現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【物流用語】マテハンとは?機器の種類や運用するうえでの課題と解決策

物流現場で役立つかんたん動画マニュアル「tebiki現場教育」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

物流倉庫の現場責任者や経営層にとって、人手不足や業務の複雑化が進む中でマテハン機器の活用は急務です。しかし高額なコストや導入効果への懸念から、判断に迷うケースも少なくありません。そこで本記事では、15年以上の物流倉庫での実務経験を持つ筆者が、「マテハン」について定義から各機器の用途、メリットと課題まで詳しく解説します。最後までお読みいただくことで、自社の「人手不足」「作業効率」「ミス」といった課題を解決するために最適な機器を選定できるようになります。

マテハン機器の効果を最大化するには、ハード面の導入だけでなくそれらを使いこなすための「運用の標準化」が不可欠です。どんなに高機能な機器も、現場の作業手順が曖昧では本来の性能を発揮できません

そこで機器選定と併せて活用したいのが、『物流・倉庫作業のマニュアル作成ガイドブック』です。本資料では自動化を成功に導く手順の可視化ノウハウや、新人の早期戦力化を支えるマニュアル作成のコツを凝縮。「設備投資を無駄にしたくない」「属人化を解消したい」とお考えの方は、是非本記事と併せてご活用ください。

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マテハン(マテリアルハンドリング)とは

「マテハン」は、本来モノの移動に関わる“工程”全体を指す広義な言葉です。しかし物流や製造の現場では、その工程を効率化するフォークリフトやコンベアといった「マテハン機器」そのものを指すのが一般的です。これは、技術による機械化や自動化が前提となったことの表れといえます。

本項ではそんなマテハンについて、以下の2つのポイントで深掘りしていきます。

  • 物流業界におけるマテハン機器の需要と将来性
  • マテハンとソーターの違い

物流業界におけるマテハン機器の需要と将来性

マテハンの需要は世界的に拡大しており、株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートによると自動マテハン(AMH)市場は2023年から2028年にかけて年平均13.61%で成長すると予測されています。

この成長の背景にはEコマース市場の拡大や、人手不足による業務効率化への強い需要があります。

事実として、経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によると、Eコマース市場は以下のように右肩上がりの成長を遂げています。

日本のBtoC-EC市場規模の推移(2014-2023年)

経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」を参照に、筆者作成

今後もAGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)といったロボットを中心に、マテハン市場はさらなる成長を続けるでしょう。

マテハンとソーターの違い

先述の通り「マテハン」とは、物流現場や工場で使われる効率化・省人化のための機器全体の総称です。

マテハンとよく混同されがちな機器に「ソーター」がありますが、ソーターはそのマテハン機器という大きな枠組みの中に含まれる特定の一つの機器を指します。具体的には、コンベアで流れてくる商品を行き先や種類ごとに自動で「仕分ける」という専門的な役割を担うのがソーターです。

つまり、ソーターは数多くあるマテハン機器の一種ということになります。

【作業・工程別】具体的なマテハン機器の種類

マテハン機器は、物流センター内の様々な工程で活用されています。本項では代表的な作業工程ごとに、どのような種類のマテハン機器が使われているのかを以下5つのカテゴリに分けて解説します。

積み込み・積み降ろしで活用されるマテハン

物流の入口と出口にあたるこの工程では重量物の取り扱いが多く、安全性と効率性が特に求められます。

種類用途
フォークリフトトラックからの荷下ろしや、拠点内での重量物運搬、棚への格納など
バンニング・デバンニングシステムコンテナへの荷物の積み込み(バンニング)や、荷下ろし(デバンニング)を補助する
パレタイザ・デパレタイザ段ボールケースなどをパレットへ自動で積み付けたり、パレットから降ろしたりする

フォークリフトは一歩間違えると労災の温床になるため、マテハンの中でも特に安全教育や安全対策が必須ですが、そこで物流現場によく導入されているのが「動画マニュアル」です。「安全」や「危険」を視覚化し、安全を守るための作業/操作手順を見える化する動画マニュアルは、労災の未然防止に成功している多くの現場で導入されつつあります。

詳しくは、資料「動画マニュアルを活用したフォークリフトの安全教育・対策事例」をご覧ください。新人作業員からベテラン社員まで、標準的に安全を守るための打ち手がまとめられています。

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搬送・運搬に活用されるマテハン

拠点内でモノをある地点から別の地点へ移動させるこの工程は、自動化による効率化の効果が最も顕著に現れる領域です。

種類用途
カゴ台車三方が柵で囲まれ、荷崩れを防ぎながら段ボールなどを安定して運搬する手動の台車
コンベア荷物を載せるだけで、一定の速度で連続的に自動搬送する設備
天井走行車天井に設置されたレールに沿って走行し、床面の作業動線と干渉せずに荷物を搬送する
AGV(無人搬送車)磁気テープやQRコードなどをガイドに、決められたルート上を無人で走行し荷物を搬送する

仕分け・ピッキングに活用されるマテハン

仕分け・ピッキングはEコマースの拡大に伴い最も複雑化し人手を要するようになった工程で、精度とスピードが求められます。

種類用途
ソーター(自動仕分け機)コンベアで流れてくる荷物を、配送先や商品種別ごとに高速で自動仕分けする装置
オートラベラー梱包済みの荷物に、配送先情報が印字されたラベルを自動で貼り付ける装置
DPS(デジタルピッキングシステム)商品の保管棚のデジタル表示器を点灯させ、ピッキングする商品と数量を作業者に指示する
DAS(デジタルアソートシステム)商品をスキャンすると、仕分けるべき複数の間口の表示器が点灯し、投入先と数量を指示する
SAS(シャッターアソートシステム)/GAS(ゲートアソートシステム)DASの機能に加え、シャッターやゲートが自動で開閉し、物理的に入れ間違いを防止するシステム

マテハン機器を含む仕分け・ピッキングの改善について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:ピッキング改善事例5選:生産性向上や効率化を実現するポイントとは?

関連記事:仕分け作業のミスが発生する原因と対策!防止に役立つツールも紹介

保管で活用されるマテハン

限られた倉庫スペースを最大限に活用し、在庫を効率的かつ正確に管理するための機器です。

種類用途
パレット荷物をまとめてユニット化するための荷台。フォークリフトでの効率的な荷役を可能にする
移動ラック床のレール上を棚自体が移動し、通路スペースを最小限に抑え、保管効率を高める
ネステナー積み重ねが可能な金属製のラック。パレットを直接段積みできない荷物の保管に用いる

梱包作業で活用されるマテハン

出荷の最終段階にあたる単純作業を自動化し、作業員をより付加価値の高い業務に集中させます。

種類用途
自動製函機折り畳まれた状態の段ボールを自動で組み立てる機械
エアー緩衝材製造機輸送時の衝撃から商品を守るための、空気の入った緩衝材をその場で製造する機械
自動梱包機商品が詰められた段ボールにテープを貼って封をする(封緘する)機械

マテハン機器の導入など梱包作業を効率化するコツについて、以下の記事で詳しく解説しています。

>>関連記事:梱包作業を効率化する方法6選!企業事例からわかる改善のコツ

マテハン機器を導入/運用するうえでの課題と解決策

マテハン機器の導入は多くのメリットをもたらしますが、その一方で運用する上での課題やリスクも存在します。ここでは、代表的な以下2つの課題とその解決策を解説します。

  • システムの不具合や故障による業務停止リスク
  • マテハン機器に対する習熟度のばらつき

課題①:システムの不具合や故障による業務停止リスク

コンベアやソーターといったマテハン機器は、それぞれが連携して一つの大きなシステムとして機能しています。そのため一箇所の機械が故障しただけでライン全体、ひいては拠点全体の業務が完全に停止してしまうリスクを常に抱えています。

例えば出荷ラインの基幹となるコンベアのモーターが一つ故障しただけで、後続の梱包やラベリングの工程が全て停止し、その日の出荷が大幅に遅延する、といった事態が起こり得ます。手作業中心の現場であれば、一部の工程が止まっても他の人員でカバーできますが、自動化されたラインでは一つの不具合が全体に与える影響が甚大になる可能性があります。

【解決策】予防保全や不具合発生時の業務を多能工化

このリスクを低減するためには、2つの対策が有効です。

▼予防保全▼

故障が発生した後に修理を行う「事後保全」ではなく、あらかじめ策定した計画に基づき点検や部品交換を実施する「予防保全」への移行が対策として挙げられます。

具体的にはモーターやベアリングなどの消耗品の耐用年数を管理し、劣化が進む前にリプレース(交換)を行うことで、不測のシステムダウン(停止時間)を未然に防ぎます。この「攻めの保全」を徹底することが、自動化ラインの稼働率を最大化し、物流品質を維持するための有効な手段となります

予防保全の効果的な進め方については、以下の記事を参考にしてください。

>>関連記事:予防保全・予知保全・事後保全は何が違う?メリットデメリット、事故を防ぐポイント

▼作業員の多能工化▼

システム停止という不測の事態に備え現場スタッフの多能工化を推進し、柔軟な人員配置(ジョブ・ローテーション)を可能にしておくことも重要です。

「多能工化」とは:一人の作業員が、複数の異なる種類の業務や工程を担当できるようにすること(反対語⇒単能工化)

特定の自動化ラインが停止した場合でも、多能工化された人員を即座に手作業ラインや稼働中の他工程へ再配置することで、拠点全体の出荷能力の低下を最小限に抑えることができます。機械に依存しすぎない「バックアップとしての人的リソース」を最適化しておくことが、自動化拠点における真のリスクマネジメントとなります。

関連資料:企業が多能工化を進めるべき理由と実践方法

課題②:マテハン機器に対する習熟度のばらつき

高機能なマテハン機器は使用方法が複雑なため、作業員の習熟度が低いと性能を十分に引き出せない場合があります。例えば、多品種の荷物に対応するロボットパレタイザーを導入したケースを考えてみましょう。

新人作業員は複雑な操作パネルの扱いに戸惑い、エラーを頻発させてしまうかもしれません。一方で操作に慣れたベテラン作業員の経験と勘に頼る「属人化」が進むと、その人が不在の日は生産性が大きく低下するなど、現場全体の生産性にムラが生じる原因となります。

【解決策】手順書の作成/整備を進めて業務の標準化

この課題の解決策は、「業務の標準化」です。誰が作業しても常に同じ品質・同じ安全性で業務を遂行できるよう、マニュアル(手順書)を整備し、徹底させることが重要です。

特に動画を活用したマニュアルは、文字だけでは伝わりにくい操作のニュアンスや注意点を直感的に伝えることができるため、非常に有効です。

例として、実際のマニュアルをお見せします。

▼包装作業を動画マニュアル化したサンプル動画▼

※現場従業員が「tebiki現場教育」で作成

このように複雑な作業も動画なら見たままに伝えられるほか、短時間で多くの情報を効率的に伝達できる点も大きなメリットです。加えて動画という「お手本」を示すことで、誰でも標準作業を正確に行えるようになります。

また、動画は紙やExcelの手順書よりも現場で参照しやすく、例えば作業台や商品棚に貼り付けたQRコードをスマートフォンやタブレットで読み取るだけで、必要な情報をその場ですぐに確認できます。これにより作業の流れが止まることなく、正しい手順を確認しながらスムーズに進められるため、ミスの防止や効率向上にもつながります。

動画マニュアルの活用効果や実際のサンプル動画について詳しく知りたい方は、以下のリンクから別紙のガイドブックをご覧ください。

>>物流業界の課題を解決!動画マニュアル活用のメリットや実際の事例を見る

マテハン機器を活用するメリット

マテハン機器導入には課題はあるものの、上手く活用すればコストに見合ったさまざまな恩恵を得られます。

具体的なメリットとして以下の3つをご紹介します。

  • 業務の効率化、生産性の向上が見込める
  • 省人化が実現し、人件費の削減につながる
  • ヒューマンエラーの防止が見込め、作業品質の向上につながる

業務の効率化、生産性の向上が見込める

マテハン機器の導入は、業務効率を飛躍的に向上させます。コンベアやソーターは、これまで人が行っていた運搬や仕分けの時間を劇的に短縮し、受注から出荷までのリードタイムを縮めます

また、自動倉庫や搬送ロボットは人間の労働時間に縛られず、24時間365日の稼働も可能です。例えば、経済産業省「ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018」内のある事例では、航空機部品をはじめとする高精度の切削加工にロボットを導入することで、生産量を12個から21.6個まで増やすことに成功。さらに夜勤の削減、単純作業の代替につなげています。

省人化が実現し、人件費の削減につながる

作業の自動化は、省人化と人件費の削減に直結します。マテハン機器が作業を代替することで、現場に必要な人員を減らし、給与だけでなく採用や教育にかかるコストも大幅に抑制できます。経済産業省「ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018」内のある事例では、自動車のコンプレッサー組立検査工程に組立・搬送を行うロボットを導入。それにより、作業員を10人から2人に削減できたという報告もあり、長期的に見れば高額な初期投資を十分に回収できる可能性が高いでしょう。

また、自動倉庫や移動ラックは保管効率を高め、新たな倉庫の賃借といった不動産コストを回避できる点も大きなメリットです。

ヒューマンエラーの防止が見込め、作業品質の向上につながる

ピッキングミスや誤出荷といったヒューマンエラーは、再送費用や顧客からの信頼失墜など、目に見えないコストを発生させます。デジタルピッキングシステム(DPS)やソーターといったマテハン機器を導入することで、これらの人為的ミスを限りなくゼロに近づけることが可能です。

作業品質が安定・均一化されることで、無駄なコストを削減できるだけでなく、より速く、より正確に商品が届くという顧客満足度の向上にも直接つながります。これは企業のブランド価値を高める上でも重要な要素です。

マテハンに関するよくある質問

マテハン機器は、高機能になるほどかかるコストも大きくなります。そのため導入は慎重にならざるを得ません。

そこで、マテハンに関する2つのよくある質問とその回答をご紹介します。

  • 保守に発生する費用は?
  • 法定耐用年数はどのくらい?

保守に発生する費用は?

保守費用は、一般的に初期導入費用の年間1.5%~2.5%が目安とされています。これには定期点検や消耗部品の交換費用などが含まれます。

例えば、1億円の設備を導入した場合、年間の保守費用は150万円から250万円程度かかる計算です。

突発的な故障による業務停止を防ぎ、安定稼働を維持するための重要な投資と捉えるべきでしょう。

法定耐用年数はどのくらい?

法定耐用年数とは税法上の減価償却計算に用いられる年数のことで、機器が物理的に使用できなくなるまでの「寿命」とは異なります。この年数は国税庁が定める「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって、資産の種類や用途ごとに細かく規定されています。

例えば「フォークリフト」は、業種に関わらず一律で4年と定められています

一方、「自動倉庫やコンベア」は、どの業種で使われるかによって耐用年数が変わります。例えば、「倉庫業用設備」なら12年、「飲食料品卸売業用設備」なら10年となります。

まとめ

本記事では「マテハン」の定義や各機器の用途から、導入のメリットと課題までを詳しく解説しました。

メリット課題
業務の効率化、生産性の向上省人化が実現し、人件費の削減ヒューマンエラーの防止、作業品質の向上システムの不具合や故障による業務停止リスクマテハン機器に対する習熟度のばらつき

高機能なマテハン機器ほど導入や管理にコストがかかるため、それぞれの特徴やかかる費用をしっかりと把握したうえでの導入検討をおすすめします。

マテハン機器は導入するだけでなく、現場で正しく使いこなして初めてその効果を最大化できます。そのためには、誰にでも分かりやすい手順書を作成し、作業を標準化することが不可欠です。

そこでおすすめなのが、「tebiki現場教育」です。誰でもスマホで簡単に動画マニュアルが作れるツールで、実際の作業風景やOJTの様子を動画に収めることができます。動画であれば直感的で伝わりやすく、一度作成してしまえば教育にかかる人的コストの大幅な削減も可能です。

気になる方は、下記リンクからサービス資料をダウンロードしてみてください。

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