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カルビーが目指す製造現場の
『効率的な多能工実現』と『新人の定着と早期独り立ち』。
PoC検証を経て動画マニュアルtebikiを本格導入。

カルビー株式会社

  • 業種 :製造
  • 従業員数 :3,001~5,000名

お話を伺った方 清原工場 スナック製造課 町田 佳子 様、 DX推進本部 DX推進部 淺田 和裕 様

なぜカルビーは動画マニュアルのPoC検証に舵を切ったのか。

食品製造業を取り巻く外的環境

労働人口が減少し、就業形態が多様化する中で、年齢・国籍問わず様々な人材に選ばれ活躍いただける現場づくりが必要と考えています。カルビーの製造現場でも、ダイバーシティ&インクルージョン施策、継続的な安全向上の取り組み、DXを推進していますが、まだ解決すべき課題があります。例えば、休暇を取りやすい環境を整えようとすると、多能工化が必要になります。また、厚生労働省「(未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル)」より、経験の浅い従業員の方がケガ等をしやすいことが統計でわかっていますが、カルビーでも同じ傾向にあります。また、DXを導入すると仕事の進め方が従来と変わることになることから、慣れない作業をする時でも、“新規配属者”が安心して、即戦力として活躍できる仕掛けを構築できないか、と考えました。

新規配属者教育の課題の把握と仮説

従来の新規配属者受入教育では、ビデオ教材、手順書による座学研修、配属前の現場教育、OJTがメインでした。しかし、教わる側からすると「一気に全部覚えきれない」「教わる人によって教育内容が異なる」「気を付けて、といわれたが何をどう気を付けなければいけないか分からない」「もう1回聞き直したいけど、忙しそうで聞きにくい」と、不安があるのではと感じていました。一方で、教える側からすると、「最近やっていないから、事細かに覚えていない」、「自身の業務がある中で、ずっと付きっ切りになる訳にはいかない」という事情もあるのではと思っていました。

現場インタビューで ”実現したいこと” を導き出す

課題の仮説を検証するために、清原工場にて新入社員から工場長まで幅広い層に現場インタビューを行いました。その実態から、課題を解決するためにどのような方法があるか検討しました。

「1度聞いたことを、また聞くのは気が引ける」というコメントがあがるなど、結果は概ね仮説に合ったものでしたが、インタビューによって他の課題も見えてきました。例えば、設備の高度化・自動化を進めて省人化を実現した結果、1人が受け持つ範囲が広くなっていたのです。その影響から、業務そのものの負荷や難易度が上がっていることが分かりました。

課題解決の手段として、数種類のツールを候補として挙げていましたが、教わる側のひとり立ちを促進でき(大事なポイントがさっと探せて、ぱっと分かり、自ら育つ)、教える側の負担も軽減できる(複数人でも効率的にケア)点を重視、動画マニュアルにフォーカスして、PoCを実施することにしました。

動画マニュアル選定のポイント

数ある動画マニュアルの中から「tebiki」を選定した理由は、セールス資料でした。他社が機能アピールに重点を置く中で、業務課題に焦点を当てており、書かれている“現場のお困りごと”がカルビーの抱える課題と驚くほど一致していたのです。くわえて、食品業界への導入実績も豊富なため、我々の業務や課題を理解した上で、その解決に向けて支援いただけると判断しました。

また、一部、海外出身で日本語が堪能でない人も国内工場の現場にいますので、自動翻訳機能の付帯は魅力的でした。

PoCの実施で課題解決力と有効性を検証・解説

PoC実施の目的

tebikiで業務課題を解決できるか(有効性)、運用がまわるかを検討するため、2021年の12月より清原工場スナック製造課でPoCを実施しました。

スケジュールとPoC実施計画

以下はその現場でのテストスケジュールです。4つのステップに分解して計画を立てました。4ヶ月と期間はタイトでしたが、tebiki担当者の強力な後押しもあり、製造現場のメンバーに前向きに取り組んでもらいました。

PoC検証を経て動画マニュアルtebikiを本格導入。

4ヶ月のPoCを経て運用がまわることを確認でき、「将来的にはペーパーレス化につなげられるのでは」と現場の期待も高まったことから、本格導入することを決めました。

tebikiを使った教育(運用)は主に2パターンのやり方から始めました。1つ目は、班長がtebikiのタスク機能を使って指示を出し、新人スタッフが作業前に事務スペースで担当業務の全マニュアルを閲覧してもらうパターン。2つ目は、不安のある業務に対して、現場の共有用PC端末で班長と一緒に閲覧するというパターン。これらの運用は順調で、新人スタッフからは視覚的で分かりやすいとのコメントがありました。また、教育担当者からは紙マニュアルだと作業行間の画像がないので説明が難しかったが、動画ならポイントを解説しやすいというフィードバックもありました。

最初は1部門からのスタートでしたが、tebikiに興味を持った部門から手があがり、現在は複数の拠点で活用が始まっています。これらすべては、トップダウンでtebiki利用を働きかけたわけではなく、“口コミ”的な広がりによるものでした。現場から良さを認めてもらえたからこそ、そのような形で広がっている、と考えています。今後も、tebikiの活用方法をブラッシュアップし続け、横展開と深化を実現することで、近い将来、“人材定着率”や“生産性”の向上、“ひとり立ち期間の短縮”など定量的にも効果が見えるレベルまで到達できると良いと考えています。