現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 食品工場での外国人「受入と教育方法」とは?雇用のメリットや事例も

少子高齢化に伴う労働力不足を補う対策として、外国人労働者の受入を行っている食品工場が増えています。2023年に農林水産省が公開した『食品産業における労働力確保について』によると、令和4年10月時点で約15万人の外国人労働者が食品製造業に従事しています。

外国人労働者の必要性を感じている一方で、「文化や言葉の違いによるトラブルが心配」「採用や育成の負担が大きくて雇用できない」と悩んでいる方も多いでしょう。そこで、この記事では食品工場での外国人労働者の受入と教育方法について解説します。

現場改善ラボでは、外国人労働者の受け入れ方法を動画でも無料で公開しています。外国人人材のサポートを専門に行う団体からの実践的なアドバイスを聞きたい方は、以下からぜひご覧ください。


事例からわかる外国人受け入れ課題と解決策

食品工場における外国人労働者の割合

食品工場における外国人労働者の割合や、出身国の内訳をご紹介します。

日本人労働者と外国人労働者の割合

農林水産省が公開している『食品製造業をめぐる情勢』によると、食品製造業の常時従業者数は約60万人。同じく農林水産省の『食品産業における労働力確保について』では、食品製造業の外国人数は約15万人とされています。これにより、食品製造業に従事している人のおよそ4人に1人が外国人労働者であると考えられます。

食品業界における外国人労働者の割合が4人に1人であることが分かる図

中には、「9割以上がベトナム人」「4割程度がインドネシアやベトナムの外国人実習生」で構成されている食品工場もあるため、企業間の違いが大きいと考えられます。

外国人労働者の出身国の内訳

農林水産省の『食品産業における労働力確保について』によると、飲食料品製造業に従事している外国人労働者(特定技能者)の中で最も多いのはベトナム人で、全体の約70%を占めています。

飲食料品製造業に従事している外国人労働者の国別の割合(円グラフ)

ベトナム人以外では、中国、インドネシア、フィリピン、ミャンマーからの労働者が多く、外国人労働者の大半がアジア地域出身です。

食品工場の外国人雇用が多い理由

食品工場で外国人が多く雇用される背景には、以下の理由があると考えられます。

人材不足

食品産業は製品を作るために多くの人手が必要ですが、欠員が多く、必要な労働力を確保するのが難しいという問題を抱えています。農林水産省の『食品産業における労働力確保について』によると、2021年時点で全製造業における欠員率は1.2%ですが、食料品製造業は1.8%と高い水準です。

日本では高齢化が進んでおり、若い人材の確保が難しいという問題もあります。そのため、人材不足を解消する目的で、外国人労働者を積極的に雇用している食品工場が多いです。

飲食料品製造業での在留資格「特定技能」の受け入れ人数の増加

出入国在留管理庁によると、「2024年3月29日の閣議決定によって、飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れが認められる事業所を追加」されました。これにより、さらなる外国人労働者の受け入れが可能になりました。

特定技能の資格を持つ外国人労働者は、一定の技能と日本語スキルを持っているため、即戦力を求めている企業からの需要が高いです。ちなみに、特定技能「飲食料品製造業」は、酒類を除く飲食料品の製造や加工、安全衛生などに特化した在留資格です。

この資格を取得するためには、HACCPに沿った衛生管理の知識や飲食料品の製造知識について問われる「飲食料品製造業技能測定試験」に合格する必要があります。そのため、衛生管理や製造に関する知識を持つ人材を雇用したい企業は、特定技能「飲食料品製造業」を持つ外国人労働者を積極的に雇用しているようです。

作業中心のため日本語がわからなくても働きやすい

食品工場は作業中心の業務が多く、日本語がわからなくても働きやすいという側面があります。

たとえば、食品工場での作業の中で包装作業を任せるとすると、主な業務は商品のラベル貼りや箱詰めになります。作業の手順をOJTで実際に見せて覚えてもらえば、日本語が分からない外国人労働者でも業務内容を理解し、スムーズに作業を進められるでしょう。

とはいえ、OJTには教育工数がかかってしまうなどの問題がありますよね。そこで、おすすめなのが動画マニュアルです。動画マニュアルならば、工数をかけずに手順をわかりやすく示せます。外国人教育における動画マニュアルの有効性やおすすめのツールは、以下で詳しく解説しているので併せてご覧ください。


外国人社員の教育課題は、動画マニュアルで解決できる!

食品工場における外国人雇用のメリット

食品工場における外国人雇用のメリットは、以下の通りです。

どの業種にも共通するような外国人労働者を雇用するメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

労働力を獲得できる

高齢化が進む日本では若年層の労働力を確保するのが難しいですが、外国人労働者を採用することで若い人材を確保できます。さらに、外国人労働者の中にはキャリアアップを目指して来日している人も多いため、積極的に仕事に取り組んでくれる可能性が高いです。

そのため、新卒採用や若い人材の中途採用に苦戦している企業は、外国人労働者の雇用を検討すると良いでしょう。

新しいアイディアを得る機会になる

異なる文化やバックグラウンドを持つ外国人労働者を雇用することで、新しいアイディアや視点を取り入れ、新商品開発や問題解決を進められる可能性があります。たとえば、外国の食文化や調理法を取り入れることで、日本人には思いつかないような新商品を開発することが可能になります。

また、異文化交流を通じて従業員同士のコミュニケーションが活発になり、創造的な解決案が提案されやすくなるというメリットもあります。

助成金を受給できる

外国人労働者を雇用する際は、人材確保等支援助成金を利用できます。この助成金は、外国人を雇用する際に職場環境を整備するための経費の一部を補助するものです。

翻訳機器導入費や翻訳料、社内標識などの設置にかかる費用などが支給対象になっており、最大で支給対象経費の2/3(上限額72万円)を受け取れます。助成金を利用することで雇用にかかる費用を大幅に軽減できるので、外国人労働者の雇用を検討している方は助成金の利用を検討しましょう。(参照元:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

食品工場で働きたい外国人受け入れの主な手順

食品工場で外国人労働者を受け入れる流れは、以下の通りです。

  1. 募集をかける
  2. 選考を行う
  3. 雇用契約を結ぶ
  4. 在留資格を申請する
  5. 外国人雇用状況の届出を提出する
  6. 就労開始

外国人労働者を採用する際は、経歴や保有スキルなどの基本的なプロフィールだけでなく、日本語のスキルを確認しましょう。もし、日本語がわからない場合は、相手が理解できる言語で労働規則や雇用条件を伝える必要があります。

また、外国人が日本で働くためには在留資格やビザ(特定技能ビザ・技能実習ビザ・就労ビザ)を取得している必要があります。これらを取得していない外国人を雇用すると、法的責任を問われる可能性があるので、選考の際に必ず確認しましょう。国内の外国人を雇用する場合と、海外の外国人を雇用する場合、留学生を採用する場合で必要な申請が異なる点にも注意が必要です。

外国人労働者を雇用する手順や就労可能な在留資格について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

食品工場での外国人雇用の課題と注意点

食品工場で外国人を雇用する際は、以下のポイントに注意しましょう。

現場改善ラボでは、事例から学べる外国人労働者の問題と解決策を動画でも無料で解説しています。受け入れ時に気を付けたい受け入れ体制の整え方などの実践的な内容を聞きたい方は、以下から動画をご視聴ください。


事例からわかる外国人受け入れ課題と解決策

言葉の壁で作業手順が伝わらず品質不良の引き金に

日本語をスムーズに理解できない外国人労働者を雇用すると、品質不良の発生が高まるリスクがあります。たとえば、研修時に日本語で作業の注意点を伝えた場合、理解できず、誤った手順で作業を進めてしまう可能性が高いです。

また、言語の壁が原因でコミュニケーションが円滑に取れず、業務で問題が発生した際に迅速に対応できないこともあります。

不十分な教育による労働災害の発生

外国人労働者に安全対策や作業手順を十分に理解させないと、労働災害が発生しやすくなります。たとえば、フードカッターの操作方法を正しく理解していない場合、機械の動作中に手を入れ、指を切断するリスクが高まります。

安全対策を怠ることで、他の従業員にも危険が及ぶこともあります。十分な教育を行い、安全意識を高めることが重要です。

文化の違いよるトラブル発生

異なる文化背景を持つ労働者を雇用すると、価値観の違いから誤解や対立が生じやすいです。たとえば、日本は時間を厳守する文化がありますが、時間よりも周囲との関係や自分の意見を重視する文化の国もあります。

このような違いが原因で、予定通りに作業が進まず、他の従業員のモチベーションや生産性を低下させるリスクも考えられます。社内のルールを明確にして全従業員に周知し、文化の違いによるトラブルを減らすことが大切です。

受入や教育に時間や翻訳コストがかかる

日本語が理解できない外国人労働者に対しては、作業手順や安全対策を理解してもらうために、詳細な翻訳や追加の研修が必要です。翻訳には専門の翻訳者に依頼するための費用が発生し、研修には教育担当者の時間と労力が求められます。そのため、外国人労働者の受け入れ前には、今後かかる費用や雇用までに必要な準備を明確にしておくと良いでしょう。

早期離職や失踪のリスクがある

外国人労働者の中には、日本の労働環境や生活習慣に適応できず、ストレスを感じて辞めてしまう人もいます。また、労働契約に対する理解不足や理想と現実のギャップが早期離職の原因となることも。

外国人労働者を受け入れる際には労働条件を分かりやすく説明し、雇用後も定期的にサポートしましょう。

外国人労働者に関する問題や原因をより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

翻訳の手間なし!外国人教育には「動画マニュアルtebiki」が有効

前述でご紹介したような課題を解決するためには、「動画マニュアルtebiki」を活用するのがおすすめです。動画マニュアルならば、視覚的に情報を享受可能。さらに、tebikiならば翻訳機能や教育管理機能が搭載されているため、外国人教育に最適です。

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼

以下では、tebikiの特長や動画マニュアルのメリットをご紹介します。

100ヶ国語以上の言語へ自動翻訳

tebikiには100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されており、動画字幕 / タイトル / 文書マニュアルをボタン1つで翻訳できます。翻訳や言語ごとにマニュアルを作成する手間がなくなり、誰でも簡単に外国人従業員向けのマニュアルを作成することが可能になります。

tebikiには100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されていることが分かる画像

海外向けの手順書の翻訳工数に悩んでいた企業がtebikiを導入したことで、各国の言語に翻訳する手間をゼロにし、プロジェクトメンバーの負担軽減に成功したという事例もあります。

また、助成金を受給する条件の1つとして「社内マニュアル・標識類等の多言語化」が挙げられているため、支援を受けたい方にもおすすめのツールです。

動きや微妙なニュアンスまで伝わる

tebikiを活用して作業手順を動画で示すことで、手の細かい動きや微妙なニュアンスも外国人労働者に伝えられます。また、動画内の強調したいポイントにマルやバツの図形を挿入できるため、言葉だけでは伝わりにくい内容も一目で理解してもらえるでしょう。

OJTや座学での教育工数を削減できる

OJTや座学の一部を動画マニュアルに置き換えることで、教育時間を大幅に削減できます。動画を活用することで、OJTや座学にありがちな、「指導者によって教育内容がバラつく」「受け入れのたびに同じ内容を教育しなくてはいけない」といった課題も解消可能です。

動画を活用することで新人OJTの負担が軽減することが分かる図

学習進捗の把握も可能

tebikiには、誰が・いつ・どの動画を見たかを確認するレポート機能が搭載されているため、従業員の学習進捗を確認しながら教育内容を調整することが可能です。オリジナルテストを作成・自動採点できる機能も搭載されているので、外国人労働者の理解度を確認しながら適切な人員配置をすることもできるでしょう。

tebikiについてより詳しく知りたい方は、以下のサービス説明資料をご覧ください。機能面だけではなく、安心の導入サポート体制についても詳細にご紹介しています。


動画マニュアルがかんたんに作れる「tebiki」の概要を見る

tebikiを使った食品工場での外国人雇用/教育の成功事例

tebikiを利用して外国人雇用や教育を成功させた食品工場の事例を3つ紹介します。より多くの導入事例を知りたい方は、tebiki活用事例をまとめた以下の資料をご覧ください


tebiki導入事例集

タマムラデリカ株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:タマムラデリカ株式会社▼

そばやうどんなどを開発製造する大手コンビニエンスストア専用工場のタマムラデリカ株式会社では、外国籍の従業員が多く、マニュアルの多言語化にかかる負担が大きいという問題を抱えていました。そこで、マニュアル作成の負担を削減するためにtebikiを導入し、自動翻訳機能を活用しながら動画マニュアルを作成することに。

その結果、マニュアルの作成時間を1時間から15分に短縮することに成功。紙マニュアルよりも細かいニュアンスが伝わるようになり、ヒューマンエラーの削減にもつながりました。

タマムラデリカ株式会社の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

日世株式会社

ソフトクリーム総合メーカーの日世株式会社では、外国人労働者の増加に伴い、紙ベースの日本語マニュアルでは業務内容をうまく伝えられないという問題を抱えていました。そこで、教育の質を向上させるためにtebikiを導入し、自動翻訳機能を使いながら機械の使い方やメンテナンス方法を動画マニュアル化することに。

その結果、外国人労働者の理解度が向上し、理解度テストの正答率は100%近い値になりました。また、新入社員研修の一部をtebikiに置き換えることで、講義時間が2時間から10分に短縮され、教育担当者の負担を大幅に削減することに成功しました。

日世株式会社の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

株式会社大商金山牧場

食肉の生産から加工、販売までを手掛けている株式会社大商金山牧場は、従来の紙マニュアルでは、現場のベトナム実習生に細かいニュアンスや危険度をうまく伝えられないという問題を抱えていました。そこで、教育の質を向上させるためにtebikiを導入し、自動翻訳機能を活用しながら外国人実習生向けマニュアルを作成することに。

その結果、外国人実習生が業務を正しく理解できるようになり、会社全体の衛生教育レベルを底上げすることに成功しました。また、外国人実習生に付きっきりで説明することが少なくなり、OJTの教育工数を5割程度削減できました。

株式会社大商金山牧場の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

食品工場での外国人労働者の受入と教育方法について解説しました。外国人労働者を雇用することで人材不足を補い、多様な視点からの新しいアイディアを得ることが可能です。そのため、食品工場での人材不足に悩んでいる方は、この記事を参考にして外国人労働者を雇用してみてください。

外国人労働者の教育を効率的に行いたい場合は、動画マニュアル「tebiki」を活用するのがおすすめです。100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されているため、手動で翻訳する必要がなく、簡単に外国人労働者向けのマニュアルを作成できます。

業務内容を動画で示すことで細かい手の動きや微妙なニュアンスまで伝わるため、短時間で業務を習得させられます。tebikiについてより詳しく知りたい方は、以下からサービス資料をダウンロードのうえぜひご覧ください。


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