かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
食品工場において欠かせない、5S活動。「ただこなしているだけ」になっていませんか?本記事では、食品工場での5S活動取り組み事例や、効果的に進めるためのポイントを解説し、食品衛生の強化と生産性向上に役立つヒントをお届けします。
現場改善ラボでは、5S活動を正しく運用するためのコツを解説するセミナー動画を無料配信中。専門家視点から5S活動について知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
食品衛生における5Sとは
5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」からなる5項目のことです。これらのローマ字表記(Seiri・Seiton・Seiso・Seiketu・Situke)の頭文字をとって5Sと呼びます。
食品衛生5Sのメリット
5S活動は、HACCPにおける重要な土台です。5S活動により職場環境が整い、食品衛生が維持されます。具体的なメリットとしては、以下の通りです。
- 異物混入リスクの低減
- 作業環境の衛生維持
- 従業員の衛生意識向上
食品衛生面以外にも、必要な器具がすぐ見つかる環境に整えられる / 作業動線からムダが省かれるため作業効率が向上する / 安全意識の育成などさまざまなメリットがあります。
食品工場での5Sの進め方に関しては、後述する『5Sを効果的に進める方法』をご覧ください。
「5S」と「7S」の違い
7Sとは、5Sに「洗浄」と「殺菌」の項目を加えたものです。簡単に説明すると5Sをレベルアップさせたものが7Sです。それぞれ実施目的も異なります。
実施目的 | |
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5S | 職場環境の基礎食品工場の作業効率を向上させる |
7S | 食品工場の衛生管理を徹底させる |
7S活動の詳しい解説や効果については、以下の記事で紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
関連記事:食品衛生7S「具体例」や「進め方」は?5Sとの違いも解説
5S活動に取り組む食品工場の改善事例
5S活動が食品工場にもたらす効果はさまざまですが、実際にはどのように進められているのでしょうか?ここでは、以下のような効果が出た「5S活動に取り組む食品工場の具体的な改善事例」をご紹介します。
作業手順の見直しで業務の「ムダ」削減
まずご紹介するのは、パスタソースなどの食料品を製造している株式会社ネクストワンジャパンの改善事例です。
テーマ | 製造現場の工程改善・作業改善 |
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内容 | ・作業の流れを整理整頓 ・運搬や繰り返し作業を最小化 |
結果 | 生産量が183.7%増加! |
同社では、従業員が独自の方法で行っていた作業を「付加価値のある作業」と「そうでない作業」に整理整頓し、見直しを行いました。その結果、ムダな動きを削減でき、生産量が183.7%増加しただけでなく生産性も39.5%向上しました。
上記の事例のように「ムダ」を削減したいとお考えの方は、工場内のムダに気づくための視点を解説したセミナーを以下リンクからぜひご覧ください。
清掃時間を知らせるブザーの導入
次にご紹介するのは、食肉製品を製造する株式会社叙々苑フードファクトリーの改善事例です。
テーマ | 「5Sタイム」で清掃を徹底する |
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内容 | 昼休みに入る前の10分間を「5Sタイム」として全員で床についた食肉の脂を清掃する |
結果 | 作業環境が改善され、過去5年間の転倒災害ゼロに! |
取り組み開始当初は、作業を優先する従業員が多く見られました。そこで、「5Sタイム」を知らせるブザーを設置。さらに、5Sタイム中に音楽を流し、清掃の時間であることを強調すると、全員参加が実現しました。
参照元:農林水産省「企業事例集」
安全パトロール点検の実施
加えて紹介するのは、乳製品を製造する雪印メグミルク株式会社の改善事例です。
テーマ | 安全パトロール点検「安全の鐘活動」の実施 |
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内容 | 安全パトロールを行いながら、実際に鐘を鳴らして警告する |
結果 | 前期と比較して労災事故が4割減少 |
雪印メグミルク株式会社は、コミュニケーション強化を図りながら安全パトロールを実施しています。
特徴的なのは実際に鐘を鳴らして安全意識を高めている点です。雪印メグミルク株式会社によると、鐘を鳴らすことで鳴らさない場合よりも安全意識の向上を感じているとのことです。前期と比較しても労災事故が4割減少しました。
参照元:農林水産省「企業事例集」
「躾」担当者の明確化による衛生管理ルールの定着促進
最後に紹介するのは、水産物卸売市場を開設している株式会社山形丸魚の改善事例です。
テーマ | 職場環境の改善 |
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内容 | ・5Sのポップを職場に掲示 ・カゴ車、パレットの置き場を定置化 ・躾(しつけ)の担当者を明確にする |
結果 | 責任感を持って仕事に取り組む従業員が増加! |
株式会社山形丸魚では、安全な環境を維持するために「躾(しつけ)」が重要であると考え、担当者を明確にしました。その結果、清掃のルールや物の置き場の定置化が進み、責任感を持って仕事に取り組む従業員も増加しました。
参照元:農林水産省「企業事例集」
食品工場で5Sを効果的に進める方法
ここからは、5S活動をスムーズかつ効果的に進めるための具体的な方法をご紹介します。取り組みが定着しやすくなるポイントや、従業員が自発的に参加できる工夫について見ていきましょう。
また、5S活動の進め方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。5S活動を効果的に進めるためのツールもご紹介しています。
関連記事:業務改善につなげる「5S活動」の進め方!目的や事例、アイデアも解説
5Sルールを明文化して従業員へ共有する
ルールがあいまいだと、従業員はそれぞれの判断に頼ってしまい、5S活動が十分に行われません。さらに、基準が統一されていないため、従業員の混乱を招きます。
まず各5Sの目的と行動基準を具体的に示しましょう。具体的な方法は、以下の通りです。
▼各Sの行動例▼
行動例 | |
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整理 | 不要なものは即廃棄 作業台には必要なものだけ置いておく 毎月30日に断捨離をする |
整頓 | 使用器具の置く場所を定める 使用器具は決められた場所に戻す 作業台には必要な数量だけ置く |
清掃 | 作業が終わったあとは掃除をする 異物や汚れがない状態まで清掃する 清掃用具をいつでも使える状態にしておく |
清潔 | 手順通りに清掃する 決められた時間を守って清掃する 清潔だと判断できる基準を決める |
躾(しつけ) | 5S活動を従業員に共有する 現場の変化に対応してルールを定期的に見直す ルールをマニュアル化する |
従業員に5Sを浸透させるには教育が重要です。しかし、人手不足が進む食品工場では、徹底した教育を行うのが難しく、後回しにされることも。そんな中、教育担当者が常に見ていなくても、質の高い教育を実現できる教育方法として「動画マニュアル」が注目されています。
動画マニュアルについては、後述する『5S活動の推進には「動画マニュアル」の活用がおすすめ』で解説します。
チェックシートの活用
5Sチェックシートは、食品工場内の5S実施状況を「見える化」します。改善点や未達成の項目が一目でわかるため、従業員のモチベーションアップにもつながります。
次に示すのは、農林水産省が発表する「5S点検チェックリスト」です。
▼5S点検チェックリスト▼
※クリックで拡大できます※
定期的に見直して改善する
5S活動は実施して終わりではありません。現場の状況や作業内容は常に変化しているため、5Sのルールも定期的に再評価する必要があります。
▼改善のプロセス▼
具体的な行動 | |
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① 現状の問題点を洗い出す | チェックシートや点検、フィードバックのデータを活用する |
② ルールを更新する | ①をもとに、より現状に沿ったルールにアップデートする |
③ 従業員へ共有する | 朝礼や掲示物などで従業員に共有する |
見直しと改善は定期的に行いましょう。現場に即したルールを維持し続けることができ、ルールの形骸化を防ぎます。
5S活動の推進には「動画マニュアル」の活用がおすすめ
5S活動を効果的に行うには従業員への教育が欠かせません。しかし、人手不足が進む食品工場では「教育に十分な時間を割くのが難しい」という声がよく聞かれます。
そこで、常に質の高い教育を行える方法として「動画マニュアル」が注目されています。
動画マニュアルの教育効果
動画マニュアルは、従来の紙マニュアルが動画形式になった教材で、文字や図だけではわかりにくい内容を映像で明確に伝えられます。とくに以下のようなメリットがあり、教育の質を高めます。
- 一貫した教育が可能
- 物理的スペースの削減
- 作成の手間を削減
従来の紙マニュアルでは、内容の見直しや改善のたびに印刷や表・写真の差し替えなどの工数がかかりますが、動画マニュアルなら更新作業が非常にシンプル。簡単に最新の状態にアップデートできます。
動画マニュアルの教育効果をより詳しく知りたい方は、以下の資料も併せてご覧ください。
動画マニュアル作成なら簡単に作れる「tebiki」
動画マニュアルのメリットは理解しているものの、「動画作成のスキルがある従業員がいないから…」と諦めていませんか?そんな時に役立つのが、簡単に動画マニュアルが作成できる「tebiki」です。
▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼
tebikiは「かんたんさ」に特化したツールで、シンプルな操作で直感的に動画を作成できます。専門的な技術や編集スキルがなくても使える設計のため、初めての方でも安心です。
さらに、効率的な教育を実現するため、以下の機能も搭載されています。
- 動画の字幕などの自動翻訳
- オフライン再生
- 文書作成機能
- 動画の音声を認識して字幕の自動生成
- タスク機能により自主学習を促す
- レポート機能
- テスト機能
「tebiki」には役立つ機能がまだまだ搭載されています。詳しくは、以下のサービスご紹介資料をぜひご覧ください。
動画マニュアルの活用による現場改善事例
実際に動画マニュアル「tebiki」を使用して現場を改善させた事例をご紹介します。
食品製造業での動画マニュアル活用事例を詳しく知りたい方は、以下をクリックして事例集をぜひご覧ください。
タマムラデリカ株式会社
▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:タマムラデリカ株式会社▼
まず、大手コンビニエンスストア向け専用工場のタマムラデリカ株式会社の改善事例をご紹介します。
同社は、動画マニュアルが作成できるスタッフが限られていたため、マニュアル化が追いついていないという課題がありました。さらに、外国籍従業員向けにもマニュアルを作成する必要があり、時間と人数が不足している状態でした。
教育体制を整えたいと考えていた中でtebikiに出会い、導入を決定します。すると、マニュアル作成時間が75%の大幅短縮。さらに、マニュアルを作成できるメンバーも増加し、教育体制の強化が実現しました!
また、「外国籍スタッフに対しても細かいニュアンスが伝わるようになった」と語るタマムラデリカ株式会社の事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
インタビュー記事:動画マニュアル作成時間が75%削減!教育体制を強化し、お客様に喜ばれる商品を提供したい
株式会社大商金山牧場
次にご紹介するのは、食肉の生産から加工・販売までを行う株式会社大商金山牧場の改善事例です。
同社では、拠点ごとに異なる方法で衛生教育が実施されていたため、教育内容にバラつきが生じていました。この課題を改善するためにマニュアル作成を進める中で、オフラインでも再生可能な「tebiki」に出会い、導入を決定します。
その結果、これまで把握しきれなかった拠点ごとのマニュアルがまとめて管理できるように!全社的に質の高いマニュアルを共有することで、衛生教育のレベルが向上しました。
大商金山牧場の導入事例を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インタビュー記事:衛生管理教育を徹底し、食肉の安全性を確実なものとするために動画マニュアルを活用!
イセ食品株式会社
最後に、鶏卵業界で国内最大手のイセ食品株式会社の改善事例をご紹介します。
同社は、現場で活かされにくい座学指導の改善策を模索していました。座学で指導を行っても、現場で再度教え直す必要があり、教育にかかる負担が大きかったためです。
新たな教育方法を探していく中で動画マニュアルに出会い、「tebiki」導入を決定します。
導入後は、教育の負担を抑えつつ理解度が向上し、現場での作業がスムーズに進むように。「教育がレベルアップした」と評価されています。さらに、人によって教え方が違う工程が統一されたことで、作業標準化にもつながりました。
イセ食品株式会社の導入効果を詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
インタビュー記事:導入3か月で動画200本作成。食品製造現場の作業標準化と多能工化を推進。各工場含め会社全体で「品質向上」に取り組んでいます。
食品製造業以外の導入事例も読みたい方は、以下の事例集をご覧ください。全7社の導入事例が1冊に凝縮された内容となっています。
まとめ
本記事では、5S活動の取り組み事例や効果的に進めるためのポイントを解説しました。
5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」からなる5項目のことです。職場環境が整えられ、食品衛生が維持できるだけでなく、HACCPの重要な土台となります。
5S活動をスムーズかつ効果的に進めるためには「教育」の存在が欠かせません。しかし、人手不足が進む食品工場では、徹底した教育を行うのが難しい状況にあります。
そんな中、教育担当者が常に見ていなくても、質の高い教育を実現できる教育方法として「動画マニュアル」が注目されています。
動画マニュアルの中でおすすめしたいのは、動画作成の「かんたんさ」に特化したツール「tebiki」です。専門的な技術や編集スキルがなくても使える設計のため、初めての方でも安心です。
「tebiki」の役立つ機能やサポート体制について詳しく知りたい方は、以下のサービスご紹介資料をご覧ください。