新人からベテランまで700名を超える組織教育の
グローバルスタンダードを目指す
トーヨーケム株式会社
- 業種 :製造
- 従業員数 :501-1,000名
お話を伺った方:サステナブルファクトリー推進部 安全衛生課 板垣さん、ポリマー生産部 チームリーダー 秋山さん、グローバル品質保証部 グローバル品質保証課 白石さん、 グローバル着色品質保証部 品質管理課 チームリーダー 阿部さん、安全衛生課 鞘脇(さやわき)さん、塗加工生産部 岸さん
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課題
- 若年社員への技術伝承が進まない
- 属人的なOJTによって教育のムラを生んでいる
- 教育のムラが業務習熟度や業務レベルのバラツキに繋がっている
- 全国規模、グローバル規模で教育レベルの統一化をしたい
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効果
- 技術伝承が進むようになった
- 属人的な教育や業務が減っていっている
- 業務習熟度の均一化と可視化が実現
- グローバル規模での教育レベルの統一化を進めている
新入社員やベテラン社員の教育、安全教育、社員紹介など幅広くtebikiを活用中
貴社の事業内容と、tebikiの対象業務を教えてください。
板垣さん: 弊社は、東洋インキグループにおけるポリマー・塗加工関連事業を担う中核事業会社です。永年培ってきたポリマー・テクノロジーを駆使し、粘着剤、接着剤、機能性フィルム・テープ、飲料缶や液晶パネルなどの各種コーティング製品、メディカル製品、天然材料、プラスチック用の着色剤などグローバルな生産体制で様々な製品を幅広く手掛けています。
tebikiは、新入社員やベテラン社員、パートナー社員に対して、業務品質の向上、維持のための人材教育として活用しています。また、動画という特性を活かし、動画上で作業中の事故を再現させるなど現場作業における安全教育にも活用しています。他にも職場紹介や5S活動としても利用するなど人材教育面以外にも色々な場面で活用をしています。
伝わりにくい紙マニュアルでは技術伝承は難しい。OJTでは教育のムラが起きてしまう。
どのような課題があったのでしょうか?
板垣さん:
一番大きな課題としては、若手社員への技術伝承と多能工化です。現場の作業は、人や物の動きが伴うことが多く、文字や静止画ではなかなか伝わりにくく、社員教育はOJTに頼ってしまいます。OJTだと人によって教え方の違いや業務ノウハウを言語化できなくて伝わらなかったり、教える時の丁寧さにもムラがあったりして、どうしても新人の業務習熟度にバラツキが起きます。
この習熟度や教育レベルのバラツキは、ノウハウの伝承だけでなく不安全行動にも繋がると考えています。
阿部さん: それから、属人化という課題です。設備のメンテナンスなど頻度が低い業務は特に属人化しがちです。メンテナンスなど業務は、文章や言葉では継承し難い作業も多く、特に頻度が低い業務は技能継承機会も少なく、どうしても特定の担当者が行う作業になってしまいます。そうなることでメンテナンス業務が属人化してしまい、いつの間にか○○さんしかできない、という状態になってしまいます。
属人化しないように他の方にOJTで教えても、次の作業日は1ヶ月後になったりするので、その時には作業内容を覚えておらず、再度OJTをしたり、トレーナーに質問することになるので、教える労力が掛かるため、結局できる人が作業をおこなってしまうというように、属人化が定常化してしまいます。
板垣さん: 確かに、教育の質という課題以外にも、業務効率という面でも改善が必要だなと感じていました。OJTによる教育だと、社員が入社や異動する度に、何度も同じ教育を行う必要があり、非効率かつ属人的なので、トレーナーとなるベテラン社員の業務を圧迫させるだけでなく、ベテラン社員のノウハウを若手に伝えるという技術伝承や多能工化の教育がスムーズに進みませんでした。
弊社はグローバル体制で生産をしており、海外の工場でも教育の課題を感じていました。世界規模で高い教育レベルの統一化をしなければいけませんが、文化や言語が違う中で、どうやって海外の工場の社員教育をすれば良いのか悩んでいました。
マニュアルの作成工数は1/2、OJTの時間も2/3に減った。そして属人化が解消し、技術伝承が進み始めた。
tebikiの導入方法と、その効果を教えてください。
阿部さん: ベテラン社員と若手社員の間にあったノウハウ伝授、技術伝承という壁が壊せたと思います。以前から、紙マニュアルの文字や画像だけだと業務内容が伝わりにくいから、動画マニュアルにしようという動きがあり、tebikiのようなツールではなく、内製化で取り組んだことがあります。
動画の編集は一定のITスキルが要求されるので、若手社員などITリテラシーが高い社員に担当してもらい、動画マニュアルの作成はできたものの、思っていた以上に動画編集の手間がかかってしまったり、また、特定の担当者しか動画編集ができないため、動画マニュアルの作成業務が属人化してしまい、作成が進まず頓挫してしまいました。
岸さん、白石さん:tebikiなら動画編集が本当に簡単で、紙マニュアルの作成よりも工数が半分に短縮されました。動きが多く伴う業務であったり、文字では表現することが難しい業務においては、半日かかっていたものが1時間くらいで作成できるようになりました。
阿部さん、秋山さん: マニュアルの作成が簡単になり、現場からも「この業務は伝わりにくいので動画マニュアル化したい」という声が自発的にあがるようになり、動画の作業手順書が次々に出来上がることで、業務の属人化も解消していくのを感じました。今では「マニュアルならtebiki」という文化が醸成され、マニュアルの一元化にも繋がっています。
また、新入社員からは自立的な学習が出来るという声であったり、ベテラン社員からは、業務の振り返りが楽になったという声を聞きます。業務を振り返ろうとすると、その業務に必要な測定器具やサンプルなどを準備しなくてはならないのですが、動画ならそういった準備は必要なく、動画を見返すだけで業務の振り返りができます。
当社は現場にタブレットを配布していますが、tebikiはクラウド型のサービスなので、相性が良いです。属人的な業務でかつ頻度が低かったりして作業内容を忘れてしまったり、うろ覚えだったりしても、タブレットを開き、その場でtebikiにアクセスして動画マニュアルを確認でき、業務手順を確認することができます。
紙の作業手順書を現場に持ち込むにはマニュアルが分厚かったり、置く場所に困ったり、現場に持ち込むことがなかなか難しかったので、タブレットとteibikiがあれば、そういった問題はありません。
また、tebikiはマニュアル一つ一つがURLになっているので、現場にQRコードを貼っておけば、マニュアルへのアクセスしやすく、手軽に確認することができます。そうでなくても、紙と違ってデータ化されているので、マニュアルの検索性も優れているので業務効率化にも繋がっています。
動画マニュアルが社内で浸透し、使われるかどうかは、動画編集がシンプルどうかで決まる
導入の決め手は何だったのでしょうか?
鞘脇(さやわき)さん: 先ほどお話した内製化のところでも触れましたが、動画マニュアルの導入で大切なポイントは、編集がいかに楽か、だと思います。他社の製品も比較検討しましたが、tebikiの動画編集が一番楽でした。tebikiを実際に使う前から、teibkiのHPや資料を通じて、とにかく「かんたん」であることにフォーカスしていて、機能がシンプルで、直感で操作、編集できると伝わってきました。
また、作成した動画マニュアルをコースにしたり、作成計画表、習熟度管理など、作成や編集以外の社員教育としての機能に優れている点も良いと思いました。こういった動画マニュアルの導入時に決めておくべきスケジュールや作業工程などtebikiの担当者からアドバイスをもらえるのも助かりました。
しかも、解約までずっとサポートしてくれるので、導入から運用まで安心して進めることができました。
本社の情報システム部門と連携し、厳しいセキュリティチェックや時間を要する稟議をスピーディに
動画マニュアルの社内展開で苦労した点はございますか?
板垣さん:tebikiを知った時、すぐにでも現場に導入したかったのですが、クラウドなので社内のセキュリティチェックが厳しく導入できるか不安でした。検討が進むにしてもセキュリティ事項の確認に次ぐ確認で中々進まないのではないかと思っていました。
そこで、同じ現場の課題を持つであろう他の部署にも働きかけ、動画マニュアルtebikiを利用したい部署をまとめて、現場全体から情報システム部門の協力を打診しました。今思うと、1つの業務部門だけでは進められなかったと思います。
tebikiは動画マニュアルの作成から編集、共有、管理に特化し、無駄な機能は一切なく、シンプルで確認すべきポイントがクリアだったため、思っていたよりも早く導入することができました。また、導入にあたって、不明な点などもtebikiの担当者に質問すると、すぐに返ってくるし、とても心強かったです。
海外拠点でも同じ作業と業務品質というグローバルスタンダードを進めている。その中でtebikiの活用を進めていきたい。
今後のtebikiの活用の展望をお聞かせください。
板垣さん: 毎回定例会をするたびに新機能がリリースされている気がします。そのくらいの頻度で機能が上がっていて、機能リリースの中には私たちの要望も汲まれていると感じます。今後の機能改善は、こちらが想定してないようなさらに早いレベルで進めてもらえたら…と期待しています。
また、tebikiの自動字幕機能を使って海外拠点の外国人社員の教育もこの動画マニュアルでできると思っています。一部の海外拠点では既に利用が始まっていますが、まだまだ国内と同じレベルの活用状況ではありません。
国内でも海外でも同じ業務水準、業務品質となるよう動画マニュアルを活用していきたいと思っています。