現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【具体例】物理的危害要因とは?事故事例や種類別の対策も

物理的危害要因の定義や具体例、異物の種類ごとの対策方法について詳しく解説します。「物理的危害要因をしっかり理解して衛生教育に活かしたい」「定義が曖昧で復習したい」と感じている方に必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

現場改善ラボでは、食品衛生のプロによる物理的危害に属する「異物混入対策」のアドバイスを動画でも無料公開しています。対策方法を従業員に徹底させる教育アプローチもご紹介していますので、以下をクリックしてぜひご覧ください。

物理的危害要因とは?

物理的危害要因は、HACCPにおける「危害要因(ハザード)」の1つに分類されます。HACCPとは、原材料の受け入れから出荷までの各工程で危害要因(ハザード)を予測し、それを防止するために継続的に監視・記録する管理手法です。危害要因には、以下の3つの種類があります。

生物的危害要因食中毒細菌やウイルス、寄生虫など
科学的危害要因農薬や添加物、洗浄剤、薬品など
物理的危害要因金属片やプラスチック片など

物理的危害要因のより詳しい具体例については、次章の「物理的危害要因の例」で解説します。HACCPについて復習したい方は、以下の記事をご覧ください。

物理的危害要因の例

物理的危害要因としてよく挙げられるのは、金属片やガラス片、プラスチック片、髪の毛、昆虫などです。ここからは、以下3種類の物理的危害要因の具体例と、実際の事例とその対応策をまとめてご紹介します。

鉱物性の異物

鉱物性の異物には次のようなものがあります。

  • 金属片
  • ガラス片
  • プラスチック片
  • 土砂

茨城県の食品工場で製造された「抹茶ドーナツ」に金属片が混入し、消費者の喉に刺さる事故が発生しました。調査の結果、製造過程で使用された粉ふるいの一部が劣化し、ドーナツに混入していたことが判明。問題の粉ふるいを使用して製造された商品は全て売場から撤去され、自主回収が行われました。

動物性の異物

動物性の異物には次のようなものがあります。

  • 毛髪
  • ネズミの毛やフン
  • 昆虫やダニ
  • 昆虫やダニの卵、サナギ

東京都のパン工場では、生産された「食パン」に約60mmのネズミが混入していたことが明らかになりました。工場外部に巣を作っていたネズミが資材搬入用設備から侵入し、整形前の生地に混入したと推定されています。原因究明のため、製造ラインの休止と自主回収が発表されました。

植物性の異物

植物性の異物には次のようなものがあります。

  • 紙類
  • 布や糸くず
  • わら
  • もみがら

三重県のスナック菓子製造工場で、布の切れ端のような繊維片の混入が確認されました。清掃用クロスが破れて製造ラインに残ったことが原因と推測されています。これを受け、清掃用クロスの交換時期を各個人に任せるのではなく、担当者による定期的な巡回チェックが行われる体制に変更されました。

物理的危害要因による食品事故の怖さ

物理的危害要因による食品事故は、健康被害のリスクに加え、消費者の信頼を失う重大な問題を引き起こす可能性があります。

「全国における食品への異物混入被害実態の把握」によると、「異物混入による健康被害が報告された229件のうち、82%が金属片やガラス片などの硬質異物によるもの」とされています。したがって、硬質異物への対策はとくに重要です。

▼物理的危害要因による健康被害例▼

ケガ口や喉に異物が刺さった場合、摘出手術が必要になることも
内臓損傷消化器官に損傷を与え、消化不良や腹痛、腸閉塞を引き起こす恐れ
感染症ネズミの糞尿や昆虫、ダニを介して感染症を引き起こす恐れ

次章でも対策方法をご紹介しますが、異物混入対策方法を動画でも無料公開しています。対策方法を従業員に徹底させる教育アプローチもご紹介していますので、以下をクリックしてぜひご覧ください。

異物の種類別!物理的危害要因の対策

物理的危害要因の対策を異物の種類別に解説します。

異物対策例
金属類・金属探知機の使用
・設備や備品を定期的にチェック、メンテナンス
・設備や備品の日々の点検、清掃の徹底
・従業員の持ち込み物確認
ガラス類・ガラス製品はなるべく使わない(例えば、鏡は食品工場向けのアクリル製のものを使用する)
・蛍光灯からLEDに置き換える
・蛍光灯には飛散防止カバーを付ける
・割れた際破片の出ない製品にする
・従業員の持ち込み物確認
プラスチック類・発見しやすい色付きの手袋や器具を使う
・金属探知機で検知できるタイプの製品に変える(手袋、ヘラ、ハケ、ブラシなど)
・設備や備品の日々の点検、清掃の徹底
石や砂・従業員の個人衛生の徹底
・入室マニュアルの厳守
・荷物搬入時のチェック
・食材の洗浄手順の徹底
虫やネズミ・工場内の衛生管理の徹底
・設備の点検(侵入口になりうる場所がないか調べる)
・荷物搬入時のチェック
毛髪やホコリ・従業員の個人衛生の徹底
・日々の工場内の洗浄、清掃
・入室マニュアルの厳守

教えているのに伝わってない?食品業界における教育課題

食品工場で働く従業員にとって、異物混入などの物理的危害要因に対する知識は不可欠です。しかし、座学での教育やマニュアルだけでは、現場での実践に結びついていないケースも少なくありません。ここでは、そんな食品業界における教育課題をご紹介します。

食品業界における教育課題をPDF形式の資料でじっくり読みたい方は、以下から無料ダウンロードしてご覧ください。


食品製造業が直面する3つの教育課題を見てみる

人の入れ替わりが激しい

せっかく教育を行っても、すぐに辞めてしまう人がいたり、新しい人が入ってくるたびに教育を繰り返す必要があったりと、教育の効率化が難しいのが現状です。

こうした問題を解決するためには、わかりやすく効率的な教育体制の構築が良いでしょう。ソフトクリーム総合メーカーの日世株式会社では、新人研修の座学講習を動画に置き換えたことで、講義時間を1/10まで削減した事例があります。詳しくは、以下のインタビュー記事をご覧ください。

多国籍スタッフが多く、言葉が伝わっていない

近年、多国籍スタッフの増加により、異なる言語を話す従業員が共に働く現場が増えています。

この多国籍化により、言語の壁が教育の大きな障壁となっています。たとえば日本語をスムーズに理解できない外国人労働者に、日本語で作業の注意点を伝えた場合、理解できず、誤った手順で作業を進めてしまう可能性が高いです。

食品工場における外国人労働者の割合や雇用の課題などを知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

理解度にバラつきがある

同じ教育を受けていても、経験やスキルの違いによって理解度にバラつきが生じることがあります。

この課題を解決するためには、フォローアップや教育プログラムの更新が効果的です。理解度を測るテストや確認を定期的に実施し、理解度を均一化することで、教育の成果を確実なものにします。また、教育内容を定期的に見直し、業務の変化や新しい技術に対応することも重要です。

異物混入を防ぐ現場作りには、動画マニュアルが有効

従業員の入れ替わりが激しく、外国籍スタッフが増えている食品業界では、質の高い一貫した教育が難しいのが現状です。そこで、教育方法としておすすめなのが「動画マニュアル」です。ここでは、そんな動画マニュアルのメリットをご紹介します。

動画マニュアルの教育効果をマンガでわかりやすく知りたい方は、以下をクリックしてご覧ください。

視覚的だからわかりやすい

【衛生面】動きがそのまま伝わるから文章で伝えるよりわかりやすい

動画マニュアルは、現場での作業をそのまま映像として指導できるため、言葉では伝えきれない複雑な動きや手順を明確に示します。言語や文章読解能力の差が生じにくく、業務の質を向上させる重要な手助けとなるでしょう。

工数を抑えながら繰り返し教育ができる

動画マニュアルの活用により対面指導やOJTの頻度を抑えることができ、人件費削減や教育時間の短縮につなげます。また、場所を選ばずにいつでも視聴できるので、紙のマニュアルを持ち運ぶ必要もありません。必要なときに繰り返し学習できます。

紙の持ち込みが制限されている場所でも使いやすい

多くの製造現場では、紙の資料は汚れや破損、異物混入のリスクがあるため、持ち込みが制限されることがあります。しかし、動画マニュアルならタブレットやPCで閲覧でき、現場でも手軽に情報へのアクセスが可能です。

動画マニュアル作成なら「tebiki」がイチオシ

動画マニュアルを作成するなら、「動画マニュアルtebiki」がイチオシです。tebikiは、簡単に動画マニュアルを作ることができるだけでなく、現場教育に役立つさまざまな機能を備えています。ここからは、そんなtebikiのイチオシポイントを解説します。

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誰でも簡単に動画編集可能

tebikiは、普段のOJTを動画で撮影するだけで動画マニュアルが作成可能です!

動画編集の経験のない方でも、短時間で使い方がマスターできるよう、必要な機能以外は削ぎ落されたシンプルな作りになっています。編集に時間がかかる字幕追加を自動で行う機能も搭載! 1つの動画を5分程度で作成できたという事例もあります。

多言語対応により、外国籍スタッフの教育にも

字幕の翻訳機能があるため、外国人労働者向けに新たなマニュアルを作成する必要はありません。対応言語は100ヶ国語以上で、ボタン1つで簡単に切り替え可能。外国人従業員の理解度が向上すること間違いなしです。

tebikiなら100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されていることが分かる編集画面

理解度がわかる習熟度テスト機能も搭載

tebikiには、オリジナルのテストを作成する機能が搭載されています。自動採点機能が付いているため、教育担当者に負担をかけずに従業員のスキルを把握することが可能です。

tebikiには、まだまだ現場教育に便利な機能が搭載されています。より詳細な情報や料金プランについては、以下のサービス紹介資料からぜひご確認ください。


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動画マニュアルtebikiを使って食の安全を守っている事例

動画マニュアルtebikiを実際に導入して、食の安全を守っている事例を解説します。自社の従業員教育における課題と照らし合わせ、ぜひご活用ください。

より多くの企業事例を知りたい方は、以下の導入事例集も併せてご覧ください。 各社がどのような現場教育の悩みを抱えて、tebikiで解決してきたのかがわかりやすく1冊にまとまっています。


tebiki導入事例集

タマムラデリカ株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:タマムラデリカ株式会社▼

そばやうどんの開発製造を手掛けるタマムラデリカ株式会社では、新人教育や外国籍の従業員教育において、紙マニュアルとOJTに頼る教育体制に限界を感じていました。特に、Google翻訳を使って手作業で多言語対応させる必要があり、担当者の負担が大きくなっていました。そこで、教育体制の改善を図るためにtebikiを導入することに。

その結果、業務内容の細かいニュアンスが伝わるようになり、ヒューマンエラーを減少させることに成功しました。さらに、自動翻訳機能を活用することでマニュアルの作成時間を1時間から15分に短縮し、教育担当者の負担を軽減できました。

タマムラデリカ株式会社の詳しい導入効果が知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

株式会社大商金山牧場

株式会社大商金山牧場では、ベトナム実習生への教育が十分に行き届いていないことを問題視していました。そこで、多言語対応機能を備え、オフラインでも再生可能な「tebiki」を導入します。

その結果、外国人実習生向けの翻訳マニュアルを作成する必要がなくなり、教育コストが半分以下にまで削減! また、FSSC22000取得拠点とそれ以外の拠点で衛生管理教育にばらつきがあったものの、「tebiki」を通じてマニュアルを一元管理できるようになり、どの拠点でも質の高い教育を受けられる体制を築き上げました。

「今後はさらにtebikiの利用範囲を拡大していきたい」と語る株式会社大商金山牧場の詳しい導入効果が知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

ロイヤル株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:ロイヤル株式会社▼

ロイヤルグループ向けの袋入りレストラン用商品などを製造するロイヤル株式会社。同社では、1日50名以上の新人受け入れ教育を効率化する方法を模索していました。そんな中、動画編集のしやすさを始めとした「使いやすさ」が決め手となり「tebiki」を導入することに。

その結果、社員の説明がポイントのみになったことで教育工数をほぼ0にまで削減。さらに、新人全員に同じ動画を使って教育するので「教育のムラ」をなくすことにも成功しました。

操作不要で動画マニュアルを閲覧できる「tebiki視聴用モニター」についても言及したロイヤル株式会社の詳しい導入効果が知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

まとめ

物理的危害要因はHACCPにおける「危害要因(ハザード)」の1つに分類され、金属片、ガラス片、プラスチック片、髪の毛、昆虫などが含まれます。これらの危害要因は、金属探知機や定期的な設備点検、そして従業員教育によって防止が可能です。

しかし、従業員の入れ替わりが激しく、外国籍スタッフも増えているため、従業員教育の難易度は年々高まっています。

そこで、教育を効率化するためのツールとしておすすめなのが「動画マニュアルtebiki」です。tebikiは、簡単に動画マニュアルを作成できるだけでなく、100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能を備えています。従来の紙マニュアルでは伝えきれなかった細かい動きやニュアンスが伝わるだけでなく、理解度を確かめるテスト機能も搭載されており、従業員の教育効果を高めることが可能です。

詳細な機能や料金プランについては、以下のサービス紹介資料からぜひご確認ください。


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