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人材危機に立ち向かう創業100年以上の中小企業。
tebikiの活用で教育体制の改革と多能工化を推進!

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クマガイ特殊鋼株式会社

  • 業種 :製造
  • 従業員数 :51-100名

お話を伺った方
熊谷 憧一郎 様(社長)
都築 岳史 様(顧問)
山田 鉱之 様(品質保証部 次長)
林 亨 様(品質保証部 係長)

  • 課題

    • 現場に入るまでに新人がまとまった基礎知識を身に付ける機会がない
    • 品質教育に5日間以上費やし、定常業務に影響が出ていた
    • 業務が可視化・マニュアル化されておらず急な欠員が出ても応援に行けない
  • 効果

    • 新人教育が体系化・カリキュラム化された
    • 新人教育担当者の工数が6割削減された
    • 業務のマニュアル化が進み、業務の応援や多能工化が広がった

品質保証部の新人教育から始まり、今では全社の現場/事務にまでtebikiの活用が拡大

貴社の事業内容と、tebikiの活用状況を教えてください。

山田様: クマガイ特殊鋼は、鋼板と呼ばれる大きな鉄板をガス溶断機やレーザー切断機などで切断・加工し販売している鋼板の専門商社です。特徴は、さまざまな合金元素を組み合わせることで鋼板の性能を向上させた「特殊鋼」を取り扱っている点です。強度を高めた高張力鋼や摩耗に強い耐摩耗鋼などの加工・販売に力を入れており、これらの特殊鋼は、最終的にはフォークリフトやクレーン、トレーラー、ショットブラスト機などになります。

tebikiの導入当初は、品質保証部が行う新卒・中途の新人教育での使用を主な目的としていました。導入前までは、体系的にまとまったカリキュラムもなく、基本的な知識が十分にないまま現場に人員が投入されていましたが、tebikiで新人教育のマニュアルを整備しました。また、現在では新人教育だけでなく、製造における作業要領書、営業、生産管理の事務業務の手順書など、tebikiの活用が全社的に広がっています。

「不足」「多様化」「流動化」。人材に対する危機感から教育改善が急務でした

どのような課題があったのでしょうか?

山田様: 電子ソフトで作成した作業要領書の改訂が追いつかず形骸化していたり、そもそも文字や画像だけでは作業のカンコツを伝えることができなかったり、本当にさまざまな課題がありました。また、作業要領書や手順書が活用されておらず、現場の教育は口頭によるOJTに依存している状況でした。さらに言うと、現場には外国人スタッフもいるのですが、彼らへの教育も課題でした。日本語で上手く伝わらなかった時に、都度通訳を呼ぶなどで大きなタイムロスが発生していました。

紙のマニュアル

熊谷社長:経営者の視点で言うと、人材の「不足」「多様化」「流動化」が喫緊の課題でした。

日本全体で労働人口の減少が大きな課題となっておりますが、我々のような中小企業はその影響を特に強く受けています。またその人材の不足をなんとか補うために、外国人の技能実習生や製造業の経験がない中途の人も採用したり、会社に入ってくる人の年齢や国籍、バックグラウンドなどが多様化したりしています。さらに、一度採用しても定年まで会社に残ってくれるとは限りませんし、技能実習生やアルバイトや派遣の人などはそもそも期限付きで働いてもらうので、会社では人の入れ替わりが激しく人材がどんどん流動化していくことも懸念の一つでした。

多くの中小企業様も同じような人材に対する危機感を抱いていると思いますが、当社では特に人材の多様化・流動化対策として教育体制の改善が急務でした。

動画マニュアルの活用で教育の効率化、不良数の削減、学習意欲の向上。

tebiki導入の経緯と、その効果を教えてください。

山田様: tebikiを導入する前に、動画マニュアルを作成しeラーニングの教材を作成できるツールを導入したことがあったのですが、ほとんど使われることなく解約してしまった経験がありました。当時は、便利なツールがあれば社内に自然と広がっていくと思っていたのですが、まったくの見当違いでした。定期的なサポートと締め切りを設けてお尻を叩いてあげないと人はなかなか動いてくれないと実感しました。

過去のツール導入の失敗経験もあるのですが、tebiki導入に際して難しかったのは、品質保証部以外の他部門がtebikiに示すアレルギー反応でした。これまでマニュアルの作成業務に注力してこなかったため、表計算ソフトにせよクラウドにせよ、業務が増えることになるので導入に後ろ向きな雰囲気がありました。そのような状況だったので、まずは品質保証部だけで導入して、成果を重ねながら少しずつ他部門へも浸透させていくことになりました。

tebiki導入から最初の1年程度は品質保証部だけでの活用でしたが、その中でも多くの効果がありました。一つは冒頭にお伝えしましたが、新卒・中途の新人教育をtebikiでカリキュラムを作成し体系化したことによって、教育の質を向上させながら教える側の負担も大きく削減できたことです。

以前は、私の口頭説明を中心に教えており新人教育に5日ほどかかっていたのですが、今はtebiki内の新人教育用のコースの視聴をしてもらって必要に応じて私が追加説明をしています。tebikiを活用することで、新人教育の期間も5日から3日に短縮され、私の教える負担も体感で6割くらい削減されたと思います。また、教わる側からしても、溶断機やレーザー加工機などを口頭だけで説明されるより、現場で撮影されたリアルな動画を見た方が圧倒的にイメージがしやすいと思うので、教える側・教わる側お互いにとって良かったですね。

研修の様子

2つ目の効果として、tebikiの効果だけとは言えないのですが、不良数が削減したことです。tebikiで作業要領書を作成して、それを使って作業者を教育するようになってから、溶断・サンダー工程での社内不良を、月4.3件から、月2.4件へと大きく削減することができました。tebikiの作成・視聴を機に、これまでの体制を見直したのも相まって不良を減らすことができたのは大きな効果だと思います。tebikiを作成することは、社内に潜在化している課題を明らかにしてくれる、そういう側面もあると感じました。

他には、tebikiでマニュアルを整備していくことで、社内の「学ぶモチベーション」が高まったことです。マニュアルの作成本数がある程度溜まったことから、tebikiを活用して新しい技術を習得しようとする機運が少しずつ高まってきました。特に溶接技術については、tebikiで「溶接試験合格への道」というコースを作成して、資格の取得をサポートしました。これまで、講座のみを受講して試験に臨んでいたものの、残念ながら合格者はでませんでした。しかし、tebikiのコースで実技の学習もしたら4名が試験に合格することができました。その場限りの講座だけでなく、何度も繰り返し学習できることが、試験対策には重要なんですね。

製造部にもtebikiの利用が拡大。きっかけは連日の同じミスでした。

品質保証部から他部門への展開の経緯を教えてください

山田様: 先にも申し上げたように、tebiki導入から最初の1年くらいは品質保証部だけで活用する状態が続いていましたが、「開先作業」で同じ作業者が連日同じミスをしてしまったことがきっかけに製造部にもtebikiの活用が広がりました。

少し専門的な話になるのですが、開先作業は鋼材を溶接する際に必要な加工を行う工程で、この工程には、「図面を正しく読む力」と「設備を使用して加工する技術」の2つの力量が必要で、どちらか一方が欠けていても正しい製品をつくることができません。本来であればミスが起こった時は、図面を正しく読み取れるかのレビューと、設備の使用方法が正しいかのレビューが必要でしたが、現場ではミスの口頭注意に留まっていたため、作業者は力量を上げることなく同じミスを繰り返してしまいました。しっかりと手順とポイントを伝え理解した上で作業をしていれば、ミスにも気づいて修正できたと思います。

このような事態に、社長から改善の号令がかかりました。その号令の内容は、
・OJTだけではなく手順書をきちんと作成して指導すること
・手順書はtebikiを使用して作成すること
・tebikiで学習していない人は開先作業をできないようにすること
の3つでした。この号令により、これまでtebikiの活用がなかった製造部でもtebikiの作成が浸透し始めました。

研修の様子

製造部への展開のきっかけは、作業ミスに対する改善の号令でしたが、今では製造部も含めtebikiで95本のコース、マニュアルは565本以上作成して活用しています。さらに製造部だけでなく、営業や生産管理などの事務業務の手順書作成にも活用が広がり、会社全体でtebikiを利用させてもらっています。

手厚いサポートのおかげで心が折れずにやってこれました

tebikiのおすすめポイントを教えてください

山田様: tebikiの一番の良いところは「サポート体制」にあると思っています。どんなに素晴らしいツールであっても、使わなれなくなることがTebiki社にとっても我々ユーザーにとっても好ましくない結末だと思っています。

tebikiのサポートは、ツールの使い方やマニュアルの作成の仕方で疑問点があればすぐに解決できるようにサポートしてくれますし、機能面だけでなく我々企業が抱えている課題を一緒に真摯に考え、解決に向けてアドバイスや提案をしてくれます。社内にtebikiがなかなか浸透せず苦しかった時も、tebikiのサポートがあったからこそ心が折れずにやって来れたと思っています。

研修の様子

全社の業務を可視化・マニュアル化することで「柔軟な多能工化」の実現を目指す

最後に今後の展望を教えてください

山田様: tebiki導入の経緯でも少し触れましたが、私たちのような中小企業にとって、人材の「不足」「多様化」「流動化」は死活問題です。採用環境も年々難しくなってきています。採用活動により一層力を入れるとともに、入ってきてくれた人材を教育し活躍してもらえるような体制づくりも必要です。新人教育の体系化と効率化はできてきましたが、今後はより「柔軟な多能工化」を実現したいと思っています。

この「柔軟な多能工化」については、正直tebiki導入前はほとんど手付かずの状態だったと思いますが、今では50点くらいのところまでは来たように感じます。今後、100点に近づけるように、優先順位を付けながら、社内の業務をすべて可視化・マニュアル化することで、誰でもムリ・ムダなく応援できる体制をつくりたいと思っています。

まだまだtebikiの活用を進める上で課題はありますが、tebikiの方々のサポートも受けながら実現していきたいですね。