かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
従業員の身だしなみは、食品工場内の衛生環境に直結する重要な項目です。しかし、「従業員の認識が甘い」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実際に活用されている身だしなみチェックリストをもとに、食品工場で求められる「身だしなみ」について解説します。また、よくあるミスやその対策、従業員に徹底させる教育方法もご紹介します。
手間や時間をかけずに正しい服装ルールを教えるには、視覚的にわかりやすい「動画マニュアル」の活用が効果的です。動画マニュアルに期待できる効果やおすすめのツールについては、以下のマンガで分かりやすく解説していますので併せてご覧ください。
目次
食品工場における身だしなみ管理の重要性
食品工場では、食品衛生を確保する上で身だしなみ管理が重要な役割を果たします。
従業員が適切に身だしなみを整えることで、毛髪・ホコリ・細菌が食品に混入するリスクを低減できます。また、HACCPシステムの効果を高めるためにも身だしなみ管理は重要です。
厚生労働省の報告書『全国における食品への異物混入被害実態の把握』によると、平成28年から令和1年の間に寄せられた食品への異物混入事例の苦情のうち、第3位が人毛でした。身だしなみを徹底すれば、この発生件数はもう少し抑えられたかもしれません。
※厚生労働省が公開するデータをもとに現場改善ラボ編集部が作成
従業員へ身だしなみのルールを守らせるには、動画マニュアルでの教育がおすすめです。動画であれば、視覚的に理解しやすいだけではなく、教育の手間を減らせるというメリットも! 動画マニュアルの効果については、以下からマンガでぜひご確認ください。
食品工場の衛生基準を守る!身だしなみチェックの具体例
食品工場において徹底すべき身だしなみ項目をリストアップしてご紹介します。いま一度、ご自身や従業員の身だしなみを見直してみましょう。
服装
食品工場での服装は、清潔であることが大前提です。また、作業着を正しく着用することと適切なインナー選びも重要です。ここでは、作業着とインナーのチェック項目をご紹介します。
作業着
作業着は、食品との直接的な接触を防ぎ、体毛などの混入を防止します。以下のチェックリストを参考に、清潔な作業着を正しく身に着けられるようにしましょう。
- 清潔で汚れがない
- ほつれや破れがない
- ファスナーをしっかり上まで閉めている
- インナーはズボンの中にしまっている
- 襟を立てている
- 袖口や裾が閉じられている
- ポケットには何も入れない
作業着を清潔に保っていても、保管場所が汚れていては意味がありません。作業着と私服の保管場所を分けるなど工夫をしましょう。
インナー
インナーとは、作業着の下に着る服のことです。多くの食品工場では、体毛落下防止ネットなどのインナー着用が推奨されています。厳密なルールはないものの、以下のチェックリストを参考にしてください。
- 清潔で汚れがない
- 柔軟剤や香水の匂いがついていない
- 静電気が起こりにくい
- ボタンなどの外れるパーツがあるものは避ける
食品工場では目には見えない汚れや体毛の混入を防ぐため、腕まくりは禁止されています。通気性がよく快適に過ごせるインナーを選びましょう。
食品工場で働く人の服装が「白い」のはなぜ? 白色は、食品に混入する可能性のある髪の毛やホコリ、汚れなどを容易に発見できます。そのため多くの食品工場では、白い作業着が採用されています。また、従業員自身も、白い服装を着用することで、衛生管理の重要性を強く認識し、常に清潔な状態を保とうと意識づけられます。 |
帽子
食品工場で帽子を着用する1番の目的は、毛髪の混入を防ぐことです。髪の毛は気づかないうちに1日50〜100本抜けると言われています。このリスクを防ぐため、帽子は正しく着用しましょう。
- 帽子から耳が出ていない
- 帽子から髪の毛がはみ出していない
- 帽子をかぶる前にヘアネットも正しく着用している
- (髪が長い場合は)髪をまとめる
毛髪混入対策については以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方は併せてご覧ください。
関連記事:【事例あり】毛髪混入対策の「3原則」と実践的な防止策
マスク
食品工場でのマスクの役割は、つばや鼻水、鼻毛などの混入を防ぐことです。そのため、フィルター機能や防塵性はとくに必要ありません。そのため、マスクを選ぶ担当者は、長時間使用しても耳が痛まない / マスクの中が蒸れにくい / メガネが曇りにくいマスクを選定すると良いでしょう。
マスク着用における身だしなみチェックリストは、以下の通りです。
- サイズが大きすぎない
- サイズが小さすぎない
- 鼻から顎下までしっかり覆える
- 頬や顎下、鼻筋に隙間がない
- マスクの内側には触らない
爪や指
爪や指に潜んでいる細菌が、食品汚染の原因となる可能性があります。以下の身だしなみ項目をしっかりチェックしましょう。
- 爪は短く切る(手のひら側から爪が見えない程度の長さ)
- マニキュアをしない
- 指輪や時計を着用しない
細菌を洗い流すために、作業前には手洗い・アルコール消毒を徹底しましょう。手洗いの基本手順やポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひお役立てください。
関連記事:【完全版】食品工場の手洗いマニュアル!動画で教える方法は?
作業靴
作業靴の靴底には汚れが溜まりやすく、雑菌の温床になることがあります。次のチェックリストを活用し、作業靴の衛生を保ちましょう。
- 靴底の溝に汚れがない
- 靴の表面に汚れがない
- 作業後、毎日洗浄している
- 洗浄後、しっかり乾燥させている
- 定期的に交換している
靴底の確認は、転倒防止のためにも重要です。以下の画像のような保管の工夫を取り入れれば、靴底のへりと衛生状態のチェックを同時に行えるでしょう。
食品事故を防ぐ身だしなみのよくあるミスとその対策
食品工場では、知らず知らずのうちに「汚染物質を持ち込む危険」と常に隣り合わせです。ここからは、多数の現場で実際に起こったミスとその対策をご紹介します。
現場改善ラボでは専門家の視点から紐解く「異物混入対策」についてのセミナー動画を無料配信中。対策方法を従業員に徹底させる教育アプローチもご紹介していますので、以下をクリックしてぜひご覧ください。
毛髪混入
前述した通り、平成28年から令和1年の間に寄せられた食品への異物混入事例の苦情のうち、3位(全体の10.4%)が人毛でした。それだけ混入が多い毛髪が、無意識のうちに混入してしまう原因とその対策は以下の通りです。
よくあるミス | 対策 |
---|---|
もみあげ、えりあしの髪が 帽子からはみ出している | 相互チェックできるような ルール・習慣をつくる |
作業中に帽子がずれてしまう | 自分に合ったサイズを選択できるよう 見本を準備しておく |
頻繁に顔や頭に触る癖がある | 工場内ではむやみに顔や頭に触らない |
不適切な服装での作業
食品工場の現場では、他の製造現場以上に厳しい衛生管理が求められます。従業員が知らず知らずのうちに不適切な服装を選ばないよう、ルールを設けて教育することが重要です。
よくあるミス | 対策 |
---|---|
普段着のまま作業着を身に着ける | ルール決めを行う (例)上:Tシャツ、タンクトップ、キャミソール 下:ガードル、スパッツ、タイツ |
とくにポケット付きのインナーや外せるパーツ(ボタンやベルトなど)は、従業員が気に留めず着用している場合があります。リスク回避のために、上記のようなルールを定めましょう。
不十分なローラーがけ
作業着や帽子へのローラーがけが不十分だと、衣服に付着した髪の毛やホコリ等の異物が食品に混入するリスクが高まります。粘着ローラーがけでよくあるミスは、以下の通りです。
よくあるミス | 対策 |
---|---|
背中をローラーし忘れる | ペアでローラーがけをする・鏡で確認できるようにする |
粘着力のない状態でローラーする | 〇箇所使用したら交換するなどルールを決める |
ローラーがけが不十分 | 頭部30秒、腕40秒などタイマーで時間を計る |
ローラーをかけ忘れる部位がある | ローラーがけを行う場所にルールを掲示する |
シワが寄りやすい脇や袖などは、ローラーがけを行いにくいです。付着した異物を取り除けるように、丁寧にローラーがけを行るように指導を徹底しましょう。
入室の詳しい手順については以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:【テンプレあり】食品工場の入室マニュアル見本例!効果的に衛生管理を行うには?
従業員に身だしなみ管理を徹底させる方法
単にルールを設定するだけでは、従業員の意識改革や行動変容にはつながりません。そこで、身だしなみ管理を徹底するためのポイントを4つご紹介します。
衛生教育の実施
衛生教育は、従業員一人ひとりに身だしなみルールの重要性を理解させ、自主的な遵守を促す効果があります。とはいえ、教育には膨大な時間と労力がかかりますよね……。そこでおすすめなのが、目と耳でポイントがわかり、作成・保管・共有の手間が少ない動画マニュアルです。
動画マニュアルの詳しいメリットやツールについては、後述する「食品工場の教育課題は動画マニュアルで解決◎」で解説します。
また教育時は、上からルールを押しつけるのではなく、正しい身だしなみが行えている従業員を表彰する表彰制度や抜き打ちテストの実施などを行って、従業員のモチベーションを維持しながら行いましょう。
チェック体制の構築
誰でも理解できる具体的な基準を定めて、チェックできる体制を整えましょう。身だしなみをイラスト化すると一目でわかるのでおすすめです。
▼服装ルールのイラスト例▼
引用元:厚生労働省「小規模な惣菜製造工場における HACCPの考え方を取り入れた 衛生管理のための手引書」
身だしなみ用品の支給
身だしなみ用品の一部を支給することで、日常的に整った状態を維持しやすくなります。下記に示すのは、食品工場で支給されている身だしなみ用品の具体例です。
個人に向けたもの | ・作業着 ・体毛落下防止ネット ・帽子 ・作業靴 ・マスク |
共用で利用できるもの | ・鏡 ・爪切り ・ヘアブラシ ・ヘアコーム ・整髪スプレー |
ルール違反への対応
身だしなみを含めた衛生管理ルールを徹底するには、ルール遵守を促す教育と同時に、違反への適切な対応も有効です。ルール違反への対応をすることで、ルール遵守意識が向上すると考えられます。
ルール違反者へは、以下のような対応を行うと良いでしょう。
- 口頭での注意や指導
- 衛生教育の再受講や追加研修
- 悪質な違反や繰り返し違反を行う場合、懲戒処分を検討
違反者への対応を行う際には、違反行為の内容 / 対応内容 / 再発防止策などを記録し、管理しましょう。これらの記録は、今後の衛生管理体制の改善や従業員教育に役立てられます。
しかし、身だしなみなどの衛生教育は「手間がかかる」という課題が…
食品工場での身だしなみや衛生教育には、「手間がかかる」「なかなか効果が出にくい」という課題がつきもの。特に、紙マニュアルを用いた教育やOJTでは具体的に以下のような課題が挙げられます。
紙マニュアル | OJTなどの対面教育 |
---|---|
・細かい動作などが伝わりにくい ・マニュアル作成に工数がかかる ・情報更新のタイムラグが発生しやすい ・情報へのアクセス性が悪い | ・指導者の負担が大きい ・指導者によって伝えるポイントがバラつく ・1度に大人数教育するのが難しい |
食品製造業が直面している「教育課題の解決策」をまとめた資料もご用意しています。課題について詳しく知りたい方や対処法を知りたい方は、以下のリンクからご覧ください。改善事例つきなので、自社の食品工場で真似できる解決策が見つかるはずです。
食品工場の教育課題は動画マニュアルで解決◎
前述した「教育に手間がかかる」「正確に伝わらない」といった食品工場でありがちな教育課題を解決するには、動画マニュアルの導入がおすすめです。動画マニュアル導入によって、従業員教育や作業の標準化に大きく貢献します。
ここからは、動画マニュアルのメリットとおすすめツールをご紹介します。
動画マニュアルのメリット
動画マニュアルは、目と耳を使って内容が伝わるので、現場での作業のイメージがつかみやすい点が特徴です。文字や口頭での説明に比べ、短時間で必要な情報を伝えられるため、教育の効率化につながります。
また、検索機能を利用することでほしい情報がすぐに見つかる / 保管場所が不要 / 共有時の印刷や配布にかかるコストがゼロになるなど電子ツールならではのメリットもあります。
従来の教育方法が抱える課題や動画マニュアルの有効性をより詳しく知りたい方は、以下のマンガもご覧ください。
動画マニュアル作成なら「かんたん」にできるtebikiがおすすめ
動画マニュアル作成ツール「tebiki」は、動画マニュアルの中でも「かんたんさ」を追求したツールです。
▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼
必要な機能を厳選したシンプルな操作画面のため、パソコン操作が苦手な人でも使い始めたその日から動画マニュアル作成が行えます。また、tebikiには動画を簡単に作成できる機能のほかに、以下の機能も搭載されています。
- 自動翻訳機能
- 自動字幕生成機能
- オフライン視聴
- レポート機能
- テスト機能
- 従業員のスキル管理機能
ここでは紹介しきれなかった詳しい機能の内容や導入までのサポート体制については、以下の資料でご覧いただけます。
衛生教育を動画で効率化している企業事例
tebikiの活用によって、教育を効率化させた食品工場の事例を3社ご紹介します。どのように教育の効率化を実現させたのか見ていきましょう。
より多くの企業事例と効果を知りたい方は、以下のリンクから導入事例集をぜひご覧ください。
ロイヤル株式会社
▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:ロイヤル株式会社▼
ロイヤルグループ向けの袋入りレストラン用商品や機内食などを製造する、ロイヤル株式会社。同社では、繁忙期に1日50名以上の短期スタッフを受け入れることもあり、全員に衛生教育を実施するために多くの時間が必要でした。
教育者の負担を軽減し、教育記録を残せるツールを探す中でtebikiに出会い、操作の「かんたんさ」が決め手となり導入することに。
短期スタッフにtebikiでの教育を行ったところ、教育者は通常業務に加えて毎日同じ教育を行う必要がなくなり、新人教育工数をほぼ0まで削減! さらに、レポート機能で従業員の習熟度が「見える化」され、スキルに合わせた人員配置が可能になりました。
そんなロイヤル株式会社の事例を詳細に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インタビュー記事:繁忙期だと1日50名以上の新人受け入れ教育にtebikiを活用
株式会社大商金山牧場
次に、食肉の生産から加工、販売を行う株式会社大商金山牧場の事例をご紹介します。
株式会社大商金山牧場では、工場ごとに異なった方法で行われる衛生教育に不安を抱えていました。衛生教育マニュアルの統一化を進めていく中で電波のない環境でも使用できる動画マニュアルがあることを知り、tebikiの導入を決定しました。
その結果、工場ごとのマニュアル一元管理が可能に。その中でとくに質の高いマニュアルは会社の基準として共有でき、会社全体の衛生教育レベルの底上げにつながりました。
「tebikiの新機能もおすすめ」だと語る株式会社大商金山牧場の導入効果や新機能を詳しく知りたい方は、以下から記事をご覧ください。
インタビュー記事:衛生管理教育を徹底し、食肉の安全性を確実なものとするために動画マニュアルを活用!
イセ食品株式会社
最後に、鶏卵業界で国内最大手のイセ食品株式会社の事例をご紹介します。
イセ食品株式会社には外国籍の従業員が多く、教育内容が十分に伝わらないという課題に直面していました。そこで、100ヵ国以上の言語に自動翻訳が可能なtebikiに出会い、導入を決めます。
すると外国籍の従業員への教育の質が向上したことで現場作業が効率化!外国籍従業員のリーダーの方から続々と「ぜひ使いたい!」という声が挙がるまでになりました。
そんなイセ食品株式会社の事例を詳細に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インタビュー記事: 導入3か月で動画200本作成。食品製造現場の作業標準化と多能工化を推進。各工場含め会社全体で「品質向上」に取り組んでいます
まとめ
本記事では、実際に活用されている身だしなみチェックリストをもとに、食品工場で求められる「身だしなみ」について解説しました。
食品工場では、食品衛生を確保する上で身だしなみ管理が重要な役割を果たします。単にルールを設定するだけでなく、衛生教育の実施やチェック体制の構築を通じて、従業員の意識を高めることが重要です。
しかし、従来の紙マニュアルは作成や保管、共有に多くの「手間がかかる」という課題がつきもの。そこで、視覚と聴覚を使って内容を伝え、現場での作業イメージをつかみやすい動画マニュアルの導入がおすすめです。
とくに動画マニュアル作成ツール「tebiki」は、マニュアル作成が「かんたん」。世界100ヶ国語以上の言語に自動翻訳する機能や電波の入らない環境でも視聴できるオフライン機能なども備えています。
「tebiki」の資料は、以下から無料でダウンロードできます。ご興味のある方はぜひ詳細をご確認ください。