現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【2024年11月】安全衛生委員会ネタ例!面白いテーマや考え方とは?

安全衛生委員会とは、一定規模以上の事業場において設置しなければならないとされている組織です。しかし、安全衛生委員会は、注意しないと形骸化しやすい/会議が煮詰まってしまいやすいという問題があり、議論する際に工夫を凝らす必要があります。

そこで本記事は、安全衛生委員会のテーマ決めの方法や、煮詰まった際の解決策を紹介していきます。

安全衛生委員会で議論するべきネタ/テーマ例や実践的な考え方について、元労働基準監督署署長が解説する動画も無料でご覧いただけますので、本記事と併せて以下からご覧ください。

元労基署長が考える安全衛生委員会『ネタテーマ探しの視点』
 

目次

【2024年11月】の安全衛生ネタ/テーマ例

2024年11月は、「秋季全国火災予防運動(11月9日~11月15日)」「ボイラーデー(11月5日)」「過労死等防止啓発月間(11月1日~11月30日)」など、安全衛生に関する重要な行事が集中しています。これらの行事を参考に、委員会で議論すべき具体的なネタを考えていきましょう。

まず、秋季全国火災予防運動に合わせて、職場における火災リスクの再評価と予防対策について議論することを提案します。具体的には、職場内の火災発生原因となりうる箇所を改めて特定し、電気設備の点検状況や可燃物の保管状況、避難経路の確保状況などを確認します。議論を通して、具体的な予防策を検討し、社員への周知徹底を図りましょう。

また工場内にボイラーが設置してある事業者は、ボイラーデーに関連して、ボイラーの安全管理体制の見直しについて議論するのも良いでしょう。ボイラーの運転・保守管理体制、定期検査の実施状況、資格保有者の配置状況などを確認し、法令遵守の徹底と安全管理体制の強化について議論を深めるのも良いですね。

▼11月に制定されている行事など▼

期間行事内容
11月1日~11月30日特定自主検査強調月間
11月1日~11月30日過労死等防止啓発月間
11月1日~11月30日ゆとり創造月間
11月1日~11月30日労働保険適用促進強化月間
11月1日~11月30日職業能力開発促進月間
11月1日~11月30日品質月間
11月1日~11月30日『しわ寄せ』防止キャンペーン月間
11月5日津波防災の日
11月8日ボイラーデー
11月9日~11月15日秋季全国火災予防運動
11月10日技能の日
11月24日~11月30日医療安全推進週間

2024年の安全衛生ネタ/テーマ例年間カレンダー

元労働基準監督署署長である村木氏に、安全衛生衛生委員会の各月のネタ/テーマ例をまとめていただいたものを編集部でブラッシュアップしました。各事業所で安全衛生委員会を行う際のヒントとしてご活用ください。

以下のフォームから現場改善ラボのメルマガにご登録いただくと、年間カレンダー(PDF)をダウンロードできます。「カレンダーを事業所に貼りたい」という方は、こちらをお使いください。

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期間行事内容
1月12月1日~1月15日年末年始無災害運動
12月10日~1月10日年末年始の輸送等に関する安全総点検
1月15日~1月21日防災とボランティア週間
1月17日防災とボランティアの日
2月2月1日~2月29日省エネルギー月間
2月1日~3月18日サイバーセキュリティ月間
3月3月1日~3月31日自殺対策強化月間
3月1日~3月7日春季全国火災予防運動
3月1日~3月7日車両火災予防運動
3月1日~3月7日建築物防災週間
3月1日~3月7日子ども予防接種週間
3月1日~3月8日女性の健康週間
4月4月1日~9月30日熱中症予防強化キャンペーン
4月6日~4月15日春の全国交通安全運動
4月7日世界保健デー
5月5月12日~5月18日看護週間
5月14日~5月20日ギャンブル等依存症問題啓発週間
5月31日世界禁煙デー
5月31日~6月6日禁煙週間
6月6月1日~6月30日全国安全週間準備期間
6月1日~6月30日男女雇用機会均等月間
6月1日~6月30日土砂災害防止月間
6月1日~6月30日外国人労働者問題啓発月間
6月1日~6月30日環境月間
6月1日~7月10日労働保険年度更新申告期間
6月2日~6月8日危険物安全週間
6月4日虫歯予防デー
6月4日~6月10日歯と口の健康週間
6月5日環境の日
6月10日~6月16日火薬類危害予防週間
6月23日~6月29日男女共同参画週間
7月7月1日国民安全の日
7月1日~7月7日フォークリフト安全週間
7月1日~7月7日全国安全週間
7月1日~7月7日全国鉱山保安週間
7月10日労働保険年度更新申告期限
8月8月1日~8月31日電気使用安全月間
8月1日~8月31日食品衛生月間
9月9月1日防災の日
9月1日~9月30日全国労働衛生週間準備期間
9月1日~9月30日心とからだの健康推進運動
9月1日~9月30日健康増進普及月間
9月8日~9月14日救急医療週間
9月9日救急の日
9月10日世界自殺予防デー
9月10日~9月16日自殺予防週間
9月21日~9月30日秋の全国交通安全運動
9月24日~10月1日環境衛生週間
9月30日クレーンの日
10月10月1日~10月7日全国労働衛生週間
10月1日~10月31日体力つくり強調月間
10月1日~10月31日健康強調月間
10月10日目の愛護デー
10月14日体育の日
10月17日~10月23日薬と健康の週間
10月23日~10月29日高圧ガス保安活動促進週間
11月11月1日~11月30日特定自主検査強調月間
11月1日~11月30日過労死等防止啓発月間
11月1日~11月30日ゆとり創造月間
11月1日~11月30日労働保険適用促進強化月間
11月1日~11月30日職業能力開発促進月間
11月1日~11月30日品質月間
11月1日~11月30日『しわ寄せ』防止キャンペーン月間
11月5日津波防災の日
11月8日ボイラーデー
11月9日~11月15日秋季全国火災予防運動
11月10日技能の日
11月24日~11月30日医療安全推進週間
12月12月1日~12月31日職場のハラスメント撲滅月間
12月1日~1月15日年末年始無災害運動
12月10日~1月10日年末年始の輸送等に関する安全総点検

この表は、専門家視点でのネタ/テーマの選び方や、安全衛生委員会の進め方を解説いただいている『安全衛生委員会の実務とネタ選びのポイント』という現場改善ラボの記事より抜粋したものを最新版に改変しています。

また、以下のフォームから現場改善ラボのメルマガにご登録いただくと、年間カレンダーのデータをダウンロードできます。「年間カレンダーを事業所に貼りたい」という方は、こちらをお使いください。

安全衛生のために必ず外せないネタ/テーマ

防災の日

毎年9月1日は、防災を啓発する日として「防災の日」が制定されています。防災の日は、甚大な被害をもたらした1923年9月1日の関東大震災の発生が由良となっています。

安全衛生委員会では、防災の日付近に、巨大地震が発生したらどのような行動をすればよいかをシミュレーションすると良いでしょう。職場で大きな地震に遭遇したら、まずは身を守る。そして、誰が、何をするか役割を決めておく。従業員はどこから逃げて、どこに集合するか。年1回は必ず防災に関する確認をするようにします。

熱中症

厚生労働省が発表した調査結果によると、仕事中に熱中症を発症した人は、2023年には1,000人を超えました。これは、2015年の2倍の数字です。ここ数年で急に異常気象が進みましたが、気温が38℃を超えるニュースに慣れてしまい、驚かなくなってきたのではないでしょうか? 危険にさらされているにも関わらず、当たり前になると鈍感になってしまうのが人間の性質です。

暑くなる前から、どのようなときに水分補給を忘れがちになるのか、体験談も交えて職場で話し合うと良いでしょう。ちなみに、政府が呼びかけを行っている「熱中症予防強化キャンペーン」は、4月1日から9月30日に行われています。

大雨・大雪

これも異常気象の1つですが、短時間にまとまった降雨降雪が頻繁に起きるようになりました。河川が氾濫して地下駐車場に水がたまり、車が水没するニュースをたびたび目にします。あるいは、冬になると一晩で、身長を超える積雪になることもあります。

多すぎる水は人を死に至らしめることを改めて認識し、警報が出たらどのタイミングで業務中断と帰宅指示をするか、ルールを確認しておくと良いでしょう。

現場でウケる面白いネタ/テーマ

ここまで、安全衛生委員会で陥りがちな落とし穴を避ける方法を紹介してきました。ここからは安全衛生委員会で良いテーマを設定する方法、また避けた方が良い内容について解説します。

ヒヤリハット公募

危険予知トレーニング(KYT)を行っている企業は多いかと思います。安全衛生委員が職場を巡回して危険個所を見つけたり、絵を見せてみんなで危険な状況を想像してみたり、やり方は様々です。しかし、同じような危険個所の指摘になりがちで、徐々に飽きている従業員も少なくないでしょう。

そこで、従業員が経験したヒヤリハットや失敗談を公募して、職場に共有できそうなネタを集めるとよいでしょう。会社での体験だけでなく、休みの日に気づいたこと/買い物中に危ないと思ったことなど、日常生活に潜む危険も共有すると、従業員の興味を引きながら安全衛生について話し合えるでしょう。

健康川柳

第一生命保険が企画しているサラリーマン川柳のように、社内でも自虐ネタ/時事ネタを川柳にして、身の回りで起きていることも面白く発表するのも良いでしょう。5-7-5という短い言葉にまとめるのは平安時代から続く日本独特の文化であり、若手社員からベテラン社員まで、職歴の長さに関係なく取り組める啓蒙活動になります。

「自分が目指す体型」や、「元気に遊びまわっていた若い頃に戻りたい想い」を短い句にまとめ、大賞として表彰するとより面白いかもしれませんね。

▼2024年のサラリーマン川柳ベスト10▼

改善提案の表彰(安全アイデア)

最近注目されているネタ/テーマ

プチ筋トレ

コンビニ感覚で立ち寄れる「コンビニジム」の登場により、プチトレーニングをする人が増えています。少しでも健康でいたい、美しい体型を維持したいという意識の高まりを感じます。
機器を使わなくても自席や自宅でできるトレーニング」を月1回紹介することで、腰痛のような労災を減らしたり、メタボ予備軍を減らす活動が推進できるでしょう。

快眠のコツ

睡眠の質を高める飲料やアイテムが話題になるほど、睡眠を意識している人が増えています。そのため、ゆったりと睡眠できるような方法についてアイデアを出し合うのもおすすめです。

ストレスや不安が積み重なると、寝つきが悪くなり、寝ても頻繁に目覚めるなど睡眠の質が低下します。その結果、日中の仕事にミスが多くなり、場合によっては労災発生のリスクも増えます。ただが睡眠と捉えずに、従業員の睡眠環境を向上させる取り組みを行いましょう。

働き方改革

政府が推進する働き方改革の中で特に注目されてるのは、「時間外労働の削減」と「年次有給休暇の取得義務化」です。いわゆる昭和の仕事の考え方である「残業も顧みず働けるだけ働く」とは異なり、健康のため/自分磨きのため/趣味のために労働時間をコントロールし、休みをしっかり取る人が増えてきました。

働き方改革は、過労や睡眠不足による労働災害の減少も期待されるムーブメントであるため、従業員の肉体的、あるいは精神的な負担を減らす方法について、安全衛生委員会で話し合うと良いでしょう。

リモートワーク時の健康管理

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が第5類に移行しても、リモートワークを維持する企業もあると聞きます。そして、周りに人がいないのでついつい間食に手が伸びてしまい、体重が増えたという話をよく聞きます。勤務時間内にずっと座りっぱなしのためエコノミー症候群のリスクもありますね。

そのため、以下のような内容を、安全衛生委員会で話し合ったり、産業医の先生の意見を聞いたりすることが、ステイホームが緩和された今でも注目されています。

  • リモートワークならではの健康管理についての情報発信
  • 定期的に体を動かす工夫

そもそも安全衛生委員会とは?設置の目的

安全衛生委員会とは、労働者の意見を汲み取り、安全で衛生的な職場環境を整える組織/会合と考えればよいでしょう。

労働安全衛生法の第十七条と第十八条では、ある一定以上の規模の事業場では「安全委員会」「衛生委員会」を設置して安全で衛生的な職場環境を整えなくてはならないとされています。そして、両方とも設置する事業場においては、両者を統合し「安全衛生委員会」として設置してもよいとされています。(参照元:労働安全衛生法

安全衛生委員会の構成メンバーや設置の流れなどを詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

安全衛生委員会で話し合われる内容

安全衛生委員会で話し合うべき事柄は、厚生労働省ウェブサイトに詳しく掲載されています。わかりやすく噛み砕くと、以下の事項が代表的なものとなります。

  • 安全に関して気にかかる、もしくは改善すべき事項
  • 衛生に関して気にかかる、もしくは改善すべき事項
  • 前回までの安全衛生委員会で挙がった事項の対策状況
  • 産業医からのアドバイス
  • 各部署等で行なっている安全・衛生対策の報告
  • 他事業者/他社/他業界などで行われている安全衛生対策や事故事例の共有
  • 各メンバーの気付き等の報告
  • その他安全で衛生的な労働環境を整えるための取り組み等の提案

詳細な内容は前述の厚生労働省ウェブサイトに掲載されているため、必要な場合に参照してみてください。

なぜ?「議題/テーマがマンネリ化」の理由

「似たようなテーマの会議が多くなってしまうこと」は決して悪いことではありません。一朝一夕では解決できないような議題は、時間をかけて解決していく必要があります。また、時期ごとのイベントや気候にまつわるテーマは毎年必ず出てくる問題だからです。

しかし、以下のようなパターンでは議論が停滞する可能性があるため、テコ入れする必要があります。

開催することが目的になっている

開催すること自体が目的になってしまい、深い議論を展開することができなくなってしまう場合があります。その場合、定期的にテーマの棚卸しをしてあげると良いでしょう。

テーマを棚卸しする視点については、この後「安全衛生委員会のネタ選びのポイント」で解説していますので、ご覧ください。

時節ネタばかりになっている

前述の様に、時期ごとのイベントや気候に関わるテーマを毎年行うことは悪いことではありません。

ただし、昨年やそれ以前の年ではどういう問題が起こり、どういった対策を講じ、どういった結果になったかをしっかり洗い出し、PDCAサイクルを回していくことを心がける必要があります。

発言がいつも同じ人になっている

発言が同じ人ばかりになってしまうというのも、会議においてよく起こりがちな問題です。議長や安全管理者・衛生管理者・産業医などは毎回発言の機会が設けられますが、会議の構成によってはそれ以外の人が発言しにくい場合もあります。

そのため、経験の浅い人でも萎縮しにくい様な雰囲気づくりを心がけねばなりません。

安全衛生委員会のメンバーは、「参加しなければならない役職」以外の人は毎回入れ替えても問題ありません。「毎回同じメンバーばかりで多角的な意見が出てこない」場合には都度違ったメンバーに参加してもらうのも新たな視点を取り入れる良い方法となります。

安全衛生委員会のネタ選びのポイント

安全衛生委員会で良いテーマを設定する5つの方法をご紹介します。話すネタがマンネリ化している方は、ネタ選びもしっかりチェックしましょう。意外と身近なところに、面白いテーマが落ちているはずですよ。

現場改善ラボでは、安全衛生委員会で議論するネタ/テーマの実践的な考え方を動画でもご用意しています。以下のバナーから、元労働基準監督署署長が解説する動画を無料で視聴できますので、併せてご覧ください。


元労基署長が考える安全衛生委員会『ネタテーマ探しの視点』

時事ネタをヒントにする

近年話題になっている腸の調子を整える「腸活」や、リフレッシュ手段として人気のある「サウナ」などについて産業医の意見も仰ぎながら会議を進めると、話すネタが尽きにくいでしょう。また、その月にある「〇〇の日」に関連させて、理解を深めたり、話し合ったりすることも勉強になります。

例えば、3月24日「世界結核デー」に絡めて結核の歴史や予防法を話し合ったり、8月31日「野菜の日」に絡めて日常的に野菜を多く取り入れる方法について語り合ったりすることも、安全衛生意識向上に一役買ってくれます。

社内でアンケートをとる

いつも参加しているメンバーや議長・運営者だけで議題を決めてしまうのではなく、アンケートをとって各従業員が本当に悩んでいることを掬い上げていくのもオススメの方法です。

安全担当・衛生担当だけでは気付きにくい視点から意見を集められ、このアンケートで挙がった意見が労働者たちが本当に話し合ってほしいと考えているテーマとなります。

社内のニュースを取り上げる

社内で話題になっているニュースは、従業員がすでに関心を持っているトピックです。そのため、「関連する問題」や「課題」について議論することで、参加者の関心を引きやすくなる/より建設的な議論が生まれる可能性が高まります。

さらに、最新のニュースを取り上げれば、組織全体がリアルタイムの状況を把握でき、適切な対策やアクションを取ることが可能になるでしょう。

既存のネタを深堀する

安全衛生委員会のテーマの幅を広くしていくことはとても大事です。しかし、1つのテーマについて深掘りし、原因や対策を詳しく考えていくこともおろそかにしてはいけません。

時間との兼ね合いなどもあるでしょう。そのため、議長や運営者がうまく会議の舵をとり、バランスをみながら進めて行ってください。

他事業所/他社/他業界の事例を参考にする

例えば、航空業界の飛行機事故からは、システムのミスやコミュニケーションの行き違いが大きな問題を引き起こすことを学べます。また、飲食業界のワンオペ問題からは、人員を適切に配置する重要性などを知ることが可能です。

そのほかにも、自分たちの事業所だけで取り組みや解決策の良いアイデアが出ない場合には、他事業所などにもヒアリングをして意見を仰ぐのも良いでしょう。

現場改善ラボでは、元労働基準監督署署長である村木氏による「安全衛生委員会のネタの考え方」を動画でも解説しています。安全意識を現場に定着させるための手順も解説していますので、以下から併せて動画をご視聴ください。


元労基署長が考える安全衛生委員会『ネタテーマ探しの視点』

安全衛生委員会で避けるべき内容や言動

安全衛生委員会で避けた方が良いテーマというのは、基本的にありません。ただし、安全衛生委員会で避けねばならない言動は、主に以下の3点です。

ミスや事故を起こした人を責める

原因の深掘りをすることは大事ですが、あくまで対策をすることが目的です。人を責めても良いことは何もありませんし、「次回から報告しない様にしよう」という思考に繋がるため、絶対に避けましょう。

会議では、特定の人を詰める様な物言いをしてしまう人や組織が時々存在します。そういった職場では、心理的安全性が保たれなくなり、安全衛生委員会を行なっているのに、安全性や精神衛生が損なわれるという本末転倒な結果に繋がります。

くれぐれも人を責めることはよくない行為だという認識を、しっかりと持つことが必要です。

ヒューマンエラーを精神論や意識だけで解決する

人間はミスをする生き物ですし、暑さ寒さ、疲れ、その時の状況などによっても判断を誤ることがあります。そのため、問題の原因を「注意が散漫になってしまった」、結果を「意識を高めて作業に集中する」という方向に持っていくのは賢明ではありません。システムや人員配置などを工夫し、精神論だけに頼らない対策を講じていく必要があります。

ヒューマンエラーは安全だけでなく、品質不良にも影響を及ぼす原因となります。現場改善ラボでは、専門家が解説するヒューマンエラーの再発防止策を無料で公開しています。本記事と併せてご活用ください。


人に起因する品質不良の未然防止と具体的な対策 (1)

デリケートなことを無理やり聞き出す

安全衛生委員会では、体のこと/心のこと/病気のこと/ハラスメントにまつわることなど、非常に繊細な事象を取り上げる場合があります。

ここで当事者を呼び出し、本人が話したくないことを話させる様なことは絶対にしてはいけません。また、健康診断やストレスチェックの結果などについて、個人が断定できてしまう様な発言も避けましょう。心に傷をつけてしまうことになりますし、これらの行為自体がハラスメントです。他者を慮る意識を忘れない様にしましょう。

また、ワクチンや予防接種、献血など個人の自由であることを強制することもNGです。無論「みんなはやるけど、お前もやるよな?」の様な半強制的な聞き方もご法度です。高いコンプライアンス意識を持って会議に臨んでください。

安全意識を現場に定着させるには?

ここでは、安全衛生委員会の目的である「安全意識の定着」を促す方法について解説します。

現場改善ラボでは、安全教育の進め方を動画でも無料で視聴できます。労働安全コンサルタントとして、工場の労働安全衛生問題を解決してきた鈴木氏による実践的な安全教育について知りたい方は、以下から動画をご視聴ください。


現場改善ラボ ウェビナー用 (5)

「周知」と「理解」が必要

安全意識について、一部の人だけが知っていても意味はありません。安全かつ衛生的な職場環境にするための方法を、現場にいる全員に確実に伝える必要があります。全員が同じ情報を共有し、一貫した安全意識を持つことで、統一された安全規則や手順に則り、安全な作業環境を維持できるでしょう。

周知と理解を促すためには、以下の考え方のもと安全教育を行ってください。

  • 危険感受性を高める(危ないものを危ないと感じさせる)
  • 現場を可視化する(何が危ないのかわかるようにする)

とはいえ、口頭や文書ベースで伝えるのは難しいとされています。そこで、「動画での教育」がおすすめです。

安全教育には動画がおすすめ

口頭や文書ベースでの教育の場合、伝えた内容を1度で完全に理解するのは難しいでしょう。外国人従業員が多い現場であればなおのこと、言語の差により理解できない可能性もあります。教育を行っても、理解されなければ意味がありません。

しかし、動画であれば、以下の教育効果が期待できます。

  • 標準化された内容を、視覚的にわかりやすく伝えられる
  • 復習したい箇所を、学習者のペースで何度でも見れる
  • 動きを視覚的に伝えるため、言語の違いや文章読解能力の差が影響しない
  • 動画を見せるだけなので、トレーナーの教育工数を削減できる
  • 動画によって、画一的な教育が可能になる

動画であれば、現場のリアルな様子をいつでもどこでもありのままに視聴できます。そのため、「何が危険になりえるのか」というのが視覚的に理解でき、効率的かつ効果的な安全教育が可能になるのです。

動画マニュアル作成なら「tebiki」

動画教育のメリットはわかっていても、「編集や管理が難しそう」と思っていらっしゃる方が少なくないでしょう。しかし、動画マニュアル作成ツール「tebiki」であれば、パソコンの知識がない方でも簡単に編集や運用が可能です。

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼

現場教育に最適なtebikiの特長

tebikiには、主に「動画を簡単に作成できる機能」と「教育管理ができる機能」があります。

  • 音声認識による自動字幕生成
  • 100カ国語以上への自動翻訳
  • 字幕の読み上げ(多言語にも対応)
  • 図形や写真の挿入
  • アクセス履歴等がわかるレポート機能
  • オリジナルのテストを作成できるテスト機能 など

実際に導入いただいている企業からは、「tebikiは、単なる動画作成ソフトではなく“社員教育ツール”」という声もいただくほど現場教育に特化したツールとなっています。

現場教育に最適なtebikiの特長

tebikiを使った動画マニュアル作成の流れ

tebikiを使えば、以下の3STEPで動画マニュアルが完成します。

  1. スマートフォンなどで業務風景を撮影
  2. tebikiに撮影した動画を保存
  3. 自動で生成された字幕を確認
現場教育に最適なtebikiの特長

字幕は後から変更することも可能です。よりわかりやすくするためには、図形の挿入/シーンのカットや一時停止などの編集を行うと良いでしょう。

tebikiの機能や効果についてより詳しく知りたい方は、以下から詳細をご参照ください。実際の画面を見ながらデモを行いたい方は、こちらからお問い合わせいただけますと幸いです。


tebiki WP 用-1

tebikiを使って安全教育を成功させている事例

動画マニュアル作成ツール「tebiki」を活用して、安全教育を行っている事例をご紹介します。より多くの導入事例を読みたい方は、以下の導入事例集をご覧ください。


tebiki導入事例集

児玉化学工業株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:児玉化学工業株式会社▼

児玉化学工業は、住宅設備/自動車向けの合成樹脂加工や産業機器の製造を行う化学メーカーです。現場には、ほぼ日本語がわからない外国人スタッフも多く、文書ベースのマニュアルでは「理解されない」という問題を抱えていました。実際に、製品不良が発生したことも……。

そこで、既存の紙マニュアルを動画化しようと、tebikiを導入。導入後に強く感じていただけたのは「作るのはかんたんで、学ぶ側にもわかりやすい」ということ。tebikiは、自動字幕生成機能により、文字を打ち込まないで、喋ればほぼ編集が終わるので楽ということもあり、手順書作成の工数は1/3まで削減できました。

以前は、安全靴を履く理由すら知らない人がいましたが、tebikiの導入によって、「ルールや手順を守るようになる、守らせるようになる」という体制が確立したそうです。

児玉化学工業株式会社の事例を詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

株式会社フジトランス コーポレーション

物流サービスを提供している株式会社フジトランス コーポレーションは、外国人労働者を含む派遣社員など多様な人材を抱えています。その中で、教育や指示内容の理解度向上を課題視していたところ、tebikiを導入することに。

導入後は、主に作業手順の説明や安全衛生教育の一環でtebikiを活用していただいています。同社では、社内で実施している安全衛生教育会で、講師がtebikiを使って資料や動画を作成しているそう。その結果、講師が直接教えなくても、正しい内容を繰り返し視聴でき、教育内容のバラつきを削減できています。

ほかにも、多言語対応が可能な点/画面収録から編集が簡単にできる点/サポート体制が充実している点などをご好評いただいており、コストパフォーマンスが高いという声もいただきました。

株式会社フジトランス コーポレーションの事例を詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

株式会社メトロール

株式会社メトロールは、工作機械や産業用ロボット向けのセンサの製造/販売を行う企業です。繁忙期は派遣社員を採用して稼働していますが、教育内容のバラついているという問題を抱えていました。

付き合いのある製造業の企業が「tebikiを導入して効果を出している」という話を聞いたことがきっかけで、導入したところ、従来の紙の手順書だけでは伝わりにくい作業動作のコツなどを伝えるうえで有効だと実感。管理のしさすさも導入するうえでの1つの理由だったとのことです。

導入後は、安全衛生に関するマニュアルを優先的に作成することに。その結果、導入前は1時間ほどかけて教えていた内容を、半分以下の時間で教えられるようになりました。また、tebikiの大きな効果として、「現場教育の精神的なストレスが軽減されて、現場で働く人が新しいことを習得していく流れができた」ことも挙げていただいています。

株式会社メトロールの事例を詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

まとめ

安全衛生委員会では、1つのテーマを深く突き詰める、他社や他業界を参考にしてみるなど多くの切り口が存在しています。また、会議が煮詰まってしまった時にはメンバーを一部入れ替えてみたり、話しやすい雰囲気を作ってみたりと工夫を凝らすことで会議はより有意義なものとなります。ご自身の事業所で取り入れやすい工夫や方法を活用し、安全で快適な職場を作り上げていってください。

現場改善ラボでは、労働災害の観点で、元労働基準監督署長の村木氏をお招きし、実際の事故現場から見た安全管理について考えるウェビナーを開催しました。開催した内容は無料でご覧いただけますので、本記事と併せてご覧ください。


元労基署長が考える安全衛生委員会『ネタテーマ探しの視点』

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