かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
食品工場における手洗いの徹底は必須条件です。しかし、現場で「手洗いが軽視されている」「従業員が重要性を理解していない」とお悩みではありませんか?
そこで本記事では、食品工場における手洗いの重要性、手洗い不足による食品汚染の事例、そして手洗いの基本手順とポイントについて詳しく解説します。
手洗いの方法を周知させるには、動画マニュアルでの教育がおすすめです。動画マニュアルの効果やおすすめのツールについては、以下のマンガで分かりやすく解説していますので併せてご覧ください。
目次
食品工場における「手洗い」の重要性
食品工場において「手洗い」は、最も基本的かつ重要な衛生管理の1つです。手に付着した細菌やウイルスは目に見えませんが、少量でも食品を汚染し、消費者の健康を脅かします。食品を扱う人は自分の手が食中毒の原因となることを常に意識し、適切な方法とタイミングで手を洗うことが重要です。
文部科学省が実施した「手洗い実験」では、手洗い前後の手についた菌の量を測定しています。この結果から、簡単な手洗いだけでは菌が完全に落ち切らないことがわかります。さらに言えば、丁寧な手洗いを行っても菌は落ち切らず、アルコール消毒をして初めて全ての菌が除去できます。
引用元:文部科学省「学校給食調理場における手洗いマニュアル」
手洗いの方法については、後述する『食品工場における手洗いの基本手順とポイント』で詳しく解説します。
手洗い不足による食品汚染の事例
手洗い不足による食品汚染を従業員に理解してもらうには、実際の事例を用いて被害の深刻さと再発防止の重要性を説明することが効果的です。具体的なイメージが湧きやすくなり、日常業務での意識も高まるでしょう。
ここでは、以下3つの事例をご紹介します。
パン製造工場から発生した食中毒事例
原因製品 | 食パン |
病因物質 | ノロウイルス |
有症者数 | 1,271人 |
従業員4人が製造した学校給食用の「食パン」でノロウイルス食中毒が発生。この事例は、トイレ使用後に温水が出なかったため、十分な時間をかけて手洗いを行わなかったことが発症の原因と推察されています。
菓子製造工場から発生した食中毒事例
原因製品 | 月見だんご |
病因物質 | 黄色ブドウ球菌 |
有症者数 | 134人 |
とある医療機関に、嘔吐や下痢の症状を訴える患者が数名来院。調査の結果、全員が同じ「月見だんご」を食べており、黄色ブドウ球菌による食中毒と確認されました。原因は、素手での作業が多かったことで、毎回手洗いができていなかった、または手洗いが不十分だったと推察されています。
そうざい製造工場から発生した食中毒事例
原因製品 | 弁当 |
病因物質 | 黄色ブドウ球菌、セレウス菌 |
有症者数 | 554人 |
複数の自治体から、ある弁当を食べた後に嘔吐や下痢の症状が出たとの報告があり、調査の結果、米飯から黄色ブドウ球菌とセレウス菌が検出されました。
原因として、臨時従業員に対して衛生教育や体調・手指の傷などの確認は行われたものの、これらが正しく実施されたかどうかの記録が残されておらず、手指の消毒や手袋交換のタイミングや方法が適切に行われなかったため、原因菌が付着した可能性が示されています。
参照元:厚生労働省「八戸市内で製造された弁当による食中毒事例」
食品工場における手洗いの基本手順とポイント
食品工場における手洗いの基本手順とポイントについて解説します。これらのルールを守り、食中毒のリスクを最小限に抑えましょう!
手順を分かっていても従業員に効果的に教育できなければ、意味がありません。手洗いルールを守らせる方法は後述で詳しく解説していますので、ご覧ください。
手洗いの時間や回数
手洗いは、最低でも30秒間行いましょう。
「ハッピーバースデー」の歌を2回歌うと約30秒になります。また、正確に測定するには砂時計やタイマーを使用するのが良いでしょう。細菌やウイルスを効果的に除去するためには2度洗い(30秒×2)が推奨されます。
手洗い前の準備とチェック
手洗いの効果を最大限に発揮するためには、以下の準備が必要です。
- 爪は短く切りそろえているか
- 指輪、時計はしていないか
- マニキュアをとっているか
- 手に傷はないか
もし手に傷がある場合、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌が繁殖している可能性があります。食品を扱う業務から外れるか、ブルーバンデージと呼ばれる青い絆創膏を付けるようにしましょう。ブルーバンデージは鮮やかな青色で混入に気づきやすく、パッド部分にアルミを使用しているため、金属探知機で発見できます。
食品工場での手洗いは「衛生的手洗い」
手洗いには、日常的手洗いや衛生的手洗い、ラビング法、スクラブ法などさまざまな方法がありますが、食品工場で最も取り入れられているのは「衛生的手洗い」です。
以下に「衛生的手洗い」の方法をご紹介します。
1.流水で手を洗う 2.洗浄剤を手に取る 3.手のひら、指の腹面を洗う 4.手の甲、手の背を洗う 5.指の間(側面)、股(付け根)を洗う 6.親指と親指の付け根のふくらんだ部分を洗う 7.指先を洗う手首を洗う(内側、側面、外側) 8.洗浄剤を十分な流水でよく洗い流す 9.手をふき乾燥させる 10.アルコールによる消毒 ※2度洗いが効果的です!くり返し2度洗い、菌やウイルスを洗い流しましょう。 |
洗い残しの多い指先、爪の間、指の間、親指の周り、指のしわ、手首は気をつけて洗うようにしましょう。
手洗いの方法を食品工場でルール化して周知させるには、手順書の作成が有効です。食品工場での作業手順書の作成方法や必須項目については、以下の記事にまとめています。作業手順書の作成を考えている方は、併せてぜひご覧ください。
関連記事:【テンプレあり】食品工場での作業手順書例は?標準化のためのポイントも
手洗い後の消毒
水気があると効果が下がってしまうので、アルコール消毒をする前に必ずペーパータオルなどで水気を拭き取ります。その後、爪下から爪周辺に直接アルコールを吹きかけ、手指全体によく擦りこむようにして消毒しましょう。
食品工場における手洗いのタイミング
食品工場における手洗いは、以下のようなタイミングで必ず行うようにしましょう。
- 作業開始前
- トイレの後
- 食品に直接触れる作業にあたる直前
- 生の食肉、魚、卵の殻など微生物の汚染源となるおそれのある食品に触れた後
- 汚れた器具や機械に触れた後
- 廃棄物処理の後
- 盛り付け作業の前
- 配膳の前 など
食品工場で衛生的手洗いを遵守させるには?
食品工場で「衛生的手洗い」を徹底させるには、どのような取り組みが必要なのでしょうか? ここからは、効果的な教育方法や管理体制を紹介し、清潔な作業環境を確保する具体的なステップを解説します。
手洗い設備を整える
「衛生的手洗い」をスムーズに行うための理想的な設備は、以下の通りです。きちんと整備されているか確認してみましょう。
- 触れずに水が流れるタイプの給水栓か
- 手洗い用シンクから周囲に水が飛び散らないか
- 手洗い用シンクは手首まで問題なく洗える大きさか
- ペーパータオルを下から引き出せるタイプのホルダーか
- 爪ブラシを乾燥させつつ保管しているか
- 手洗い用せっけんとアルコールの吐き出しは適量か
- 使用後のペーパータオルのゴミ箱は用意されているか
手洗い場に「手洗いの手順」の掲示物を貼りだせば、従業員は常に正しい手順を確認できるため、手洗いの質が向上します。視覚的なガイドラインがあることで、手洗いを怠ったり手順を省略するリスクが減り、食品工場の衛生基準を維持しやすくなるでしょう。
定期的なトレーニングを行う
トレーニングを通じて、従業員は手洗いの重要性や正しい手洗い手順を再確認でき、日常業務において衛生管理が徹底されるようになります。さらに、トレーニングを繰り返すことで、手洗いの習慣が根付きやすくなり、工場全体の衛生レベルを維持・向上させられるでしょう。
工場長や品質管理の担当者は、食品工場の従業員が手洗いの重要性や方法を正しく理解しているか、定期的に確認しましょう。
教育には動画マニュアルがおすすめ
教育工数を削減しながらも、徹底した手洗いをレクチャーさせるには、視覚的にわかりやすい「動画マニュアル」の活用がおすすめです。
動画マニュアルは文字だけのマニュアルに比べて、視覚的な情報が豊富で、手順を具体的に示せます。さらに次のような点からもおすすめです。
- 一貫した教育ができる
- 使用言語や読解力の差が影響しにくい
- 情報へのアクセス性が高い
- 教育の手間を削減できる
OJTの代わりに動画マニュアルを活用した企業では、「新人研修の教育時間を1/10に削減できた」という事例もあります。
従来の紙マニュアルとの違いについて、以下の資料でもわかりやすく解説しています。ご興味のある方は、ぜひ併せてご覧ください。
動画マニュアルなら、誰にでも正しい手洗い方法が伝わる◎
動画マニュアルを使った教育は、誰でも手洗いの正しい方法を目で見て学ぶことができます。具体的な手順を視覚的に確認できるため、言葉だけの説明よりも理解しやすくなります。
さらに、何度でも繰り返し視聴できるため、教育担当者が毎回説明する手間を省き、工数を大幅に削減できます。また、紙マニュアルを濡らして破損させる心配がないため、教材の保存にも動画マニュアルはおすすめです。
動画マニュアルをかんたんに作る「tebiki」
動画マニュアルを作成するなら、「簡単さ」に着目して作られたツール「tebiki」が最適です。
▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼
tebikiは、いつもの作業をスマートフォンで撮影するだけでマニュアルを作成できます。豊富な機能が備えられていますが、とくに注目の機能は以下の通りです。
- 自動字幕機能
- 100ヶ国語への自動翻訳機能
- テスト作成 / 自動採点機能
- 従業員のスキル管理機能
動画マニュアルを作るだけではなく、教育管理の機能も備わったtebikiについてのより詳細な情報や料金プランについては、以下のサービス紹介資料からぜひご確認ください。
tebikiで食品工場の衛生管理を向上させている事例
動画マニュアルtebikiで教育を成功させた食品工場を3社ご紹介します。より多くの導入事例を知りたい方は、以下から導入事例集を無料ダウンロードしてご確認ください。
ロイヤル株式会社
▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:ロイヤル株式会社▼
袋入りレストラン用商品や機内食、容器商品などを製造するロイヤル株式会社では、繁忙期に1日50名以上の新人を受け入れるため、教育に大きな負担を感じていました。他社サービスと比較した結果、動画の編集やアップロードのしやすさを始めとした「使いやすさ」が決め手となりtebikiを導入します。
動画マニュアルの導入で教育の効率化が実現!新人全員に質の高い衛生教育を提供できるようになりました。さらに、OJTの大部分を動画に置き換えることで、毎日同じ内容を繰り返す必要がなくなり、教育担当者の負担を大幅に軽減させました。
ロイヤル株式会社の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インタビュー記事:繁忙期だと1日50名以上の新人受け入れ教育にtebikiを活用
株式会社大商金山牧場
食肉の生産から加工・販売までを行っている株式会社大商金山牧場では、各拠点ごとの教育の「ムラ」を問題視していました。現場にWi-Fiがなく動画マニュアルの導入を諦めていましたが、オフラインで利用できるtebikiを知り、導入を決定しました。
tebikiの導入により、会社全体で衛生教育のレベルが向上。拠点ごとの教育のばらつきが解消され、質の高い衛生教育を共有できるようになりました。また、付きっきりでの説明が不要になり、OJTの教育工数もなんと約5割削減できました。
株式会社大商金山牧場の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インタビュー記事:衛生管理教育を徹底し、食肉の安全性を確実なものとするために動画マニュアルを活用!
イセ食品株式会社
鶏卵の製造と販売を行っているイセ食品株式会社では、外国籍のスタッフとのコミュニケーションがうまく取れず、大事なことが伝わりにくいという問題を抱えていました。
そこで、100ヶ国語以上に自動翻訳できるtebikiを導入。外国籍スタッフが座学の内容を理解できるようになり、事前に1段階理解した上で現場に入ることが可能に!現場での作業もスムーズに進むようになりました。さらに、動画で重要なポイントを的確に伝えられるため、座学の時間も従来の半分に短縮できました。
イセ食品株式会社の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インタビュー記事:食品メーカーの動画マニュアル導入事例 | 導入3か月で動画200本作成。食品製造現場の作業標準化と多能工化を推進。各工場含め会社全体で「品質向上」に取り組んでいます。
まとめ
食品工場において「手洗い」は、最も基本的かつ重要な衛生管理の1つです。手に付着した細菌やウイルスは少量でも食品を汚染し、消費者の健康を脅かします。手洗い不足による食品汚染を従業員に理解してもらうには、実際の事例を用いると被害の深刻さ、再発防止の重要性を説明できるでしょう。
食品工場で「衛生的手洗い」を徹底させるには、手洗い設備を整える・従業員の責任感を高める・定期的なトレーニングを行うことがポイントで、教育には動画マニュアルがおすすめです。動画マニュアルは文字だけのマニュアルに比べて、視覚的な情報が豊富で、具体的に手順を示すことができます。
動画マニュアル「tebiki」はだれでも簡単に動画マニュアルが作成できるツールで、100ヶ国語以上に対応しているため外国人従業員の理解が深まるだけでなく、テスト機能で教育効果を確認することができます。
もっと詳しくtebikiの導入効果や機能が知りたいと思った方は、ぜひ以下から資料をダウンロードしてみてください。