かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する、現場改善ラボ編集部です。
標準作業とは、特定の業務や作業を効率的かつ安定的に行うために定められた、一連の手順や方法のことを指します。標準作業を徹底するには、整備と現場での定着が重要ですが、「標準作業のばらつきをどう解消すればいい?」「現場で標準作業を守らせる方法がわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、本記事では標準作業を現場に根付かせるコツについて解説します。構成する3要素や必要な現場帳票、標準作業が守られない理由や徹底する方法もくまなく紹介するので、現場のトラブルを減少させたい方は最後までご覧ください。
標準作業を守らせることは、現場の「標準化」を実現させる第一歩です。しかし、実際に作業手順書やマニュアルを整備しても、なかなか改善が見られないというケースも少なくありません。これを解決するためには、標準化の正しい進め方を理解し、適切な手順で取り組むことが重要です。
現場改善ラボでは、専門家による「実践的な標準化の進め方」について、トヨタ自動車出身の講師が詳しく解説した動画をご用意しております。標準化のプロともいえるトヨタ自動車のノウハウを是非ご参考ください。
目次
標準作業とは?目的や作業標準との違い
標準作業とは、業務を効率的かつ安定的に行うために定められた一連の作業手順です。この手順を設定することで作業者ごとのばらつきを減らし、品質や生産性を一定に保つことができます。
ここでは標準作業の基礎知識として、以下の2点を解説します。
- 標準作業の目的や重要性
- 標準作業と作業標準は何が違う?
標準作業の目的や重要性
標準作業の導入は、業務の効率化や品質向上において非常に重要です。具体的には、次の3点を目的として実施されます。
- ルールの明確化
- ムリ・ムダ・ムラの排除
- 改善ポイントの洗い出し
ルールの明確化
作業手順や製造現場のルールを明確に定め、標準作業とすることで業務の質と効率が向上します。
まず、作業手順や製造現場のルールを標準作業として定義し、マニュアルや手順書を通じて明確にします。これにより、作業者間で業務品質にばらつきが生じることを防ぎ、統一された作業方法を実現できます。
標準化により、作業方法の違いによるムダやヒューマンエラーが削減され、生産が効率化されます。
たとえば、製造ラインでの機器の組み立て作業において、どの手順で部品を組み立て、どの工具を使用するかが明確に定められている場合、作業者は標準作業に従って効率的かつ正確に作業を進めることができます。
これにより、新人でも迅速に正しい作業方法を習得し、熟練者と同等の作業品質で製品を生産できるようになります。
また、ルールを明確にすることで作業手順や製造現場のルールの改善点が見つけやすくなり、効果的に改善を進めることが可能です。
ムリ・ムダ・ムラの排除
「ムリ・ムダ・ムラ」とは、業務や作業プロセスにおける非効率的な要素を指す言葉です。
- ムリ:体力的または精神的に過度な負担がかかる状況
- ムダ:必要のない作業や資源の浪費
- ムラ:作業のばらつきや不均一性
標準作業は業務全体の効率を最大化しつつ、ムリ・ムダ・ムラを排除する有効な手段といえます。
標準作業を設定することで、作業手順や役割分担が明確になり、業務におけるムダな動作や過剰な作業負担が発生しにくい環境を作り出せます。
たとえば、同じ作業を行う場合でも、各従業員が異なる手順で作業を進めると余計な動き(ムダ)や品質のばらつき(ムラ)が生じ、生産効率が低下します。
しかし、標準作業を設定・遵守させることで各従業員が同じプロセスを踏むため、ムダな動作や不必要な作業(ムダ)が排除され、作業効率が改善されます。
さらに、作業手順のばらつき(ムラ)がなくなることで、品質の安定化と生産効率の向上が実現します。
また、標準作業によって従業員の負担(ムリ)も軽減されます。均一化された手順は無理な作業や過度な労力を避けるように設計されており、これにより従業員の満足度やモチベーションの向上が期待でき、早期離職のリスクを減らすことも期待できます。
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改善ポイントの洗い出し
作業手順やルールを明確にすることで、現場でのムダやムラが可視化され、改善ポイントが明確になります。
標準作業があることで各工程が明確に定義され、作業手順やタイミング、品質基準が標準化されます。これにより、現場での作業のばらつきを減らし、改善すべきポイントを客観的に評価できるようになります。
たとえば、特定の工程における作業が標準作業よりも多くの時間を要していると判明した場合、その工程の手順を再検討して不要な作業を省くことで、全体の工程時間を短縮することが可能です。
このように、標準作業を基準にしながら改善活動を継続的に進めることで、現場の効率だけでなく作業者の安全性や働きやすさも向上させ、結果として製品の品質や納期遵守の向上が見込めるでしょう。
標準作業と作業標準は何が違う?
標準作業と作業標準は、どちらも業務の効率化や品質向上を目指すために使われる概念ですが、それぞれの意味や目的には違いがあります。
標準作業は、特定の作業を行う際の一連の手順や方法のことです。具体的には、作業者が同じ結果を得るために守るべき手順や作業の順番、使用する道具や設備、作業時間などがあてはまります。
作業者が日々の業務で守るべきポイントを標準作業として明確に示すことで、一定の品質で効率的に業務を遂行できるようになります。
一方、作業標準は標準作業を実施するために必要な基準やルール、管理条件を指します。作業標準は、具体的な作業手順だけでなく品質管理の方法や安全対策、設備のメンテナンス基準なども含み、作業の全体像を管理するために使われます。
作業標準は企業全体の生産活動や品質管理の指針として機能し、すべての作業が一貫した基準で行うことを目的としています。
たとえば、工場の製造ラインでは「部品Aを組み立てる作業手順」が標準作業であり、標準作業を含む全体の「製品Bを完成させるための一連の作業の基準や品質管理のルール」が作業標準に該当します。
つまり、標準作業が「作業をいかに効率的かつ同じ品質で行うか」を定めているのに対し、作業標準は「一定の品質や安全をいかに確保するか」に焦点を当てたものであり、目的に応じて異なる側面から現場の業務を支える役割を担っているのです。
ここまで、標準作業の目的や重要性について解説しました。次章からは、標準作業を構成する「3つの重要な要素」について解説します。
標準作業を構成する3要素
標準作業は効率的で一貫性のある作業を実現するために、次の3つの要素で構成されています。
これらの要素が明確に定まっていない場合、作業効率・安全性・品質管理が損なわれ、結果として生産性が低下します。したがって、これらの3要素を満たしていない作業は標準作業とは見なされません。
タクトタイム
タクトタイムは、必要な数の製品を生産・提供するためにかかる時間の目安を指しています。タクトタイムが明確に設定されることで、作業者はどの程度のスピードで作業を進めるべきかを把握でき、全体の生産性が向上します。
タクトタイムは効率的な生産の基盤を築くために必要不可欠であるため、標準作業の3要素の1つとして位置付けられています。そのため、タクトタイムが適切に管理されていない場合、生産ライン全体にさまざまな問題が発生する可能性があります。
例えば、タクトタイムが短すぎると作業者に過度な負担がかかり、ミスや品質の低下を招くリスクが高まります。一方で、タクトタイムが長すぎると作業の進行が遅れ、生産の遅延や余分な在庫の発生に繋がる可能性があります。
タクトタイムの求め方
タクトタイムは「定時稼働時間÷必要生産数」で求められます。
例として、1時間に10個の製品を生産する必要がある場合、タクトタイムは6分/個(=60分÷10個)になります。つまり、必要な数の製品を生産するには、1製品につき6分で作ることが目標だといえます。
タクトタイムは純粋な稼働時間をもとに計算されるため、休憩時間や設備のメンテナンス時間を差し引くことに注意しましょう。
作業順序
作業順序は、最も効率的に作業を行う際の具体的な手順や順番のことです。正確な作業順序を定めることで、作業者全員が同じ手順で効率よく作業を進められます。
たとえば、食品工場で包装材を容器にセットし、その後に製品を充填するという順序が最も効率よく製品を作れる場合、これが作業順序になります。作業順序が設定されていないと、各作業者が異なる手順で作業を行うリスクがあり、結果として品質のばらつきや効率低下を招く可能性が高いです。
また、作業順序が正確に定められていることで、作業の標準化が促進されます。これにより、熟練者と新人の間での作業効率の差が縮小され、教育コストの削減にもつながります。さらに、作業手順が標準化されていれば、作業中に問題が発生した際も迅速に原因を特定し、改善策を講じやすくなります。
作業順序の求め方
作業順序を決定する際には、まず全体の業務を遂行するために必要な工程をリスト化しましょう。各工程がどのような作業を含んでいるかを詳細に記載し、それぞれが他の作業にどのように関連しているかを把握します。
その後、作業の依存関係をもとに順序を検討し、シミュレーションを実施して問題点がないかを評価しましょう。たとえば、部品の製造工程における作業順序は次のようになります。
この場合、以下のような理由から各工程が互いに依存しており、順序を変えると作業のムダや品質低下が生じる可能性があるため、最も効率の良い進め方になっていることがわかります。
▼製造工程における作業順序のメリット例▼
- 最初に材料を準備することで、後続の加工工程に必要な原料が揃い、加工や仕上げにムダが生じるのを防げる
- 熱処理の後に仕上げ加工を行うことで、発生した表面の変形や粗さが修正され、最終製品としての品質が確保される
作業順序は実務に則している必要があるため、定期的に見直しを行うとよいでしょう。実際に作業を行う従業員の意見を取り入れ、柔軟に改善・変更することが大切です。
標準手持ち
標準手持ちとは、サイクルタイム(1つの製品を生産するのに実際にかかった時間)と作業順序を守ったうえで、繰り返し同じ作業が遂行できるために必要な最低限の仕掛品のことです。仕掛品とは「製造工程の途中にある、未完成の製品」を指します。
かんたんに表すと、標準手持ちは「製造現場において作業者が次の工程に進むために、常に持っているべき適切な作業量」だといえます。
標準手持ちは、ライン作業やセル生産方式などの生産工程において特に重要で、作業者が次の工程に進むために「待つ」時間を最小限に抑え、全体の生産リズムを保つ役割を果たします。標準手持ちが適切に設定されていると、ムダな時間や工程間での作業の滞りやロスがなくなり、効率的な生産が実現されます。
例として、自動車の組み立てラインでは、各工程で作業がスムーズに進むように標準手持ちを適切に設定すると、必要なネジや部品が常に供給され、作業者が常に次の部品を手元に持つことで作業の流れを止めることなく効率よく進められます。
標準手持ちが少なすぎると作業者は手待ち時間が発生したり、頻繁に材料を補填する必要が生じて作業効率が低下します。逆に多すぎると在庫が増えてムダが発生するほか、スペースのムダや管理コストの増加を招く可能性があります。
したがって、「標準手持ちを超えて生産しない」というルールの徹底が必要です。
標準手持ちの求め方
標準手持ちを適切に設定するには、作業の流れやタクトタイム、サイクルタイムなどを考慮して、作業者が待ち時間や無駄な動きがなく効率よく作業を続けられるように適切な量を算出します。
この際に、各工程間の作業負荷や作業順序、部品や製品の補充頻度も考慮することで、より実際の生産状況に即した標準手持ちが割り出せるでしょう。
簡単な例として、自動車のエンジンを組み立てるラインを考えてみましょう。ここでタクトタイムが2分、作業者が1つの部品を組み立てるサイクルタイムが1分であれば、作業者は1分ごとに1つの部品を完成させることになります。
次に、部品の補充サイクルが5分ごとに行われる場合、作業者は5分間に必要な部品を常に手元に持っておく必要があります。このケースでは、標準手持ちの量は「補充サイクル5分 ÷ サイクルタイム1分」で計算され、作業者は最低でも5個の部品を常に手元に確保する必要があります。
標準作業における3つのタイプと違い
標準作業は業務の特性に応じて、次の3つのタイプに分類されます。
タイプ1
タイプ1は、先述した「3要素」に沿って毎日繰り返し行うことができる作業を指します。タイプ1の作業はタクトタイムという目標があり、かつ標準化された手順に沿って進めることを目的としているため作業効率を高めやすく、業務品質が安定しやすいことが特徴です。
例として、電子部品製造工場におけるプリント基板への部品実装作業などが考えられます。この作業は、作業者が特定の配置順序に従い正確に部品を取り付ける必要があるため、タイプ1に分類されます。
タイプ1では手順を厳守することが求められるため、後述する「標準3票」と呼ばれる帳票が活用されます。これにより、作業者は正しい手順に沿いながら、効率的かつ正確に作業を進めることが可能です。
タイプ2
タイプ2は、繰り返し行うものの、状況や条件によってサイクルタイムが変わる作業を指します。
タイプ2の作業は、多品種生産や組み合わせの種類が多いケースによくみられます。そのため、作業者ごとに作業量が異なる場合や、標準作業が定めにくい場合があります。そのため、タイプ2の作業においては、タクトタイムとサイクルタイムが一致するような生産体制を目指すとよいでしょう。
例として、顧客からのカスタムオーダーに基づいた家具の製造などが考えられます。顧客からの要望に応じてさまざまなデザインや仕様の家具を臨機応変に製造するため作業内容が一定なことが少なく、サイクルタイムや手順が一律に設定できない場合が多いといえるでしょう。
タイプ3
タイプ3は、繰り返しの作業を行わない工程でよくみられます。例として、緊急点検やクレーム・トラブル対応などイレギュラーな業務や作業が該当します。
そのため、タイプ3の作業では、作業にかかる全体の負荷量(作業量)が、計画通りの時間内に収まることが望ましいでしょう。
標準作業の確立に必要な現場帳票「標準3票」とは?
標準作業を確立するには、作業手順を正確に把握・管理するための3つの現場帳票「標準3票」が必要です。標準3票は主にタイプ1の作業で使用される帳票であり、以下の3つに分類されます。
これらの帳票を使用することで、標準作業が計画通りに進行しやすくなり、効率と品質を向上させることが可能です。
帳票を紙やExcelで運用している場合、「電子化」がおすすめなケースが多く見受けられます。
帳票を電子化するメリットや方法について詳しく知りたい方は、こちらの別記事もご覧ください。
関連記事:帳票の電子化にはどんなメリットがある?導入実現に向けた進め方やツールも解説
工程別能力表
工程別能力表とは、各工程ごとの作業能力や達成可能な生産量を示す帳票です。この帳票を使用することで、各工程の処理能力や負荷状況を把握し、改善すべき工程の優先順位を明確にできます。
たとえば、冷凍食品の製造ラインでは、各工程の冷蔵時間と包装速度を工程別能力表に記録します。これにより、どの工程が生産の遅延を引き起こしているかを特定し、冷却時間の短縮や包装設備の交換などの改善策を講じることが可能です。
工程別能力表は、連続的な生産が求められるラインや、多数の工程が関わる製造プロセスに適しています。
飲料の製造ラインを例に挙げると、充填工程やラベル貼り工程の生産能力を工程別能力表で分析し、特定の工程におけるボトル詰め速度が全体の生産性に与える影響を評価することができるでしょう。
この分析に基づき、充填機やラベル貼り機の調整といった改善策を実施することで、生産ライン全体の効率を向上させることが可能です。
工程別能力表の作り方
工程別能力表を作成する際は、以下の手順をもとに進めると良いでしょう。
- 工程のリストアップ
- 各工程の生産能力の測定・記入
- 生産ライン全体のボトルネック特定
- ボトルネックを解消するための改善計画を立案・実行
例として、自動車部品の製造ラインの場合は材料切断や部品成形などの工程を書き出し、各工程での生産能力を測定します。材料切断の生産能力を「100個/時」のように記入し、最も生産能力が低い工程を特定します。
その後、ボトルネックを改善するために最新機器の導入や作業手順の見直しを行い、改善が完了したら工程別能力表を更新しましょう。
このように工程別能力表を作成することで、効率的な生産と安定した品質が達成でき、標準作業を効果的に運用できます。
標準作業組合せ票
標準作業組合せ票とは、作業者の作業をどのように組み合わせ、時間をどう割り振るかを示す帳票です。この帳票を活用し、作業のタイミング・順序・それぞれの作業にかかる時間を視覚的に把握することで、生産ラインの効率化を実現できます。
たとえば、エアコンの組み立てラインでは、標準作業組合せ票を用いて部品取り付け時間や機械の稼働時間、作業者の移動時間を記録します。もし、特定の工程で作業者の移動に膨大な時間がかかっている場合、工程の配置を再設計して効率化を図ることで、全体の生産性を向上させることが可能です。
標準作業組合せ票は、タクトタイムが明確に設定される工程や、人と機械の動きを効率的に組み合わせる必要がある工程に適しています。例として、化粧品の製造ラインでは、標準作業組合せ票を使用して各工程の充填時間や容器の搬送時間を分析し、効率的な作業順序を決定します。
これにより、容器の搬送時間を最小限に抑え、充填工程と次工程の間の待機時間を削減することで、全体の生産効率を向上させることが可能です。
標準作業組合せ票の作り方
標準作業組合せ票を作成する際は、以下の手順を参考にしてみてください。
- 作業の洗い出し
- 作業時間の測定
- 作業順序と組合せの決定
- タイムラインの作成
- 製造ライン全体のバランスの確認・調整
例として、電子部品の組立作業の場合は部品の取り付けやハンダ付けなどの作業を洗い出し、各作業にかかる時間を測定します。その後、作業の順序と組合せを決定し、各作業の開始時間と終了時間を明記したタイムラインを作成します。
最後に、作業の流れがスムーズかを確認し、問題がないかを確認しましょう。このように標準作業組合せ票を作成し、作業の流れを最適化することで、標準作業を運用しやすくなります。
標準作業票
標準作業票は、標準作業の内容を1枚のシートにまとめた帳票です。作業手順や使用する工具、注意すべきポイントを一目で理解できるようにすることで、標準作業を実行しやすくなります。
例として、組立ラインでは標準作業票を活用して各工程の作業内容を記録し、作業者がどの順序で部品を取り付けるべきかを明確に示します。
これにより、組立作業における品質のばらつきを減らし、品質の安定化と生産効率の向上を実現することが可能です。標準作業票は複数の作業者が関わる工程で、作業の流れを統一して効率化を図る場合に有効です。
たとえば、金属部品の加工ラインでは標準作業票を用いて作業者の動きと機械の配置を示し、加工工程全体の効率化を図ります。その結果、作業者が各工程でスムーズに機械を操作できるようになり、作業のムダや停滞を最小限に抑え、全体の生産効率を向上させられます。
このようにして作成された標準作業票を参照することで、作業者は各工程を正確に実行し、高い品質を維持することが可能です。
標準作業票の作り方
標準作業票を作成する際は、以下の手順を参考にしてみましょう。
- 作業内容のリストアップ
- 作業手順の整理
- 作業時間と標準時間の設定
- 使用する工具や材料の記載
- 注意事項の記載
- レイアウトとデザインの調整
例として、鉄鋼工場の検査作業では寸法検査や強度試験などの作業内容をリストアップし、作業の流れがスムーズになるように整理します。各作業にかかる時間を設定し、マイクロメーターや圧縮試験機などの必要な工具・機器をリスト化します。
その後、検査時に注意すべきポイントや安全に関する注意事項を記載し、すべての情報を見やすいレイアウトで1枚のシートにまとめましょう。
標準3票を活用することで標準作業の遵守や生産性が守られる一方、「取り組んではいるものの、標準作業がなかなか守られない…」と、苦戦している現場もあるのではないでしょうか。
次章からは、現場で標準作業が遵守されない理由や、現場に標準作業を根付かせるコツについて詳しくご紹介します。
標準作業が守られないのはなぜ?考えられるトラブルも
標準作業が現場で守られない原因として、次のような問題点が挙げられます。
標準作業が守られないことで品質にムラが生じて不良品が多くなると、顧客満足度の低下、リピート顧客の減少、さらにはブランドイメージの悪化につながります。
標準化を進め、品質のばらつきを抑える方法については、後述する『標準作業を整備・現場に定着させるには「動画マニュアル」が有効』のほか、以下の専門家による講演動画もご覧ください。
認知されていない
標準作業が現場で認知されていない場合、従業員は正確な作業手順を理解・実行できず、結果として生産性や品質が低下するリスクがあります。
認知されていない主な原因は、適切な情報伝達と教育が不足している点にあります。特に、新しい作業手順が導入された際にその内容が従業員に効果的に伝達されていない場合、従業員は過去に学んだ慣習的な作業方法を続けてしまいます。
さらに、教育を担当するリーダーや管理者が標準作業の内容を十分に理解していない場合や、教育者間で標準作業についての認識がずれていることも問題です。リーダー層が正確な理解を持っていなければ、現場での適切な指導が困難になり、従業員間で誤った情報が広がる可能性があります。
目的が理解されていない
標準作業は品質維持や効率化を目的として策定されますが、その意図が現場の従業員に伝わっていない場合、単なる「やらなければならない手順」として軽視されがちです。
特に新入社員や経験の浅い従業員にとって、標準作業はただの「紙に書かれたルール」として認識されがちで、実際の作業にどのように役立つのかを十分に理解していないことケースも考えられます。
標準作業の目的が理解されない主な原因は、重要性の説明不足です。標準作業がどのような理由で策定され、どのような効果をもたらすのかが具体的に伝わっていないと、従業員は手順の背後にある目的を理解せず、単に「手順を守る」という義務的な意識にとどまります。
その結果、現場の従業員が「なぜこの手順を守る必要があるのか?」という標準作業の重要性を理解せず、「とりあえず作業を終わらせること」のみに意識が向いてしまいます。標準作業の目的が無視され、現場独自のやり方が優先されることも考えられるでしょう。
現場に即していない
現場の実情に合わない標準作業が存在すると、従業員がその手順に従うことが困難となり、独自のやり方で作業を進めることがあります。
特に、記載内容が現場の現状と乖離していたり、現場の実際のルールや制約と矛盾している場合、従業員は標準作業を遵守できず、自己流の手順に頼らざるを得なくなります。
このような問題は、現場を十分に理解していない管理者やマネジメント層が標準作業を作成したときに発生しやすいといえます。
例えば、作業に必要な道具や設備が不足している場合や、標準作業の時間配分が非現実的であれば、従業員は効率的な作業を行うために標準作業を無視せざるを得ません。結果、標準作業が現場で遵守されず、品質のばらつきや無駄な工程が生じやすくなります。
マニュアル/標準作業手順書が整備されていない
標準作業に関するマニュアルや標準作業手順書が整備されていない場合、従業員がその手順を正確に理解できず、標準作業を適切に守ることが難しくなります。
この問題が生じる主な原因として、第一にマニュアルや手順書の作成が後回しにされることが挙げられます。特に作業手順が暗黙の了解や経験に依存している場合、手順の正式な文書化が行われず、従業員は個々のスキルや経験に頼って作業を進めることになります。
これにより、従業員ごとに作業のばらつきが生じ、品質や効率に悪影響を与えることが少なくありません。
さらに、手順書が整備されていない背景には、手順書の作成が負担とみなされていることも挙げられます。標準作業手順書を作成するには、各工程の詳細な分析が必要であり、現場での観察やヒアリングを通じて正確な情報を収集する必要があります。
しかし、このプロセスが時間やリソースの不足により軽視されることが多く、結果として作成が遅れるか、不十分な内容の手順書が作られることが多いです。特に、業務が多忙な場合や、作業手順が頻繁に変わる環境では、手順書の更新や整備が後回しにされがちです。
チェックされていない
標準作業が定められていても、その手順が現場で守られているかどうかを確認する体制がなければ、従業員はその重要性を軽視する可能性があります。
このような状況が続くと、従業員は標準作業を「単なる形式的なルール」と捉え、自身の判断で手順を省略したり、自己流の方法で作業を進めたりすることが増えるでしょう。
特に、チェックが行われていないと感じた場合、従業員は「誰も見ていないから守らなくていいや」と考え、標準作業の遵守が作業効率や生産性において必要不可欠であるという意識が薄れがちです。
このような問題は、標準作業を守らないことに対する罰則やフィードバックがない場合に起こりがちです。現場での作業がチェックされていない場合、標準作業を逸脱した行為が見過ごされ、改善されないまま定着してしまいます。
さらに、従業員が標準作業を無視しても特に問題視されなければ、「守らなければならない」という意識はますます薄れてしまうでしょう。
標準作業の不順守で発生するトラブル
標準作業を遵守しない場合、業務全体にさまざまな悪影響が生じるリスクがあります。具体的には、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 品質トラブルの発生
- 生産性の低下
- コストの増加
- 技術伝承の失敗
品質トラブルの発生
標準作業を守らないことで最も顕著に現れるのが、製品品質の低下です。標準作業は品質を安定して維持するための最適な手順を定めているため、逸脱すると製品のばらつきや不良品の発生が増加するといえます。
たとえば、食品工場で作業者が衛生手順を省略して手袋を使用しないまま作業を進めると、製品に異物が混入する可能性があります。また、原材料の計量を適切に行わないことで品質が不安定になり、不良品が発生する恐れがあります。
加えて、手順を守らないことで品質検査をすり抜けた不良品が市場に出回り、顧客からのクレームやリコールにつながる恐れもあります。
生産性の低下
標準作業は効率的な生産を実現するために設計されているため、従わない場合は作業にムダが生じ、生産効率が低下する恐れがあります。
製造ラインにおいては、標準作業を無視して我流のやり方で作業を進めると必要以上に時間がかかり、工程間の連携が崩れることで生産ライン全体のリズムが乱れます。
さらに、ムダな作業や手戻りが増えることで生産ラインに遅延が生じ、結果として計画された生産量を達成できず、納期遅延につながるリスクもあります。
コストの増加
標準作業を無視すると、無駄な作業やミスが増え、結果的に不良品の発生や品質のばらつきが発生しコストが増加します。このような場合、作業のやり直しや製造ラインの再稼働が必要になり、追加の材料費や人件費といったコストが発生します。
また、不良品が市場に出回った場合はリコールが発生し、大幅なコスト増加につながる可能性も高いです。
たとえば、食品工場の製造ラインでアレルゲン管理に関する標準作業が守られず、包装工程で誤ったラベルが貼られた場合、その製品がアレルギー物質を含むにもかかわらず、アレルギー表示がされずに出荷される可能性があります。
このようなケースでは、返品対応が必要になるだけでなく、アレルギーを持つ顧客がその製品を購入して健康被害が発生するといった重大なリスクが考えられます。
技術伝承の失敗
標準作業は企業の技術やノウハウを体系化し、従業員が一貫した方法で作業を行うための基盤です。しかし、標準作業が守られないと、現場での作業が個々の従業員のやり方に依存し、技術やノウハウが属人化してしまいます。
たとえば、熟練技術者が標準作業とは異なる独自の方法で作業を行い、その方法がマニュアルや教育を通じて他の従業員に共有されていない場合、この技術者が退職した後は従来と同じような手順での製造ができなくなる可能性があります。
さらに、標準作業が守られないと、製品の品質にばらつきが生じるため、企業全体の品質管理が困難になります。属人化された技術やノウハウは個別の従業員に依存するため、標準化や一貫性を確保することが難しくなり、結果として品質保証が不安定になります。
標準作業を徹底させるには?遵守のために必要なこと
標準作業を徹底することで、トラブル発生のリスクを最小限に抑えられます。そのためには、次の5つのポイントに注力することが大切です。
従業員教育を実施する
従業員に対して標準作業の内容や目的をしっかりと教育することで、従業員がその重要性を理解し、適切な方法で作業を行うようになります。
そのため、新人が入社した際には標準作業の目的や重要性を説明する研修を行い、標準作業の手順を基礎から確認するOJTを実施しましょう。定期的な教育を通して、従業員が手順を正確に把握することで、作業効率や品質の向上を実現できます。
また、教育を実施する際はただ標準作業を教えるだけでなく、なぜその作業手順を守ることが重要なのか、具体的な例を挙げて説明することが大切です。
例として、過去に作業手順を守らなかった場合に発生したトラブルやミス、または手順通りに作業を行ったことで得られた成果を挙げると、従業員はその重要性をより深く理解できるでしょう。
標準作業が守られているかチェックする
標準作業の遵守状況を定期的にチェックする体制を整えることで、誤った手順での作業による品質不良や事故を防止できます。具体的には、管理者や監督者が現場を巡回し、作業者が標準作業に従っているかを確認することが有効です。
問題を発見した場合、手順に誤りがあることや、その場で適切な手順に戻すよう指導することで、作業のばらつきを抑えられます。また、作業者が自分の作業を自己確認できるように、チェックリストを提供することも効果的です。
チェック体制を整えることで、従業員は標準作業が常に監視されていることを意識し、手順を遵守する意識が高まります。
ただし、厳しいチェック環境では過度なプレッシャーがかかる恐れがあるため、作業者がリラックスして作業できるよう、監視方法や指導の仕方に注意する必要があります。
標準作業の定期的な見直しと更新を行う
作業者のフィードバックをもとに、現場での作業手順と標準作業を比較し、不適切な点や改善の余地があれば標準作業を更新します。また、標準作業が古くなったり、現場の状況が変わったりした場合は、新しい技術や手法を取り入れてアップデートします。
このように定期的に見直しと更新を行うことで、現場にもっとも即した標準作業を浸透させることが可能です。
たとえば、製造現場で新しい機械が導入された場合は、従来の標準作業がその機械に適しているかや、従業員がこれまでと同様に操作できるかを確認します。
標準作業の改訂が必要な場合は、新しい機械に適応した内容に修正することで、機械導入後もスムーズに標準作業を徹底できます。
さらに、現場の作業者と協力して更新を行うことで、現場の意見を反映した標準作業が完成し、従業員のモチベーション向上にもつながります。
標準作業を見直す際には、更新後の標準作業を速やかに全従業員に周知し、新しい手順が確実に定着するようにサポート体制を整えることを心がけましょう。
標準作業を可視化する
標準作業を視覚的に表示し、現場で常に確認できる環境を整えることも大切です。たとえば、作業エリアに標準作業のフローチャートや手順書を掲示し、誰でもすぐに参照できるようにします。
また、作業台や機械の近くに作業手順のポスターやマニュアルを配置し、作業中に簡単に確認できるようにします。
このような取り組みを行うことで、作業者は常に手順を確認しながら作業を進められ、標準作業の遵守率を向上させることが可能です。
可視化する際には、作業エリアに合わせたサイズ・配置・色を選定し、作業者が自然に目に入るように工夫しましょう。
マニュアル/標準作業手順書を作成する
作業手順・使用する工具・材料・注意事項など、作業内容を詳しく記載したマニュアルや標準作業手順書を作成すると、すべての作業者が同じ手順に従って作業を進めることが可能です。医薬品の製造ラインの場合、使用する器具や化学薬品、品質管理のチェック項目などを記載します。
このようなマニュアルや標準作業手順書を作成すると、作業のばらつきが抑えられ、製品の品質が向上します。作成する際は、現場の実態をよく理解し、作業者が実際に使用する場面を想定して作成することが重要です。
特に、複雑な手順の作業やリスクの高い作業については、詳細な説明や安全対策を盛り込むことが求められます。
注意点として、作業手順書は「作って終わり」ではなく、従業員に内容が正しく伝わり、遵守されることがゴールです。にもかかわらず、手順書はあるものの読まれずに形骸化しているというケースもよく耳にします。
そのような事態を避けるべく、現場改善ラボでは「現場で使われる作業手順書のポイント」を詳しくまとめたハンドブックをご用意いたしました。以下の画像をクリックし、是非ご覧ください。
ほかにも、標準作業を現場に浸透させる手段として、「手順書/マニュアルの動画化」も非常に有効な手段の1つです。
次章からは、手順書やマニュアルを動画化するメリットや、現場で使いやすいおすすめの動画マニュアルについて詳しくご紹介します。
標準作業を整備・現場に定着させるには「動画マニュアル」が有効
標準作業をわかりやすく現場に伝え、遵守される体制を整備するには、「動画マニュアル」の活用がおすすめです。本章では、動画マニュアル活用の効果や、おすすめな動画マニュアル「tebiki」についてご紹介します。
動画マニュアルの教育効果をより詳しく知りたい方は、以下の資料も併せてご覧ください。
現場教育や手順書は「動画化」がおすすめ
動画マニュアルを活用すると、以下のようなメリットがもたらされます。
- 視覚的にわかりやすい
- 繰り返し確認できる
- 効率的な更新と共有が可能
視覚的にわかりやすい
動画マニュアルは、実際の作業手順や作業の流れが動きとともに示されるため、複雑な作業でも具体的な操作や細かい注意点までしっかり把握できます。これにより、作業を実践する際の誤解やミスが減り、教育者が付きっきりで指導する手間が省けます。
繰り返し確認できる
動画は繰り返し再生できるため、従業員が必要なときに何度でも確認できます。特定の手順や注意点を理解するまで何度も見直すことができ、作業の正確性を高められるでしょう。
効率的な更新と共有が可能
従来の紙マニュアルや手順書は、内容の更新・変更があると、文字や図、表の作り直しや写真の撮り直し、印刷・ファイリングの必要がありました。一方、動画マニュアルは動画を撮り直し再アップロードするだけですぐに新しい情報を共有できます。
動画マニュアルについてもっとよく知りたい方は、概要やメリット、実施のポイントなどを解説した以下の資料もぜひご覧ください。
作成だけじゃない!定着にも役立つ「動画マニュアルtebiki」
「動画編集スキルがないと、動画マニュアル導入は難しいのでは?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、動画マニュアル作成ツール「tebiki」であれば、シンプルな操作画面なので誰でも簡単に動画マニュアルの作成が行えます。
作成がとにかく簡単
tebikiを使った動画マニュアルの作成手順は、下の画像の通りなんとたった3STEP!
加えてtebikiには、動画編集で時間のかかる「字幕生成」を自動化する機能があります。そのため、動画マニュアルの作成時間を大幅に削減することが可能です。
正しい手順にはマル、間違った手順にはバツなど、動画に図形を挿入することも可能。そのため、標準作業の重要なポイントを強調し、従業員が正しい標準作業を理解する手助けとなるでしょう。
多言語対応により外国人従業員教育にも
tebikiには100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能が搭載されているため、手作業で翻訳する手間がかかりません。
また、英語・インドネシア語・ベトナム語など計15ヶ国語に対応した字幕読み上げ機能も備わっているため、外国人労働者が学びやすい環境を整えられます。
テスト機能で理解度を図れる
tebikiには、オリジナルのテストを作成する機能が搭載されています。自動採点機能が付いているため、教育担当者に負担をかけずに「従業員が正しい標準作業を理解できているか?」を把握することが可能です。
▼tebikiで作成したオリジナルテスト▼
(株式会社大商金山牧場の導入事例より)
ほかにもtebikiには、標準作業の定着に役立つ機能がまだまだ搭載されています。詳しくは以下のサービスご紹介資料をぜひご覧ください。
動画マニュアルtebikiを活用し、標準作業を定着させた事例
ここでは、動画マニュアルtebikiを活用し、現場教育で標準作業を定着させることに成功した事例を2社ご紹介します。
なお、ほかにも製造業における動画マニュアルの活用事例やメリットをわかりやすくまとめた資料もご用意しています。
動画マニュアルが何故いま製造業界で注目されているのかが分かる内容となっておりますので、是非以下の画像をクリックしてご覧ください。
児玉化学工業株式会社
児玉化学工業株式会社は1946年に創業した化学メーカーで、住宅設備・自動車向け合成樹脂加工や産業機器の製造などを行っている企業です。
従来の紙ベースの手順書では作成・更新の工数が多く、情報の共有やアクセスも限定的という問題を抱えていました。さらに紙の手順書は物理的な制約があるため変更や追記が難しく、持ち運びや保管方法にも課題を抱えていました。
そこで児玉化学工業株式会社は、課題解決と業務プロセスの効率化を目指し動画マニュアルtebikiを導入しました。tebikiの導入により、手順書作成の工数を紙の手順書と比べ1/3に削減することに成功しました。動画を活用した手順書は視覚的に情報を伝えられるため、従業員の理解が深まり教育の質も向上しています。
さらに、業務プロセス改善の観点からも情報の更新や共有が容易になることで業務のフローがスムーズになり、生産性の向上やミスの削減に成功しました。
インタビュー記事:手順書作成の工数は紙の1/3になったと思います。動画で作るのはかんたんだし、学ぶ側にもわかりやすいですよね。
株式会社神戸製鋼所
株式会社神戸製鋼所は、素材系、機械系、電力事業を展開する大手製造業者で、とくにアルミ鋳鍛工場では航空機向け鋳造品の製造を行っています。
同社の課題は、紙マニュアルでは作業内容の詳細を十分に伝えきれず、OJTによる教育でも教育者によって教え方にばらつきがあり、作業の出来栄えにも差が出ていたことです。そのため紙の手順書とOJTの組み合わせによる教育に限界を感じていました。
そこで、紙では伝わりにくい作業の微妙な動きやニュアンスを動画で補完できると考え、tebikiの導入を決めました。数ある動画ソフトの中からtebikiを選んだ理由は、動画編集が非常に簡単で、導入コストが低く、さらに導入後のサポート体制が充実していたからでした。
導入後、tebikiを使ってOJT前に作業内容を予習できるようになり、OJTの工数が約3割削減されました。また、紙の作業標準書を作成する場合、以前は0.5〜1ヶ月かかっていたものが、tebikiを活用することで1〜2日で作成できるようになりました。
さらに教育のばらつきが減り、作業の標準化が進んだことも大きな成果となっています。現在では、社内での活用が広がり、他の部署や製造所全体への展開も進められています。
インタビュー記事:動画を活用した現場の人材教育効率化と作業標準化
まとめ
この記事では標準作業の概要や重要性、現場に定着させるためのポイントについて解説しました。標準作業を徹底することで、現場のばらつきを解消し、トラブルの発生を防ぐことが可能です。
また、標準作業が適切に守られていると、品質や生産性が向上し、コスト削減にもつながります。そのため、現場のトラブルが多いと感じている方は、この記事を参考にしながら教育方法や帳票を改善してみてください。
効率よく標準作業を整備・定着させるためには、動画マニュアル「tebiki」の活用がおすすめです。作業内容を動画で見せることで、直感的にやるべきことや業務の流れが理解できるため、正しい手順で作業できるようになります。
さらに、tebikiには従業員のアクセス状況や人気コンテンツを見える化する「レポート機能」や、習熟度を管理する「テスト機能」が搭載されており、効果的に標準作業を現場に定着させられます。動画マニュアル「tebiki」の資料は、以下の画像から無料でダウンロード可能ですので、ぜひ詳細をチェックしてみてください。