正しい方法で新人教育を行うと、企業の業績アップや早期離職率低減などさまざまな効果が期待できますが、一方でどのように指導していけばいいかわからないと悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事では効果的な新人教育の進め方を紹介します。ダメな例や失敗しないマニュアルの活用法も解説するので、新人教育に関わっている方は最後までご覧ください。
他にも、現場改善ラボでは現場に即した新人/若手教育のコツや現場で実践できる教育アプローチについて、人材開発コンサルタントの阿部 淳一郎 氏が解説した動画を無料で視聴できます。是非併せてご覧ください。
目次
新人教育に力をいれるべき理由
新人教育には、ただ新人に知識や技術を身につけてもらう以外にも重要な役割があります。
ここでは、新人教育に力をいれるべき2つの理由について解説します。
早期離職を防止するため
新人教育に力をいれると、早期離職を防止できます。新人は業務に直結しない研修や質問しづらい環境での実習で、ストレスを抱えてしまいます。
そのため、業務マニュアルを使って業務の流れ・注意点をすぐ確認できるようにしたり、誰に相談すればいいかを明確にすることが重要です。新人が働きやすい環境を整えることで、意欲的に仕事に取り組んでもらえるようになるため、早期離職率を低減させられます。
早く即戦力にさせるため
正しい方法で新人教育を行うと、即戦力として活躍させられます。例えば、簡単な業務をマニュアル化して新人に渡すことで、配属後すぐに業務を行うことが可能です。新人は実務を通して仕事の流れを把握できるため、長時間の座学研修をするよりも効率よく仕事を覚えられるでしょう。
また、新人がマニュアルを見ながら実務を覚えていくことで、配属先の上司は指導の時間を削減できるという効果もあります。
現場改善ラボでは、新人教育の目的や効果的な教育方法について詳しく解説した記事をご用意しております。是非参考にしてみてください。
関連記事:新人教育の目的と重要性とは?効果的な教育方法や実際の取組事例を紹介
教育担当者が気をつけるべき3つのポイント
新人教育は適切に行うことで効果を発揮しますが、おさえるべきポイントをないがしろにしてしまうと新人や現場に悪影響を及ぼす可能性があります。
採用担当者は、以下のポイントに気をつけて新人教育を進めていきましょう。
新人が質問しやすい環境を作る
新人教育をする際は、新人が質問しやすい環境を作りましょう。上司や先輩に質問するのは勇気がいるため、質問できずに悩んでしまう方も多いです。そのため、悩んだときにすぐ相談できる環境を整えることで、モチベーションを高く保ったまま働いてもらえます。
一方で、新人が悩んだときに1から10まで全て教えると自分で考えて行動できる社会人に育たなくなるため、新人に考えさせる余白を持ちながら研修を行うことが重要です。
新人のスキルやキャリアプランを考慮する
新人のスキルやキャリアプランを考慮して、新人教育を進めていくことも重要です。
最近の新人は積極的にキャリアアップ・自己成長をしたいと思っているため、個々の考えによって教育内容を変えることで、早期離職を防止する効果が期待できます。例えば、新人が将来起業して自分で事業を作っていきたいと思っているのであれば、単純作業よりも経営や業績を左右するような仕事の方が、高いモチベーションで仕事に取り組めるでしょう。
もちろん新人のやりたいことを全て実現するのは難しいですが、キャリアプランを聞いたうえで配属先・仕事内容を決定した理由を説明することで、新人は納得して仕事に取り組めます。
積極的にコミュニケーションをとる
教育担当者は、新人と積極的にコミュニケーションをとることも重要です。最初は上司や先輩に質問することをためらってしまうことも多いので、上司や先輩から悩みや不安なことがないかを聞くと、意欲的に仕事をしてくれるようになるでしょう。
ただ、コミュニケーションの取り方には注意が必要です。昭和では一般的だった飲み会で親睦を深める「飲みニケーション」や、運動会やBBQをする「社内イベント」は、現代の新人には不評です。特に、業務時間外や休日に行うイベントに不信感を抱いている人が多いため、業務時間内での軽いコミュニケーションから始めるのがよいでしょう。
最近の新入社員は学生時代の大半がコロナ禍だったこともあり、人間関係を築くのが苦手な人も多いです。ですが、能力や性格は人それぞれなので、すぐ「若者だからコミュニケーション能力がない」と判断しないように気をつけましょう。
新人教育におけるダメな例
新人教育には「やってはいけない行動」がいくつか存在します。新人教育におけるダメな例は、以下の通りです。
他にも、製造現場における現場教育の失敗例やその理由について詳しく解説した記事もありますので、併せてご覧ください。
関連記事:製造業で現場教育が上手くいかない理由とは?原因や解決事例について紹介!
業務の目的や背景を伝えない
業務の目的と背景を伝えないと、新人は高いモチベーションで仕事ができません。
そのため、何のためにこの仕事をしているのか、なぜこの仕事を与えたのかをはっきり伝えて、目的意識を持って積極的に仕事をしてもらうことが重要です。
また、配属される前に目的や背景を伝えると全体像が分かったうえで実務を始められるため、効率的にスキルアップしていけるというメリットもあります。行っている仕事が会社全体にどのような影響を与えるかを知らないと、仕事に自信や愛着を持てずに早期離職率が高まる可能性があるので、注意しましょう。
教育者によって教える内容が異なる
教育担当者によって教える内容が異なると、新人が混乱してしまいます。そのため、同じ業務を複数人で教える場合は、指示や業務手順が異ならないように気をつけましょう。
教育担当者が複数人いる場合は、マニュアルをもとに新人教育を進めていくのがおすすめです。1つのマニュアルをもとに教育をすると、教育の質を担保できるうえに、それぞれの担当者が個別に準備する手間もなくなります。
一方的に教える
教育担当者が一方的に教えると、新人は効率よく業務を覚えられません。新人の悩みを聞かないと的確なアドバイスができないため、効率よく業務を覚えてもらうためには、質問・回答を繰り返しながらフィードバックしていくことが重要です。
また、一方的に淡々と説明を行うと、高圧的な印象を与えてしまうというデメリットもあります。新人に考えさせる余白を残しておくことで、自分で考えながら行動できる「自立した社会人」に育つため、新人の意見や考えを聞くことを意識しましょう。
改善点を伝えない
新人教育では、問題点を指摘するだけでなく、改善点を伝えることも重要です。次回から実践できるような具体的な改善策を考えることで、新人はやるべきことが明確になり、積極的に仕事に取り組むようになります。
もちろん、新人に改善点を考えてもらうことも重要です。ただ、同じことにつまずいているとスキルアップしていけないため、悩んでいたら教育担当者からアドバイスをしてあげましょう。
ダメな新人教育が引き起こす問題
間違った新人教育を行うと、以下のような問題を引き起こします。
モチベーションの低下による生産性の低下
正しい方法で新人教育を行わないと仕事へのモチベーションを上げられず、結果として生産性が低下してしまいます。さらに、生産性が低下するだけでなく、指導時間が増えて教育担当者の負担が増加するというデメリットもあります。
そのため、業務の役割やキャリアプランなどを話し合って、高いモチベーションを維持しながら働いてもらうことが重要です。
ヒューマンエラーの発生
口頭のみで指導したり担当者ごとに指導内容を変えたりすると、ヒューマンエラーの発生率が増える可能性が高いです。ヒューマンエラーが増えると業務効率が悪くなるだけでなく、新人が自信をなくしてしまうことにも繋がります。
そのため、マニュアルに沿って正しい方法で指導していきましょう。新人がミスをしたときは原因を振り返り、ヒューマンエラーをなくすようなマニュアルに改善していくことも重要です。
ヒューマンエラーの原因と対策については以下の記事か動画をご覧いただくと、より具体的な対策を考えることができます。
関連記事:ヒューマンエラーとは?なぜ起きる?防ぐために必要な8つの対策
考える癖が身につかない
業務手順や作業方法を全て教えると、新人は自分自身で考える癖が身につきません。1から10まで全て教えることで、配属後すぐに業務を行えるようになります。
ですが、自分で考えて行動できる「自立した社会人」にならないため、チームを引っ張っていく人材に育てようと思っている方は、1から10まで全て教えないように注意しましょう。新人教育を行う際は、新人にも問題点・改善点を考えさせて、失敗と成功を経験させるのがおすすめです。
失敗しない新人教育の進め方
ここまで、新人教育がもたらす効果と失敗例やその背景についてご説明しました。新人教育の効果を最大限引き出し、新人をいちはやく活躍できるようにするには、以下のような進め方で教育を行うのがおすすめです。
より実践的な新人教育の進め方や考え方を知りたいという方は、以下の専門家が解説する動画をご活用いただくことで、より戦略的に新人教育を行うことができます。
業務の目的を伝える
新人教育を行う際は、必ず業務を行う目的を伝えましょう。業務の目的を伝えることで、新人はやるべきことや業務の優先順位が明確になります。業務の目的だけでなく、背景や新人に業務を割り振った意味なども伝えると、モチベーション高く仕事をしてくれる可能性が高まります。
新人が理解しやすい言葉で伝える
新人が理解しやすい言葉で伝えることも重要です。新人は業界や社内で使われる専門用語を知らないのはもちろん、新卒だとビジネス用語も理解していません。そのため、新人教育の際に専門用語やビジネス用語を多用すると、業務内容を理解してもらうことは難しいでしょう。わからない用語を上司や先輩に聞くのも勇気がいるので、新人研修の際は誰でも理解できる簡単な言葉で説明することが重要です。
もし、専門用語やビジネス用語が出てくる場合は、あらかじめ資料で用語の意味をまとめておくのがおすすめです。
1on1を実施する
効率的な新人教育を行いたい方は、1on1を実施しましょう。業務時間内だと上司や先輩が忙しくて質問できないこともあるため、質問する場を設けることが重要です。
1on1を実施して、業務でわからないことや気になっていることを聞いてあげることで、新人が不安を抱えずにモチベーション高く仕事をしてくれるようになります。定期的に悩みを解決してあげることが大切なので、週1回(30分)を目安に1on1を実施してみましょう。
教育内容を記録する
新人教育では、教育内容を記録することも重要です。記録をとることで、新人が何を学んだかが明確になり、その後の教育プランが立てやすくなります。
また、教育の記録を新人に渡して復習してもらうことで、より早くスキルアップしてもらうことも可能です。教育記録はマニュアルの改善や来年度以降の新人教育にも活かせるため、内容や教育に要した時間、問題点などを正確に記録しておきましょう。
評価・FBを行い改善やPDCAにつなげる
新人教育の評価やフィードバックを行い、改善やPDCAにつなげることも重要です。マニュアルは改善を重ねることで、誰でも業務を行えるようになる実践的なものになります。
そのため、教育に関するデータはもちろん、新人のミスや感想などを参考にしながら改善を重ねていくのがおすすめです。
マニュアルを整備して来年度の新人教育に備える
マニュアルを整備すると、毎年同じレベルで新人教育を行うことが可能です。新人からの意見やヒューマンエラーをもとにマニュアルを整備していくと、年々教育コストを減らせます。
また、担当者が変わっても、質を落とさずに新人教育を進められるというメリットもあります。
新人教育にはマニュアルの活用が効果的
マニュアルを活用すると、効果的な新人教育を行えます。ここでは、新人教育にマニュアルを活用したほうがよい2つの理由について解説します。
新人側のメリット
マニュアルを活用する新人側のメリットは、何度もマニュアルを見直して業務の理解を深められることです。わからないことを上司や先輩に聞くのは勇気がいることなので、マニュアルで業務内容を確認できるようにしておくと、心理的負担を軽減できます。
また、メモをとることに夢中にならず研修を受けられるため、効率的に業務を覚えられるという利点もあります。最近は書籍やWebサイトなどのテキストコンテンツよりも、YouTubeやTikTokなどの映像コンテンツを見ることが一般的になりました。そのため、映像で学習する方がやる気が出やすく、自学自習を促進する効果も期待できるでしょう。
教育者側のメリット
マニュアルを活用する教育者側のメリットは、教育時短を大幅に削減できることです。新人にマニュアルを見ながら自学自習をしてもらうことで、直接教えなくても業務内容を理解してもらえます。これまで新人教育に充てていた時間を他の業務に充てられるため、業績向上や残業時間削減といった効果も期待できるでしょう。
また、マニュアルを作成することで教えることが明確になり、複数人の教育者がいても指導内容を合わせられるという利点もあります。
現場改善ラボではマニュアル整備の効果的なプロセスや効率的に伝わるマニュアルを作る手法について詳しく解説した動画をご用意しております。是非ご覧ください。
マニュアルの運用は動画がおすすめ!
マニュアル運用をする際は、書類ではなく動画を活用するのがおすすめです。ここでは、新人教育で動画マニュアルを活用することがおすすめな理由について解説します。
動画マニュアルのメリット
動画マニュアルを活用するメリットは、以下の通りです。
直感的に理解できる
動画マニュアルを活用するメリットは、業務内容を直感的に理解できるようになることです。文章や口頭の説明では分かりづらい業務内容も、可視化することでスムーズに業務内容を把握できます。
また、写真やイラストよりも作業の流れをイメージしやすくなるため、効率的に業務を覚えられるようになるでしょう。最近は文字を読む機会が減り、YouTubeやTikTokなどを見る機会が増えたため、動画の方がストレスなく学べるというメリットもあります。
20代〜30代の従業員が多い職場では、自学自習の促進やヒューマンエラーの軽減などの効果も期待できるため、アルバイト社員やパート社員が多い企業にも最適と言えるでしょう。
均一な教育ができる
動画マニュアルを活用するメリットは、教育の質を担保できることです。
口頭で新人教育を行っていると担当者によって質が変わりますが、マニュアルに沿って教えることで常に高い品質で教育を行うことができ、新人にとっても同じ教材で学ぶことができるので「教育担当者ごとに教える内容が異なり、どれが正しいのかわからない」といった状況を避けられるというメリットがあります。
さらに、質を担保するだけでなく指導のし忘れも防止できるため、ミスやトラブルを削減できる効果もあるでしょう。
新人教育を最も効果的に進める動画マニュアルtebikiとは?
効果的な新人教育を行いたい方は、動画マニュアルtebikiを使うのがおすすめです。
tebikiが選ばれる理由
tebikiが選ばれる理由は、YouTubeや他社サービスにはない機能が数多く搭載されているからです。
例えば、100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載しているため、外国人スタッフが多い職場でも言語ごとにマニュアルを作成する手間が発生しません。また、アクセス履歴・習熟度進捗・マニュアルのアクセスランキングなどのデータが一目で確認できるため、改善策が見つけやすいという利点もあります。
他にも、OJTで教えている様子をスマートフォンで撮影するだけで動画マニュアルが作成できるため、動画編集スキルやパソコンスキルが必要ないという点も、多くの企業に導入されているポイントです。
加えて動画アップロード本数が無制限なので、これまでのマニュアルを一括して動画マニュアルに置き換えられるというのも、tebikiを導入するメリットといえるでしょう。
tebikiを導入し、新人教育を効果的に進めている2つの企業事例
実際にtebikiを導入して、効果的な新人教育を行っている企業を紹介します。
アサヒ飲料
清涼飲料水の製造を行っているアサヒ飲料では、国内の全工場にtebikiが導入されています。
これまではOJTで新人教育を行っていましたが、手順書がないものも多く、習熟者の力量が安定しないという課題を抱えていました。また、重要事項の伝え忘れが発生したり、三交代制という勤務形態に合わせて教育するのが難しかったりという問題点もありました。
tebikiを導入してからは、視覚的に作業内容を確認できるようになり、新人が短期間でスキルアップできています。また、これまで勤務時間の半分ほど使っていた新人教育も、導入後は長くても2時間程度まで削減できています。
参考元:OJTや手順書作成工数を大幅に削減!熟練者の暗黙知も動画で形式知化
Geekly
Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を行っている企業です。
最初は社内で動画作成を行ってYouTubeにアップロードしていましたが、担当社員の退職とともに動画を上げ直す必要があるため、tebikiを導入することになりました。他にも、OJT教育が担当者の大きな負担となっていたこと、教育担当者ごとの教え方のばらつきにより新人社員の理解度にムラが生じていたことが課題でした。
tebiki導入から1日当たり4本程度のマニュアルを作成し、新人教育や営業支援など、さまざまな業務の教育を効率化しています。新人教育では使っていた書類の半数以上をtebikiに切り替えることで、教育にかかる時間を1/3以下に削減できました。
参考元:年間の新人教育時間を3,700時間削減。トレーナーの教育時間が大幅に減り営業成績も向上!
まとめ
この記事では、新人教育の進め方やダメな例、失敗しないマニュアルの活用法などを解説しました。
正しい方法で指導を行うことで、業績アップや早期退職防止の効果が期待できます。また、新人がモチベーション高く仕事をしてくれることで職場の雰囲気が良くなるというメリットもあるため、ぜひ動画マニュアルを使って効率的に新人教育を行ってみてください。
特に、製造現場におすすめな動画マニュアルtebikiについては、以下の画像から無料で資料をダウンロードできますので、是非ご覧ください。