動画で全拠点の安全品質意識の向上と
業務ノウハウの可視化を達成
株式会社ロジパルエクスプレス
- 業種 :物流
- 従業員数 :101-500名
お話を伺った方:
宮﨑大輔様(安全管理部ゼネラルマネージャー)
佐藤真様(安全管理部安全管理課マネージャー)
鈴木彩香様(安全管理部安全管理課プロセス改善チーム兼品質管理課 安全品質チーム)
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課題
- 拠点ごとにマニュアルやルールにバラツキがある
- 安全品質を高めて事故やヒヤリハットを削減したい
- 紙マニュアルの工数を削減したい
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効果
- 全拠点でルールやマニュアルを統一できる環境が整った
- 業務上の危険や業務解像度が伝わりやすくなり、安全品質意識が向上
- マニュアルを申請してから確認と承認までの時間が短縮
全拠点の全従業員に“動画教育”で安全品質意識を向上させる取り組みを開始
貴社の事業内容と、tebikiの対象業務を教えてください。
鈴木様: 株式会社ロジパルエクスプレスは、親会社である株式会社バンダイロジパルの物流部門を分割し、設立された会社です。分割後、株式会社バンダイロジパルは3PLを主体として物流改革の企画・提案や国際一貫物流とアミューズメント関連事業を担当し、株式会社ロジパルエクスプレスでは、実物流会社として倉庫や車両などの自社資産を活用した、物流サービスを提供しています。
tebikiの活用方法は、大きく分けて2つです。1つ目は安全品質の教材として活用し、2つ目は各拠点の倉庫内作業やトラックドライバーの業務といった現場の作業マニュアルとして活用しています。tebikiの活用は全拠点の全従業員が対象で、自社の社員はもちろんのこと、パートナー社員や派遣社員の方々の約300人が対象です。
拠点ごとに違うマニュアルやルール、業務品質にバラツキがあった
どのような課題があったのでしょうか?
鈴木様: 当社だけでなく、他社でもある課題だと思いますが、従来はマニュアルを紙ベースで作成していました。拠点ごとにマニュアルやルールが統一されてなく、同一の業務を行っていても業務品質や作業手順にバラツキがあり、同じ作業手順で品質を均一化させることが課題でした。
宮﨑様: 当社でのマニュアル作成にあたっては、社内にマニュアル委員会があり、拠点ごとに任命されたマニュアル委員が作成し、委員会で確認、承認していました。そのため全拠点の統一版ではなく各拠点でバラツキを生んでしまっていました。統一化されていないことで作業としてやるべきものが抜けてしまったりすることが散見されていたので、そういうバラツキをなくしたいと思っていました。
また、業務が多岐に渡ると、その分マニュアルも多くなってしまいます。読み込むマニュアルの量が多いことで業務手順を見落とすことを懸念していました。また、初めて行う業務を紙マニュアルで調べようとすると、ページ量が多く知りたいページにたどりつくまでに時間がかります。この紙マニュアルのマイナス面である検索性が低いということがマニュアルの活用を遠ざけていると感じていました。マニュアルが置いてある場所も作業を行う現場から遠く、事務所の中にあり、必要な時にすぐに閲覧できないといったアクセスの悪さも活用されない原因だったと思います。
佐藤様: 私が現場にいた時に感じた課題としては、紙の情報量は動画の情報量に比べて少なく、正確な情報が伝わりにくく、それが安全や品質に影響を与えてしまっていることでした。例えば、「台車で運ぶ荷物の積み上げは胸の高さまで」、という情報も人によって意識される胸の高さは違っていて、基準よりも高積みしてしまい、台車から荷物を落としてしまうといった事故も起きていました。
また、ベテラン社員の業務ノウハウが拠点全体に共有、可視化されずベテラン社員が辞めると業務ノウハウもなくなってしまい、蓄積もされないといった課題もありました。
動画マニュアルは承認する側にとっても分かりやすいです
tebikiの導入経緯と、その効果を教えてください。
宮﨑様: 各拠点で苦労して作成したマニュアルの活用を進めるという話がきっかけで色々なツールやアイディアを社内で検討したのがきっかけです。
紙マニュアルの作成自体にはかなりの工数がかかっていましたが、確認する側においても同様でした。紙マニュアルを読み込み、情報を正確に読み取り、現場の業務状況と照らし合わせ、内容の正確性や業務のポイントがしっかりと表現されているかどうかなどの確認を経て承認されるのに1ヶ月くらいかかっていました。
鈴木様: 動画に切り替えてからは承認する側にとってもわかりやすく、内容の把握がスムーズにできるので、マニュアルを申請してから確認と承認までの時間が短縮されたと実感しています。
マニュアルへのアクセス性、操作性や、繰り返し学習など多岐に渡る効果
現場での活用が進んでから、改めてtebikiの価値を感じる部分はございますか?
佐藤様: 現場にいた時に、tebikiを使ってマニュアルを作成してみたところ、お客様からマニュアルの質を褒められ、品質が上がっていると評価してもらいました。また、このマニュアルを利用することで現場教育の平準化が図れ、他の物流会社との差別化ができました。更にマニュアルの検索性が上がったので、現場でもtebiki上でマニュアルを確認している光景もよく見られるようになりました。
宮﨑様: 全国各地の拠点から参加する集合研修の実施が難しいトラックドライバー向けの教育としても、隙間時間で勉強してもらうことができ、マニュアルの活用が倉庫現場だけでなく多方面でも見られるようになりました。
鈴木様: 教育教材へのアクセスがtebikiによって簡単になり、年間を通じて見てもらっているのが組織レポート機能から把握でき、繰り返し勉強されているのが実感できています。
「社内のマニュアルづくり」のツールにおいて、重要なのは操作性
導入の決め手は何だったのでしょうか?
佐藤様: 操作性です。インターネットで色々検索して、マニュアルの活用を進められそうなツールを比較検討し、tebikiと別の会社の2社に絞り込みました。実際にこの2社のツールを使ってマニュアルを作成して、機能性や操作性など調査しましたが、tebikiは、操作性が良く画面も分かりやすかったのが今でも印象に残っています。
もう1社のツールは、機能面に関して問題なかったのですが、操作が複雑で、特に動画編集は難しく感じました。現場でこのツールが浸透し、活用が進むイメージは沸きませんでした。継続的に活用できるツールとしては、tebikiが一番理にかなっていると思います。
事故防止月間にあわせて、安全管理部から全拠点へtebiki上で安全動画を配信
動画マニュアルの社内展開で苦労した点はございますか?
鈴木様: tebikiを導入する際の社内調整は特に苦労はなかったです。また、安全管理部でtebikiを活用して教材やマニュアルを作成し、それを現場で活用するといった取組みを行いましたが、この取組みにおいても苦労する点はありませんでした。ただ、各拠点の現場担当者や教育担当者がtebikiを使ってマニュアルを作成するというところまで浸透させるのは大変でした。
どんなツールでも同じだと思いますが、「tebikiを導入したので各現場で利用を開始してください」という単なるアナウンスだけでは当然浸透しません。まず知ってもらうところからスタートして、次に慣れてもらうところを目指す、このようなマイルストーンを意識して、徐々に現場に浸透させていきました。
具体的なアクションとしては、安全管理部から全拠点へtebiki上でコンテンツを配信し、多くの従業員の人達がtebikiにアクセスする機会を作るというものです。一例として、社内で決めている事故防止強化月間にあわせて、フォークリフトの危険予知トレーニングや商品の取り扱いルールを動画教材にし、対象となる各拠点の従業員全員がtebikiで視聴して学習するというものがあります。
佐藤様: コンテンツの配信が始まった当時、私は現場の所長をしていましたが、この教材はとても助かりました。動画を流しながら、特に重要な箇所は、その場でも口頭で情報を追加して注意を促しました。業務で忙しい時でも、動画で一定の情報を現場作業員にインプットしてもらうこともでき、トレーナーの業務を圧迫させることなく、教育ができるのは助かります。
宮崎様: 教材のテーマや内容によっては、動画を見ておいてもらうだけでも安全品質意識を担保することができます。教育コストの圧縮、業務効率化という意味でも良い取り組みだったと思います。
鈴木様: 知ってもらう、慣れてもらうというフェーズが終わったら、次のフェーズである現場でのマニュアル作成を促進させるフェーズにアクション軸を動かしていきました。具体的には、マニュアル作成の担当者にtebikiの利用方法や操作方法を説明し、時には個別で現場への説明会を実施したり、一緒に撮影、編集したりして現場に浸透させていきました。この当初定めたマイルストーンどおりに進められ、現時点の活用度を実現できたのはtebikiさんのサポートがあったからだと思います。
安全品質意識の向上を現場だけでなく、全社に展開していく
今後のtebikiの活用の展望をお聞かせください。
宮﨑様: 現時点(※2024年2月1日時点)で、動画マニュアルの視聴時間は合計710時間と、tebikiの活用が進んでいます。
ただ、これらtebiki上に作成されたマニュアルおよびその利用者は現場が中心です。tebikiは現場だけでなく、総務や経理など他部署でも活用できると思っています。業務上の事故やヒヤリハット案件は、他部署でも起こりえる話だと思います。私たちの部署のミッションは現場の安全だけでなく、会社全体の安全、品質を高めることであり、この推進においてtebikiの可能性を探っていきたいと思っています。