かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
食品工場における掃除は、決して軽視できない重要な活動です。掃除が不十分だと製品が汚染されるリスクが高まり、消費者の健康が脅かされることになります。ここで先にお伝えしたい落とし穴があります。多くの現場は掃除の「手順」や「頻度」をルールとして定めています。手順を定めていても汚染リスクが残ってしまう背景には、どうしても清掃の質が作業者個人の経験や意識に依存しやすく、結果としてバラつきが生じてしまうことが一因として挙げられます。とりわけ、後述する天井・機器の細部・トイレといった「きつい場所」ほど、口頭や紙のルールでは徹底されず、人によって仕上がりが変わります。清掃には器具の動かし方や力加減、洗浄箇所など、文章だけでは伝わりにくい要素があります。本記事では、清掃方法・道具・頻度・マニュアル化のポイントを押さえたうえで、それを“個人任せ”にせず現場に定着させる方法まで解説します。
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目次
食品工場の掃除方法と注意点を解説!
さっそく食品工場の掃除方法を、以下の通り場所に分けて解説します。食品工場内を清潔な環境に整えるために、注意すべきポイントも併せて紹介します。
- 製造ラインの掃除
- 床の掃除
- トイレの掃除
- 機器の隙間や細部の掃除
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製造ラインの掃除
製造ラインでは、下処理・調理・加熱済み食品用など、調理の過程ごとに区別して清掃することが求められます。すべての工程で徹底した掃除を行えば感染リスクは低くなりますが、多くの時間と人員が必要になります。したがって、時間をかけるべきポイントに集中し、メリハリをつけて掃除することが重要です。掃除をする際は、以下の手順で進めます。分解できる箇所はすべて取り外し、それらもまとめて洗浄します。
- 汚れを中性洗剤などで洗い落とす
- すすぎ残しがないよう、十分な流水で洗剤をすすぐ
- 水気をとり、翌日までに乾燥させる
機器メーカーごとに清掃・洗浄方法が異なることがあるため、取扱い説明書を守って洗浄を行いましょう。また、洗浄剤・消毒剤によっては設備や機器を劣化させるおそれがあるため、使用前に材質を確認したうえで洗浄します。
床の掃除
食品工場の床は、主に以下の2種類があります。エリアごとに異なる種類が採用されているため、それぞれに適した掃除方法が求められます。
ウェットシステム:排水されやすいよう排水設備が各所に設置され、水が流れやすいよう床に勾配がある。主に下処理や加熱調理など水を使用する場所に多い床システム。
ドライシステム:平らな作りの床で、基本的に排水溝は設置されない(まれに水拭き清掃などに対応した排水設備が取り付けられていることも)。主に充填室や包装室など水分がない環境に使用する床システム。
食品工場の床は、日々の掃除と徹底的な掃除を組み合わせた、メリハリのある清掃を心がけましょう。厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」でも、施設の床面(排水溝を含む。)、内壁のうち床面から1mまでの部分及び手指の触れる場所は1日に1回以上、施設の天井及び内壁のうち床面から1m以上の部分は1月に1回以上清掃し、必要に応じて、洗浄・消毒を行うこと。施設の清掃は全ての食品が調理場内から完全に搬出された後に行うことが求められています。
| システム | 日常的な掃除 | 徹底的な掃除 |
|---|---|---|
| ウェット | ①ほうきや掃除機で床表面のごみを取り除く②床に洗浄剤をまき、硬めのブラシで擦り洗い③水で十分に洗い流す④床をよく乾かす | ①ごみを取り除く②普段より刺激の強い洗剤でブラシ擦り③水で十分に洗い流す④床をよく乾かす |
| ドライ | ①ほうき(や掃除機)でごみを取り除く②モップなどで水拭き③乾いたモップで乾拭き | ①ごみを取り除く②洗剤を含ませたモップで水拭き③洗剤を含ませずモップで水拭き④乾いたモップで乾拭き |
トイレの掃除
トイレはノロウイルスなどの汚染リスクが非常に高い環境です。リスクを工場内に持ち込まないためには、手洗いの徹底と毎日の念入りな清掃が必要不可欠です。
文部科学省の衛生管理マニュアル等で推奨されている基準を参考に、以下の手順で確実な清掃と消毒を実施してください。なお、清掃時は菌の拡散を防ぐために必ず使い捨て手袋を着用します。
1. 便器周辺の洗浄:専用の洗浄液とブラシで便器内をこすり洗いします。便座の表裏は、ノロウイルスに有効なアルコールや除菌剤を染み込ませた使い捨てクリーナーで拭き取った後、薬剤を残さないよう別の清潔なクリーナーで2度拭きを行います。
2. 高頻度接触部位の消毒(ウイルス対策):ドアノブ、レバー、手すりなど、人がよく触れる部分は、次亜塩素酸ナトリウム200ppm溶液を含ませて軽くしぼった布で、浸すように拭き上げます。金属のサビを防ぐため、5~10分後に水を含ませて固くしぼった布で十分に水拭きをしてください。
3. 手洗い場と床の清掃:手洗いシンクを洗剤で洗浄し、水洗い後はペーパータオル等で水滴を完全に拭き取ります。床は、材質に合った洗剤液を含ませたモップ(軽くしぼったもの)で全体をこすり洗いします。
4. ゴミの回収と備品の補充:ゴミを回収する際は、液漏れや破れを防ぐためにゴミ袋を2重にします。最後に、手洗い洗剤、消毒用アルコール、ペーパー類を規定量まで補充します(「ここを下回ったら補充する」というラインや個数のルールを明確に定めておきます)。
トイレ掃除では、菌の拡散を防ぐために使い捨て手袋を使用しましょう。また、トイレ掃除は作業終了後に行うのが望ましく、食品を取り扱う以外のスタッフが担当するのが理想的です。これにより、食品の安全性を確保しつつ、作業者への衛生リスクも低減できます。
機器の隙間や細部の掃除
機器の隙間や細部には汚れがたまりやすく、細菌が繁殖する原因になります。とくに注意が必要な箇所は、機器の下部/機器の接続部分/パッキング機器の内部/ミキサーの羽の部分/ベルトコンベアの網目などです。隙間や細部を効率的に掃除するためには、適切な清掃器具を選ぶことが重要です。例えば、機器の下部には先端が曲がりやすく細長い形状のブラシが適しています。また、コンベアの細部には密度の高いブラシタイプの掃除道具がおすすめです。掃除道具や洗剤の選び方は、次章で解説します。
食品工場の掃除道具や掃除機、洗浄剤の選び方
食品工場の衛生管理には適切な掃除道具選びが欠かせません。適切な道具を選ぶことで、作業時間の短縮や人員の効率化が実現します。
清掃道具
掃除用具を選ぶ際には、耐久性があるかチェックします。耐久性のある道具は初期費用は高くても、長期的には交換回数が減りコスト削減につながります。また、耐久性が低い道具を使うと、天井・機器の隙間にブラシの毛やモップの糸が残りやすく、汚れが十分に除去できません。各掃除道具ごとに、スポンジは抗菌加工がされた水切れの良いもの/ブラシは毛が抜けにくく密度の高いもの/モップは吸水性が高く糸の切れやほつれがしにくいもの、に注目しましょう。
掃除機
食品工場では、家庭用よりもハードな環境に適した掃除機を選ぶ必要があります。とくに掃除機の吸引率/ゴミを吸収できる量/使っていく上で発生するコスト/ラクに手入れできるか、に注目して選びましょう。加えて、粉体や液体を扱う食品工場では、微細な粉塵を逃さない集塵性能や、水洗いできる清掃性も選定の重要な基準になります。
洗浄剤
洗浄剤を選ぶ際は、汚れに合った洗浄剤を選ぶことで清掃時間の短縮につながり、作業効率が向上します。
| 洗浄剤 | 特徴 |
|---|---|
| 中性洗剤 | 酸性とアルカリ性の中間で、どちらの汚れも落とせる。安全性が高く使いやすい |
| アルカリ性洗剤 | 中性洗剤では落ちない油汚れ・タンパク汚れ・でんぷん汚れにおすすめ |
| 酸性洗剤 | 中性洗剤では落ちない水垢・スケール、トイレの尿石の清掃に有効 |
| 塩素系洗浄剤 | カビやヌメリに高い効果。強力なため人体を保護して使用。「混ぜるな危険」の商品が多く併用は避ける |
| 除菌用洗剤 | 液体内に除菌効果のある成分が加えられている |
食品工場で掃除がしにくいきつい場所は?
食品工場で掃除しにくいきつい場所は、「天井」「機器の隙間」「機器の細部」だと言われています。これらの場所はホコリや汚れが溜まりやすい一方、日常的な清掃が行き届きにくく、まさに人によって仕上がりが最もバラつくポイントです。清掃が行き届かない場所には、以下の方法を試してみましょう。
- 専用の清掃道具を選ぶ(天井なら長柄のもの、狭い場所なら細長いノズルのついた掃除機などを使用する)
- 掃除しやすい配置に変更する(機器と壁・床の隙間に15cm以上の空間をつくる、または取りつけられるものにはキャスターをつける)
- 専門の清掃業者に依頼する(従業員だけでは手が届かない場所や危険な場所を依頼する)
こうした「きつい場所」ほど、口頭説明では正しい手順が伝わりにくいため、実際の動きを見せる動画で清掃手順を標準化し、誰が担当しても同じ品質で仕上げられるようにするのが有効です。
例えば、食品加工を手掛ける株式会社ジャンプでは、複雑な「食品ミンサーの取外しと清掃作業」を動画マニュアル化しています。
▼ミンサーの取外しと清掃作業
※tebikiで作成
電源を落として天板やロックレバーを解放し、各パーツを順番に取り外して刃に詰まった肉を除去する工程から、シンクで洗えない本体部分をスプレーとタオルで丁寧に拭き上げるまでの一連の手順を収録。複雑な分解・清掃作業であっても、実際の動きを見ることでスムーズに手順を確認でき、作業の標準化と確実な衛生管理を実現しています。
食品工場での清掃頻度はどれくらい?
食品工場における清掃頻度は、場所によって異なります。以下におおまかな目安を示しました。
- 製造機器、作業台:毎日
- 床:毎日
- 排水溝:毎日
- 換気扇:(フード)週1回、(フィルター)月1回
- 壁:床から1mまでの内壁、手指が触れる場所は1日1回以上
天井、床から1m以上の内壁は月1回以上
- 天井:月1回以上
食品に触れる場所や虫のつきやすい場所は、毎日掃除を行いましょう。それ以外の場所の頻度は「目安」ですので、工場の状況によって変えてください。たとえば毎日ひどく壁が汚れるようであれば、とくに汚れる腰から下の壁のみ毎日・その上の壁は週1回など、工場に合った頻度に変更しましょう。
関連動画:食品事故ゼロ!HACCPに基づく安心安全な「衛生管理」手法
食品工場の清掃作業でマニュアル化すべきポイント
清掃マニュアルがあると、新人教育の際などに一貫した方法で教育でき、新人も短期間で作業を習得できます。ここが「清掃の質を個人任せにしない」ための起点です。食品工場の清掃作業において、マニュアルに記載すべきポイントは以下の5つです。
- 掃除の目的
- 掃除の頻度
- 具体的な掃除方法
- 備品の管理・補充方法
- 清掃状況の記録方法
ここで見落とされがちなのが、最後の「記録方法」です。清掃作業を漏れなく行うには、マニュアルと併せて記録を取ることが欠かせません。ただし、記録が紙のチェック表だと、「チェックを入れること」が目的化して形骸化し、異常の兆候や清掃漏れが埋もれてしまいます。おすすめはデジタル帳票による記録です。デジタル化すれば、清掃実施の抜け漏れがすぐに把握でき、記録が「集計・改善」に活きる資産に変わります。紙の記録をデジタル化する具体的な進め方は、以下の資料にまとめています。
食品工場の掃除マニュアルは「動画」がおすすめ
前述の通り、清掃は「動き」の作業です。だからこそ掃除マニュアルは「動画化」するのが効果的です。以下にその理由を説明します。
視覚的にわかりやすい
動画マニュアルは、実際の清掃手順や作業の流れが動きとともに示されるため、具体的な操作や細かい注意点まで把握できます。これにより、作業を実践する際の誤解やミスが減り、教育者が付きっきりで指導する手間が省けます。文字のマニュアルでは伝わらない「きつい場所の落とし方」や「洗剤の使い分け」も、映像なら一目で伝わります。
繰り返し確認できる
動画は繰り返し再生できるため、従業員が必要なときに何度でも確認できます。特定の手順や注意点を理解するまで何度も見直すことができ、作業の正確性を高められます。新人が担当前に該当エリアの手順を予習したり、トイレや機器細部など頻度の低い清掃の前に前回の手順を再確認したりと、記憶に頼らず「見て確かめてから作業する」運用が可能になります。
効率的な更新と共有が可能
従来の紙マニュアルは、内容の更新・変更があると、文字や図表の作り直しや写真の撮り直し、印刷・ファイリングが必要でした。一方、動画マニュアルは動画を撮り直し再アップロードするだけで、すぐに新しい情報を共有できます。食品工場では、新しい洗浄剤への切り替えや新ラインの導入、法令・自主基準の変更などで清掃手順が更新される場面が多く、変更が全従業員へ即座に行き渡る点は大きな利点です。
誰でも簡単に動画マニュアルを作成するなら「tebiki」が最適
「動画編集スキルがないと、動画マニュアル導入は難しいのでは?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。動画マニュアル作成ツールtebikiであれば、シンプルな操作画面なので誰でも簡単に動画マニュアルを作成できます。
作成がとにかく簡単
tebikiを使った動画マニュアルの作成手順は、なんとたった3STEP。動画編集で時間のかかる「字幕生成」を自動化する機能があるため、作成時間を大幅に削減できます。正しい手順にはマル、間違った手順にはバツなど、動画に図形を挿入することも可能で、掃除の重要なポイントを強調し衛生的な環境を維持できます。
多言語対応により外国人従業員教育にも対応可能
tebikiには100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されているため、手作業で翻訳する手間がかかりません。また、英語・インドネシア語・ベトナム語など計15ヶ国語に対応した字幕読み上げ機能も備わっているため、外国人労働者が学びやすい環境を整えられます。
テスト機能で理解度を図れる
tebikiには、オリジナルのテストを作成する機能が搭載されています。自動採点機能が付いているため、教育担当者に負担をかけずに従業員の理解度を把握できます。たとえば「汚染区域と清潔区域で使う清掃道具を分ける」「洗剤の使い分け」といった、事故に直結する判断基準を理解できているかをテストで確認できます。清掃教育を「実施して終わり」にせず、習熟度まで可視化できるのが強みです。
>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる
tebikiを使って動画での教育を成功させている食品工場事例
ここでは、教育を「個人任せから仕組みへ」と変え、動画マニュアルで成功させた食品工場を2社紹介します。
アサヒ飲料株式会社
アサヒ飲料株式会社は、「カルピス」や「アサヒおいしい水」など飲料の製造販売を手がける会社です。「OJTが通常業務を圧迫している」という課題があり、教育担当者は1日の勤務時間の半分以上をOJTに費やしていました。操作が簡単であることを決め手にtebikiを導入した結果、OJTの一部を動画に置き換えることができ、半日以上かかっていたOJTの時間は最大でも2時間ほどに短縮されました。教育担当者は通常業務をこなしつつ教育できるようになり、シフト調整の負担もなくなりました。さらに、紙マニュアルでは伝えきれない個々の作業者が培ってきたコツを教育することにも成功し、新人でもそのコツをすばやく習得して早期に熟練者と同じような作業ができるようになりました。
>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる
タマムラデリカ株式会社
タマムラデリカ株式会社は、大手コンビニエンスストア向け専用工場です。マニュアル作成時、Google翻訳を使って13ヵ国語に翻訳する作業が大きな負担となっており、教育方法を模索する中でtebikiと出会いました。マニュアルが簡単に作成できることと、多言語に翻訳することがとても簡単な点が決め手となり導入しました。その結果、Google翻訳で調べる手間が省け、マニュアル作成時間が75%の大幅短縮を実現しました。外国籍従業員に確認したところ翻訳も正確で、紙マニュアルに比べて細かいニュアンスが伝わるようになり、従業員の理解度向上とミスの減少にもつながりました。
まとめ
食品工場の掃除方法(製造ライン・床・トイレ・機器の細部)、道具・洗浄剤の選び方、きつい場所、頻度、マニュアル化のポイントを解説しました。本記事で繰り返しお伝えした通り、清掃で汚染事故を防げるかどうかは、手順を決めたかどうかではなく、その清掃の質を個人任せにせず、誰が担当しても同じ品質になる仕組みにできるかどうかにかかっています。清掃は「動き」の作業であり、天井や機器の細部、トイレといったきつい場所ほど、文字や口頭だけでは、細かな動作や注意点が十分に伝わらないことがあります。だからこそ、手段の1つとして清掃手順は動画マニュアルで標準化し、清掃記録はデジタル帳票で「集計・改善に活きる」形に変えることが要になります。まずは自社の清掃が「ベテランの勘頼み・紙のチェック止まり」になっていないかを見直し、清掃の質を仕組みで担保する体制を整えてください。











