に落下しそうになった。 木にしがみつこうとした際、手を負傷した。 | ・足元の確認をしていなかった。 ・素手で剪定作業をした。 | ・脚立はステップの面積が広いものを使用する。 ・脚立での作業時は慎重に足元を確認する。 ・軍手を装着する。 |
その他の小売業/給食委託事業 | コンロ上に段ボールと丸椅子を重ねて登り、頭上のダクト内を清掃をしていたところ、バランスを崩して転落しそうになった。 | 高所の作業にも関わらず、安定した足場を設けず作業を行った。 | ・丸椅子ではなく、適切な足場を用意する。 ・柄の付いたブラシを用いるなど、足場を用いない代替手段を検討する。 |
倉庫業/配送商品の選別収集(ピッキング) | オーダーピッキングリフトに乗って棚から商品を選別収集していたところ、商品に手が届かず墜落しそうになった。 | ・オーダーピッキングリフトの運転時に、安全帯を使用させていなかった。 ・オーダーピッキングリフトの安全作業に関する教育を行っていなかった。 | ・オーダーピッキングリフトの運転時は、労働者に安全帯を着用させる。 ・オーダーピッキングリフトの安全作業に関する教育を行う。 |
飛来・落下
飛来・落下による事例として、以下の事例が報告されています。
業種/作業の種類 | ヒヤリハットの状況 | 発生した理由 | 対策 |
---|---|---|---|
建築設備工事業/立坑内の掘削作業 | 掘削作業中、土砂を搬出するために移動クレーンでバッカンを巻き上げたところ、巻き過ぎでワイヤーロープが切断し、立坑内にバッカンが落下して作業員にぶつかりそうになった。 | ・移動式クレーンの巻過防止装置の電源を切った状態で巻き上げを行った。 ・巻過防止装置の作業状況について、点検を行っていなかった。 | ・クレーンを使用する場合は、巻過防止装置を有効な状態で使用する。 ・クレーンを使用する前に、巻過防止装置の作動状況について点検を行う。 |
道路貨物運送事業/荷卸し作業 | トラックのウィングおよびあおりを開けた際、ロールボックスパレットが動き出し、トラックの荷台から落下しそうになった。 | ・積載物の積み方が適正でなかったため、車体の重心が左側に偏っていた。 ・ロールボックスパレットの車輪止めがかかっていなかった。 | ・ロールボックスパレットには、重心が偏らないように荷物を積載する。 ・荷台から落下するおそれがある作業やロールボックスパレットを使用する作業では、労働者に保護帽を着用させる。 |
製造業/加工作業 | 機械部品を加工する際に、通常は保護メガネをつけて作業するところ、着用しないまま作業したため、キリ粉が顔に飛散して眼に入りそうになった。 | わずかな修正加工のため、保護メガネを着用しなかった。 | 卓上ボール盤の作業では、どんなに短時間の作業であっても必ず保護メガネを使用する。 |
激突され
激突されによる事例として、以下の事例が報告されています。
業種/作業の種類 | ヒヤリハットの状況 | 発生した理由 | 対策 |
---|---|---|---|
製造業/加工 | 橋形クレーンを使用した作業を行っていたが、風がなかったのでアンカーを使用しないで昼休みに入った。 結果、橋形クレーンが風にあおられて走行し、走行レール端部の緩衝器に激突して停止した。 | 当該クレーンのアンカーを使用しないで昼の休憩に入った。 | 橋形クレーンを係留するときは、確実に逸走防止措置を講ずる。 |
運送事業/貨物の写真撮影 | コンテナの奥に積み込んだ貨物の固定状況を確認中、フォークリフトの運転手がコンテナ内に人がいることに気付かずに貨物を積み込もうとして、激突しそうになった。 | ・コンテナ内に人がいることをフォークリフトの運転者が認識していなかった。 ・フォークリフトに前方が見えないほどの貨物が積まれていた。 | ・コンテナ内の入退場について、危険防止のためのルールを策定する。 ・フォークリフトの前方視野をよくするため、1回に運ぶ荷物の大きさを考慮するか、誘導者を配置する。 |
セメント・同製品製造業/その他の動力運搬機 | オペレーターと会話中、話が聞き取り難いので台車の走行レーンをまたいでオペレーターに近づいた。 話中は上ばかり見ていたため、近づいてきた自動運転の台車に気づかず衝突しそうになり、慌てて逃げた。 | ・話に気を取られて台車の走行レーンをまたいだ。 ・台車が自動運転されていることを失念していた。 | ・ロープを張るなど、走行レーンにみだりに入れないようにする。 ・自動運転台車にパトライトや発信音などのアラーム機器を取り付ける。 |
交通事故
交通事故による事例として、以下の事例が報告されています。
業種/作業の種類 | ヒヤリハットの状況 | 発生した理由 | 対策 |
---|---|---|---|
運送事業/配送補助 | トラックで配送中、道が狭くて左折できなかったため、広い交差点まで後進させることにした。 補助員が車体の後方で誘導していたところ、車体と電柱との間に挟まれそうになった。 | ・道幅の狭い一方通行道路でトラックを後進させた。 ・後方の誘導者を目視確認せずにトラックを後進させた。 | ・トラックを後進させるときは、必ず後方の状況を確認する。 ・事前に配送先付近の状況を確認し、適切な走行ルートを計画する。 |
運輸・交通事業/操車場内の信号管理 | 雪害警戒体制が発動され、2人で融雪カンテラに点火する作業を行っていたところ、列車に接触しそうになった。 | ・列車の接近を知らせるパトロールランプに警報装置が付いていなかった。 ・作業中における列車の通過時刻について確認しなかった。 | ・パトロールランプに警報装置を設置する。 ・軌道上で作業を行うときは、作業中に通過する列車の時刻等を事前に確認し、打ち合わせする。 |
廃品回収業/古紙回収作業 | 古紙収集車の荷台のあおりに手を掛けて乗ろうとしたところ、手を掛けていたあおりが開き、転落しそうになった。 | ・あおりのストッパーが掛かっていなかった。 ・あおりを確実に閉じないまま貨物自動車の荷台に労働者を乗車させようとした。 | ・貨物自動車の荷台に労働者を乗車させるときは、あおりを確実に閉じる等の危険防止措置を徹底する。 |
ここまで、さまざまな業界で発生したヒヤリハット事例についてご紹介しました。次章では、ヒヤリハットの原因について詳しく解説します。
ヒヤリハットの主な原因4つ
ヒヤリハットの原因を特定し、適切に対策を講じることで、重大な事故を未然に防ぐことが可能です。
しかし、原因を見つけることが必ずしも簡単ではない場合もあります。
そこで、ヒヤリハットの主な原因4つについて詳しく紹介します。
5Sの徹底が不十分
職場環境を改善するためには「5S」を徹底した対策が非常に重要です。
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5つの要素から成り立つ職場改善の手法で、これを徹底することでヒヤリハットを防止できます。
たとえば、整理整頓が不十分だと、足元の障害物に足を引っかけて転倒しかけるといったヒヤリハットが発生するかもしれません。
しかし、整理整頓を徹底すれば作業場の視認性が向上し、事故のリスクが大幅に減少します。
5S活動の具体例や現場に定着させるコツについて、数々の企業で5S改革を行ってきた専門家による解説動画を以下にご用意いたしました。本記事と併せてご覧ください。
作業者のコンディション不調
作業者の体調や精神状態が良好でないと、注意力が散漫になり、普段であれば起こり得ないミスが発生することがあります。
たとえば、体調不良や寝不足による疲労感から、機械の操作ミスや手順の見落としといったヒヤリハットが起きることもあります。
作業者の健康状態を管理し、適切な休息を取らせることで、ヒヤリハットの発生を抑えることが可能です。
作業者の知識やスキル不足
作業に対する十分な知識やスキルがないことも、ヒヤリハットの原因となります。特に新人や作業に慣れていない場合、何が危険かを正しく判断できないため、無意識のうちにリスクの高い行動を取ってしまうことがあります。
このような状況を防ぐには、熟練者が新しい作業者に対して教育を行い、実際の作業を共に行うことで、知識やスキルを身につけさせることが重要です。また、定期的な研修を通じて作業者のスキルを向上させることも、ヒヤリハット防止に有効です。
従業員の安全意識を高めながら作業ノウハウやカンコツを伝えるには、動画マニュアルを活用した教育がおすすめです。
教育効果やおすすめのツールについては、後述する『ヒヤリハットの事例を活かしたマニュアルは動画との相性が◎』で詳しくご紹介します。
情報共有ができていなかった
情報共有が不十分なことも、ヒヤリハットを引き起こす大きな要因です。
特に交代勤務がある工場では作業者が時間帯によって変わるため、前の勤務者からの引継ぎが不十分だと重要な情報が伝わらず、ミスが起こる可能性があります。
また、指示内容の聞き間違いや、作業手順の変更が他の作業者に伝わっていない場合もヒヤリハットのリスクを高める要因です。
これを防ぐには、適切なコミュニケーションの確保と、作業手順や注意点の共有を徹底することが欠かせません。ヒヤリハットの発生を防ぐためには、日々の小さな改善が大きな差を生むことを意識し、作業環境や作業者自身の状態を常に最適化していくことが大切です。
本章で解説したヒヤリハットの根本的な原因に対するアプローチとして、「ヒヤリハット報告書による事例の共有」が挙げられます。
事象では、ヒヤリハット報告書の活用メリットや記載例、記載のコツについて解説します。
ヒヤリハット事例は報告書でストックする
厚生労働省のサイトでも、ヒヤリハット事例は公開されています。これらの事例は参考になりますが、重大事故を防ぐには、自社内で発生したヒヤリハット事例を報告書として提出し、ストック・共有することが重要です。
現場での実体験をもとにした事例は、会社特有の環境や業務に即した対策を見つける手助けとなります。ここでは、ヒヤリハット事例の報告書を書く時の方法について以下3つのポイントをご紹介します。
- ヒヤリハット報告書の書き方
- 報告書に含めるべきポイント
- 報告書を書くときのコツ
以下の記事でも報告書例文や対処法について詳しくご紹介していますので、本記事と併せてご覧ください。
関連記事:ヒヤリハットとは?報告書の例文や業界別の事例、対処法について紹介
ヒヤリハット報告書の書き方
ヒヤリハット報告書は、一般的に企業内で使用されるフォーマットを基に作成されますが、その内容は企業によって異なることがあります。基本的な報告書の書き方としては、以下の項目を含めるのが一般的です。
発生時の状況 | 日時、場所、どのような作業中に発生したかなど |
原因 | 直接的な原因だけでなく、背景にある間接的な原因も考慮する |
対策 | 再発防止のための具体的な対策 |
まず、ヒヤリハットが発生した状況を詳細に記載します。この状況には発生時の日時や場所、関わった人々、また何が起こったのかが含まれます。その上で原因を分析し、具体的な再発防止策を記載することが必要です。
これらの情報を正確に記載することで、他の社員にもリスクを共有し、同様の事態を未然に防ぐことが可能になります。
具体的な再発防止策の例や考え方については、以下の別記事で詳しく展開しています。是非ご覧ください。
関連記事:再発防止策の具体例4選!ミスが起こる理由から効果的な対策の立て方まで解説
報告書に含めるべきポイント
ヒヤリハット報告書を作成する際には、以下の項目を含めることでより具体的かつ効果的な報告書となります。
報告者の情報 | 当事者の名前や所属部署などを記載する |
状況 | 発生した日時や場所、どのような状況で発生したのか記載 |
起こりそうになった事故 | どのような事故が発生する恐れがあったのかを明確にすることで、リスクの全体像を把握 |
発生した原因 | なぜヒヤリハットが発生したのか、その原因を詳細に分析する |
再発防止策 | 同様の事態が発生しないよう、具体的な対策を提案する |
これらの情報をまとめることで、組織全体でリスク管理の重要性を認識し、より安全な職場環境を作り出すことが可能になります。
報告書を書くときのコツ
ヒヤリハット報告書を書く際は情報を整理し、読み手にとってわかりやすい内容にすることが重要です。以下に、報告書を書くときのコツを紹介します。
5W1Hを意識する | 以下のポイントを整理することで、報告書の内容が具体的かつ明確になる ・誰が(Who) ・何を(What) ・いつ(When) ・どこで(Where) ・なぜ(Why) ・どのように(How) |
事実に基づく記載 | 感情や推測ではなく事実に基づいて記載することで、信頼性の高い報告書を作成できる |
原因分析の深堀り | 直接的な原因だけでなく間接的な要因もないかどうか考え、再発防止策の効果を高める |
迅速な記載 | 記憶が曖昧にならないよう、できるだけ早めに報告書を作成することが大切 |
ヒヤリハット報告書は、ただの手続きではなく、現場の安全性を高めるための重要な報告書です。従業員全員が素早く適切に報告書を作成すれば、重大な事故の発生を未然に防ぎ、職場環境の向上が期待できます。
ヒヤリハットの事例報告を継続的に続けるには?
ヒヤリハットの報告は、事故を防ぐための重要なステップです。社内で共有すれば、対策強化や社員教育の材料になります。
しかし、ヒヤリハットの報告を習慣化することは意外と難しい側面があります。そのため、継続的に報告を続けるための工夫が必要です。
ここでは、ヒヤリハット報告をスムーズに行うための具体的なコツを2つ紹介します。
- ヒヤリハット報告書が簡単に作成できるようにする
- ヒヤリハット報告書を作るメリットを伝える
ヒヤリハットのネタ切れ対策については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
関連記事:ヒヤリハットのネタ切れ対策方法とは?具体的な事例やネタを紹介
ヒヤリハット報告書が簡単に作成できるようにする
ヒヤリハット報告が続かない大きな理由の一つは、報告書の作成に手間がかかることがあります。報告書作成が複雑であったり、どこに何を書けばいいのか分からない場合、従業員は報告を避けがちです。
これを防ぐには、報告書のフォーマットをあらかじめ作り込み、簡単に記入できるようにすることが有効です。報告書には、記入すべき情報が明確に示されており、誰でも迷わず書けるような形式を採用します。
また、ヒヤリハット報告の書き方を解説したマニュアルを作成しておくことも効果的です。こうすることで報告書作成のハードルが下がり、報告の継続性が高まります。
ヒヤリハット報告書を作るメリットを伝える
従業員が積極的にヒヤリハット報告を行うには、報告することによるメリットを理解してもらうことが重要です。たとえば、ヒヤリハット報告が多い部署や個人に対してフィードバックや評価を行い、その報告が組織全体の安全向上に貢献していることを実感させることが大切です。
さらに、ヒヤリハットの事例をもとに重大事故を防止するための手順書やマニュアルを作成すれば、組織全体の安全性が向上するだけでなく、報告者の評価が高まるという良い循環が生まれます。
これにより、社員のモチベーションも向上し、積極的な報告文化が形成されるでしょう。
ヒヤリハットの事例を活かしたマニュアルは動画との相性が◎
ヒヤリハット報告は、ただ報告するだけではなく、その事例を活用することが求められます。
具体的には、報告されたヒヤリハットを基にして新たなリスクを発見し、そのリスクを防ぐためのマニュアルや手順書に反映させることが大切です。
この際に、動画を活用することで、実際の状況が視覚的に理解しやすくなります。
動画を見ることで「どのような状況で何が問題だったのか」を瞬時に把握できるため、内容が印象に残りやすく、効果的な学習が可能となります。
せっかく報告されたヒヤリハット事例を無駄にせず、適切な対策に結びつけることが効果的な安全管理の鍵といえるでしょう。
実際に起きたヒヤリハット事例を動画で伝える
ヒヤリハットが起きた際、その原因や防止策を効果的に伝える手段として動画の活用が有効です。
具体的には、フォークリフトを使用する職場での事例を考えてみましょう。たとえば、フォークリフトと通行人が接触しそうになった場面があったとします。
この場合、原因として考えられるのは、決められた作業手順を守っていなかったことや、作業環境の安全対策が不十分だったことなどです。
このような状況を動画で再現することで、作業手順を守らなかった場合に「どのような事故につながる可能性があるのか」を視覚的に伝えられます。視覚的な教材を使用すれば、視聴者は危険性を実感しやすくなり、具体的な行動の改善に結びつけやすくなります。
さらに、外国人労働者が多い職場でも、動画は言語の壁を越える手段として有効です。言葉の理解が難しい場合でも、動画によって危険な状況を視覚的に確認することで「何が危ないのか」を直感的に理解できます。これは安全教育を効果的に進めるための大きな助けとなります。
ヒヤリハット事例や過去トラの共有に動画マニュアルを活用している事例について、以下のハンドブックで詳しくご紹介しています。
「ヒヤリハットがなかなか減らない…」「安全対策はやっているのに、効果がない…」とお悩みの固い役立つ内容となっておりますので、是非ご覧ください。
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まとめ:ヒヤリハット事例は動画マニュアルにして活かそう
本記事では、様々な職場で起こりうるヒヤリハットの事例を紹介しました。これらの事例は、今後の安全対策やマニュアル作りに活かせる情報です。厚生労働省などで公表されているヒヤリハット事例も参考になりますが、やはり自社で実際に発生したヒヤリハットに対して適切な対策を講じることが、重大な事故を防ぐための効果的な手段となります。
ヒヤリハットが発生した状況やどのような対策を講じるべきかについては、必ずマニュアルにまとめておきましょう。これにより、実際にヒヤリハットを経験した社員だけでなく、他の社員とも情報を共有することが可能です。
さらに、ヒヤリハットの事例や対策を動画でマニュアル化することをおすすめします。動画によるマニュアルは、文字や静止画だけでは伝わりにくい危険な状況や対策の重要性を、視覚的に直感的に理解させることができます。
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日々の業務で常に「安全第一」を心がけるためのツールとして、動画マニュアルを活用していくことが、事故防止に繋がる第一歩です。
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