現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 OJTを効果的に進めるコツ6選!製造現場で使える具体的な指導のポイントを紹介

OJTとは、実際の業務の中で行われる教育・研修のことを指します。OJTは、実際の業務を通してスキルや知識を身につけられるため、即戦力の育成につながります。

この記事を読んでいる方は、以下のようなお悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか?

  • 「新入社員や従業員の生産性を向上させるOJTの進め方が知りたい!」
  • 「OJTを通じて、従業員のモチベーションを高めたい!」

そこでこの記事ではOJTの目的とメリット・デメリットを解説し、OJTの効果的な進め方や評価のポイントを解説します。また、OJTが失敗してしまうNG例も解説します。
OJTを成功に導くための具体的な方法や進め方、注意すべきポイントを把握してより実践的な教育方法の理解を深めましょう。

OJTはきめ細やかな指導が実現する一方で、トレーナーによって内容や教え方が違う、特定のトレーナーに負荷がかかる、新人によって理解度に差があるといった課題が発生しやすい教育方法です。このような課題を解消するOJTについて解説した動画もご用意しておりますので、是非ご覧ください。


製造現場における令和時代にフィットしたOJTアプローチ

目次

OJTとは?目的やメリット/デメリットを紹介

OJTとはOn the Job Trainingの略で、職場の先輩が新人に対し実務を通じてノウハウやスキルを教育することを指します。ここではOJTの目的やメリットとデメリットについて解説します。

『OJTとOFF-JTは何が違うのか?』といった疑問を感じている方は、以下の記事も併せてご覧ください。

OJTの目的

OJTは実際の業務を通じて経験に基づいたノウハウや知識を効率よく学ばせ、企業全体の業務効率を向上させることが目的です。たとえば製造業の場合、新しい機械の操作方法や生産ラインの流れを先輩社員から直接学ぶことで、新入社員は迅速に業務に取り組むことができるようになります。

また、従業員の不安の解消も目的のひとつです。製造業では新しい機械工具の取り扱いや安全対策など多くの不安要素が存在しますが、OJTを通じて先輩社員とのコミュニケーションを行い、不安や疑問を解消することが可能です。

さらに、新人に力をつけさせることで新人のモチベーションを維持し、職場への定着率を向上させる効果も期待できます。新人が迅速に業務に取り組むことが求められる現場では、OJTを通じてスキルアップすることが重要です。

OJTのメリット/デメリット

OJTにはメリットだけではなくデメリットも存在します。ここではOJTのメリットからデメリットまで解説します。

OJTのメリット

OJTは、実際の業務を通じて即時にスキルを習得できることがメリットです。

OJTは実際の業務の中で行われるため、理論だけでなく実践的なスキルや知識を直接学ぶことが可能です。たとえば、製造業の現場では新型の機械や装置の操作方法をOJTで学ぶことで、実際の生産ラインにおけるトラブルシューティングや効率的な操作方法を迅速に習得することができます。

また、トレーナーとの直接的なコミュニケーションが可能なこともメリットの1つです。OJTでは新人とトレーナーが直接対話しながら教育を行うため、疑問点や不明点をその場で解消することが可能です。製造業特有の部品の組み立て方法や品質チェックのポイントなど、細かく複雑なルールに関する質問をしたとしても即座に回答を受けられ、新人にとって効率的な学習が実現します。

さらに、実際の業務環境での適応力を養成できることもメリットとして挙げられます。OJTは実務の中で行われるため、業務環境やチームの雰囲気、業務フローなどを実際に体験しながら学ぶことが可能です。製造業の例だと、生産ラインの流れやチーム内のコミュニケーション方法、安全対策など実際の現場での動きを体感しながら学ぶことで、新人はより迅速に業務に適応することができます。

OJTのデメリット

OJTのデメリットとして、教育にかける時間が不十分になる場合があることが挙げられます。

製造業の現場では、トレーナー(OJT担当者)が自分の通常業務と並行してOJTを行う場面が多いため、新人教育にかける時間が十分に確保できないことがあります。たとえば、製造ラインの進行を優先しなければならない場面や急なトラブルに対応が必要な場面では、OJTにかける時間が削られる可能性が高いことが考えられます。

また、製造業の現場では専門的な知識や技術が求められる場面が多いため、トレーナーに十分な知識やスキルが不足していると新人に適切な教育を行うことが難しい点もデメリットです。たとえば、新しい機械や技術が導入された場合、トレーナー自身がその操作方法やメンテナンス方法を習得していないと新人への指導が難しいといえます。

その他のデメリットとして、製造業の現場では短期的な生産目標の達成や品質の維持が求められるため、長期的な人材育成が後回しにされる傾向がある点も挙げられます。特に、生産量を追求する高稼働の期間や、品質問題が発生した際などは、OJTの時間を確保することが難しくなることが考えられます。

OJTと似た教育方法の違い

OJT以外にも、以下の5つの教育方法が現場で実践されることが多いです。ここではそれぞれの教育方法とOJTとの特徴の違いについて解説します。

  • OFF-JT
  • コーチング
  • メンター制度
  • OJD
  • オンボーディング

OFF-JT

OFF-JT(Off the Job Training)は、実務から離れた場所や時間に行われる研修や教育です。一方で、OJTは実務の中で行われる教育を指します。

製造業の現場では、新しい機械の操作や安全対策など、基本的な知識を身につけるための研修がOff-JTとして行われることが多い傾向があります。Off-JTの代表例として、座学やセミナーといった研修が挙げられます。

OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて運用しているケースもあります。以下の記事では、実際に組み合わせて効果的な教育を実現している企業事例をご紹介しているので、併せてご覧ください。

コーチング

コーチングは個別の能力開発をサポートする教育であるのに対し、OJTは実務スキルの習得を中心とした教育です。

製造業の現場でのコーチングの例としては、作業の改善点や新しい技術の導入についてのアドバイスが考えられます。

メンター制度

メンター制度は、新人や若手社員が業務に慣れるまでのサポートや疑問点の解消を経験豊富な先輩社員が行う制度のことです。対して、OJTは実務中の技術習得を目的とした教育を指します。

製造業の現場でメンター制度を採用することは、新しい技術や機械の操作方法など先輩社員の経験や知識が活かされる場面が多い点が特徴です。

OJD

OJD(On the Job Development)は実務を通じた職業能力(将来的に必要となるスキルも含む)の開発を目的とした教育であるのに対し、OJTは実務スキルの習得を中心とした教育のことです。

製造現場におけるOJTでは新しい技術の導入や作業の改善を通じて職業能力の向上を図りますが、OJTは業務に直結するスキルの他、マネジメント能力やキャリアデザインスキルといった将来的に求められる能力を長いスパンで養うことが特徴です。

オンボーディング

オンボーディングは、新入社員が組織にスムーズに馴染むための一連のプロセスを指します。

製造業の現場では、新人が業務に取り組む前のオリエンテーションや研修、組織の文化や価値観を理解するためのセミナーなどがオンボーディングに該当します。一方でOJTは実務の中で行われる教育のため、新人は実際の作業を通じて技術やノウハウを習得します。

基本的なOJTの進め方とは?評価のポイントも解説

OJTでは、具体的な作業手順や機械の操作方法など実際の現場での経験を教えるため進め方が非常に重要です。ここではOJTの基本的な進め方について以下の4つのポイントを解説するので、是非参考にしてみてください。

  • やってみせる(Show)
  • 説明する(Tell)
  • やらせてみる(Do)
  • 評価する(Check)

やってみせる(Show)

実際に手順や操作方法を見せることで、新入社員やスタッフはその作業の全体像や進め方を理解しやすくなります。たとえば、新型の機械の操作方法を学ぶ際に先輩社員が正確な操作手順を実演することで、新入社員は安全かつ効率的な操作方法を学ぶことが可能です。

実際にやってみせることによって、ボタンを押すだけの作業であっても、単に「ボタンを押す」という操作だけでなく、「なぜその操作が必要なのか」という背景や操作中の注意点などもあわせて把握することが可能になるでしょう。

説明する(Tell)

業務の意図や目的、背景を詳しく説明することで、新入社員は業務の重要性や意義を理解し、業務に対する意欲やモチベーションが高まります。たとえば、ある部品の組み立て作業を行う際にその部品が製品全体のどの部分に使用されどのような役割を果たすのかを説明することで、作業の質や速度が向上することが期待されます。

説明することによって、単に技術を教えるだけでなく、新入社員が業務の意味や意義を把握してより積極的に業務に取り組むための基礎を築けるでしょう。

やらせてみる(Do)

実際に業務を体験することで新入社員は業務の難易度や要点を実感し、理解を深められます。たとえば新入社員が実際に機械を操作して製品を製造することで、操作のコツや注意点を身につけられるでしょう。実際に作業を行うことで、新入社員は自分自身で問題を発見して解決策を考える力も養うことが可能です。

評価する(Check)

新入社員の業務の成果を評価しフィードバックを提供することで、次回の業務の改善点や学びのポイントを明確にすることが可能です。製造業の例として、新入社員が組み立てた部品の品質をチェックし、結果をもとに次回の作業の改善点やアドバイスを提供することで、新入社員のスキルアップを促進できます。

フィードバックを通じて、新入社員は自分の業務への理解を深めてスキルアップにつながる情報を得ることが可能になります。

OJTの効果を最大化させる6つのステップ

OJTの効果を最大化させて有意義な教育にするには以下の6つのステップに沿った進め方が有効です。

  • OJTの目標を設定し計画を立てる
  • OJTの担当者を決める
  • OJT担当者と目標のすり合わせを行う
  • OJTを実際に行う
  • 新入社員とOJT担当者の両方に定期面談(1on1)を実施する
  • OJTのフィードバックを行う

OJTの目標を設定し計画を立てる

OJTを効果的に行うためには、ゴールを設定した上で計画票を作成することが重要です。

ゴールを設定する

OJTを開始する前に、指導を受ける側がどのような人材に育成されるべきかを明確にすることが重要です。製造業の場合、たとえば「3ヶ月後には新製品の組み立てが自力でできるようになる」といった具体的なゴールを設定することで、トレーニングの方向性が明確になります。

計画票を作成する

ゴールを設定したら、設定したゴールを達成するためのステップやタイムラインを計画票にまとめます。製造業の場合、各工程の習得時期や必要な研修内容を詳細にリストアップすることが求められます。

OJTの担当者を決める

OJTのゴールやスケジュールを決めた後は、実際に教育担当者としてOJTに参加する担当者を決めましょう。OJTの担当者はOJTの質だけでなく、新入社員の能力やキャリアにも大きな影響を及ぼします。そのため、OJTを進めるのにふさわしい人物の選出が非常に重要です。

OJT担当者に向いている人

OJT担当者に向いている人は、コミュニケーション能力が高く、教えることに情熱を持ち、忍耐強い人物です。また自らが学び続ける姿勢を持ち、新入社員の成長を喜びとすることができる人物が適任です。紹介した資質を持つ担当者は、新入社員の潜在能力を引き出すことに長けています。

他にもOJTに向いている人として、入社して3~5年が経過した社員も挙げられます。自身も新入社員として成長してきた経験があることから新入社員に寄り添った指導が期待できるほか、教えられた知識を新鮮なまま伝えられる立場でもあるため、多くの企業で入社3~5年目の社員がOJTの担当者に任命されています

OJT担当者に向いていない人

OJT担当者に向いていない人は、忍耐力が足りず、指導に対する熱意が欠けている人です。またコミュニケーションが苦手でフィードバックを適切に実施できない人もOJT担当者としては不適切です。上記の特性を持つ人は指導者としての役割を果たすことが難しく、OJTプログラムの効果を低下させる可能性があります。

OJT担当者と目標のすり合わせを行う

OJTは、明確な目標設定から始めることが重要です。担当者と新入社員が共通の理解と期待を持つことで、具体的な成果へとつながる道筋が描けます。

目標設定では、目標を具体的かつ達成可能なレベルで設定し、目標に向けた計画を共有することが重要です。担当者と新入社員の双方の期待値、つまり「どれくらいの目標なら達成できるのか?」をすり合わせ、達成に向けた意欲を高めることが目標設定で重要となります。

OJTを実際に行う

OJTの実施にあたっては、計画に沿った具体的な行動が求められます。行動する段階では実際の業務を通じて学習が行われ、理論と実践の差を埋めることが目標です。実務の中で遭遇する予期せぬ問題を通じて、新入社員のスキルと知識を深めます。担当者はサポートと指導を行いながら、新入社員が自立して課題に取り組めるよう促しましょう。

新入社員とOJT担当者の両方に定期面談(1on1)を実施する

定期的な面談は新入社員の成長を確認し、継続的なサポートを行うために不可欠です。面談を通じて、新入社員は学習進捗や課題、感じている不安などを共有できます。またOJT担当者から新入社員へ具体的なフィードバックや助言があることで、新入社員のモチベーション維持やスキルアップへとつながります。面談は双方向のコミュニケーションを通じて、個々の成長を促す重要な機会だといえます。

同様に、OJT担当者にも定期的に面談を行うことでOJTの進捗や良かった点、改善点をヒアリングしましょう。次回のOJTを改善するためにも、現場の意見をしっかり吸い上げてから対策することが重要です。

OJTのフィードバックを行う

OJTの最終段階では、フィードバックが中心となります。フィードバックを通じて、新入社員は自身の業務遂行能力や学習進度を振り返ることができ、さらに成長するために何をするべきかを教育担当者とすり合わせます。良い点や改善点を明確にすることで、新入社員は具体的な目標に向けて努力を続けることが可能です。

これだけはNG!OJTを進めるうえで注意したいポイント

OJTは人材育成手段ですが、運用には注意が必要です。ここでは、OJTを進めるうえで注意したい失敗ポイントについて解説します。

  • 属人的な指導体制になっている
  • OJT担当者のモチベーションが低い
  • 新入社員を放置してしまう
  • 教育担当者に過度な負担がかかっている

上記で挙げた例の他にも、OJTを行う余裕がないことで失敗してしまうケースも多く考えられます。OJTを行う余裕がない背景や新人を放置してしまうリスクについて、以下の記事でも詳しく解説しているため併せてご覧ください。

属人的な指導体制になっている

OJTの指導体制が属人的だと、担当者の交代や欠勤時にプログラム全体が停滞するリスクがあります。効果的な指導を行うには。個々の指導者に依存するのではなく、組織全体で共有される教育資料や手法の作成が重要です。教育資料や手法の作成によって一貫性のある教育が可能となり、新入社員も安定して知識とスキルを習得できます。

OJT担当者のモチベーションが低い

OJT担当者のモチベーションが低いと、教育の質と効果が大幅に低下します。担当者が熱意を持って指導に当たるためには、OJT担当者の努力が認められて適切な評価と報酬が伴うことが不可欠です。また指導技術の向上のための研修など、サポート体制を整えることでモチベーション維持が期待できるでしょう。

新入社員を放置してしまう

OJTでは定期的なフィードバックとサポートを通じて新入社員の成長を促し、問題があれば早期に対応する体制が必要です。そのため、新入社員を放置することはOJTにおいて最も避けるべき事態です。新入社員それぞれの様子を定期的に確認し、個々の進捗状況に応じた指導が重要です。

教育担当者に過度な負担がかかっている

OJT担当者に過度な負担がかかると教育の質が低下するだけでなく、担当者自身のモチベーションにも悪影響を及ぼします。適切な人員配置とタスクの分散により、教育担当者の負担を軽減して持続できるOJT運営を目指すことが重要です。

【現場で使える】OJTの効果を高める指導のコツ6選

OJTの効果を最大限に引き出すために、ここでは以下6つのコツについて解説します。

  • PDCAサイクルを取り入れる
  • 意図的・計画的・継続的を意識する
  • 新入社員に合わせて進め方を工夫する
  • 現場での実習も並行して行う
  • OJT担当者にもフォローを実施する
  • マニュアルや作業手順書を整備する

PDCAサイクルを取り入れる

PDCAサイクルは、OJTの進捗と効果を定期的に評価し、必要に応じて改善するためのフレームワークです。計画(Plan)、実行(Do)、チェック(Check)、行動(Act)の各ステップを繰り返すことで、OJTの質を徐々に高めていきます。PDCAサイクルを用いることでOJTの目標達成度を明確にし、教育の効果を最大化できます。

OJTにおけるPDCAサイクルの例

OJTにおけるPDCAサイクルをもとに、注意すべきポイントや現場で実践できる活動例について以下の表にまとめました。是非ご参考ください。

注意すべきポイント活動例
計画(Plan)・OJTのゴールは定量的かつ明確なものにする

・新人が実務を習得できるようなカリキュラムを作成する
・「3ヶ月後には新製品の組み立てが1人で行えるようにする」というゴールを立てる

・業務の目的や概要を第一に伝え、徐々に専門知識や詳細な業務手順を教えたのちに実務に参加できるスケジュールを計画する
実行(Do)・「教えて終わり」ではなく、都度細かくフィードバックをする

・教えた内容について新人が理解できているか確認する
・最後にまとめてフィードバックをするのではなく、各作業ごとに良かった点や改善点を伝える

・トレーナーが新人の動きをチェックし、教えた内容について理解して実践できるようになるまで教える
チェック(Check)・チェック時に+αのノウハウを伝える

・最終的に独り立ちできるまで評価する
・正しい手順の他、より事故を起こしにくいような作業の進め方やコツがつかめるようなトレーニング方法についてもレクチャーする

・一通り教育が終了した後は教えたことについて頭から新人に実践させ、一人前の技量が身についたかを確認する
行動(Act)・次回のOJTに向け改善点を見つけだす・トレーニング中に発生した問題点や改善の余地がある部分を特定し、次回のOJTマニュアルに反映させる

意図的・計画的・継続的を意識する

OJTの質を高めるポイントとして、以下の3つを意識することが効果的です。

  • 意図的
  • 計画的
  • 継続的

意図的

製造業の現場では、高度な技術や専門的な知識が求められることが多くあります。
そのため、OJTを行う際はトレーニングの目的と目標を明確にすることが不可欠です。目的が不明瞭なままトレーニングを進めると、訓練を受ける側は何を学ぶべきかや何を目指すべきかがわからず、効果的な学習が難しくなります。

たとえば、新しい機械の操作方法を教える際は機械を使って何を達成するのか、どのような結果を期待するのかを明確に伝えることで、訓練を受ける側が具体的なゴールを持って学習に取り組むことが可能です。

計画的

製造業の現場では、生産計画や納期などが絡み合って業務が進行します。そのため、OJTを行う際も計画的に進めることが求められます。計画的にトレーニングを行わないと、生産の遅延や品質の低下などのリスクが高まります。

具体的にはOJTの期間や業務内容、使用する機材や材料などを事前に計画し、トレーニングを進めることが重要です。

たとえば、新製品の生産ラインでの作業手順を教える際は、事前に手順の流れや必要な材料をリストアップした上でOJTを行うことで、スムーズかつ効果的なトレーニングが実現します。

継続的

製造業の技術や知識は、一度のトレーニングで完璧に習得するのは難しいものが多いです。とくに、高度な技術や専門的な知識を要する業務では、継続的なトレーニングが不可欠です。一度のトレーニングでは習得しきれない知識や技術も、繰り返しのトレーニングを通じて徐々に身につけられます。

たとえば、特定の機械の高度な操作方法や特殊な材料の取り扱い方法など、継続的なトレーニングを通じて段階的にスキルアップを図ることが大切です。継続的なトレーニングにより、訓練を受ける側は安全かつ効率的に業務を遂行する能力を確実に習得することが可能です。

新入社員に合わせて進め方を工夫する

新入社員一人ひとりの学習スタイルや進捗状況に応じて、OJTの進め方を柔軟に調整することが重要です。個々のニーズに合わせたカスタマイズされたOJTを行うことで、学習者の理解度を高め、より効果的に知識やスキルを身につけさせられます。

現場での実習も並行して行う

実際の業務現場での実習を並行して行うことで、理論だけでは得られない貴重な経験を新人社員に積ませることができるでしょう。実際の作業環境で学ぶことで、新入社員は業務の流れやチームとの協働の重要性を理解し、実務に必要なスキルを効果的に習得できます。

座学で知識を詰め込んでから実務を通して教えるよりも、できるだけ早い段階から実務や実習に慣れることで、実際に現場に入った際でも焦らずに実力を発揮できることが期待できます。

OJT担当者にもフォローを実施する

OJT担当者自身も定期的なフィードバックなどのフォローを受けることが重要です。指導技術の向上やモチベーションの維持に役立ち、より高い質の指導を実現するための知識とスキルが身に付きます。

マニュアルや作業手順書を整備する

わかりやすく詳細なマニュアルや作業手順書は、OJTでの教育を効率化し一貫性を保つために不可欠です。結果として、新入社員は自習しながらも業務の要点を把握しやすくなり、自信を持って作業に取り組めます。

OJT担当者に負担がかからない効率的な教育には動画マニュアルがおすすめ

動画マニュアルの活用は、製造業における現場教育やトレーニングにおいて非常に効果的です。
動画は視覚的に情報を伝えられることに加え、一度撮影すれば何度でも繰り返し視聴できるため、新しい技術や手順を学ぶ際の理解を深めるのに役立ちます。

口頭ベースのOJTは教え方のバラツキ/担当者の負担が大きい

口頭ベースのOJTは、教える側のスキルや経験によって教え方が異なる可能性があります。なぜなら、同じ内容であっても伝え方や説明の粒度、重要視しているポイントなどが異なるため、新入社員や研修生が混乱することがあるからです。

また、口頭での説明はその都度時間とエネルギーを要するだけではなく、説明するのが難しい部分も多いため、担当者の負担が大きくなりがちです。製造業の例として、新しい製品の組み立て方法を学ぶ際、教育担当者が一生懸命に説明しても口頭の説明だけでは難しい部分や疑問点が残ることが多くあります。

そこで、複雑な手順や動作も見たままに伝えられる動画マニュアルを活用することで、視覚的に手順を確認しながら作業を進められるため、理解の質を向上させることが可能です。

製造現場で効果的にOJTを進めるなら「動画マニュアルtebiki」

教育担当者や現場に負担をかけずにOJTを効果的に進めるには、動画マニュアルのなかでも「tebiki」がおすすめです。

動画マニュアルtebikiを活用した教育とは?

tebikiは、スマートフォンで撮影するだけで簡単に動画マニュアルを作成できるツールです。
人・モノ・機械の動きのような伝わりにくい「カン・コツ」を動画で可視化することで、OJTの効率化や業務標準化、さらには技術伝承を効果的に推進できます。

tebikiの特長として、スマホで撮影し音声を吹き込むだけで音声認識システムが字幕を自動生成する機能があります。よって、製造業の現場での作業手順や注意点を現場のスタッフが直接撮影し、その場で動画マニュアルを作成することが可能です。他にも、映像編集や図形挿入などの機能を備えており、紙や文字では伝わりにくいノウハウやコツをより視覚的に示すことができます

さらに、100カ国以上の言語に対応した自動翻訳機能も搭載しており、外国人スタッフの教育も効果的に行えます。

OJTでtebikiを使用すれば、教育時間の短縮、理解度の向上、教育の質の均一化も実現できるでしょう。

動画マニュアルtebikiの機能詳細や導入サポート、導入効果については以下の画像から資料をダウンロードできます。OJTに課題を感じている方や、効果的な新人教育の方法をお探しの方は是非ご参考ください。


tebiki WP 用-1

tebikiの活用でOJTの課題を解決した成功事例

tebiki(動画マニュアル)の活用によるOJTの成功事例として、次の3つの事例を紹介します。

  • OJT担当者ごとの教育手法の属人化が解消:株式会社ものばんく
  • 教育にかかる時間を短縮:株式会社Olympic
  • 動画による動作の確認で理解度アップ:日本クロージャー株式会社

OJT担当者ごとの教育手法の属人化が解消:株式会社ものばんく

株式会社ものばんくは、インターネットオークション事業を展開している企業です。
インターネットオークションでは、商品の撮影業務が重要です。撮影業務は商品の品質や特徴を正確に伝えるための職人技が求められる作業であり、ベテラン社員の「ベテラン目線」が価値あるものとなっています。

しかし、「ベテラン目線」を新人に伝えるのは非常に難しく、さらにOJT担当者ごとに教え方が異なるため、新人が学ぶ内容や技術が一定でないという課題が生じていました。

そこで株式会社ものばんくは、動画マニュアル作成ツールtebikiを導入し、ベテラン社員の技術やノウハウを動画として記録することで、新人がいつでもどこでもその動画を参照できるようになりました。結果として新人が受ける教育の質が一定化され、OJT担当者の負担も大幅に軽減されました。

株式会社ものばんくがtebikiを導入して得られた効果や、動画マニュアル定着のコツについては以下のインタビュー記事でも詳しく紹介しています。是非ご覧ください。

教育にかかる時間を短縮:株式会社Olympic

株式会社Olympicは食品スーパーを提供する企業です。同社の精肉加工部門では高度なスキルが必要とされ、複雑な工程が多いことから新人が1人前になるまでに何年もかかるという課題がありました。加えてスキルの獲得には実務が不可欠なため、なかなか教育やOJTの機会がないことも新人のスキルアップに時間がかかる要因でした。

そこで、株式会社Olympicはtebikiを導入し、教育の場で活用することでOJTの回数が減少し、エース社員の教える時間も短縮されました。結果として教育期間が半減し、新人が早く1人前になる手応えが実感できています。

株式会社Olympicがtebikiを導入して得られた効果や、動画マニュアル定着のコツについては以下のインタビュー記事でも詳しく紹介しています。是非ご覧ください。

動画による動作の確認で理解度アップ:日本クロージャー株式会社

日本クロージャー株式会社は、ペットボトルや瓶のキャップを製造する企業です。
多くの製品を取り扱う中での製造工程や品質管理は非常に緻密であり、新入社員や未経験者が迅速に業務を習得することは容易ではありませんでした。とくに、製造ラインの操作やキャップの組み立てなど、具体的な手順や技術を要する作業が多いため、従来の教育方法では十分な効果を上げるのが難しい状況にありました。

そこで日本クロージャー株式会社はtebikiを導入し、新人OJTの7割を動画に置き換えることで教育の質にバラツキがなくなり、教育にかかる時間の大幅な削減と教育の質の均一化を実現しました。

加えて経験豊富な担当者が何度も同じ内容を教える手間が減少し、教育にかかる負担の軽減に成功したため、先輩社員が他の業務に専念できるようになりました。

日本クロージャー株式会社がtebikiを導入して得られた効果や、動画マニュアル定着のコツについては以下のインタビュー記事でも詳しく紹介しています。是非ご覧ください。

OJTの進め方に関するQ&A

OJTはどんな業務に向いている?

OJT教育が向いている業務としては以下の3つが考えられます。

  • カン・コツの習熟が求められる業務
  • ケースバイケースの対応が求められる業務
  • ツールを多用する業務

カン・コツの習熟が求められる業務

製造業では特定の機械の操作や微細な部品の取り扱い、特定の角度での取り付けなど独自のカンやコツが求められる業務が多い傾向にあり、単に知識を持っているだけでは十分な成果を上げることが難しい場合があります。

たとえば、金属同士を高温で溶かして接合する技術である溶接では適切な温度や圧力、速度などのカンが必要となり、経験を積むことで習得することが一般的です。また、製品の塗装は均一な仕上がりを求められる作業の一つであるため、塗料の種類や塗る速度、筆の使い方など、多くのカン・コツが必要となります。

ケースバイケースの対応が求められる業務

実際の現場での経験を通じて多様なケースに対する対応方法や判断基準を学べるため、柔軟に対応する能力が求められる業務にOJTは適しています。

たとえば、製品の品質検査では予期せぬ不具合や欠陥が見つかることがあります。不具合や欠陥への対応や判断は過去の経験や知識を基に行う必要があり、OJTでの教育成果が発揮される場面です。

また、製造現場の機械は複雑なため突然のトラブルが発生することもありますが、その原因特定や対応策は過去のトラブル経験を基に判断することが多いです。

さらに使用する材料の在庫や調達に関する問題が発生した場合も、代替材料の選定や調達方法の変更など、柔軟な対応が求められるためOJTで学んだ知識を活かすことが可能です。

ツールを多用する業務

製造業では、多くの専用ツールや機械が使用されます。専用ツールの操作方法やメンテナンス方法は、OJTを通じて実際に使用しながら学ぶことが最も効果的です。ツールの特性や操作感を理論だけで学ぶのは難しく、実際に手を動かして経験することで、深い理解を得ることが可能です。

たとえば、コンピュータ制御により精密な加工を行うCNC(Computer Numerical Control)機械は、製造業の現場で製品の部品を正確に加工するために頻繁に使用されます。操作者は専用のソフトウェアを使用して機械をプログラムし、正確な動きや切削を行う必要があるため、CNC機械の操作方法を習得することはOJTが最も有効といえるでしょう。

OJTがうまくいかない理由とは?

OJTがうまくいかない主な理由は、教育の計画性が不足していること、OJT担当者の指導や管理スキルが不足していること、十分なフィードバックが行われていないことにあります。複数の要因が重なると、新入社員のスキル向上が期待通りに進まず、組織全体の成長にも影響を与える可能性があります。

OJTで大切なことは何ですか?

OJTで大切なのは、まず明確な目標設定と計画を立てることです。加えて、OJT担当者の選定もOJTの質を左右します。OJTの担当者を選定する際はその人の専門性だけでなく指導能力も考慮する必要があります。

また、継続的なフィードバックを通じて、学習者のモチベーションを保ち、学習効果を高めることも重要です。上記のポイントを押さえることで、OJTの効果を最大化し、組織全体の生産性向上が期待できます。

動画マニュアルを活用しながらOJTを効果的に進めよう【まとめ】

OJTとは、実際の業務の中で行われる教育・研修のことです。

OJTでは、PDCAサイクルの適用、新入社員の個性に合わせた指導、実践的な現場研修、適切なマニュアルの整備が重要です。

また、属人化の解消やOJT担当者のサポートも欠かせません。

効率的な教育には動画マニュアルの活用がおすすめで、動画マニュアルのtebikiといったツールを用いることで教育の質と効率を同時に高めることが可能です。

この記事で紹介したtebikiの資料は無料でダウンロード可能です。ぜひこの機会にtebikiの資料を無料でダウンロードしてみませんか?


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