現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【テンプレ付】不具合報告書の書き方は?不良対策書にも使える項目や例文も解説

かんたんデジタル現場帳票「tebiki現場分析」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

本記事では、不具合報告書のテンプレートや作成方法を中心に解説します。本記事でご紹介している項目は、不良対策書などの文書でもご活用いただけるので、ぜひご覧ください。

不具合報告書とは?活用の目的

不具合報告書とは、製品やサービスに発見された問題・誤作動を正確に記録し、社内外に報告するための文書のことです。報告書を作成することで不具合の情報をスムーズに共有できるため、迅速な改善につながります。

不具合報告書は、業務上で生じた不具合やトラブルを正確に把握し、再発防止策を検討するために作成されます。報告書には、不具合の発生場所や日時など、関連する情報を詳細に集められるように項目を設計します。そのため、問題を正確に分析し、表面的な対応ではなく根本的な解決策を見つけることが可能です。

製造業において、不良品が納品物に流出してしまった場合、不良対策書といった形で文書を社内外向けに作成します。不具合報告書はどのようなものか?よりイメージを固めるために、次章では報告書の例文をご紹介します。

【社内・社外別】不具合報告書/不良対策書の例文

ここからは、不具合報告書や不良対策書で参考にできる例文を、社内向けと社外向けに分けてご紹介します。

『他の例文も見てみたい!』という方は、私たちが作成した不具合報告書/不良対策書のテンプレートも併せてご覧ください。

【社内向け】不具合報告書/不良対策書の例文

社内向けの不具合報告書は、以下のように作成しましょう。社外向けと違い、問題点や改善点を具体的に記載することが重要です。

タイトル2025年2月12日 〇〇工場生産ライン停止に関する報告
宛先生産管理部 〇〇課長
差出人製造部 〇〇
発生場所・日時〇〇工場の生産ラインAで、2025年2月7日13時27分に発生
不具合内容2025年2月7日13時27分、〇〇工場内の生産ラインAが突然停止しました。この停止により、生産予定が2時間遅れるという影響が発生しています。
図面や写真(生産ラインの写真を添付)
不具合の原因調査の結果、生産ラインA停止の原因はプレス機のベアリングの摩耗による機能低下でした。この部品は、通常の使用期間を大幅に超えており、予期せぬタイミングで機能低下する可能性がありました。

また、部品の過度な摩耗は、定期的な点検時に見落とされていたことが判明しました。
不具合への対策プレス機のベアリングを新しいものに交換し、生産ラインAの動作を再開しました。今後は、使用期間に基づく周期(3ヶ月に1度)での交換ではなく、実際の摩耗状態を考慮した周期(1ヶ月に1度)での交換を行うことにしました。

また、毎週行われる定期点検に、部品の摩耗をチェックする項目を追加しました。

【社外向け】不具合報告書/不良対策書の例文

社外向けの不具合報告書は、以下のように作成しましょう。社内向けとは違い、影響が出る範囲や現状を明確にすることが重要です。他にも、ビジネスで使う文章として敬語に問題がないかも併せて確認しましょう。

タイトル2025年2月12日 〇〇工場生産ライン停止に関する報告
宛先株式会社△△ 〇〇様
差出人××株式会社 生産管理部 〇〇
発生場所・日時〇〇工場の生産ラインAで、2025年2月7日13時27分に発生
不具合内容当社の〇〇工場内で稼働中の生産ラインAが突然停止しました。この事態により、〇〇製品の生産に遅れが生じ、お客様への納品予定に影響が出る可能性がございます。
図面や写真(生産ラインの写真を添付)
不具合の原因当社で実施した詳細な調査により、生産ラインA停止の直接的な原因は特定の機械部品の摩耗によるものであることが判明しました。

定期的なメンテナンスは実施されていましたが、予期せぬ部品の早期摩耗が発生し、このような事態を招いてしまいました。
不具合への対策すでに該当部品は交換し、生産ラインの稼働を再開しております。今後は、毎週行われる定期点検で部品の摩耗状態を確認することで、このような不具合の再発防止に努めます。

また、本件による納品スケジュールの変更については、個別にご連絡させていただきます。

次章では、製造業向けに不具合報告書・不良対策書の見本としてお使いいただける、無料のテンプレートを配布しています。ぜひ参考例としてご活用ください。

【製造業向け】不具合報告書・不良対策書の無料テンプレートと作り方

ここからは製造業で使える、不具合報告書・不良対策書のテンプレートをご案内します。

『自社内での使用を念頭に、項目など細かく調整したい』という方には、Excel / Word / PowerPointそれぞれで自社テンプレートを作成する方法をご紹介します。

無料でダウンロードできるExcelテンプレート

今回、製造業向けの不具合報告書/不良対策書にお使いいただける、無料のExcelテンプレートをご用意しました。以下のフォームより、現場改善ラボのメルマガ会員登録をしていただくとお使いいただけます。

不具合報告書/不良対策書Excelテンプレート

【ツール別】不具合報告書・不良対策書のテンプレート作成方法と注意点

不具合報告書や不良対策書のテンプレートを整備する場合、主にExcel / Word / PowerPointのようなソフトを使用するケースが多いのではないでしょうか。ここからは、不具合報告書・不良対策書のテンプレート作成方法を解説します。

一方で、テンプレートは作って終わりではなく、ただ運用をするだけでは根本的な課題が解決できないケースがあることに注意が必要です。

  • テンプレートの運用ルールがなく、記載項目や内容の品質がバラつき、修正が発生する。
  • テンプレートに情報を打ち込んでも、品質不良など定量的なデータは別で分析が必要。

このような課題を解消する手段は、後述の『不具合報告書・不良対策書の電子化は「デジタル帳票」がオススメ』をご覧ください。

Excelの作成方法

Excelで作成する場合は、タイトル・発生場所・日時など、必要な項目を1セルずつ分けて記載しましょう。

WordやPowerPointと比べて簡単に表を作成できるため、図面や写真だけでなく、表やグラフなどを使用して不具合を説明することもオススメです。たとえば、時間ごとの不具合の発生傾向をヒストグラムなど、QC7つ道具を用いて表すことで、不具合の原因を論理的に解説できるようになります。

Wordの作成方法

Wordで作成する場合は、タイトル・発生場所・日時などの項目を、見出しとして設定しましょう。見出しを設定することで、報告書の構造が明確になり、読み手が必要な情報を簡単に見つけられるようになります。

他にもWordは文章執筆に特化しつつも、画像の添付も容易なツールなので、文章による詳細な説明に併せて写真も活用することが多い場合は、Wordでテンプレートを作成するのがオススメです。

PowerPointの作成方法

PowerPointで作成する場合は、タイトル・発生場所・日時など、項目ごとにページを作成しましょう。項目をそれぞれのスライドとして割り当てることで、必要な情報を見つけやすくなります。

加えて、PowerPointはプレゼンに特化したツールなので、報告会や会議で不具合報告を行う際にそのまま利用できるというメリットがあります。そのため、社内外に向けて不具合・不良の内容を直接共有する場面がある場合は、PowerPointで作成するのがオススメです。

不具合報告書の書き方は?不良対策書でも活用できる項目例

タイトル

問題点をスムーズに共有するために、タイトルを記載しましょう。タイトルに不具合の概要や重要なキーワードを含めることで、報告書を見た瞬間に概要を把握できるようになります。

たとえば「20XX年X月XX日-製品A不具合発生報告書」というタイトルでは、不具合が発生した日付・対象の製品・内容が記載されているため、読み手は一目でどのような内容の報告書であるかを理解することが可能です。

また、具体的なタイトルをつけることで数多くの書類の中から求めている報告書を見つけやすくなるため、膨大に補完されている報告書から該当資料を探す手間も省けます。

発生場所・日時

不具合報告書には、問題が発生した場所や日時を正確に記載することが重要です。場所や日時は、不具合が起こった状況を特定するために必要な情報のため、詳しく記載することで原因が究明しやすくなります

たとえば、同じラインで生産された製品で同様の問題が数件にわたり発生している場合、ライン自体に問題がある可能性が高いと推測できます。

宛先

不具合報告書には、宛先を記載しておくことも重要です。宛先を明確にすることで、不具合報告書が適切な担当者・部門に情報共有され、迅速に対応できるようになります。

また、報告書が特定の人・チームに宛てられることで、その問題の重要であること、適切な対応が求められていることを強調する効果もあります。

対応する人を明確にしておくことで、適切に対応してもらえる可能性が高まるため、小さな不具合だとしても宛先は記載しておきましょう。

差出人

問題の報告元を明確にするために、差出人も記載しておきましょう。差出人の氏名・部署・連絡先を記載しておくことで、記載内容に疑問がある場合や問題の詳細を確認する際に、スムーズに連絡できるようになります。

責任の所在が明確になることは、迅速に改善活動を行うために不可欠です。そのため、部署名と名前は必ず記載しておきましょう。

また、社外に送る不具合報告書には、相手がスムーズに連絡できるように、社名・メールアドレス・電話番号なども省略せずに記載することが重要です。

不具合内容

迅速に問題解決を行うためには、不具合内容を丁寧に記載することも重要です。不具合の具体的な状況を共有することで、原因の追求や改善案立案が簡単に行えます

そのため、製品やサービスの名称や状況、不具合の影響範囲などを詳しく記載しましょう。不具合の詳細を記載することで、今後同様の問題が発生したときに対処法を考えることにも役立ちます。

図面や写真

問題の状況をより明確に伝えるために、図面や写真を記載することもおすすめです。図面や写真は、言葉だけでは伝わりにくい詳細な情報や、不具合が発生した具体的な状態を視覚的に伝えられます

また、不具合の共有がしやすくなるだけでなく、後日同様の問題が発生した際に過去の事例と比較検討するときにも役立ちます。そのため、システムの構造を示す図面や、不具合が発生した機械の写真などを添付することが重要です。

しかし、フォーマットによっては、図面や写真が不要な場合もあります。したがって、記載箇所がある場合のみ、図面や写真を挿入しましょう

不具合の原因

問題を根本から解決するためにも、不具合の原因を丁寧に記載しましょう。不具合の原因が明確になっていないと、適切な改善策を立てられません。

たとえば、製造ラインで品質不良が発生した場合、原因が機械の調整ミスにあるか、材料の品質悪化にあるかによって、対応策は大きく異なります。そのため、不具合の状況だけでなく、その背後にある根本的な原因も詳細に記載することが重要です。

根本的な原因も詳細に記載するためには、なぜその不具合が起きたのか深掘りが必要です。深掘りを行う手段としては「なぜなぜ分析」が効果的でしょう。


トヨタで学んだ『なぜなぜ分析』 (4)

対策

同様の不具合を発生させないためにも、具体的な対策を記載しておくことが重要です。

たとえば、製造ラインの塗装工程で塗装のムラが発生した際、塗装ブースの温度・湿度管理が不適切という原因が判明したとします。その場合、塗装ブースの温度・湿度がより精密に制御できる温度管理システムを導入する、塗装作業の前後で温度・湿度を記録する作業を導入するなど、具体的な対策が立てられるでしょう。

不具合が発生した原因を分析し、その結果に基づいて具体的な対策を考えることで、何をすればいいかわからずに問題を放置することがなくなります

不具合報告書・不良対策書を書く際の4つのポイント

誰にでも伝わる表現で具体的に記載するを心がける

不具合報告書・不良対策書を書く際は、誰にでも伝わる表現を使うように心がけましょう。

この文書は社内外問わず、さまざまな部署の人が閲覧することが想定されます。中には配属間もない、技術的な専門知識を持たない新人もいます。不具合の内容が誰でも理解できるように、専門用語や部署内でしか伝わらない言葉を使うのは避けましょう

また、問題を正確に伝えるために、状況を具体的に書くことも重要です。不具合の発生した場所・日時・不具合の内容などを詳細に記載することで、誰が読んでも正しく状況を把握できるようになります。

自動車部品の組み立てラインで部品の故障するが発生した場合、「部品Xが故障した」というあいまいな報告では、故障の原因・故障する環境や条件・故障の頻度などの具体的な情報が不足しているため、スムーズに問題解決できません。

この場合では「組み立てラインの部品Xを、高温多湿の条件で作業を行った際に、1時間あたり10個程度の不良品が発生する」といった具体的な報告を行いましょう。不具合の内容を具体的に記載することで、原因特定や対策立案をスムーズに進められます

5W1Hを意識する

不具合報告書を書く際は、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識することが重要です。明確な情報があればあるほど、迅速に問題解決を行えるようになるため、以下のポイントはすべて押さえておきましょう。

  • いつ(When):問題が発生しやすい条件・時間帯を特定できる
  • どこで(Where):不具合が発生した場所・環境を特定できる
  • 誰が(Who):関連する作業者・担当者を特定できる
  • 何を(What):不具合が生じた製品・サービスを特定できる
  • なぜ(Why):根本的な問題点を特定できる
  • どのように(How):不具合がどのような条件下で発生したのかを特定できる

不具合が発生した真因を明確にする

再発防止策を講じるためには、不具合が発生した真因を明確にすることが重要です。不具合が発生した場合、表面的な問題だけを修正しても、再度同じような問題が発生する可能性が高いです。そのため、問題を特定するだけでなく、なぜその問題が起きたのかを深く理解することが重要です。

たとえば、自動車の組み立てラインで、ボルトの締め付け不足が原因で部品が外れた事例があったとします。この場合、締め付け作業の不備を指摘するだけでなく、なぜ締め付け不足が発生したのかを深掘りしましょう。

作業者の技術不足・工具の破損・作業指示書の入力ミスなど、複数の要因が考えられるため、真因を明確にすることで適切な対策を行えるようになります。真因を明確にする手段の1つとして、なぜなぜ分析による究明が挙げられます。


トヨタで学んだ『なぜなぜ分析』 (4)

不具合報告書・不良対策書の電子化は「デジタル現場帳票」がオススメ

不具合報告書・不良対策書の電子化に「デジタル現場帳票」はなぜ有効?

WordやExcelではなく、帳票ツールで電子化する有効性として、大きく以下の3つが挙げられます。

  • 管理者がリアルタイムで現場の問題を把握できる
  • 写真の添付をかんたんに行える
  • 確認・提出が必要な場合にすぐ探し出せる

製造業の現場帳票デジタル化に特化したツール「tebiki現場分析」の場合、記録項目に対して異常値を設定することが可能です。不具合報告書のフォーマットに異常値を設定することで、現場の管理者には記録された段階で通知が届き、リアルタイムに現場のトラブルを把握できます

また、写真の添付も容易であるため、スマートフォンやタブレットで報告書を入力しつつ、デジタルデバイスで撮影した写真をそのまま添付できるスムーズさがあります。

作成された報告書・対策書は、そのままツール上で記録として一元管理がされるため、再度確認や提出が求められた場合に、検索機能で必要な情報を数秒で見つけられるメリットもあります

デジタル現場帳票の有効性をより詳しく把握したい方は、以下のリンクをクリックして参考資料をご覧ください。

不具合報告書・不良対策書を電子化できる帳票ツール

不具合報告書・不良対策書を電子化できる帳票ツールとして、製造業の方の場合は「デジタル現場帳票:tebiki現場分析」がおすすめです。

tebiki現場分析

tebiki現場分析は、製造現場で使う帳票の作成や記録、承認、分析を簡単に行えるデジタル現場帳票ツールです。製造日報や設備点検表、不具合報告書といった製造現場で使用される帳票をデジタル上で効率的に作成できます。

シンプルな操作画面で、直感的に現場帳票のひな形を作成することができるほか、入力時の正常値設定やExcelのような表形式による記録も行えます。記録データは自動グラフ作成機能によって、複雑な関数やマクロを組まなくても、かんたんに現場の可視化/データ分析が行えます。

主な特徴は以下の通りです。

  • 項目ごとに正常値設定が可能:正常値以外の記録は異常値として管理者にアラートが届く
  • 使いやすいインターフェース:デジタル端末に不慣れでもかんたんに操作可能
  • 正しい現場データを蓄積:マスタの登録、バーコード読取による情報入力、画像記録も可能
  • 記録の自動計算機能を搭載:任意の計算式を組み込むことで、不良率など自動で出力が可能
  • データ分析の専門知識は不要:パレート図や管理図、テーブル形式の表示が自動で更新

定量的なデータなど、実態に基づいた具体的な不具合報告書・不良対策書の作成に有効な機能を取り揃えています。具体的なtebiki現場教育の機能や活用事例、プランなどの情報は、以下のリンクをクリックしてサービス概要資料をご覧ください。

【まとめ】不具合報告書・不良対策書は電子化して効果的に運用しよう

この記事では、不具合報告書・不良対策書の記述方法やテンプレート作成方法などを紹介しました。

不具合報告書を作成すると、問題を正確に共有し、迅速に改善を行えるようになります。そのため、業務効率や製品の品質を向上させたい方は、不具合報告書を運用するのがおすすめです。

本記事では不具合報告書・不良対策書の作成に役立つツールとして「tebiki現場分析」を紹介しました。不具合報告書をはじめとした帳票を、誰でも簡単に作成・編集・運用できるようになるため、スムーズに帳票運用したいと思っている方は利用を検討してみてください。

「tebiki現場分析」の機能やプラン、実際の活用事例といった概要は、以下の画像をクリックしてサービス概要資料をご覧ください。


かんたんデジタル現場帳票 tebiki現場分析サービス資料

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