現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 鋳造作業の事故をゼロにする安全対策5選!事故の原因や注意点を解説

工場向け安全対策の動画マニュアル「tebiki現場教育」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

鋳造現場では高熱の溶湯や重量物、粉塵を扱うため、ひとたび事故が起きれば重大な災害に繋がりかねません。しかし、外国人労働者の増加や派遣・契約社員など人の入れ替わりが激しい現場において、「個人の注意力」に頼る精神論だけでは安全意識は根付きません。

必要なのは「モノ(設備)」「ヒト(教育)」「仕組み(ルール)」の3方向から、事故の原因を未然に減らすことです。

本記事では実際に工場での勤務経験がある筆者の観点も踏まえ、現場管理者が明日から実践できる鋳造作業の安全対策や安全ルールを根付かせるコツなど、事故防止に役立つポイントについて解説します。

なお昨今、「安全な作業手順を動画マニュアルで見える化し、標準化を進める」現場が増えており、工場における主要な安全対策として広く浸透し始めています。詳しい改善効果や事例は「動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例(pdf)」をご覧ください。

労災が起きてからでは遅いので、ヒヤリハットで済んでいる現状のうちに安全対策を練ることが鍵を握ります。

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目次

鋳造作業で事故はなぜ起きる?「モノ・ヒト・仕組み」の3つの要因

鋳造現場で発生する事故の原因は、主に以下の3つの要因に分解できます。

  • 設備の故障や環境の悪さ(モノの要因)
  • 作業員の不注意や慢心(ヒトの要因)
  • ルールや教育の不足(仕組みの要因)

3つの要因の1つでもおろそかになれば、重大災害が発生する可能性が高くなります。精神論で片付けるのではなく、それぞれの原因を正しく理解し、対処する具体的な行動が必要です。

設備の故障や環境の悪さ(モノの要因)

事故の1つ目の要因としてあげられるのは、設備や作業環境そのものが危険な状態にある「モノ」の要因です。安全装置の故障や環境の悪さを放置していれば、作業者がどれだけ注意深くても事故は必然的に発生します。

具体的な例としては、溶解炉周辺の照明が暗くて足元が見えにくい、床に砂やバリが散乱して滑りやすいといったケースです。また生産性を優先するあまり、造型機のインターロック(安全装置)を意図的に無効化している現場も散見されます。

筆者自身も過去に放電加工の現場で安全装置を無効化し、電極とワークの間に指を挟まれ出血し、切断寸前の大怪我を負いました。鋳造とは異なる工程ですが、安全装置の解除がいかに取り返しのつかない事態を招くか、身をもって痛感しています。

こうした経験もあって、精神論で「気をつけろ」と指導する前に、まずはモノの要因を排除しなければならないと断言できます。設備投資や修繕を行い、人間がミスをしても怪我をしない「フェイルセーフ」な環境を作ることこそが、管理者が最初に取り組むべき責任です。

作業員の不注意や慢心(ヒトの要因)

2つ目は、作業者の判断ミスや不安全行動といった「ヒト」の要因です。特に多いのが、「このくらい大丈夫だろう」という慢心や、経験不足による知識の欠如に起因する事故です。

例として、ベテラン職人が長年の慣れから保護具を着用せずに注湯作業を行ったり、確認手順を省略したりする事例は後を絶ちません。一方で、入社間もない外国人実習生などが溶湯の飛散リスクを正しく理解せず、水分を含んだ工具を炉に近づけてしまう場合もあります。

しかし、人間の集中力には限界があり、ミスを完全にゼロにすることは不可能です。だからこそ、「気合で事故を防ぐ」という精神論からの脱却が必要です。人は間違える生き物であるという前提に立ち、個人の注意力だけに依存しない対策を講じることが重要になります。

※何度注意をしても不安全行動が繰り返されるような場合は、根本的な原因にアプローチする必要があります。対策について行動科学の観点で解説している資料「繰り返される不安全行動  行動科学から編み出す決定的防止網」もあわせてご覧ください。

ルールや教育の不足(仕組みの要因)

3つ目は、組織としての管理体制が不十分な「仕組み」の要因です。手順書が整備されていない、教育カリキュラムがないといった状態では、事故の連鎖は断ち切れません。

例えば「見て覚えろ」という指導方針では教える人によって作業手順がバラバラになり、新人や外国人には危険な「独自のルール」が伝わってしまいます。また、人員配置に無理があり、休憩なしで高熱作業を続けさせるような労働環境も、疲労による事故を誘発する重大な欠陥です。

こうした「仕組み」の不備を直さない限り、作業員が入れ替わっても同じような労働災害が繰り返されます。マニュアルの標準化や定期的な安全教育など、組織全体でルールを運用するガバナンスの強化が必要です。

※以下の資料では、危険作業における安全対策の新しい教育アプローチについて解説しています。

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鋳造現場で多発しやすい事故の種類

鋳造現場で特に警戒すべき以下の3つの事故について解説します。

  • 水蒸気爆発(溶解・注湯工程)
  • 溶湯の飛散による重度の火傷
  • 機械への挟まれ・巻き込み

それぞれの発生メカニズムと、先述した「モノ・ヒト・仕組みの、どの要因が欠けていたか」を分析していきましょう。

水蒸気爆発(溶解・注湯工程)

溶解・注湯工程で恐ろしいのが、高温の溶湯が水に触れて起きる「水蒸気爆発」です。水は瞬時に気化し体積が約1700倍に膨張することで爆発し、高熱の金属片を広範囲に飛散させます。

水蒸気爆発の主な要因は、原材料の乾燥管理ルールの形骸化や外国人作業者への教育不足といった「仕組み」の欠如です。「水気厳禁」という言葉の意味が伝わらず、濡れた工具を入れてしまう可能性も否定できません。

また「モノ」の要因として、屋根の雨漏り放置やピット内の排水不良による水溜まりも考えられます。こうした極めて危険な事故は精神論では防げず、設備保全と「なぜ濡れてはいけないか」を伝える教育が必要です。

溶湯の飛散による重度の火傷

注湯や運搬中に溶湯を浴びる事故は、皮膚の深部まで損傷する重篤な火傷につながります。後述のヒヤリハット事例としても紹介しますが、厚生労働省「職場あんぜんサイト」には鋳込み工程において、鋳型に注湯中に溶湯が吹き出し、火傷した事例など多数の事故が報告されています。

こうした事故の背景にあるのは「ヒト」と「モノ」の欠陥です。「これくらいの速度なら大丈夫」というベテラン特有の「慣れ」や確認不足が予期せぬ飛散を招きます。

さらに深刻なのは、保護具(スパッツや耐熱服)の劣化や、隙間のある着用方法です。防具に穴が開いていたり、正しく装着していなかったりすれば、飛び散った溶湯が内側に侵入します。個人の注意力の前に、保護具の点検基準を明確にする必要があります。

機械への挟まれ・巻き込み

造型機や搬送ラインなどの稼働部に身体が挟まれる事故は、指の切断や死亡といった悲惨な結果を招きます。原因の多くは、安全装置を無効化してしまう「モノ」の不備と、効率を優先する作業者の心理にあります。

扉を開けても機械が止まらないようインターロックを解除している現場は極めて危険です。その状態で、トラブル対応時に「すぐ終わるから」と機械を止めずに手を入れる不安全行動が重なると、事故は必然的に発生します。

実際に放電加工の現場に従事していた筆者は、過去に安全装置を無効にした結果加工中の電極とワーク(加工部品)の隙間に指を挟まれ、出血し危うく指を失いかけた経験があります。そのため物理的に機械を止める環境(モノ)と、例外を認めないルール(仕組み)の両方から対策を講じるべきだといえるでしょう。

実際に発生した鋳造作業のヒヤリハットと事故事例

厚生労働省のデータベース等で報告されている実際の事例をもとに、次の4つの事故を深掘りします。

  • 【ヒヤリハット】鋳込み工程において、鋳型に注湯中、溶湯が吹き出し火傷
  • 【ヒヤリハット】溶融鋼を取鍋から鋳型に入れ鋳込中、取鍋内の溶湯を非常用の鍋に移した時、水蒸気爆発を起こした
  • 【死亡事故】取鍋から鋳型へ溶湯を注入する作業の段取り中溶湯が噴出して全身火傷
  • 【死亡事故】半製品の搬送用ロボットに挟まれ死亡

どのような要因が絡んでいるかを分析し、自社の現場に潜むリスクと照らし合わせてください。

【ヒヤリハット】鋳込み工程において、鋳型に注湯中、溶湯が吹き出し火傷

鋳込み作業中に鋳型のガス抜き穴から溶湯が吹き出し、作業員4名が火傷を負った事例*1です。

ヒヤリハット鋳型への注湯中、ガス抜き穴からの湯漏れを砂で塞いだところ、内圧が高まり溶湯が噴出した
原因・中子の乾燥不足により、鋳型内部で水蒸気が発生した(モノ)
・ガス抜き穴を塞いだため、水蒸気の逃げ場がなくなった(ヒト)
・異常時の処置ルールがなく、個人の経験則で対応した(仕組み)
対策・鋳型および中子の乾燥管理を徹底し、水分を除去する
・トラブル発生時の対応を含めた作業手順書を作成、周知する
・水蒸気爆発の危険性を伝える安全衛生教育を実施する

印刷機のフレーム鋳造において、鋳型内部で発生した水蒸気圧により、大量の溶湯が突如として吹き出した事故です。

主な原因は、中子の乾燥不足という「モノ」の不備に加え、湯漏れを止めようとガス抜き穴を砂で塞いでしまった「ヒト」の判断ミスでした。逃げ場を失った水蒸気は圧力を高め、結果として爆発的な噴出を招きました。

しかし、潜んでいた問題としては「以前も砂をかけて止まったから」という誤った成功体験がまかり通っていた現場の「仕組み」にあります。異常時の正しい対処ルールが決まっておらず、水蒸気爆発の原理を学ぶ教育も実施されていませんでした。対策として中子の徹底乾燥はもちろん、トラブル対応のマニュアル化と安全教育が必要です。

【ヒヤリハット】溶融鋼を取鍋から鋳型に入れ鋳込中、取鍋内の溶湯を非常用の鍋に移した時、水蒸気爆発を起こした

連続鋳造設備の故障対応中に、取鍋の溶湯を非常用鍋へ移した際、水蒸気爆発が発生して8名が負傷した事例*2です。

ヒヤリハット非常用鍋への移し替え中、残留していた冷却水に溶湯が触れて水蒸気爆発が発生した
原因・2日前の冷却水が鍋底に残ったまま放置されていた(モノ)
・作業前に内部の水気を確認しなかった(ヒト)
・非常時の作業手順や引き継ぎルールが決まっていなかった(仕組み)
対策・容器内の水分確認を徹底し、乾燥状態を保つ
・緊急時(非定常作業)の手順書を作成し、引き継ぎをルール化する
・水蒸気爆発のメカニズムと危険性を教育で周知する

設備トラブルに伴う「非定常作業」において、鋳造現場の鉄則である「水気厳禁」が守られず、大規模な爆発に至った事故です。

主な原因は、非常用鍋に2日前の冷却水が残っていたという「モノ」の不備と、それを確認せずに注湯してしまった「ヒト」の確認不足でした。高温の溶鋼が水に触れた瞬間、水蒸気爆発が起こるのは物理的な必然です。

しかし、もっと深刻な問題は「仕組み」の欠如にあります。非常用鍋の管理ルールや緊急時の作業手順が確立されておらず、前回の作業状況も引き継がれていませんでした。対策として、緊急時であっても必ず「水分の有無」を確認するプロセスをマニュアル化することが挙げられます。

【死亡事故】取鍋から鋳型へ溶湯を注入する作業の段取り中溶湯が噴出して全身火傷

注湯ノズルの調整作業中に突如として溶湯が噴出し、作業員1名が全身火傷で死亡した事例*3です。

死亡事故取鍋のセット作業中、内部ガス圧の上昇により溶湯が噴出し、作業員が直撃を受けた
原因・レンガから気化したタールと残留ガスの圧力で溶湯が押し出された(モノ)
・作業員が防火保護衣を着用していなかった(ヒト)
・ガスの危険性に関する教育や作業管理が不足していた(仕組み)
対策・受けレンガの材質を見直し、ガス発生を防ぐ
・万が一の飛散に備え、防火保護具の着用を徹底する
・噴出リスクを想定した立ち位置や手順を教育する

主な原因は、取鍋内のレンガから発生したタールガスと、接続ホース内の残留ガス圧が複合し、行き場を失った溶湯が「押し出された」という物理・化学的な現象(モノ)でした。

しかし、上記の噴出事故から考えるべきことは「ヒト」の備えです。被害に遭った作業員は防火保護衣を着用しておらず、生身に近い状態で高熱の溶湯を浴びてしまいました。もし適切な保護具があれば、最悪の事態は免れたかもしれません。

再発防止には、設備的な材質改善に加え、「段取り作業であっても溶湯が入っていれば危険区域である」という認識を徹底する教育(仕組み)と、ルールの厳格な運用が必要です。

【死亡事故】半製品の搬送用ロボットに挟まれ死亡

アルミ鋳造ラインの搬送用ロボット(ローダー)に、異常対応中の作業員が挟まれて死亡した事例*4です。

死亡事故搬送ロボットのトラブル対応中、安全柵内に入った作業員がクランプ(把持部)に挟まれた
原因・ドアを開けても機械が止まらないインターロックの故障(モノ)
・電源を切らずに自動運転のまま柵内へ侵入した(ヒト)
・安全装置の日常点検や異常時対応の手順が形骸化していた(仕組み)
対策・インターロックの日常点検を行い、機能不全を放置しない
・トラブル時は必ず電源を切る(ロックアウト)を徹底する
・「動いている機械には絶対触れない」安全文化を醸成する

本来、人の侵入を検知して停止するはずの「インターロック(安全装置)」が故障しており、稼働し続けたロボットが作業員を襲った痛ましい事故です。

主な原因は安全装置が機能しなかった「モノ」の不備ですが、電源を切らずに柵内へ入った「ヒト」の不安全行動が致命傷となりました。「すぐ直せる」という油断が、ルールの無視につながったと考えられます。

上記の事例から学ぶべきは、機械(モノ)はいつか壊れるという前提に立つことです。インターロックだけに頼らず、非定常作業においては「扉を開ける=電源オフ」をルールとし、危険な状況を作らない手順を仕組みとして徹底する必要があります。

【モノへの安全対策】物理的に鋳造作業の事故を遮断する「設備」と「保護具」

精神論や個人の注意だけでは、設備の不備や過酷な環境から作業員を守り切れません。こうした「モノの要因」による事故を物理的に防ぐために、企業が投資し実行すべき具体的な対策は以下の2点です。

  • 【火傷・巻き込み防止】工程ごとの保護具選定と「着用姿の掲示」
  • 【熱中症防止】冷却ベスト・空調服の支給と定期的な塩分・水分補給の実施

【火傷・巻き込み防止】工程ごとの保護具選定と「着用姿の掲示」

鋳造作業は溶解・造型・仕上げといった各工程で、高熱や回転体など直面するリスクが大きく異なります。火傷や巻き込み事故を確実に防ぐには、工程ごとのリスクに即した保護具の選定と、着用ルールの「可視化」が不可欠です。「安全靴着用」といった抽象的な指示だけでは現場の解釈にズレが生じ、重大な事故を招く恐れがあります。

実務においては、各部署の作業環境に適した耐熱服、脚絆、防塵マスクを厳選して支給しましょう。その際に最も効果的なのは、正しい着用状態を撮影した「写真」を現場に掲示することです。写真による図解があれば、言語の壁がある外国人実習生や経験の浅い新人でも、迷わず「正解」を理解できます。

「袖口を絞る」「脚絆を隙間なく巻く」といった急所を視覚的に伝えること。これが、シンプルながら最も確実な安全対策となります。

ここでさらに役立つのが、「動画の活用」です。保護具の正しい着用手順や避けるべきNGポイントを動画化することで、複雑な作業でも動画という「お手本」通り正しく伝達することができます。

▼動画化した作業手順の例▼

※本動画は、製造業の現場教育に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」で作成されています。tebikiのサービス詳細や導入事例についてはサービス資料をご覧ください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる

【熱中症防止】冷却ベスト・空調服の支給と定期的な塩分・水分補給の実施

炉前作業の気温は容易に35℃を超えるため、熱中症対策は個人の我慢に頼るべきではありません。企業として冷却装備を支給し、組織的に体調管理を行う仕組みが必要です。

具体的な対策として、ファン付き作業服(空調服)や冷却ベストを全作業員に支給してください。また、猛暑日には塩分チャージゼリーや飲料、アイスを会社負担で配布する取り組みも効果的です。

さらに「疲れたら休む」ではなく「所定の時間に必ず休憩をとる」という強制ルールを設けてください。企業や管理者が主導して強制的に作業員の体を冷やす時間を確保することが、安全対策になります。

【ヒト・仕組みへの安全対策】鋳造作業のバラつきを無くす3つの方法

安全行動を個人のスキルや注意力に依存させるのではなく、誰が行っても同じ安全レベルを確保できる「仕組み」として定着させることが重要です。ここでは、作業のバラつきを解消し、事故を防ぐための具体的な以下の3つの手法について解説します。

  • 誰が見ても同じ解釈ができるマニュアル整備(標準化)
  • 誰が教えても内容がブレない教育体制の構築(技術伝承)
  • 危険・ヒヤリハットを共有し再発防止(危険の可視化)

誰が見ても同じ解釈ができるマニュアル整備(標準化)

鋳造現場の安全を守るには、作業手順を「標準化」し、誰が作業しても同じ安全動作を再現できるマニュアルの整備が必要です。

そもそも手順書やマニュアルが未整備であることは、先ほど解説した事故原因の「仕組みの要因(組織の備え不足)」にあたり、会社として事故を招いている状態といえます。

作成の際は、新人でもベテランでも同じ手順で安全確認ができるように曖昧な表現を避けることが重要です。例えば「熱くなったら」ではなく「28℃になったら」と数値化するなど、解釈の余地をなくすことが重要です。

実際に、化学メーカーの児玉化学工業株式会社では「ボルトを入れホットメルトでとめる」といった具体的な作業手順を動画化しました。正しい作業手順を可視化することで、作業者ごとの曖昧な理解をなくし、業務の標準化に成功しています。

▼動画マニュアルによる標準化の例▼

安全な行動を教育で標準化し徹底させることは、作業員の命を救うことにつながります。

ゼロ災達成に向けた具体的な取り組みや安全教育について知りたい方は、以下のリンクから別紙のガイドブックをご覧ください。

>>工場の労災ゼロを実現する、安全教育や安全対策の具体例を見る

誰が教えても内容がブレない教育体制の構築(技術伝承)

「背中を見て覚えろ」という指導方針では教える人によって内容が異なり、安全意識や技術にバラつきが生じてしまいます。こうした属人化を防ぐには指導者のレベルを統一し、誰が教えても同じ内容が伝わる「技術伝承」の仕組み化が必要です。

言葉では伝えにくい熟練工のカン・コツをルールや言語として再定義し、組織全体の共通知へと昇華させることが不可欠です。

ここでおすすめしたいのが、ノウハウを動画に落とし込むという方法です。動画であれば伝わりにくいニュアンスも見たままに伝えられるほか、場所や時間を問わずいつでも参照できます。

例えば、明和工業株式会社では作業場にディスプレイを設置し、QRコードで即座に動画マニュアルを呼び出せる仕組みを設けており、誰でも迷わず標準作業を実行できる環境を整えています。

明和工業株式会社の作業場にディスプレイを設置し、QRコードで即座に動画マニュアルを呼び出せる仕組み

※同社が活用している動画マニュアル作成ツールの詳細はこちら

危険・ヒヤリハットを共有し再発防止(危険の可視化)

危険箇所やヒヤリハットを文字の報告書だけで記録・伝達しても、現場のリアリティはなかなか伝わらず、作業員の行動変容にはつながりにくい場合がありますこうした「伝わらない」課題を解決するのが、動画を用いた危険の「可視化」です。

例えば株式会社近鉄コスモスでは、「正しい作業」と「誤った作業」を映像で対比させる手法をとっています。「正しい開梱」動画は、刃物の向き、段ボールの固定位置、手の位置、安全距離といった細かい動作を視覚的に示しています。

一方、「誤った開梱」動画では、不安定な持ち方や刃物の危険な扱いなど、現場で起こりやすい不安全動作をそのまま映像化。「ここが危険」と作業者に意識させています。


刃物の向きや手の位置など、文字では表現しきれない微細な危険ポイントを比較することで、「なぜ危ないのか」を簡単に理解させられます。

さらに、こうした可視化とセットで行いたいのが、KY活動による「リスクの言語化」と、全従業員が当番制で行うパトロールです。映像で見て理解し、声に出して確認し、自らの目で現場をチェックする。こうした一連のプロセスにより、作業員一人ひとりに強い当事者意識が芽生え、現場に安全文化が根付くでしょう。

※動画を活用した危険の可視化やKY活動の例や改善の効果については、以下の資料で詳しく展開しています。

>>『労災ゼロ!形骸化したKYTから脱却する動画KYTとは』を見てみる

鋳造作業の安全対策には「動画による教育」が有効

鋳造作業の安全対策を強化する上で、現在注目されているのが動画による教育の導入です。特に溶解や注湯といった一瞬の判断が事故を左右する工程では、言葉による説明よりも、一連の動作を可視化した動画の方が圧倒的に高い教育効果を発揮します。

動画は「動き」や「タイミング」をそのまま共有できるため、理解度の個人差を埋め、現場全体の安全基準を底上げするのに適しています。さらに映像で共有することで日本語が苦手な外国人実習生や新人にも簡単にリスクを伝えられます。例として、KY活動の様子を動画化すればマンネリ化を防ぎ、生きた教材として活用できるでしょう。

かつては動画マニュアル作成の「工数」が導入の壁となっていましたが、現在はAIによる編集支援機能を備えたツールの普及により、そのハードルは大幅に下がっています。

例としてtebikiのようなツールを使えば、作業風景をスマートフォンで撮影するだけで簡単にマニュアルが作成できるほか、手順書をアップロードすることでマニュアルの骨子を自動作成することや、字幕の自動生成・多言語翻訳まで簡単に行えます。

手法を現代的にアップデートすることは、現場の負担を減らすだけでなく、最終的に「作業員の命を守る」という最大の目的を達成するための最短距離となります。

※tebikiのサービス詳細や導入事例については、以下のサービス資料をご覧ください。

>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる

動画マニュアルを活用して安全教育を徹底している企業事例

文字では伝わりにくい現場のノウハウを可視化できるため多くの企業が動画を活用し、教育の標準化と効率化を実現しています。ここでは具体例として、以下の2社をご紹介します。

  • コスモ石油|労災事例を動画化し安全意識が劇的に向上
  • 株式会社メトロール|ベテラン技術の伝承を動画で効率化

その他の事例についても詳しく参照されたい方は、以下のリンクから別紙の資料をご覧ください。

>>「動画マニュアルを活用した安全教育・対策事例(pdf)」を見てみる

コスモ石油|労災事例を動画化し安全意識が劇的に向上

国内有数のエネルギー供給拠点であるコスモ石油株式会社では、大規模かつ複雑なプラント設備の保全において「紙のマニュアルでは作業の動きやニュアンスが伝わらない」という課題を抱えていました。

導入前の課題tebiki導入後の効果
・テキスト教育では動きや詳細が伝わらない
・OJT頼みで指導者の負担が大きすぎる
・文字情報だけでは安全意識が根付かない
・マニュアル作成や印刷・管理の手間が膨大
・視覚的に理解しやすく教育効果が高まる
・動画教育で指導者の拘束時間を削減
・再現動画で事故リスクをリアルに体感
・スマホ完結で印刷や持ち運びの手間なし

専門用語も多く教育内容が複雑であることも相まって、新人への教育はベテラン社員によるOJTに頼らざるを得ず、指導役の負担増加や教育の質のバラつきが深刻化していました。

そこで同社は、動画マニュアル「tebiki」を導入し、教育体制のDXを推進する方針を固めます。具体的には、過去の労働災害事例を「再現動画」として可視化し、リスクを直感的に伝えられる教材を作成。また、設備管理の基礎知識も動画化することで、スマホさえあればいつでも学習できる環境を整えました。

その結果、現場の安全意識が飛躍的に向上したほか、分厚い手順書を印刷して持ち込む手間もなくなり、教育コストの削減と業務効率化を同時に実現しています。

同社が導入した動画マニュアルの詳細については、以下の事例で詳しく紹介しています。

>>同社が導入した動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細はこちら

トーヨーケム株式会社|動画の活用で属人化を解消し安全ルールを浸透

ポリマー・塗加工関連事業をグローバルに展開する東洋インキグループの中核であるトーヨーケム株式会社では、多種多様な化学製品の製造において「動きを伴う技術の継承」と「属人化による不安全行動の防止」が大きな課題となっていました。

導入前の課題tebiki導入後の効果
・文字や静止画では現場の動きが伝わらない
・教育がOJT頼みで、指導内容にムラがある
・頻度の低い業務が属人化し、事故リスクに
・海外拠点への技術・安全教育が困難
・視覚的な理解で教育レベルが均一化
・OJT時間を2/3に削減、指導側の負担も軽減
・動画化で「誰でも・いつでも」再現可能に
・自動字幕を活用しグローバルで品質を統一

同社では若手への技術伝承や多能工化を急ぐ中、従来の紙マニュアルやOJTによる教育の限界に直面していました。特にメンテナンスなど頻度の低い業務の属人化は、手順の誤りや不安全行動を招く要因となっていました。

そこで、動画マニュアル「tebiki」を導入し、現場主導の教育改善を推進。特筆すべきは、作業中の事故をあえて再現した動画を作成し、安全教育に活用している点です。これにより、言葉では伝えにくい「危険な瞬間」を視覚的に共有することに成功しました。

また、作成工数が従来の半分に短縮されたことで、現場から自発的に「この業務も動画化したい」という声が上がる好循環が生まれています。

現在は、タブレットやQRコードを用いて現場で即座に手順を確認できる体制を構築。国内のみならず、言語の壁がある海外拠点においても、動画を通じて日本と同水準の安全・品質を維持する基盤として活用を広げています。

同社が導入した動画マニュアルの詳細については、以下の事例で詳しく紹介しています。

>>同社が導入した動画マニュアル「tebiki現場教育」の詳細はこちら

結論:鋳造の安全は「モノ・ヒト・仕組み」の要因対策で実現

鋳造現場における安全対策は、精神論や個人の注意力だけに依存してはいけません。「モノ(設備・保護具)」で物理的にリスクを遮断し、「仕組み(ルール)」で組織としての土台を作り、「ヒト(教育)」で安全行動を定着させる。3つの要因すべてに対策を講じてはじめて、労働災害を未然に防げます。

特に、言葉や文字だけでは伝わりにくい「技術」や「危険感受性」の教育には、動画マニュアルの活用が極めて有効です。属人化を排し、誰でも正しい安全行動がとれる環境を整えることが、従業員の命と現場の未来を守ることにつながります。まずは明日からできる保護具の見直しや、マニュアルの整備から始めてみてはいかがでしょうか。

引用元/参考元

*1:厚生労働省 職場あんぜんサイト「鋳込み工程において、鋳型に注湯中、溶湯が吹き出し火傷」
*2:厚生労働省 職場あんぜんサイト 「溶融鋼を取鍋から鋳型に入れ鋳込中、取鍋内の溶湯を非常用の鍋に移した時、水蒸気爆発を起こした」
*3:厚生労働省 職場あんぜんサイト 「取鍋から鋳型へ溶湯を注入する作業の段取り中溶湯が噴出して全身火傷」
*4:厚生労働省 職場あんぜんサイト「半製品の搬送用ロボットに挟まれ死亡する」

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