現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 現品票とは?納品書との違いや運用の課題、ペーパーレス化の手段を解説

製造業では「現品票」と呼ばれる伝票がよく使われます。ただ、現品票の役割や納品書との違いがわからないという方も多いでしょう。そこで、この記事では現品票について紹介します。加えて、近年行われている現品票のペーパーレス化についても解説するので、製造に関わっている方は最後までご覧ください。

また現品票をはじめとする、製造現場で使われる「帳票」のペーパーレス化をお考えの方は、以下の帳票デジタル化ガイドブックがオススメです。ぜひ本記事と併せてご活用ください。

おさえておきたい現品票についての基礎知識

まずは、現品票についての基礎知識をおさえておきましょう。

現品票とは?

現品票(げんぴんひょう)とは、出荷・納品の際に製品に貼り付ける伝票のことです。商品名・数量・品番コードなどの製品に関する情報が記載されているため、販売者と購入者は契約に基づいた正確な製品のやり取りが行われているかどうかを確認できます。

また、製品がどのように製造されたかを示す情報が含まれているため、不良品が発生した際は、スムーズに回収することが可能です。現品表には、従来のテキストによる記載方法と、最近主流になりつつあるQRコードやバーコードを用いた記載方法の2種類があります。

かんばん方式との関係

かんばん方式は、在庫を最小限に抑えつつ、製品の供給を効率的に管理する手法のことです。この方法は、トヨタ自動車が効率的な生産体制を構築するために開発されました。「かんばん」とは、特定の製品について「いつ」「どこで」「何が」「どれだけ」必要かを示す情報が記されたカードを指し、このカードを用いることで製品の管理と調整が行われます。このとき、現品票を使ったやりとりが行われることも多いです。

具体的には、部品を使用し始める際に「かんばん」を部品工場に送り返し、使用した数の部品だけを生産することで、無駄な在庫を削減することが可能です。ただ、物理的なカードの使用には紛失のリスクが伴うため、現在はデジタル化された「かんばん」が導入されています。

かんばん方式については以下の記事でも詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

現品票を活用する目的

現品票の活用にはさまざまなメリットがあります。ここでは、以下のメリットについて解説します。

  • 現品管理の抜け漏れをなくすため
  • 誤出荷を防ぐため
  • トレーサビリティを担保するため

現品管理の抜け漏れをなくすため

現品票を活用することで、現品管理の抜け漏れを防げます。現品管理では製品の正確な個数を把握することが不可欠ですが、商品の数を毎回数え直す作業は膨大な時間を要します。

現品票には、製品の管理に必要な情報(品目・製品コード・製造日など)がすべて記載されているため、入出庫の際の確認作業を効率化できます。正確な個数を把握できなければ、在庫の過多や不足が生じてスムーズな入出庫作業が行えなくなるため、現品管理を抜け漏れなく行うことは重要です。

誤出荷を防ぐため

現品票を活用することで、誤出荷を防げます。現品票と出荷指示書を照らし合わせることで、数量や品目にミスがないかをチェックできるからです。

配送先・数量・品目を間違えて出荷すると返品ややり取りが必要になるため、出荷の正確性は非常に重要です。

トレーサビリティを担保するため

現品票を活用する大きなメリットの1つに、トレーサビリティの担保があります。製造元や製造日、製品コードなどの詳細が記載されているため、不良品が発見された際に、問題のあった工程や不良品が発生した範囲・期間を特定しやすくなります。例えば、製造時に問題が発生した場合、同じ日に出荷した製品を迅速に回収することで、被害を最小限に抑えることが可能です。

トレーサビリティについての基礎知識やメリット、企業事例については以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。

現品票と似た書類との違い

現品票と似た書類として、以下の書類が挙げられます。

  • 納品書
  • 出荷指示書
  • 受領書
  • 検収書
  • 発注書

ここでは、現品票と上記書類の違いについて解説します。

納品書

現品票と納品書では、記載内容が異なります。現品票には製品に関する情報が記載されているのに対し、納品書には取引に関する情報が掲載されています
そのため、納品書は現品票と異なり、支払いを請求する際に使用されることが一般的です。

出荷指示書

現品票と出荷指示書も、記載内容が異なります。現品書では製品に関する情報が記載されているのに対し、出荷指示書は出荷するために必要な情報(出荷先の住所・出荷日・配送方法など)が記載されています
そのため、関連会社にも送られる現品票とは異なり、出荷指示書は社内の倉庫で商品をピッキングする際に使われることが一般的です。

受領書

現品票と受領書では、使用用途が異なります。現品票は商品が配送された時に内容を確認する用途で使用されますが、受領書は商品を受け取ったことを証明する用途で使われます
取引が完了する記録を残すために使われているため、法的な証拠としても機能することが特徴です。

検収書

現品票と検収書も、使用用途が異なります。現品票は配送された商品の内容を確認するために使われる文書ですが、検収書は契約通りのやり取りができたかどうかを確認するために使われる文書です
注文する際に必要になる情報(品質・数量・仕様など)が記載されており、会計部門が支払いの際に契約内容を確認するために使われます。

発注書

現品票と発注書も、発行されるタイミングが異なります。現品票は取引が履行(商品を発送)する際に発行されるのに対し、発注書は取引を開始する際に発行されます。発注書には現品票にも含まれる商品情報の他に、取引に必要な追加情報(価格・配送日・支払い条件など)が記載されています。
発注書は、購入者が取引内容が間違っていないかどうかを確認する目的で使われることが一般的です。

現品票の課題

製造業では欠かせない現品票は適切な取り扱いや管理が必要であり、特に紙の現品票には多くの課題が存在しています。
ここでは、現品票が抱える課題として以下の5つを解説します。

  • 運送中にはがれてしまう
  • ヒューマンエラーによるミスが発生しやすい
  • 貼り付ける工数や記入する工数がかかる
  • 更新や管理が難しい
  • データを蓄積して活用できない

運送中にはがれてしまう

現品票は商品が入ったケースに貼られていることが多いため、運送中にはがれるリスクがあります。特に、ケースを積み上げる際の衝撃や運送中の振動、悪天候中の積み下ろしではがれることが多いです
運送中に現品票がはがれてしまうとケース内を確認して再度貼り付ける必要があるため、業務効率を下げる原因となってしまいます。

ヒューマンエラーによるミスが発生しやすい

現品票は、ヒューマンエラーを原因とするミスが生じやすいです。特に、紙ベースの現品票では記入ミスや読み取りミスによる在庫数の不一致、ラベルの貼り間違いといったミスが発生しがちです。現品票を正しく取り扱わないことで手間が発生したり、トラブルに巻き込まれることもあるので注意が必要です。

現場改善ラボでは、ヒューマンエラーが発生する要因や対策方法について詳しく解説した記事をご用意しております。是非参考にしてみてください。

貼り付ける工数や記入する工数がかかる

現品票を活用する際は、貼り付ける工数や記入する工数がかかることを理解しておきましょう。これらの工程を削減するには、製造工程の見直しやシステムを導入する必要があるため、これまで以上に手間がかかる可能性があります。

また、梱包や包装熱処理の方法によっては、現品票を貼り付けるのが難しいケースもあります。そのため、現品票を導入する際は、自社に合った方法を考えることが重要です。

引用:ロット管理とトレーサビリティの現場運用課題を解決する方法とその成功事例

更新や管理が難しい

紙ベースの現品票は、更新・管理することが難しいです。情報に変更があるたびに、その都度手動で更新する必要があるため、商品情報が頻繁に変わる業界では大きな負担がかかってしまうでしょう。
また、商品が複数の拠点・部門を経由する場合、それぞれの場所で現品票を管理する必要があります。そのため、管理コストが増大して、業務効率が低下する可能性も考えられます。

データを蓄積して活用できない

紙ベースの現品票の場合は、データベースや分析ツールを使えないため、データを蓄積して活用するのが難しいという問題があります。確かに、手作業によるデータ入力でデータを蓄積したり分析したりできるようになりますが、膨大な時間がかかる上に、入力ミスのリスクを伴います
さらに、紙の現品票を管理するためには大量のスペースが必要になるうえに、時間が経つと紙が劣化するリスクも避けられません。

現品票のデータをはじめ、製造現場におけるデータ活用や分析は品質向上のために欠かせない要素です。製造現場で生産品質を向上させるデータ分析の手法について以下の動画でも詳しく解説しているため、是非参考にしてみてください。

生産品質向上のためのデータ分析と改善活動

現品票はペーパーレス化できる?メリットも紹介

ここまで、紙の現品票に関する課題や問題点を解説しましたが、現品票をペーパーレス化することは可能なのでしょうか。そこで、現品票をペーパーレス化する方法やメリットを紹介します。

ペーパーレス化の方法や成功事例については、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。

現品票はペーパーレス化できる

紙ベースの現品票を使用している場合、QRコードやバーコード、デジタル帳票ツールの導入によりペーパーレス化を実現することが可能です。このデジタル化により、紙の現品票に比べて、情報へのアクセス・更新が容易になります
また、モバイル端末や製造ライン上のシステムでの読み取りが可能になるため、作業の効率化も期待できます。

QRコードやバーコード化のメリット

QRコード・バーコードに移行するメリットは、以下の通りです。

貼り付け工数が大幅に削減できる

現品票をQRコードやバーコードへ移行することで、貼り付け作業の工数を大幅に削減することが可能です。紙ベースの現品票を使用する際は、商品ごとに詳細を記入してから貼り付ける必要があるため、大きな手間がかかってしまいます。

しかし、デジタル化された現品票では、入荷リストから直接QRコードやバーコードを印刷できるため、記入する時間がなくなります。さらに、小型プリンタと読み取り端末を活用することで、その場で印刷・貼り付けが可能になるため、作業効率が向上するでしょう。

入力や読み取りが簡単になる

QRコードやバーコードの利用により、データの入力と読み取りが格段に簡単になります。手作業での入力とは違い、デバイスを使って瞬時に情報を取得・印刷できるため、現品票の用意にかかる時間を大幅に削減することが可能です

さらに、QRコードやバーコードを採用することで、工場の既存システムやデータベースとの連携が容易になるため、作業ラインに導入しやすいというメリットもあります。

デジタル帳票ツールを活用する

デジタル帳票ツールを活用することで、情報が一元的に管理され、必要なデータを素早く検索・抽出することが可能です。これにより、社内で蓄積された膨大なデータを効率的に分析し、その結果をもとに生産性の向上や業務改善の施策を策定できます。

帳票ツールの選び方については以下の記事でも詳しく解説しています。是非参考にしてみてください。

デジタル帳票ツール活用のメリット

デジタル帳票ツールの活用には、以下のようなメリットがあります。

  • 端末があればリアルタイムで確認できる
  • データを蓄積し分析に使える

端末があればリアルタイムで確認できる

デジタル帳票ツールを使用することで、タブレット端末やパソコンを利用して社外からでもリアルタイムで情報を確認することが可能です。情報が更新されると、その瞬間にクラウドを通じて共有されるため、迅速な意思決定ができるようになります
さらに、データの入力・確認・承認が迅速に行えるため業務の遅延がなくなり、社内全体の生産性アップも期待できます。

データを蓄積し分析に使える

デジタル帳票ツールを活用することで情報が一元的に管理され、必要なデータを素早く検索・抽出することが可能です。そのため、社内で蓄積された膨大なデータを効率的に分析し、その結果をもとに生産性向上や業務効率改善の施策を策定できます

現品票のペーパーレス化や管理におすすめなツール

現品票のペーパーレス化や管理におすすめなツールを紹介します。

製造現場には「tebiki現場分析」がおすすめ

製造現場でペーパーレス化を行うなら、現場帳票の作成・記録・承認・分析が簡単にできるシステム「tebiki現場分析」を使うのがおすすめです。
紙やExcelでは難しかった画像の記録やリアルタイムな情報共有などが可能になるため、現品票をはじめとする帳票のやり取りや管理がスムーズに行えるようになります。

tebiki現場分析活用のメリット

「tebiki現場分析」を活用するメリットは、以下の4つです。

  • 現場帳票の作成や管理が誰でも簡単に行える
  • 記録の承認だけでなく新規作成や改版もスムーズにできる
  • 異常値をリアルタイムで把握できる
  • データの数値分析ができる

現場帳票の作成や管理が誰でも簡単に行える

「tebiki現場分析」は帳票管理に特化したサービスのため、ITスキルに自信がない現場社員でも簡単に帳票の作成・管理が行えます。また、タブレットのような縦型のモバイル端末に最適化されたデザインなので、Excelと比べるとストレスなくデータが入力できます

記録の承認だけでなく新規作成や改版もスムーズにできる

「tebiki現場分析」を使うと、記録の承認だけでなく、新規作成や改版もスムーズに行えます。そのため、帳票に関する業務を効率化でき、やり取り以外の生産的な業務に集中できるようになるでしょう。

異常値をリアルタイムで把握できる

異常値をリアルタイムで把握できる点も「tebiki現場分析」を使うメリットの1つです。
社外にいても現場の状況をリアルタイムで確認できるため、すばやく指示を出せるようになります
また、タイムリーに記録・承認を行うことで、現場社員の「効率よく生産する」という意識を高める効果も期待できるでしょう。

データの数値分析ができる

「tebiki現場分析」で記録を行うことで、データ分析の専門知識がなくても、直感的な操作で溜まったデータを可視化・分析することが可能です。そのため、効果的な製造プロセスの改善や設備の異常予防などが行えるようになります

「tebiki現場分析」について、以下の画像から機能詳細や導入サポート体制についてまとめた詳細な資料をダウンロードできます。
帳票のペーパーレス化について詳しく知りたい方やデジタル帳票ツールの導入効果を知りたい方は、是非参考にしてみてください。

まとめ

この記事では、現品票について解説しました。現品票を使うことで商品の管理が楽になり、誤出荷の頻度を減らせます。ただ、紙ベースのものだと紛失するリスクがあるため、これから導入をする方はペーパーレス化した現品票を運用してみましょう。

また、本記事では現品票をはじめとする帳票のペーパーレス化に最適な「tebiki現場分析」についても紹介しました。
誰でも簡単に帳票を作成でき、現場の課題を解決できる機能を備えた「tebiki現場分析」の詳細な資料は以下の画像からダウンロードできますので、是非ご覧ください。

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