スキル管理と教育の効率化を同時に実現する、スキル管理システム「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
スキル管理は従業員が持つスキルを体系的に管理し、見える化することで、適切な人材配置や効率的な育成を可能にします。
皆様の中には、
- そもそもスキル管理って何?
- スキル管理のやり方を知りたい!
- スキル管理を行えるスキルマップのテンプレートが欲しい!
といった疑問や悩みを抱いている方はいらっしゃるはず。
そこでこの記事では、スキル管理の目的や方法、そしてスキルマップの活用について詳しく解説します。
目次
そもそも「スキル」とは?
スキルとは、業務やタスクを成功に導くために必要な知識や技術、能力を指します。ここではさらに細分化して以下の3つのスキルについて解説します。
- テクニカルスキル
- ヒューマンスキル
- コンセプチュアルスキル
テクニカルスキル
テクニカルスキルは、具体的な業務を遂行するために必要な専門知識や技術のことを指します。
例えばエンジニアであればプログラミングや機械の操作が該当し、営業職なら製品知識や市場分析がテクニカルスキルに含まれます。特定の分野に特化したスキルであり、個々の仕事に直接結び付く点が特徴です。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルは、他者と良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションを図るための対人能力です。
協力体制を構築し、チーム全体で成果を出すために必要とされるスキルであり、コミュニケーション能力、交渉力、リーダーシップなどが含まれます。とくに異なる部署や多様なチームメンバーと連携する場面で重要で、信頼関係の構築や意見交換をスムーズに行うために必要な力です。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルは、「概念化能力」とも呼ばれ、複雑な状況を把握し、その本質を見極めて問題や課題を発見し、解決策を導く力を指します。
コンセプチュアルスキルは、とくにマネージャーなどが組織全体の戦略を考える際に必要とされます。具体的には、状況を広く捉える状況把握力、データを解析する情報分析力、ビジョンを描く構想力、そしてそのビジョンを実行に移すための問題解決力が含まれます。
またコンセプチュアルスキルを発揮するためには、論理的思考や批判的思考、創造的思考など、思考の柔軟さや深さも必要です。
スキル管理とは?
スキル管理は、事業成果を最大化するための重要な手法の1つとして、多くの企業で取り入れられています。
ここではスキル管理の具体的な内容や目的、メリットについて解説していきます。
スキル管理とは具体的に何をするのか
スキル管理では、従業員が保有しているスキルを把握し、組織全体で可視化します。具体的には、個々の従業員が持つ資格や能力をリスト化し、データベース化することで必要なスキル、不足するスキルを一目で確認できるようにする仕組みを整えます。
「クラウド型スキルマップtebiki」を活用して、製造業におけるスキルマップを作成してみた例が以下です。
またスキル情報は従業員の成長や評価、さらには人材育成計画の立案にも役立てられます。人材育成計画では、現状のスキルだけでなく、将来的に必要となるスキルも考慮し、長期的な成長を支えるための土台として活用します。
スキル管理の目的
スキル管理の目的は、以下の2点を達成することです。
- 人的資本の適材適所
- 効率的な人材育成
まず1に関してですが、これは、従業員の持つスキルや知識、経験といった人的資本を把握し、それを最大限に活用するために、適切なポジションや役割に配置することです。
たとえば、機転が利いて交渉力の高い人は営業部門に、市場のトレンドに敏感で分析能力が高い人はマーケティン部門に、といった具合です。
そして2の効率的な人材育成ですが、これは、それぞれの従業員において「どのようなスキルが」「どれだけ足りない」かを可視化することで、無駄のない教育を実現することです。
たとえば、マーケティングツール各種の使い方を教育する際に、「〜さんは、これとこれを習得している」ということが可視化されるので、すでに習得したツールを再度教え直してしまう無駄が発生しません。
スキル管理のメリット
スキル管理は、企業や従業員双方にとって大きなメリットをもたらします。ここでは具体的なメリットとして以下の5つを解説します。
従業員のスキルが可視化される
スキル管理を実施することで、従業員が持つスキルを一元化し、組織全体で可視化することが可能になります。可視化により、誰がどのスキルを持っているかを迅速に把握できるため、各プロジェクトや業務に適した人材を配置しやすくなります。
育成計画が効率化する
スキル管理を行うことで、従業員一人ひとりのスキルレベルが明確になり、それにもとづいた効果的な育成計画が策定できます。育成計画の策定では、まず現在のスキルを把握し、将来的に必要なスキルとの差を埋めるための具体的な行動を定めます。育成計画が効率化されることで、従業員に適切な研修などを提供でき、個々の成長を促進できます。
キャリアパスが明確になる
スキル管理を行うと、従業員のスキルが体系的に整理されるため、キャリアパスを明確に描くことが可能です。従業員は、自身が次に習得すべきスキルや、そのスキルがどの役職や業務に結びつくかを具体的に理解できるようになります。そのため、将来のキャリア目標に向けて計画的にスキルを磨け、モチベーションの向上にもつながります。
人材配置の最適化が可能になる
従業員のスキルを管理し可視化することで、適材適所の人材配置が可能になります。スキルにもとづいて最適な人材を選定することで、プロジェクトの効率性や生産性を向上させ、組織全体のパフォーマンスを引き上げます。例えばプロジェクトの開始時に必要なスキルを明確にし、スキルが合致する従業員を配置することで、タスクの遂行能力が高まり、成果を最大化できます。
欠員が出たときの対応力が向上する
スキル管理を適切に行っておくことで、急な欠員が発生した際でも迅速に対応できるようになります。スキルマップを活用して、誰がどのスキルを持っているかを即座に確認できるため、必要なスキルを持つ代替要員をすぐに見つけることが可能です。
スキル管理とタレントマネジメントの関係性
「スキル管理」と近しい概念として「タレントマネジメント」があるので、簡単に触れておきましょう。
スキル管理は前述したとおり、スキルを可視化して管理することですが、タレントマネジメントはスキルを可視化するだけでなく、可視化したスキル状況に基づいて人材配置を変更したり、教育計画を考えたりすることも含みます。
タレントマネジメントを効果的に行うためには、まず従業員のスキルを把握していることが前提となるため、スキル管理はタレントマネジメントの基盤と言えます。両者は、目的と手段の関係にあると言えます。
余談:「力量管理」との違い
「力量管理」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、ISO9001における品質管理の文脈で使われる重要な概念です。力量管理は、従業員の能力を把握し、業務を円滑に進めるために必要なスキルや知識を管理するプロセスを指します。基本的にはスキル管理と同様に、従業員の能力を見える化して適切に活用することが目的です。
詳細な手順やスキルマップの活用方法については、以下の関連記事も参照してください。
関連記事:【ISO9001】力量管理とは?手順やスキルマップの作成方法も解説!
スキル管理のやり方
スキル管理に役立つツールや方法として、スキルマップやスキル管理システム、タレントマネジメントシステムの活用があります。ここでは以下の順に解説します。
- スキルマップを活用する
- スキル管理システムを活用する
- タレントマネジメントシステムを活用する
スキルマップを活用する
スキルマップとは従業員が保有するスキルを可視化し、組織全体で一目で確認できるようにした表や一覧のことです。スキルマップを活用すると、各従業員のスキルや能力を整理して、どのプロジェクトに最適な人材かがすぐに把握できるため、スキル管理が効率的になります。
また、今後必要となるスキルのギャップを見つけ出し、育成計画に反映させることも可能です。スキルマップの作成や運用方法については、以下の関連記事で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【Excelテンプレ付】スキルマップの作り方!評価基準は?運用のコツも解説
なお、後述の「【無料DL可】Excelで使えるスキルマップテンプレート」では、すぐに使えるテンプレートを無料でダウンロードできます。
スキル管理システムを活用する
スキル管理システムとは従業員が保有するスキルをデジタルで一元管理し、効率的にスキル情報を整理・更新するためのシステムです。スキル管理システムを活用することで、手動での管理に比べ、スキル情報をリアルタイムで更新・共有できるため、情報の鮮度が保たれ、組織全体のスキル状況を正確に把握することが可能です。
また、スキル管理システムは、自動でスキルのギャップや不足している能力を分析し、育成計画に役立てられるのも大きな利点です。さらに資格の有効期限や研修履歴の管理もシステムで自動化されるため、従業員の成長やスキル維持に関する作業負担を軽減できます。
タレントマネジメントシステムを活用する
タレントマネジメントシステムとは従業員のスキルだけでなく、才能、経験、キャリア目標なども含めた総合的な人材データを一元管理し、最適な人材活用を実現するシステムです。スキル管理に特化したツールと違い、タレントマネジメントシステムでは、スキル情報に加えて従業員のパフォーマンス評価、モチベーション、キャリアパスといった要素も統合的に管理できます。
タレントマネジメントシステムを導入することで、各従業員の強みや潜在能力を最大限に活かし、適材適所の人材配置や長期的な育成計画が立てやすくなります。とくに大規模な企業や、長期的な組織成長を目指す場合に効果的なツールです。
【無料DL可】Excelで使えるスキルマップテンプレート
前述で紹介した中で最も手軽に行えるのが、スキルマップを活用したスキル管理ですが、自分の手で一から作るのは手間かと思われます。
そこで、Excelで使えるスキルマップテンプレートをご紹介します。
なお、現場改善ラボは製造業を主な対象として情報発信をしているメディアのため、製造業に特化したテンプレートは、弊社で独自に作成してご用意しました。
製造業向けテンプレート(項目例付き)
こちらは、製造業の方に向けてご用意したスキルマップのテンプレートです。また、本テンプレートは、スキルマップと教育訓練計画表がセットになっているため、カリキュラムの作成にも役立ちます。
以下のフォームに必要項目を入力すれば、無料でダウンロードできます。
製造業以外の業界/職種向けテンプレート(厚生労働省発行)
製造業以外の業界、営業や人事、労務、マーケティングなどの職種別に使えるテンプレートは、厚生労働省が発行しているページをご紹介します。
▼製造業以外の業界/職種の方はこちらをクリック
キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード|厚生労働省
スキルマップの作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてお読みください。
関連記事:【Excelテンプレ付】スキルマップの作り方!評価基準は?運用のコツも解説
スキル管理を実施する際のポイント
スキル管理を実施する際のポイントとして以下の4つを解説します。
評価基準の精度を高める
スキル管理を成功させるためには評価基準の精度を高めることが必要です。評価基準が曖昧だったり精度が低いと、実際のスキル状況と評価結果が一致せず、誤った人材配置や育成計画を招いてしまいます。
基準を明確にし、従業員のスキルを正確に評価するためには、定量的に測定できるテストや資格の取得状況などを活用することが有効です。結果として、スキルの評価が客観的かつ一貫性のあるものとなり、従業員の能力にもとづいた適切なフィードバックなどが可能になります。
定期的に更新する
スキル管理は定期的に更新することが重要です。従業員のスキルは日々変化し、新たなスキルを習得することもあれば、時には既存のスキルが陳腐化することもあります。スキル情報が古いままだと、誤った人材配置や育成が行われ、組織のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことになります。
スキルの更新作業を効率化するためには、紙ではなく電子化することがおすすめです。電子化により、手作業による煩雑さを排除し、定期的な更新が簡単に行えるようになります。またシステム化されたスキル管理は、更新の履歴や通知機能を活用することで、更新漏れを防ぎ、常に最新のスキル情報を維持できます。
クラウドのスキル管理システムを利用する
スキル管理を複数拠点や大規模な組織で行う場合、Excelなどのローカル保存のツールでは管理が煩雑になりがちです。クラウドのスキル管理システムを活用することで、どこからでもアクセスでき、複数拠点や部署にまたがるスキル情報を一元管理できます。
クラウドにより、全社的に統一されたスキル管理が可能となり、最新情報が常に反映される環境が整います。またクラウド上でスキル情報を管理することで、リアルタイムの更新や情報共有がスムーズに行えるため、異なる部署間や管理職同士の連携も強化できます。
個々のレベルに合ったカリキュラムや教材を用意する
スキル管理によって可視化されたスキル情報は、ただ管理するだけでは意味がありません。それをもとに、従業員のスキルを向上させるための教育プログラムを展開することが重要です。個々のレベルに応じたカリキュラムや教材を用意し、それに沿って従業員が成長できる仕組みを整えることで、スキル管理の効果が最大化されます。
例えば、動画マニュアルやeラーニングプラットフォームを活用すれば、各従業員が自分のスキルレベルに応じた内容を自学自習できるため、学習効果が高まります。後述する動画マニュアルなどの教育効率化ツールを活用することで、効率的な学習環境を整え、組織全体のスキルアップが期待できます。
おすすめのスキル管理システム「tebiki」
スキル管理はスキルマップを活用するのが一番手軽ですが、スキル管理システムを活用すると、より徹底的・効率的にスキル管理を実施できます。
ここでは、おすすめのスキル管理システム「tebiki」をご紹介します。
「tebiki」とは、スキル管理と教育効率化が同時に実現できる教育システム
「tebiki」は従業員のスキル管理と教育の効率化を一括で実現するシステムです。
「tebiki」ではまず、スキル管理に必要なスキルマップ作成が可能です。上の画像のような視認性の高いスキルマップをだれでも簡単に作成できます。
そして、「tebiki」ではマニュアル作成とそのマニュアルを使った教育も実施可能。文章ベースのマニュアルも作れますが、「動画」を活用したマニュアル、いわゆる「動画マニュアル」が作れるのが大きな特徴。自分たちで作ったマニュアルを使って、eラーニングソフトのような運用ができます。
前述の「スキル管理のやり方」でご紹介した内容に則すと、「スキル管理システム」以上「タレントマネジメントシステム」以下、といった捉え方もできるでしょう。
「tebiki」のスキル管理機能の特徴
「tebiki」のスキル管理機能の特徴として以下の3つを解説します。
- それぞれのスキルとマニュアルが連動する
- スマホやタブレットで入力可能
- クラウドサービス
それぞれのスキルとマニュアルが連動する
「tebiki」では従業員のスキルと動画マニュアルが直接連動しているため、スキル管理が効率的です。例えば、スキルに対してマニュアルが自動で紐づけられるため、評価基準や教育内容が明確になります。よって各従業員がどのスキルをどのように学ぶべきかをすぐに確認でき、正しい手順に沿った教育を進められます。
スマホやタブレットで入力可能
「tebiki」はスマホやタブレットで簡単にスキル評価や進捗の入力ができるため、現場での運用が非常にスムーズです。従業員や教育担当者が日常的に使うデバイスからリアルタイムに評価を記録できるため、紙やExcelでの煩雑な手続きが不要になります。
また現場で作業中にすぐに記録できるので、評価内容が漏れることなく、常に最新のスキルデータを管理することが可能です。モバイル対応により、スキル管理が迅速かつ手軽に行え、負担を軽減できます。
クラウドサービス
「tebiki」はクラウドベースのサービスを採用しており、複数の拠点や部署であっても一元的にスキル管理が可能です。クラウドにより、全拠点で最新のスキル情報をリアルタイムに共有でき、統一されたフォーマットでデータを管理できます。また、どこからでもアクセス可能なため、遠隔地からでもスキル情報の更新や確認が簡単に行えます。
「tebiki」の動画マニュアルで教育が効率化できる理由
「tebiki」の動画マニュアルで教育が効率化できる理由として以下の3つが挙げられます。
- 自学自習の教材として最適
- テスト機能で定量的な評価が可能
- 100ヶ国語以上の自動翻訳に対応
自学自習の教材として最適
「tebiki」の動画マニュアルは、自学自習の教材として非常に適しています。各従業員が自分のペースで学習でき、必要に応じて繰り返し視聴できるため、理解度が高まります。動画による教育は視覚と聴覚を同時に刺激するため、従来のテキスト教材よりも記憶に残りやすく、実践的なスキル習得に効果的です。さらにスマホやタブレットを使ってどこでもアクセス可能なため、従業員が現場にいながら即座に学べる利便性も備えています。
テスト機能で定量的な評価が可能
「tebiki」の動画マニュアルには、テスト機能が備わっており、教育の効果を定量的に評価できます。従業員が動画を視聴した後にテストを受け、理解度やスキルの習得状況を数値化できるため、単にマニュアルを学ぶだけでなく、その理解度を確実に把握できます。
またデータはスキル管理にも活用できるため、どの従業員がどのスキルを習得しているかを可視化し、適切なフィードバックや追加教育を計画することが可能です。
100ヶ国語以上の自動翻訳に対応
「tebiki」は100ヶ国語以上の自動翻訳機能に対応しており、多言語環境でも教育の効率化が可能です。自動翻訳機能を活用することで、各国の従業員が自分の母国語で動画マニュアルを理解でき、教育のスムーズな展開が可能です。言語の壁を取り除くことで、従業員の学習効率が向上し、組織全体で統一された教育が実現できます。
tebikiを利用してスキル管理を効率化しよう【まとめ】
「スキル」とは、業務を遂行するために必要なテクニカル、ヒューマン、コンセプチュアルな能力を指し、これらを管理することで組織のパフォーマンスを最大化できます。
スキル管理の目的は、従業員の能力を可視化し、効率的な育成や人材配置を実現することです。そのためにはスキルマップやスキル管理システムを活用し、定期的に更新しながら、個々の成長をサポートする必要があります。
「tebiki」は、スキル管理を簡便にし、動画マニュアルを通じて教育の効率化を実現できるツールです。とくに、スマホやクラウドを活用し、スキルと教育を直接連動させることで、従業員の成長を促進します。
tebikiの資料は無料で以下のリンクからダウンロード可能ですので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。