人手不足を感じていたり、海外市場への進出を考えている経営者・人事担当者は、外国人労働者の雇用を考えたことがあるでしょう。しかし、手続きの複雑さやコミュニケーションの難しさが原因で、外国人労働者の雇用を諦めてしまう企業も多いのが現状です。
そこで、この記事では外国人労働者を雇用する手順を解説します。雇用するうえで必要になる在留資格や、外国人労働者のポテンシャルを引き出す効果的な教育方法なども紹介するので、外国人労働者の雇用を考えている方は最後までご覧ください。
外国人労働者の教育には、言語の壁があり細かな内容がうまく伝わらないといった問題や、多言語に対応したマニュアルを作る手間がかかり現場の負担になるといった問題があります。
このような課題に対し、有効な手段が「動画マニュアル」です。本文中でもご紹介する動画マニュアル「tebiki」は、複雑な作業を動画でわかりやすく伝えるだけでなく、自動翻訳機能により翻訳の手間を解消できるツールです。
詳しいメリットや機能詳細については、以下の画像から資料をダウンロードできますので是非ご参考ください。
目次
製造業で外国人労働者を雇用する際に認識すべきポイント
製造業で外国人を雇用する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 在留資格やビザを確認する
- 日本の労働基準法が適応されることを踏まえて雇用する
- 日本語レベルをあらかじめ確認する
在留資格やビザを確認する
外国人を雇用する際は、在留資格やビザを確認しましょう。外国人が日本で就労するためには、日本で働く資格を持っていることを示す在留資格や、以下のようなビザを取得している必要があります。
- 特定技能ビザ
- 技能実習ビザ
- 就労ビザ
在留資格やビザを持っていない外国人を雇用すると法的な責任や罰則が科される可能性があるため、必ず確認しておきましょう。
特定技能ビザ
特定技能ビザとは、介護・建設・農業などの特定分野のスキルを持つ外国人労働者のための在留資格です。
機械金属加工や電気電子機器組み立てなど、製造業の分野も対象になっているため、雇用する際は特定技能ビザを持っているかを確認しましょう。
技能実習ビザ
技能実習ビザとは、特定の技能や知識を学ぶ外国人労働者のための在留資格です。特定技能ビザと同様に、製造業の分野も対象になっています。
就労ビザ
就労ビザとは、エンジニアや外国人教師、国際業務に従事する人など、専門的なスキル・知識を要する職業に就く外国人に与えられる在留資格です。特定技能ビザや技能実習ビザと同じく、製造業を対象する就労ビザも存在しています。
日本の労働基準法が適応されることを踏まえて雇用する
製造業で外国人を雇用する際は、日本の労働基準法が適応されることを押さえておきましょう。労働基準法はすべての労働者の権利を守り、安全で健康的な労働環境を保障するための法律です。
外国人労働者も例外ではなく、労働基準法を守らない場合は罰金や営業停止などが課される可能性があるので注意しておきましょう。外国人労働者の労働環境については、たびたび問題になるトピックです。日本人と同等の待遇を設定する必要があります。
関連記事:外国人労働者に関する問題|原因・具体的な解決策も解説
日本語レベルをあらかじめ確認する
外国人労働者を雇用する際には、日本語レベルを確認しておきましょう。
製造業では機械の操作方法や安全上の注意点、品質管理の基準など、厳守すべき規則が数多くあります。言葉の壁が原因で誤解が生まれると、製品の品質低下や事故のリスクが高まるため、日本語がどの程度話せるかを確認しておくことが重要です。
製造業で外国人労働者が就労可能な在留資格とは
製造業で就労可能な在留資格は、以下の通りです。
- 技能実習1・2・3号
- 特定技能1・2号
- 技術・人文知識・国際業務
技能実習1・2・3号
技能実習1・2・3号は、技術やノウハウを学ぶ外国人に与えられる在留資格です。技能評価試験に合格することで、2号・3号とステップアップすることが可能です。
技能実習生の概要や受け入れ方式などについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:技能実習生とは?概要や現状の基礎知識、種類、方式、流れ、問題点、育成方法も解説!
特定技能1・2号
特定技能1・2号は、専門的な職種に就く外国人に与えられる在留資格です。
技能実習と比べると、就労可能業種が少ないですが「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」「素形材産業」「飲食料品製造業」などで雇用することが可能です。
技術・人文知識・国際業務
技術・人文知識・国際業務は、専門知識や技術がある外国人が取得できる在留資格です。単純作業に従事することは認められていませんが、製品開発や品質管理などの業務に就くことは認められています。
製造業で外国人労働者を雇用するメリット・デメリット
次に、製造業で外国人を雇用するメリット・デメリットを紹介します。
メリット
製造業で外国人を雇用するメリットは、以下の通りです。
- 若い労働力の確保
- 労働意欲が高い
- 海外進出への足がかり
若い労働力の確保
若い労働力を確保したい方は、外国人労働者の雇用を検討してみましょう。
日本は少子高齢化が進んでいるため、若者を雇用するのが年々難しくなっています。しかし、外国人労働者を積極的に受け入れることで、若手の労働力を確保でき人手不足が解消されるというメリットが期待できます。
労働意欲が高い
外国人労働者は、日本人労働者と比べて労働意欲が高いです。日本に来て仕事をしている外国人の多くは、日本でスキルアップをして活躍したいと考えています。そのため、意識が高く積極的に行動できる人材を探している方は、外国人の雇用を検討してみましょう。
海外進出への足がかり
進出を検討している国の従業員を雇用することで、その国の文化や慣習を理解できるため、スムーズに海外進出することが可能になります。また、外国人労働者を育てることで、現地法人の設立や外国企業との交渉がしやすくなるというメリットもあります。
デメリット
一方で、製造業で外国人を雇用することには以下のようなデメリットも考えられます。
- 文化や慣習の違いがある
- 言語の違いによるコミュニケーションの弊害
- 受け入れ体制の整備に時間がかかる
文化や慣習の違いがある
外国人を雇用すると、文化や慣習の違いを感じることがあります。
たとえば、日本では集団プレーを重視する傾向がありますが、国によっては個人プレーが重視される傾向もあることから日本のチームワークに適応できず、うまく働けない方も多いです。
そのため、外国人労働者を雇用する場合は、文化や慣習を尊重し合う職場環境を作ることが重要です。
言語の違いによるコミュニケーションの弊害
日本語がまだ得意ではない外国人労働者を雇用すると、安全講習や作業研修などの説明が伝わらず、作業ミスや事故につながる可能性があります。また、日本語が不十分なことで日本人労働者との間で誤解が生じ、職場の雰囲気が悪くなる可能性もあります。
そのため、日本語が堪能でない外国人を雇用する場合は、日本語教育や母国語での研修を行うことが重要です。
特に外国人労働者は労働災害発生率が日本人の労働者よりも高い傾向にあり、言語の壁やコミュニケーション不足といった問題を放置してしまうと重大な労働災害につながる恐れがあるため早急な対策が必要です。
外国人労働者の労働災害を防ぐ方法や、万が一労働災害が発生してしまった際の対応について以下の記事でも詳しく解説していますので是非ご覧ください。
関連記事:外国人労働者の労働災害を防止するには?労災時の対応も紹介
受け入れ体制の整備に時間がかかる
外国人労働者を受け入れるためには、研修内容を考えたり作業マニュアルを翻訳したりと、受け入れ体制の整備に時間がかかります。また、住宅の確保や日常生活のサポートなど、生活面での配慮が必要になることもあります。
そのため、外国人労働者の雇用を考えている方は、長期的な計画を立てたうえで受け入れを行うことが重要です。
外国人労働者を雇用するまでの流れについて
外国人労働者を雇用する流れは、以下の通りです。
- 募集をかける
- 選考を行う
- 雇用契約を結ぶ
- 在留資格を申請する
- 外国人雇用状況の届出を提出する
- 就労開始
詳細な外国人受け入れの手順やおさえておきたいポイントについては、以下の記事でも詳しくまとめています。是非ご覧ください。
関連記事:外国人労働者の受け入れに必要な全知識:現状やメリットとデメリット、手順まで徹底解説
募集をかける
外国人労働者の雇用を検討している場合は、求人を出して積極的に募集を行うことが重要です。求人広告や人材紹介会社、SNSなど、募集人数や費用に応じて募集方法を選定してみましょう。
選考を行う
外国人の方から応募がきたら、選考を行いましょう。書類選考や面接を通し、自社にふさわしい人物かどうかを見極めることが重要です。
他にも、外国人労働者を雇用する際は、学歴・経歴・スキルなどを確認するだけでなく、ビザの有無や日本語スキルなどを確認することも欠かさずに行いましょう。
雇用契約を結ぶ
書類選考・面接を行い、問題がない場合は内定を出して雇用契約を結びましょう。契約を結ぶ際は、業務内容や雇用条件を正しく理解してもらえているかを確認することが重要です。
在留資格を申請する
雇用契約を結んだら、在留資格を申請しましょう。申請手順は、すでに日本国内にいる外国人を雇う場合と、海外から外国人を呼ぶ場合で異なります。
ここでは、以下3つのパターンごとに解説します。
- 国内の外国人労働者を雇用する場合
- 海外から外国人労働者を雇用する場合
- 留学生を新卒採用する場合
国内の外国人労働者を雇用する場合
国内の外国人労働者を雇用する場合は、職種や業務内容に適した在留資格への変更・更新を行いましょう。
例として、技能実習から技能特定や、就労から技能実習への移行など、職種や業務内容によって適切な在留資格に移行する必要があります。
海外から外国人労働者を雇用する場合
海外から外国人労働者を雇用する場合は、職種や業務内容に適した在留資格の申請が必要です。
たとえば、IT分野で働く外国人技術者を雇用する場合、雇用主は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格申請を行う必要があります。
留学生を新卒採用する場合
留学生を新卒として採用する場合は、雇用契約が成立した後、在留資格を変更しましょう。
留学生の在留資格は「留学」になっているため、就労するためには「特定技能ビザ」や「技能実習ビザ」など、適したビザに変更する必要があります。
外国人雇用状況の届出を提出する
在留資格の申請を行ったら、外国人雇用状況の届出を提出しましょう。外国人労働者を雇用した場合、雇用状況の届出を提出することが義務付けられています。
また、外国人労働者が離職したい際にも同様に届出を行う必要がありますので、忘れないように注意しておきましょう。
就労開始
在留資格の申請や外国人雇用状況の届出の提出など、事務手続きが終わったら就労を開始できます。
就労後も、オリエンテーションやOJT教育を通し、会社の雰囲気に慣れつつも業務を一人で問題なく行えるようサポートし続けることが重要です。
製造業で外国人労働者を活躍させるには教育が重要
製造業で外国人労働者を活躍させるには、外国人労働者に合った教育を行うことが重要です。しかし、日本人労働者と比べると、教育が難しいという問題点があります。
ここでは、外国人労働者の教育が難しい理由や、教育におけるポイント、効果的な教育方法について解説します。
外国人労働者は教育が難しい
外国人労働者を教育するにあたって、最大の課題は「言語の壁」だといえます。日本語でのコミュニケーションがうまく取れないことで、作業内容や安全規則などがうまく伝わらず、ヒューマンエラーの発生リスクが高まります。
また、座学や研修を行っても、彼らが作業内容を正確に理解しているかを確認するのが難しいという問題もあります。そのため、日本人労働者と同じ研修を行うのではなく、外国人労働者に合った資料・研修を用意することが重要です。
外国人労働者教育におけるポイント
外国人労働者に対して教育を行う際は、日本人社員との交流の場を作ることが重要です。コミュニケーションをとって信頼関係を構築することで、スムーズに仕事を進められるようになります。
また、外国人労働者向けの作業マニュアルを作成することも大切です。マニュアルを整備することで、言語の壁があっても正確に作業できるようになるため、業務効率アップにつながります。
外国人労働者を教育する具体的な手順やおすすめの施策についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:外国人労働者を教育する3つのポイントとは?現状の問題点を踏まえた適切な教育方法について解説!
外国人の教育には動画マニュアルが効果的
外国人労働者教育を行う方は、動画マニュアルを活用するのがおすすめです。動画マニュアルは、その名の通り動画を使って作業内容を伝えるマニュアルのことです。
文字ベースのマニュアルとは違い、作業内容を視覚的に伝えられるため、日本語が読めない外国人の方でもスムーズに作業内容を理解できるようになります。
動画マニュアルの概要や、動画マニュアルを活用した外国人労働者への教育事例については以下の画像から詳しい資料をダウンロードできます。是非ご参考ください。
製造現場で働く外国人労働者におすすめな動画マニュアルtebikiとは?
製造業で外国人労働者を雇用する場合は、動画マニュアルのなかでも「tebiki」を活用するのがおすすめです。
tebikiのメリット
「tebiki」は、OJTの様子を動画で撮影するだけで、動画マニュアルを誰でも簡単に作成できるツールです。
特徴として、100ヶ国以上の言語に対応した自動翻訳機能が搭載されているため、外国人労働者の教育も行えることが上げられます。作業動作を映像と自国の言語で確認できるため、紙のマニュアルよりも高い理解度で学習することができます。
さらに、翻訳は自動で行われるため言語ごとにマニュアルを作る手間が解消され、教育にかかる工数が大幅に削減されることもメリットです。
また、習熟度管理機能やテスト機能を使って、個々の理解度を把握することも可能です。動画編集の経験がない方でも、簡単に動画マニュアルを作成でき現場教育に活用できるため、業務改善を行っている多くの企業で導入されています。
動画マニュアルtebikiの詳細な機能説明や導入サポート体制については、以下の画像から無料で資料をダウンロードできます。
「外国人労働者への教育がなかなか進まない…」「外国人労働者への教育工数を減らしたい…」とお考えの方は、是非ご覧ください。
tebikiを活用して外国人教育を仕組み化した企業事例
実際に、動画マニュアル「tebiki」を活用して外国人教育を仕組み化した企業を2社紹介します。
日世株式会社:新人研修の工数を90%削減、理解度テスト正答率も100%に
日世株式会社は、日本で唯⼀のソフトクリーム総合メーカーです。
同社では、外国人労働者に対しても日本語のマニュアルをもとに研修を進めていましたが、文章のマニュアルでは内容が上手く伝わらないことや教育担当者により教育のムラが発生することが原因で、新人の外国人労働者がスキルアップできないという問題を抱えていました。
そこで、外国人労働者向けのマニュアルを作成するために「tebiki」を導入し、自動翻訳機能を活用することで、外国人の方に伝わる動画マニュアルを作成しました。
その結果、ベトナム・中国・フィリピン出身の方々にも伝わるマニュアルを作成でき、外国人労働者の理解度テストの正答率が100%近い値まで向上しました。他にも、新人研修の手間を1/10程度まで削減することに成功し、⼯場全体の効率と品質が向上しています。
日世株式会社がtebikiを導入し、現場改善に成功している様子は以下のインタビュー記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
関連記事:新人研修の手間が1/10に!自動字幕翻訳で、外国⼈スタッフの理解度テスト正答率が100%になりました。
イセ食品株式会社:半日の研修を1時間半に削減し教育のレベルも向上
イセ食品株式会社は、鶏卵の販売・製造を行う企業です。
同社では、外国人労働者に座学による新人研修を行っていましたが、言語の壁があることから業務の説明が十分に伝わらず、教育にも時間がかかり負担が大きいという問題を抱えていました。
そこで、外国人の方にも伝わるようなマニュアルを作成するために「tebiki」を導入し、自動翻訳機能を活用しながら新人教育を動画マニュアル化することに着手しました。
結果として、フィリピン・スリランカ・インドネシア出身の方々も業務内容を理解できるようになり、座学の時間を大幅に削減することに成功しています。さらに、動画マニュアルで業務の解像度を上げたうえで現場に参加することで、作業効率が向上したという効果も実感されています。
イセ食品株式会社がtebikiを導入し、現場改善に成功している様子は以下のインタビュー記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
関連記事:導入3ヶ月で動画200本作成。製造現場の作業標準化と多能工化を推進しています。
まとめ
この記事では、外国人労働者を雇用する手順や必要な在留資格、効果的な教育方法について解説しました。
日本人の雇用と比べると手続きが複雑になるというデメリットがありますが、若くやる気がある人材を獲得しやすくなるというメリットがあります。そのため、人材不足や海外進出を考えている方は、外国人労働者を雇用するのがおすすめです。
また、日本語が堪能でない外国人を雇用する場合は、動画マニュアル「tebiki」を使って教育を行うのがおすすめです。テキストベースのマニュアルよりも効率よく業務を覚えられるため、研修時間を大幅に短縮できるほか、自動翻訳機能により言語ごとのマニュアルを作成する工数が削減され、現場の負担を大幅に減らすことが可能です。
もし、外国人労働者を雇用して即戦力にしたいと考えている方は、動画マニュアル「tebiki」の導入をご検討ください。。サービスの詳細や導入事例を知りたい方は、以下の画像から資料をダウンロードできますので、是非ご覧ください。