「かんたん動画マニュアルtebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
安全衛生教育とは、労働災害防止を目的に労働者が安全衛生に関する知識を養うために行われる教育のことです。読者の方の中には、以下のような疑問やお悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
- 「安全衛生教育の基本的な定義と義務について知りたい!」
- 「安全衛生教育の種類にはどんなものがあるの?」
- 「安全衛生教育に役立つツールを知りたい!」
そこでこの記事では、安全衛生教育の基本的な定義や重要性から解説します。また、具体的に何をやったらいいのか?効率化する方法までご紹介します。安全な職場を効率的に実現するためのヒントに、ぜひご活用ください。
目次
安全衛生教育とは?果たして義務なのか
製造業や建設業、物流業といった、とくに危険な作業や有害な業務に従事することが多い業界や業種では、労働災害を防ぐために徹底した安全衛生教育が求められます。
では具体的な安全衛生教育とは何なのかという疑問に答えるために、ここでは以下の内容を解説します。
- 安全衛生教育とは
- ”義務”と”努力義務”が存在する
安全衛生教育とは
安全衛生教育とは、労働者が作業中に起こる可能性のある危険や健康リスクを理解し、それに対処する方法を学ぶための教育のことです。
主に、新しく雇用された労働者や作業内容が変更された労働者に対して行われます。具体的には、労働者が安全な作業方法を習得し、適切な保護具の使用方法や緊急時の対応方法を学ぶことなどがあります。製造業では、機械操作や化学物質の取り扱いなど、多くの危険が伴うためとくに重要です。
なお、「教育」の前に「そもそも安全衛生とは何?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。そのような方は以下の記事もご覧ください。
関連記事:安全衛生とは?意味や管理体制、取り組み事例について簡単に解説!
”義務”と”努力義務”が存在する
安全衛生教育は労働安全衛生法の第59条、第60条、第60条の2で規定されています。
第59条では、事業者は労働者を雇い入れたときや作業内容を変更したときに、その業務に関する安全衛生教育を行うことが義務とされています。また危険または有害な業務に従事する労働者には特別の教育を行う必要があります。
第60条では、特定業種の職長など指導者に対する安全衛生教育も義務付けられています。
第五十九条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。 2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。 3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。 第六十条 事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。 一 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。 二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。 三 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの 第六十条の二 事業者は、前二条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。 2 厚生労働大臣は、前項の教育の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。 3 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。 |
【引用元:安全衛生労働センター労働安全衛生法 第六章 労働者の就業に当たっての措置(第五十九条-第六十三条)】
一方、第60条の2では、危険または有害な業務に就いている者への継続的な安全衛生教育は”努力義務”とされています。ただし、努力義務だからといって怠ってよいというわけではありません。
労働安全衛生法では、労働災害や事故を発生させたら罰するといった条文はなく、必要な施策をすべて実行していた場合は発生しても罰しないという構成になっています。しかし、現場で必要な安全対策や安全衛生教育を怠って事故が発生した場合は、罰せられるという構成になっているため、必要なものは努力義務でも行うべきでしょう。
労働安全衛生法の構成に関するお話は、別記事「元労基署長が解説!安全第一はだれのため?」で詳しく解説しています。
ご紹介したように、安全衛生教育の実施は従業員を事故から守るために必要な取り組みです。現場改善ラボでは、「従業員の安全意識を形骸化させない」教育の進め方について、労働安全コンサルタントによる1時間弱の解説動画を無料でご覧いただけます。
ぜひこの機会に、以下のリンクをクリックしてご活用ください。
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安全衛生教育の対象となる業種
安全衛生教育の対象業種は法改正により拡大されました。ここでは具体的に以下の2項目を解説します。
- 法改正前の対象
- 法改正後の対象
法改正前の対象
法改正前、安全衛生教育の対象となる業種は限られていました。
具体的には、建設業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業、製造業が対象でした。現場作業を行う際に作業者を指揮監督する職長が必要とされ、職長教育が義務付けられていました。
その反面業種が限定されていたため、他の多くの業種では同様の教育が義務付けられておらず、安全意識の向上に課題がありました。
法改正後の対象
2023年4月1日の法改正により、職長等の安全衛生教育の対象業種が拡大されました。
新たに食料品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業が追加されました。追加された業種でも職長等が適切な教育を受けることが義務付けられ、労働災害の防止と安全意識の向上が期待されています。
改正は、過去の労働災害事例から学び、より広範な業種に対して安全対策を強化するための措置です。本法改正については、元労働基準監督署署長の村木 宏吉氏による解説動画もあります。本記事と併せて以下よりご覧ください。
安全衛生教育の種類と具体的な内容
安全衛生教育には主に以下の4種類があります。
これらは労働者の安全と健康を守るために不可欠であり、労働安全衛生法にもとづいて実施されます。
労働安全衛生法及び労働安全衛生規則の条文を見ながら、それぞれの教育内容について解説します。
労働者を雇い入れたとき・作業内容を変更したときの教育
雇入れ時等の教育は労働安全衛生規則の第35条に定められています。
第三十五条 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。 一 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。 二 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。 三 作業手順に関すること。 四 作業開始時の点検に関すること。 五 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。 六 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。 七 事故時等における応急措置及び退避に関すること。 八 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項 |
【引用元:e-GOV法令検索「労働安全衛生規則」】
労働者を雇い入れたときや作業内容を変更したときには、労働安全衛生法の第35条にもとづいて、安全衛生教育を実施することが求められます。
具体的には機械や原材料の危険性、保護具の使用方法、作業手順、作業開始時の点検、予防措置、整理整頓、応急措置などが含まれます。
省略できるケース
安全衛生教育の実施が基本的には求められますが、中には教育を省略できるケースがあります。
労働安全衛生規則第35条第2項では、事業者は特定の労働者について、安全衛生教育の一部または全部を省略できると定めています。
2 事業者は、前項各号に掲げる事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。 |
【引用元:e-GOV法令検索「労働安全衛生規則」】
これは、労働者がすでに十分な知識と技能を持っていると認められる場合に適用されます。たとえば過去に同様の作業を経験しており、安全な作業手順や保護具の使用方法を熟知している場合、教育の一部を省略することが可能です。
危険/有害な業務に従事する者への教育(特別教育)
労働安全衛生規則第36条では、特定の危険または有害な業務に従事する労働者に対する特別教育が定められています。
1号から40号まで条文があるため、ここでは条文全てを紹介することはしませんが、一例として、研削といしの取替えやアーク溶接、高圧電路の作業などが挙げられます。特に危険性が高いため、労働者が安全に作業を行うための専門的な知識と技能を提供することが必要です。
(参照元:e-GOV法令検索「労働安全衛生規則」)
特別教育の実施方法については、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
義務ではなく「努力義務」になるケース
労働安全衛生法第60条の二では、すでに危険または有害な業務に従事している労働者に対する継続的な安全衛生教育について定めています。
第六十条の二 事業者は、前二条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。 2厚生労働大臣は、前項の教育の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。 3厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。 |
【引用元:e-GOV法令検索「労働安全衛生法」】
ここでは事業者には教育を行う「努力義務」が課せられています。
具体的には、労働者が現場で安全に業務を続けられるよう、定期的な再教育やフォローを行うことが推奨されます。努力義務は法的な義務ではないものの、労働環境の安全性を維持し、労働災害を防ぐためには重要です。
省略できるケース
労働安全衛生規則第37条では、特別教育の省略についても言及されています。
第三十七条 事業者は、法第五十九条第三項の特別の教育(以下「特別教育」という。)の科目の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該科目についての特別教育を省略することができる。 |
【引用元:e-GOV法令検索「労働安全衛生規則」】
事業者は、特別教育の科目の全部または一部について、十分な知識および技能を有していると認められる労働者に対して、当該教育を省略することが可能です。
たとえば過去に同様の危険業務を経験し、その作業に関する高度な知識と技能を持っている労働者は、再度の特別教育を受ける必要がないと判断される場合があります。
職長等への教育
職長等への教育は労働安全衛生法第60条および労働安全衛生規則第40条に規定されています。
職長等とは、作業中の労働者を直接指導・監督する役割を持つ者であり、作業方法の決定や労働者の配置、労働災害防止活動などの指導を行います。
2023年4月1日から、「職長等への教育」の対象業種が拡大
2023年4月1日から職長等への教育の対象業種が大幅に拡大されました。従来の建設業や製造業に加え、新たに食品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業が対象として拡大されています。
この法改正により、新たな対象業界/業種でも作業方法の決定、労働者の配置、労働災害防止活動などに関する教育を受けることが義務付けられました。改正により、より多くの業種で労働者の安全衛生が強化され、職場の安全意識が高まることが期待されています。
(参考元:厚生労働省「職長等に対する安全衛生教育の対象業種が拡大されます!」)
元労働基準監督署署長の村木 宏吉氏によると、食品製造業界はとくに労働災害の発生頻度が多かった背景もあり、対象業種として拡大されたとお話されています。村木氏による法改正に関する解説や、新たに対象となった業界業種に求められる安全衛生教育の在り方は、以下の動画よりご覧いただけます。
ぜひこの機会に解説動画もご活用ください。
省略できるケース
労働安全衛生規則第40条第3項によれば、事業者は職長等教育の一部または全部を省略することが可能です。
3 事業者は、前項の表の上欄に掲げる事項の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる者については、当該事項に関する教育を省略することができる。 |
【引用元:e-GOV法令検索「労働安全衛生規則」】
これは、対象者が既に十分な知識および技能を有していると認められる場合に適用されます。
たとえば過去に同様の教育を受け、職務に必要な知識や技能を既に持っていると判断される場合、再度教育を受ける必要はありません。
安全管理者等に対する教育
労働安全衛生法第19条にもとづき、事業者は必要に応じて安全衛生委員会を設置し、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医、作業環境測定士などを指名して委員会を構成します。
安全衛生委員会は、安全衛生に関する重要な議題を討議し、適切な対策を講じる役割を担っています。委員会の設置と運営を通じて、事業場全体で労働者の安全と健康を守る取り組みを強化し、労働災害の未然防止に努めることが求められます。
安全衛生委員会に関する具体的な解説は、以下の記事をご覧ください。
▼関連記事▼
・安全衛生委員会とは?設置目的や基準、構成メンバー、議論テーマ例を解説!
・安全衛生委員会ネタ例!面白いテーマや考え方とは?
安全衛生教育の実施手順
安全衛生教育を効果的に実施するためには、以下の5つの手順を踏みましょう。
従業員の安全意識を高めるための教育方法については、専門家による以下の解説動画も無料で公開中です。本記事と併せて以下よりご活用ください。
全体計画の策定
まず全体計画の策定を行いましょう。
全体計画は企業の全体方針や目標にもとづき、具体的な教育プログラムを定めるものです。教育の目的、対象者、教育内容、実施方法、スケジュールなどを記します。
計画を詳細に立てることで、教育の効果を最大化し、労働者が必要な知識とスキルを確実に習得できるようにします。
教育責任者を選任
次に教育責任者の選任を行いましょう。
教育責任者は安全衛生教育の計画から実施、評価までを総括する役割を担います。適任者としては、安全衛生に関する深い知識と経験を持つ人が理想です。
また、責任者は教育の進捗を管理し、問題が発生した際には迅速に対応できるようにします。専任された教育責任者は、教育を行うための時間や人などのリソースを適切に配分し、全体の調整を行います。
教育内容・カリキュラムの設計
次は教育内容とカリキュラムの設計を実施しましょう。
カリキュラムは労働者が業務の特性や現場で抱えるリスクを考慮して作成する必要があります。たとえば、カリキュラムには機械操作の安全手順、化学物質の取り扱い方、緊急時の対応方法などが含まれます。
教育マニュアルの作成
何を教えるべきかを決めたら、それをマニュアルに起こしましょう。
専門用語などは極力使わずに、誰でもわかりやすいマニュアル作りを心がけると良いです。新人が読んでも理解できるかどうかが、1つのわかりやすさの基準になります。わかりやすいマニュアル作りには、図解や写真を都度用いることが効果的ですが、それなりの労力を必要とします。
マニュアル作成を効率的に行っている事業者が活用している手段の1つが動画マニュアルです。
図解や写真を1つ1つ用意する必要がなく、連続した映像で撮ることができるので楽です。また、動作を文章に起こす必要もないので、言語化にかかる労力をなくすことが可能です。
実際、私たちが展開するかんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を使用したことで、従来の文書マニュアルより作成工数が1/3に削減された事例もあります。
▼サンプル動画:電動リフトのバッテリー液補充(音量にご注意ください)▼
(「【業界別】動画マニュアルの事例とサンプルを多数ご紹介!参考ポイントや作り方も解説」より抜粋)
動画マニュアルを活用することで、どれだけマニュアル作成工数や教育負担が軽減されるかは以下のガイドブックで解説しています。新たな安全衛生教育の手法のヒントとしてご活用ください。動画マニュアルのメリットを詳しく知りたいという方は、後述の「動画マニュアルを活用する」をご覧ください。
実施の記録
忘れてはいけないのが記録。
安全衛生教育を実施した際の記録を残すことは、法的な義務だけでなく、企業のリスク管理上も重要です。特別教育は、記録を3年間保存することが法的に求められています。
他の教育についても、記録を残しておくことで、教育の実施状況を証明でき、万が一の事故や災害時に会社の責任を明確にできます。教育の記録には、受講者名、実施日、教育内容、講師名などを含めるとよいでしょう。
ここまで、安全衛生教育を実行する流れについて詳しく解説しました。
繰り返しになりますが、安全衛生教育は「従業員の安全意識を高めて事故を未然防止する」ことが目的です。安全意識を高めるための教育方法については、専門家による以下の解説動画をご覧ください。
>>専門家による「安全意識を形骸化させない教育方法」の解説動画を見る(視聴無料)
安全衛生教育を行う際の注意点
安全衛生教育は、適切に行わなければ効果は薄れ、労働災害のリスクが高まります。以下では、安全衛生教育を実施する際の注意点を3つ解説します。
- マニュアルを渡すだけで終わらせない
- 派遣社員にも実施する必要がある
- 学習の理解度や進捗度合いを記録する
マニュアルを渡すだけで終わらせない
教育に割く時間がなく、マニュアルを配布するだけで安全衛生教育を終了するケースは少なくないようです。
しかしマニュアルを渡すだけでは、労働者が読まない可能性が高く、理解度も不明です。そのため担当者が直接教育を行い、実際の作業に関連する具体的な例を交えて説明することが重要です。また教育の進捗や理解度を確認し、必要に応じてフォローを行うことで、教育効果を高めることが可能です。
派遣社員にも実施する必要がある
派遣社員に対する安全衛生教育も重要です。
教育の実施責任は教育の種類ごとに異なります。雇入れ時の教育は派遣元が、作業内容変更時の教育は派遣元と派遣先の両方が、特別の危険有害業務従事者への教育は派遣先が担当します。
派遣社員も正社員と同様に安全衛生教育を受けることで、職場での安全意識が高まり、労働災害のリスクを減らせるでしょう。派遣元と派遣先が連携して教育を行うことが求められます。
学習の理解度や進捗度合いを記録する
安全衛生教育の効果を確実にするためには、労働者の学習理解度や進捗度合いを記録することが重要です。
特別教育は、記録を3年間保存することが法律で義務付けられていますが、他の教育についても記録を残すことが望ましいです。記録することにより、労働災害が発生した際に会社の責任を明確にでき、安全配慮義務を果たしていることを証明できます。
ここまで、安全衛生教育の実施方法や注意点について、詳しくご紹介してきました。
一方で、これらすべてを教育に反映させようとすると、手間がかかるのも事実です。次の章では、安全意識を高められる教育を効率的に実施する方法について解説していきます。
安全衛生教育を効率的に実施する方法
安全衛生教育を効率的に実施する方法として、主に以下の2つをご紹介します。
- 外部に委託する
- 動画マニュアルを活用する
外部委託の場合、効率化はできるものの自社の職場環境に則した教育内容にすることが難しいです。そのため、私たちのオススメとしては「動画マニュアルを活用する」方法になります。
外部に委託する
外部の専門機関に安全衛生教育を委託することで、教育の質を高めることが可能です。
専門知識を持つ講師が労働者に最新の情報やスキルを教え、教育の効果を向上させます。特に自社内で十分な教育リソースを確保できない場合や、最新の法規制や技術に対応した教育が必要な場合に有効です。
また、外部委託により教育の準備や実施にかかる負担を軽減でき、企業は本来の業務に集中できます。
一方で前述のように、「自社の環境に則した教育内容」にする難易度は高いため、後述の「動画マニュアルの活用による安全衛生教育の内製化」をオススメします。
動画マニュアルを活用する
動画マニュアルとは、作業の動きなど「動作」を動画で視覚的にわかりやすく伝えるマニュアルです。安全衛生教育に動画マニュアルを活用するメリットとして、以下の4点が挙げられます。
- 反復学習させることができる
- マニュアルの作成時間を短縮できる
- 教育者の教育コストを削減できる
- マニュアルの保管が簡単
反復学習させることができる
動画マニュアルは何度でも再生できるため、労働者は自分のペースで学習を進めることが可能です。
重要なポイントを繰り返し確認することで、理解度が深まり、知識の定着が促進されます。とくに新入社員や作業内容が変更された際の再教育において、反復学習が有効です。
また動画を視聴することで、実際の作業手順や注意点を視覚的に理解できるため、実践に即した教育が可能となります。
マニュアルの作成時間を短縮できる
動画マニュアルの作成は従来の紙ベースのマニュアルに比べて短時間で行えます。
撮影した動画を編集し、必要な情報を追加するだけで完成するため、時間と労力を大幅に節約できます。また動画は視覚的に情報を伝えやすいため、詳細な説明が不要になり、作成プロセスが簡略化されます。
教育者の教育コストを削減できる
動画マニュアルを使用することで教育者のコストを削減できます。
従来の講義形式の教育では教育者の時間や講義の準備に多くのコストがかかりますが、動画マニュアルを利用することで、一度作成した動画を繰り返し使用できるため、教育者の労力と時間を節約できます。
また動画マニュアルは、労働者が自分のペースで学習できるため、個別対応の必要が減り、教育の効率が向上します。
マニュアルの保管が簡単
動画マニュアルはデジタル形式で保存できるため保管が簡単です。
クラウドストレージや社内サーバーに保存することで、必要なときにすぐにアクセスでき、労働者も簡単に参照できます。またデジタルデータは更新が容易であり、最新の情報や手順をすぐに反映させられます。
動画と聞くと『編集が難しそう…』と感じるかもしれませんが、編集未経験者でもかんたんに動画マニュアルを作成できるツールが「tebiki」です。次章ではtebikiの機能について詳しくご紹介します。
安全衛生教育を効率化!動画マニュアルtebikiとは?
かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」は、安全衛生教育を効率化するために便利な動画マニュアルの作成ツールです。
▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼
tebikiの具体的な機能は以下の4つが挙げられます。
- スマホやタブレットで簡単にマニュアル作成可能
- 学習の進捗や理解度を可視化できる
- 100カ国語以上への自動翻訳に対応
- 半永久的に続く手厚いサポート
スマホやタブレットで簡単にマニュアル作成可能
tebikiを使用すれば、スマホやタブレットで簡単に安全衛生教育用の動画マニュアルを作成できます。
現場の担当者が特別なスキルを持たなくても、日常的なデバイス操作で動画を撮影し、即座にマニュアル化が可能です。
学習の進捗や理解度を可視化できる
tebikiには学習の進捗や理解度を可視化する機能があります。
安全衛生教育の進行状況をシステム上で確認できるため、誰が、いつ、どの程度の理解度を持っているかが一目でわかります。結果として、教育担当者は個々の従業員の学習状況を把握し、必要な指導をタイムリーに行うことが可能です。
理解度テスト機能も備えており、教育の効果を検証しやすく、現場の安全性向上も期待できるでしょう。
100カ国語以上への自動翻訳に対応
tebikiは100カ国語以上の自動翻訳機能を搭載しています。
多国籍の従業員がいる現場でも、効果的な安全衛生教育が可能です。動画を撮影した後、翻訳字幕を追加でき、言語の壁を越えて情報を共有できます。翻訳字幕により、全員が同じ教育内容を理解し、安全衛生の基準を統一することが可能です。
半永久的に続く手厚いサポート
tebikiは導入後も半永久的なサポートを提供しています。
ユーザーが困った際には専門のサポートチームが迅速に対応し、問題解決を手伝ってくれる点が特徴。また定期的なアップデートにより、最新の機能や改善が行われるため、常に最適な状態で利用できます。
より詳細なtebikiの機能やプランを知りたい方は、以下より資料をご覧ください。次章では、tebikiを使用した「動画マニュアルによる安全衛生教育を実施した事例」についてご紹介します。
動画マニュアルで安全衛生教育が効率化された事例
動画マニュアルtebikiで安全衛生教育が効率化された事例として、ここでは以下の2社を紹介します。
- 株式会社フジトランス コーポレーション
- ASKUL LOGIST株式会社
『より多くの業界や業種における活用事例を知りたい』という方は、動画マニュアル活用事例を1冊に凝縮した以下のガイドブックも併せてご覧ください。
株式会社フジトランス コーポレーション
株式会社フジトランス コーポレーションは、1952年創立の総合物流企業で、港湾運送や内航海運、貨物利用運送、倉庫業、梱包業など多岐にわたるサービスを提供しています。
同社では、安全衛生教育で教育内容のばらつきや引き継ぎの負荷、言語の壁による理解度の差といった課題を抱えていました。とくに外国人労働者が増加する中で、教育の効率化と標準化が急務に。また現場ごとの教育担当者の負担も大きく、長時間労働の原因となっていました。
tebikiを導入したことにより、教育内容が統一され、従業員全員が同じ情報を得られるようになり、教育のばらつきがなくなり、引き継ぎの負荷も軽減されました。またtebikiの多言語対応機能を活用することで、外国人労働者も母国語で教育を受けられるようになり、理解度が向上しました。
結果として、教育担当者の負担が減り、全体的な業務効率が向上しました。
より詳細な同社の動画マニュアル活用事例は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
インタビュー記事:働き方改革の手段としてtebikiを活用。複数の部門で工数の効率化を実現!
ASKUL LOGIST株式会社
ASKUL LOGIST株式会社は、アスクル株式会社100%出資の物流企業で、EC専門の総合物流企業として「ASKUL」と「LOHACO」の物流・配送機能を担っています。全国に15拠点を展開し、多様な人材を採用しています。
▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:ASKUL LOGIST株式会社▼
同社では、多様な労働者の教育標準化が課題でした。紙マニュアルやOJTでは教育の質にバラつきがあり、新人従業員が短期間で必要な知識を身に付けるのが困難であったと担当者は語ります。とくに外国籍スタッフや短時間勤務者、障がい者など多様な従業員が理解しやすい教育方法が求められていました。
tebikiの導入により、教育内容の標準化と効率化が実現しました。動画マニュアルを用いることで、視覚的に分かりやすい教育が可能になり、労働者はいつでも必要な時に見返すことが可能になっています。
さらにtebikiの多言語対応機能により、外国籍スタッフへの教育もスムーズに行えるようになり、結果として新人教育の時間が2時間から30分に短縮され、管理者の負担が軽減されました。また教育の定着度が向上し、現場での作業効率も改善されました。
より詳細な、ASKUL LOGIST株式会社の動画マニュアル活用事例は以下のインタビュー記事よりご覧ください。
インタビュー記事:従業員数3,500名超・全国14拠点で動画マニュアルtebikiを活用!
tebikiを利用して安全衛生教育にいかそう【まとめ】
安全衛生教育の内容は法令に基づき義務付けられており、特に労働者を新たに雇用した時や作業内容を変更した際には、必須となります。また危険・有害な業務に従事する者への特別教育や、職長などの監督者への教育も重要です。法改正により、職長等教育の対象業種が拡大され、食料品製造業や新聞業なども含まれるようになりました。
安全衛生教育の実施手順としては、全体計画の策定、教育責任者の専任、カリキュラムの設計、教育マニュアルの作成、そして実施の記録が重要です。
教育の効率化には、外部委託や動画マニュアルの活用が有効です。
動画マニュアルは、反復学習が可能であり、作成時間の短縮や教育コストの削減、保管の容易さといった利点があります。tebikiなどのツールを活用することで、スマホやタブレットで簡単にマニュアル作成ができ、学習進捗や理解度の可視化、多言語対応などが実現します。
tebikiの資料は無料でダウンロード可能です。ぜひこの機会にチェックしてみてください。