現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 溶接欠陥【アンダーカット対策】現場責任者が考える品質を安定させる仕組み化

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「またアンダーカットか……」溶接後の検査で欠陥が見つかり、手戻りや再作業が発生する。作業者ごとに仕上がりに差が出て、原因も曖昧…そのような状況に頭を悩ませていませんか。

結論として、アンダーカット防止の鍵は「個人の腕前」ではありません。経験や勘に依存した現場では、担当者が変わるたびに品質が揺らぎます。必要なのは、ベテランの暗黙知を言語化し、誰が作業しても同じ品質を再現できる仕組みづくりです

本記事ではアンダーカットの基礎知識や許容基準を整理したうえで、「発生しない溶接工程」をつくる根本対策を解説します。特に、経験則の形式知化と教育の標準化をどう進めるかという管理視点に焦点を当てます。「注意すれば防げる」「上手い人に任せるしかない」という発想から脱却し、教育と標準化で品質を安定させる具体策を、自社工程見直しのヒントとしてお役立てください。

目次

アンダーカットとは|溶接ビードの「えぐれ」欠陥

アンダーカットとは、溶接ビードの縁(母材との境目)に沿って、溝状のえぐれが生じる溶接欠陥です。一見すると小さな欠陥に見えることもありますが、応力集中や疲労強度の低下を招きます。その結果、製品の品質や信頼性に大きな影響を及ぼす重大な欠陥の一つです。

アンダーカットの定義と見た目の特徴

アンダーカットは溶接金属が十分に盛り上がらず、母材側が削り取られたように凹んでしまう状態を指します。ビードの端部に細い溝が連続して現れるのが特徴で、角度や光の当たり方によっては気づきにくい場合もあります。そのため、経験の少ない担当者が外観検査をした場合、「軽微な欠陥」と判断されがちです。

なぜ発生するのか?基本的な発生メカニズム

アンダーカットは、母材が過剰に溶ける一方で、溶加材がその溶けた部分を十分に埋められないことで発生します。過大な溶接電流や不適切なアーク位置、速すぎる溶接速度などが重なると、ビード端部の金属が流れきらず、溝状の欠陥が残ります。アンダーカットには、いくつかの要因があり、条件設定や操作方法の組み合わせによって起こる点が、原因特定を難しくするのです。

しかし、問題なのは「なぜ起きるか」だけではありません。発生したアンダーカットが、製品の強度や寿命にどのような影響を与えるのかを正しく理解していなければ、現場での重要度認識や対策レベルに大きな差が生じます。

次章ではアンダーカットがなぜ危険視されるのかを、強度と製品への影響の観点から解説します。

アンダーカットはなぜ危険か?強度と製品への影響

アンダーカットは、見た目以上に製品強度へ悪影響を及ぼす欠陥です。溶接部に局所的な弱点を生み、疲労破壊や割れの原因となります。長期使用や繰り返し荷重がかかる製品では、重大な品質トラブルにつながります。

疲労強度の著しい低下と応力集中

アンダーカットが存在すると溶接部の形状が不連続となり、外力が加わった際に応力が一点に集中しやすくなります。この応力集中は、静的な強度よりも疲労強度を大きく低下させる要因となります。

初期段階では問題が表面化しなくても、振動や繰り返し荷重が加わることで微小な亀裂が入り、最終的には破断に至るケースも少なくありません。

溶接割れや腐食の原因となるリスク

アンダーカット部は溶接金属と母材の境界に隙間や段差が生じやすく、溶接割れの起点となる可能性があります。また、凹部に水分や異物が滞留しやすくなるため、腐食が進行しやすい点も注意が必要です。特に屋外設備や湿度が高い環境では、腐食による断面欠損が進み、設計強度を満たせなくなるリスクがあります。

アンダーカットは疲労強度の低下や割れ・腐食の起点となるため、製品の安全性や耐久性に長期的な影響を及ぼします。そのため現場では、見た目で判断するのではなく、「設計上・品質上どこまで影響を許容するか」の基準を定めることが大切です。

次に解説するのは、その判断の拠り所となるアンダーカットの許容範囲と基準を整理します。

【合否判定】アンダーカットの許容範囲と基準

アンダーカットは危険性が高い欠陥ですが、すべてが即不合格になるわけではありません。用途や条件に応じて様々な基準が定められており、現場ではその基準に基づいた合否判定をします。ここでは判断の土台となる考え方を整理します。

基準におけるアンダーカットの許容値(深さ・長さ)

アンダーカットの許容可否は、深さ・連続性・使用条件などで判断します。代表的な考え方は以下の通りです。

アンダーカット判定の基本例

  • 深さ:0.5mm以下であること
  • 連続性:局所的で連続していないこと
  • 使用条件:静荷重部材か、疲労・振動を受ける部位かで判断が異なる

溶接部外観検査基準(JASS 6-20011 準拠)では、アンダーカットの深さは 0.3〜0.5mm 程度 を目安としていることが示されています。

参照:溶接部外観検査基準(JASS 6-20011) — 深さ e ≤ 0.3〜0.5mm 程度が基準値として記載あり

一般的にアンダーカットは、深さや長さによって合否判定をします。判定基準は様々な規格に沿って判定することもあれば、社内独自の基準に沿って判定する場合もあります。

基本的には自社のルールに従って判断し、社内の基準があいまいな場合は自社のルールを明確にしましょう。

人による「判定ブレ」を防ぐための検査基準の統一

アンダーカットの合否判定で現場が混乱しやすい原因の一つが、検査員や担当者ごとの判断の違いです。同じ欠陥でも一方は「問題ない」、もう一方は「要補修」と評価が分かれると、品質の一貫性は保てません。
このブレを防ぐためには、様々な基準を単に知っているだけでなく、自社に落とし込んだ共通ルールを整備することが重要です。

検査基準を統一する方法

  • 使用している基準を明確にする
  • 許容・不許容の写真や断面イメージを共有する
  • 測定方法(ゲージ・目視・拡大鏡など)を統一する

以上のような取り組みが、判断の属人化を防ぎます。「ベテランならOK、若手ならNG」といった、人によって異なる状態は品質リスクを招きます。

アンダーカットの検査は、一般的に外観検査が適しており、溶接ゲージやアンダーカットゲージなどで深さを測定します。アンダーカットの判定は、判断が難しい場合が多いです。判断に迷った場合は、安全側に立って欠陥部分の補修を推奨します。

ただし、判定基準を揃えるだけでは、アンダーカット自体はなくなりません。合否判定はあくまで結果の評価であり、「アンダーカットはなぜ発生したのか」という本質的な改善を掘り下げる必要があります。
 
次の章ではアンダーカットが起こる背景を整理し、原因別に発生要因を分解して解説します。

原因別:アンダーカットが発生する5つの主要因

アンダーカットは偶然起きる欠陥ではなく、溶接条件や作業方法に明確な原因があります。ここでは現場で特に発生頻度の高い5つの要因を整理し、どこに注意すべきかを解説します。

電流・電圧条件の不適合(過大電流・高電圧)

アンダーカットの代表的な原因が、電流や電圧の設定不良です。過大電流や高電圧で溶接すると、アークが強くなりすぎ、母材の溶け込みが過剰になります。その結果、溶接金属が盛り上がる前に母材端部が削られ、ビードの両脇にえぐれが生じます。

特に「溶け込み不足を避けたい」という意識から電流を上げすぎるケースは多く、結果的に強度低下を招く欠陥を作ってしまう点には注意が必要です。

電流・電圧のバランス

溶接の際は電流と電圧のバランスが重要です。電流は主に溶け込み深さや溶着量に影響し、電圧はアーク長やビード幅、溶融池の広がり方に影響します。

つまり、高い電圧で母材の溶ける範囲を広げた状態で溶接した場合、電流が低いと溶接金属の溶け込む量が少なくなり、溶け込み範囲が足りずビード止端に溝ができ、アンダーカットが形成されます。

電流や電圧は「大きければいい、高ければいい」というものではなく、適正な状態で設定しておくことがポイントです。

運棒(トーチ操作)と溶接速度のミス

溶接は、金属を溶かしながら線を引く作業です。溶接速度が速すぎると、溶融金属が十分に追従できず、母材の端だけが先に溶けてえぐれたまま凝固します。また、ウィービング時に端部での滞留時間が長すぎると側壁だけを溶かしすぎ、溶加材が十分に行き渡らず溝が残ります。

アンダーカットとは、母材を溶かした量を溶加材で埋めきれなかった結果生じる現象です。そこを意識して教育することで理解が得られやすくなります。

アークの角度と狙い位置のズレ

アークの角度や狙い位置が適切でない場合も、アンダーカットは発生しやすくなります。例えば、アークが母材端部に偏りすぎると、その部分だけが集中的に溶かされ、ビード形成が追いつきません。

特に隅肉溶接や姿勢が不安定な溶接では、無意識のうちに角度が崩れやすく、結果として片側だけにアンダーカットが生じるケースも多く見られます。溶接姿勢の安定は、品質確保の基本と言えます。

磁気吹き(アークブロー)や母材表面の影響

磁気吹き(アークブロー)は磁力によってアークが意図しない方向に流れる現象です。この安定しないアークが母材端部を不均一に溶かすことがあります。
溶接をすると電流が流れ、そのまわりには磁界(磁力のはたらく空間)ができます。この磁力がアークに作用すると、アークがまっすぐ進まず、横に引っ張られたり、押し戻されたりして溶接が安定しません。

また、母材に残留磁気(母材にもともと残っている磁力)がある場合は、その影響でもアークが不安定になります。すると、狙った場所に均一に熱が入らず、母材の端だけを強く溶かしてしまうことがあります。その結果、作業者が正しく操作していても、溶かしすぎた部分を十分に埋めきれず、アンダーカットが発生するのです。

さらに、磁力の影響に加えて母材表面の状態も無視できません。

油分・錆・塗膜などの付着物はアークの安定を妨げ、溶融池の挙動を乱す原因です。その結果、同一条件であってもビード形状や溶け込みにばらつきが生じやすくなります。

だからこそ次章では、作業者任せにせずアンダーカットが発生しない溶接工程をどう現場として作るかという視点から、根本的な改善策を解説します。

【根本対策】アンダーカットが生じない現場改善のヒント

アンダーカットを根本から減らすには、作業者の腕前に頼るのではなく、誰が作業しても一定品質を確保できる現場づくりが欠かせません。ここでは管理と教育の視点から改善策を解説します。

ベテランの経験則や暗黙知を「言語化」する(技術伝承)

アンダーカット対策が現場に定着しない要因の一つは、良品を生み出す判断基準がベテラン作業者の感覚や経験に依存し、言葉や数値として整理されていない点にあります。現場では「少し溜める」「このくらいの速さで動かす」といった曖昧な表現が多く、作業者ごとに解釈が変わることで品質のばらつきが生じます。

筆者自身も、マニュアルや作業要領書が整備されていないことも多かったため、溶接を覚える際は日常的に作業員の溶接を観察し、基礎的な操作や考え方を先輩から教わってきました。ただし、教えてくれた先輩社員も熟練者から口頭指導と実践を通じて技術を習得してきたためか、「アンダーカット」という専門用語自体を知らないこともありました。それでも実際の作業では良否の感覚を持っており、「端を溶かしすぎるとえぐれる」といった経験則をもとに品質を判断しています。これは現場でよくある光景であり、用語や理論は共有されていなくても、個人の経験の中には重要なノウハウが蓄積されています。

この状況は、筆者が新人時代に経験した電気保全業務と重なります。当時はトラブル対応のマニュアルがなく、先輩が不在の日に故障が発生すると、原因調査の進め方や復旧手順が分からず大きな不安とストレスを感じました。結果として実作業を通じて独学で覚えるしかなく、同じ失敗を繰り返しながら対応力を身につけた経緯があります。つまり、「できる人の頭の中にしかない知識」は、共有されない限り再現できないのです。

また、電気工事作業を後輩に指導する際にも、口頭説明だけでは思うような品質に仕上がらない場面が多くありました。例えばケーブルの被覆剥き一つでも、力の入れ方や刃の当て方の“感覚”は言葉だけでは伝わりません。もし当時、作業手順や手元の動きを動画で残していれば、後輩は何度も確認でき、理解が早まり、品質のばらつきも抑えられたはずです。

溶接においても同様に、ベテランの運棒や溶融池の見方といった暗黙知は、文章だけでなく動画として記録・共有することで初めて再現性を確保できます。アンダーカット対策を属人化させないためには、「良品ビードになる操作」を言語化・数値化すると同時にマニュアルを整備し、誰でも同じ判断と操作ができる状態を作ることが重要です。

「誰が教えても同じ教育内容」になる教育体制を整備する(標準化)

アンダーカットを安定して防ぐには、誰が指導しても同じ判断・同じ操作ができる教育体制を整備することが不可欠です。教育が属人化している現場では、溶接条件の設定や運棒の正しい動かし方、許容範囲の判断基準が教育する作業者ごとに微妙に異なり、その差が品質のばらつきとして現れます。つまり、作業者の能力差ではなく、良否を判断する基準や操作の方法が教育段階で共有されていないことが原因です。

品質を安定させるためにも、判断の軸そのものを揃える必要があります。

品質が安定している現場では、次のような教育体制が整えられています。

  • 判断基準の統一:アンダーカットの許容範囲、補修要否、NG事例を数値化・明文化
  • 作業準備の統一:保護具の着用、溶接棒・ワイヤの選定、適正電流・電圧の設定などを数値化・画像化
  • 操作方法の統一:運棒速度、アーク角度などを数値化・動画マニュアル化
  • 評価方法の統一:外観検査の観点、ゲージ測定方法、判定フローを共通化

これにより、「どの条件を優先して守るべきか」「どの状態が不良なのか」が教育段階で共通認識となり、指導者が変わっても同一の品質基準で作業が行われます。教育内容を体系化し、数値・写真・動画で共有することで、経験年数に依存しない安定した溶接品質が実現できます。

教育体制を整える場合、溶接情報センターが公開している「手溶接技能の伝承 被覆アーク溶接 -実技とそのポイント-」の動画を参考に自社に合わせた動画マニュアルを制作することをおすすめします。
この動画では作業準備から、言葉では表現しづらい操作手順(溶接棒の角度、溶融池の状態、溶け込み状態、スラグの清掃方法、ウィビング、留め時間の目安など)まで、分かりやすく解説されており参考になります。

ここから先はこの基準を実作業で守り、きれいなビードを引くための具体的な実践テクニックを解説します。

【防止対策】きれいなビードを引くための実践テクニック

アンダーカットは作業前の準備と操作の工夫で抑制できます。ここでは、現場で再現しやすく、誰でも実践できる具体的な溶接テクニックを解説します。

適正電流・電圧の「黄金比」を見つける方法

アンダーカット防止の基本は、母材と溶接姿勢に合った電流・電圧設定です。過大電流や高電圧は、溶融金属が母材端部を削り取り、えぐれを生じさせます。

黄金比を見つけるポイントは、実際の母材の厚みに合わせて電流を決めることです。そして、その電流値に合うワイヤの直径を選びます。

半自動溶接機には、一般的に「一元化」機能が付いており、この機能を使うことにより設定した電流に対して電圧を自動調整してくれます。慣れないうちは「一元化機能」を利用しましょう。

溶接電流が高くなると母材の溶け込みが深くなり、溶接電圧はアークの安定性やビードの幅、母材の溶け込みに影響します。

まずは試し溶接して、ビード端が丸くなり、溶融池が安定している状態を基準に微調整しましょう。「高め設定で速く溶接する」より、「適正条件で安定させる」ことが、結果的に品質と作業効率を高めます。

ウィービングのコツと端部での「溜め」

ウィービング操作では、端部での溶融金属の滞留時間が重要です。振り幅だけを意識すると、端部の肉盛り不足によりアンダーカットが発生しやすくなります。

ポイントは、ウィービングの両端で一瞬「溜め」を作り、母材端部に十分な溶融金属を供給することです。特に立向・横向姿勢では、中央を速く、端部を丁寧に処理する意識が欠かせません。

運棒は速さよりリズムを重視し、常にビード形状を目視確認しながら進めることが安定品質につながります。

開先処理と黒皮・汚れの除去

溶接条件や操作が適正でも、下準備が不十分ではアンダーカットは防げません。開先形状が不適切だったり、黒皮・油分・錆が残っていると、アークが不安定になり溶融金属が均一に広がらなくなります。

特に黒皮はアークの流れを乱し、端部への溶け込み不足を引き起こします。溶接前にはグラインダーやワイヤーブラシで溶接線周辺を確実に清掃することが重要です。
下準備は地味ですが、アンダーカットを防止するためにも効果の高い作業のひとつです。

最新溶接機・ロボットによる自動抑制機能

近年の溶接ロボットでは、溶接条件(電流・電圧・ワイヤ送給)を自動制御してアンダーカットを抑制する機能が搭載されています。たとえばパナソニックの溶接ロボットWG4【TAWERS】では、電源とロボットを一体制御することで、溶接条件を高精度に制御し、スパッタ抑制や品質安定化を実現させています。

さらにHD-Pulse制御により、パルス溶接時の溶着不足によるアンダーカットを抑制することが可能です。その結果、高速溶接でもビード形状が乱れにくく、作業者の熟練度に左右されにくい安定した溶接品質が得られます。

ただし、溶接ロボットにもデメリットはあります。溶接ロボットは基本的に、設定された動作に基づいて溶接をします。溶接する製品の位置や溶接位置がズレても溶接ロボットはプログラム通り溶接をするため不良品が生産されてしまいます。

また、溶接ロボットを動作させるためには、ティーチングやプログラムといった専門知識が必要です。知識不足により誤作動が原因で大きな事故につながることもあります。溶接ロボットを導入する場合、取り扱う作業者の安全も含めて検討しましょう。

次は、万が一アンダーカットが発生してしまった場合に備え、正しい補修方法とやってはいけない対応について解説します。

「参照元:パナソニックの溶接ロボットWG4【TAWERS】より」

発生してしまった場合の正しい補修方法

アンダーカットが発生した場合は、見た目だけを整える補修では不十分です。強度と信頼性を確保するために、正しい手順とNG行為を理解して対応する必要があります。

ここから先は、どうやって補修するのか、何をやってはいけないのかを解説します。

グラインダー処理と再溶接の手順

アンダーカット補修の基本は、欠陥部を一度確実に除去してから再溶接することです。まずグラインダーでアンダーカット部分を削り、欠陥部分を除去します。この際、削り残しがあると再溶接したとき欠陥が内部に残るため注意する必要があります。

次に、ワイヤーブラシやきれいな布で、黒皮や表面の錆、削り粉を除去したうえで再溶接を行います。再度、アンダーカットが発生しないよう溶接条件を見直し、溶融池を安定させる設定に調整しましょう。補修後はビード形状を確認し、必要に応じて外観検査を行うことで、再発リスクを抑えられます。

やってはいけない「オーバーレイ(重ね)」補修

アンダーカット補修で避けるべきなのが、欠陥を削らずに上から溶接金属を盛るオーバーレイ補修です。一見するとえぐれが埋まり、外観は改善されたように見えます。

しかし、実際は欠陥が内部に残ったままとなり、応力集中や割れの起点になる危険性があります。また、溶け込み不足による内部欠陥を新たに作り出す可能性も否定できません。

アンダーカットは「隠す」のではなく、先述したように欠損部分を除去して再溶接することが原則です。製品品質と現場の信頼性を守るためにもオーバーレイ補修は避けましょう。

アンダーカット対策のまとめ|「技術」と「管理」で品質を高める

アンダーカット対策は、溶接技量の向上だけで解決できる問題ではありません。重要なのは、個人の感覚に頼らず、現場全体で品質を高める仕組み作りを意識することが大切です。
発生メカニズムや危険性を正しく理解し、基準に基づく合否判定を共通認識とすることで、判断のばらつきを抑えられます。

そのうえで現場では、技術面と管理面を意識することが重要です。

  • 技術面:適正電流・電圧、運棒、下準備など基本操作を確実に守る
  • 管理面:暗黙知の言語化をして、教育内容の標準化を実施。画像や動画でやり方や検査基準の統一を図る

これにより、誰が溶接しても一定の品質を確保できる体制が整います。また、万が一欠陥が発生した場合でも、正しい補修手順を守ることでリスクを最小限に抑えられます。

アンダーカット対策の本質は、「うまい人を増やす」ことではなく、「失敗しにくい現場を作る」ことです。技術と管理を組み合わせ、再現性のある品質づくりを進めていきましょう。

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