かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する、現場改善ラボ編集部です。
OJT(On the Job Training)は、多くの企業で導入されている新人教育の手段です。効果的なOJTを実施するには、誰が教えるか、そしてどのように教えるかが非常に重要です。
本記事では、OJTを教える側の人が持つべきスキルや特徴について解説します。OJTにありがちなメリット/デメリットや、教える側の負担を減らしながらOJTを成功させるコツもご紹介しますので、是非ご覧ください。
目次
OJTはどのような人が教えるべき?
OJT(On the Job Training)とは、先輩社員が新入社員や業務未経験者に対し、配属先の職場で業務を通して教育を行う手法です。そのため、教える側には指導力だけでなく、新人が成長できるような環境を整備するスキルなども求められます。
ここではOJTを効果的に進めるために必要なスキルや特徴を紹介し、どのような人が教えるべきかを解説します。
傾聴力がある
新入社員意識調査2024(n=1,775)によると、「あなたが上司に期待することは何ですか?」という質問に対し、50.3%の回答者が「相手の意見や考え方に耳を傾けること」を重要視していることがわかりました。
OJTを教える側の先輩社員が傾聴力を持っていることは、新入社員に安心感を与え、質問しやすい雰囲気を作り出せると考えられます。
例えば、質問を受ける際に一旦新入社員の話を最後まで聞き、その上で相手が本当に困っているポイントに焦点を当てたアドバイスを行うことで、的確な指導が可能になります。
このような傾聴力があると、新入社員は「自分の意見や疑問が尊重されている」と感じ、安心して学べる環境が整います。また、傾聴により信頼関係が深まることで先輩社員への質問や相談がスムーズになり、OJTの効果が一層高まることが期待されます。
モチベーションが高い
OJTで新人のやる気を引き出すには、まずトレーナー自身が高いモチベーションを持っていることが求められます。教える側が意欲的に仕事を進める様子を自ら体現することで、それが新人にも伝わり、仕事への前向きな姿勢が生まれるでしょう。
特に、トレーナーが新人の成長に対して興味を持ち、具体的な目標設定や達成感を共有することが、モチベーションの向上に大きく寄与するといえます。例えば、小さな成功でも一緒に喜び、達成した成果を積極的に認める姿勢を見せることで、新人は自分が成長している実感を得やすくなります。
また、トレーナーが自らの経験談や成功体験、さらには失敗をどう乗り越えたかを共有することで、仕事に対するリアリティと前向きな学びの姿勢を示すことができます。新人はその姿勢に共感し、自分も困難に挑戦して成長できるという意欲が湧きやすくなるでしょう。
このような積極的な姿勢とサポートが、OJT全体の雰囲気を明るくし、新人のやる気を引き出す重要な要素となります。
責任感が強い
OJTで教育する際は、新人の成長を最後まで見届ける責任があります。教える内容が適切で、新人が適切な理解を得るまで丁寧にサポートできることが重要です。責任感の低い社員は、自分の役割を軽視し、新人の成長に真剣に向き合わないため、効果的な教育が難しくなるでしょう。
また、OJTトレーナーが自ら率先して「約束を守る姿勢」や「誠実な対応」を実践することで、新人にその重要性を体感させることができます。例えば、決められた期限を守る、遅刻をしない、仕事に対して丁寧に向き合うなど、基本的な行動規範を自らが模範として示すことが、新人にとって最も強力な教育となります。
さらに、トレーナーが新人に対して一貫して誠実に接することで、信頼関係が築かれ、新人も同様の姿勢で職務に向き合う意識が芽生えます。
このように、日常的な行動の積み重ねを通じて、OJTを単なる業務習得の場ではなく、社会人としての責任感やプロ意識を育む場に変えることができるのです。
自分のタスクに余裕があり、柔軟に動ける
OJTを教える側は自分の業務に余裕があり、スケジュールを柔軟に調整できることが求められます。余裕のないトレーナーでは、新人に十分な時間を割けず、教え方が雑になったり、重要なポイントを見落としたりする恐れがあります。
さらに、焦りやストレスが新人にも伝わり、学びの環境が悪化することも考えられます。
たとえば、トレーナーが業務に追われている状況では、新人が抱える疑問に対して十分な時間を割くことができず、表面的な指導にとどまってしまう可能性があります。結果として、新人は本質的な理解が得られず、業務の進行に支障をきたすかもしれません。
反対に、トレーナーがスケジュールに余裕を持つことで、新人が失敗しても焦らずサポートし、じっくりとフィードバックを与えることができます。
また、適宜確認やフォローアップを行う余裕があると、新人は安心感を持って学びを深めることができ、効率的かつ効果的な成長が期待されます。
このように、トレーナー自身の余裕は、新人の成長スピードと質に大きく影響を与える要素です。
「OJTと自分の業務が両立できない…」「OJTを丁寧に実施したいが、現場が忙しそう…」とお悩みの方は、以下の関連記事もご覧ください。
OJTに余裕がなく、新人を放置してしまうリスクや、OJTのための余裕を生み出すコツについて解説しています。
関連記事:OJTしたいけど余裕がない…。現場教育の改善ポイントとは?成功事例も紹介
新人と同世代
OJTトレーナーが新人と近い年齢層の場合、コミュニケーションが取りやすく、新人が気軽に質問や相談をしやすい環境が整えられるでしょう。特に入社2~3年目の社員は、自分自身が最近まで新人として経験した苦労や悩みを理解しているため、新人が抱える不安や疑問に寄り添ったサポートができる可能性が高いです。
例えば、自分が直面した課題をもとに具体的なアドバイスを与えたり、共感を示すことで新人は「自分も同じように成長できる」という安心感を得やすくなります。
また、年齢が近いことで、新人は先輩を身近なロールモデルと感じやすく、成長のイメージが具体化しやすくなるため、より積極的に学ぼうとする姿勢が生まれます。このような環境では、質問や相談のハードルが低くなり、OJTがスムーズに進行しやすくなるでしょう。
業務を熟知している
OJTで教える側は業務を熟知し、わかりやすい説明や適切な助言を行える社員が理想的です。製造ラインにおける例を挙げると、業務を熟知した社員であれば、作業手順の細部に至るまで効率的なやり方を示すことができます。
単にマニュアル通りに教えるだけでなく、実際の作業中に発生しやすいミスやその対処法を事前に伝えることで、新人は予期せぬ問題にも柔軟に対応できるようになります。
さらにベテラン社員であれば、機械の微調整や作業環境の最適化といった、経験から得た知識を共有し、新人がスムーズに作業を進められるようサポートできます。
例えば、製品の品質を維持するための重要なチェックポイントや、トラブルが発生した際の対応手順を具体的に教えることで、新人は自信を持って業務に取り組むことができるでしょう。
業務を熟知した社員による指導は、新人の成長を加速させ、現場全体のパフォーマンス向上にも繋がるのです。
ここまで、OJTを教えるのに適した社員の特徴について解説しました。次章からは、OJTを教えるうえで求められる具体的なスキルについて紹介します。
OJTを教える側に必要なスキル7選
OJTを成功させるには、トレーナーが適切なスキルを持っていることが求められます。
ここでは以下7つのスキルについて解説します。
観察眼
トレーナーは、指導する相手を正しく観察し、習熟度や性格を見極める必要があります。新人がどの業務に長けているのか、どの部分でつまずきやすいのかを見極めるために新人を日常的に観察し、話しかける時間を確保することが重要です。
観察が不足していると、新人が苦手な部分を放置してしまうことや、得意な点を伸ばすチャンスを見逃すことが考えられます。たとえば、新人が特定の作業に対して不安や戸惑いを示しているにもかかわらず、観察不足によりそのまま指導を続けてしまうと、結果的に本人が抱える課題が解決されないままとなります。
このような事態を避けるためにも、新人の微妙な表情や行動の変化を注意深く観察し、フォローが必要なタイミングで適切に介入することが求められます。
さらに、日々の観察を通じて得た情報をもとに、個々の成長に合った指導計画を立てることで、新人のモチベーションを高め、効果的なOJTを実現することが期待できます。
このように、観察は新人の成長を支える重要な要素であり、トレーナーの役割において欠かせないスキルとなります。
褒める力
新人のやる気を引き出すためには、成果や成長を適切に評価し、褒めることが重要です。特に、初めて業務をこなす新人にとって、トレーナーからの称賛は大きなモチベーションとなります。小さな成功でも積極的に評価し、自信を持たせることが、新人の成長を加速させるでしょう。
たとえば、業務を問題なく完了した際には「よくやった」とすぐに伝えることが重要です。褒められることで新人は、自分の努力が認められていると感じ、成長を続けやすくなります。
逆に褒めることを怠ると、新人は評価されていないと感じ、モチベーションが低下することで業務への積極性が失われる可能性があります。日常的に小さな成功を見つけて褒める習慣が必要です。
叱る力
褒めるだけでなく、誤った行動や判断に対して適切に叱る力も重要です。新人が間違いを繰り返さないよう、なぜその行動が問題なのかを論理的に説明し、改善に導くことが求められます。
トレーナーが適切に叱ることで、新人は自分のミスを理解し、次にどう改善すべきかを学びます。ただし、叱る際には相手の人格を否定するような伝え方は避け、「具体的に何が問題だったのか」を指摘し、建設的な方法で改善点を伝えることが重要です。
たとえば、期限に遅れた場合は「確認が足りなかった点を見直そう」と指導することが効果的です。感情的に叱ってしまうと、新人はただ萎縮し、業務に対する自信を失うため、冷静に対応することが求められます。
自己開示ができる
自己開示ができるトレーナーは新人との信頼関係を築きやすく、円滑なコミュニケーションが期待できます。トレーナー自身が自分の経験や失敗、それらを乗り越えた話をオープンに伝えることで、新人に対して信頼感を築くことができます。
特に、自らの失敗談や苦労話を共有することで、新人は「自分だけが失敗するのではない」「自分も同じように失敗しても成長できる」と前向きに捉えることができるようになり、積極的に学ぶ姿勢を持つようになります。
失敗は成長の一部であることを理解することで、新人がミスを恐れるあまり行動をためらうことが少なくなり、自信を持って業務に取り組むことができるようになります。
一方で自己開示が少ないと、新人はトレーナーに対して距離を感じやすく、信頼関係が築きにくくなります。その結果、新人がミスを隠そうとしたり、自己評価を低くすることが増え、成長の機会を逃す可能性があります。
適切なフィードバックができる
適切なフィードバックを行うことで、業務の改善点を明確にし、次に向けた成長が期待できます。フィードバックが不足すると、新人はどこを改善すべきかがわからず、同じミスを繰り返す可能性が高くなります。
フィードバックは具体的であることが求められます。例として、「この業務の進行が遅れたのは、情報の整理が不足していたから。次回は業務に入る前に資料を見直し、必要なデータを揃えてから始めよう」といった具体的な指摘が有効です。
このように問題点を明確にし、改善策を示すことで、新人は何をどう改善すればよいかが理解でき、次回に活かすことができます。
また、フィードバックは単に問題点を指摘するだけでなく、よかった点や成功のポイントにも言及し、成功体験と実践的な学びを提供することが重要です。
例えば、「このタスクのこういった進め方が良かった」と評価することで、新人は自分の成功体験を認識し、それを次の業務にも活かそうとする意欲が高まります。
適切なフィードバックは新人の成長を促進するだけでなく、全体の業務効率も向上させる重要な要素となるでしょう。
計画性がある
トレーナーには、新人が設定された期間内にスキルを習得できるよう、計画的に指導を行うことが求められます。新人に求められるスキルや業務を逆算し、1日ごとにどれくらいの進捗が必要かを把握しながら、指導を進めることが重要です。
もし、進捗が予定より遅れている場合はその都度指導計画を修正し、効率的に習熟を促す手立てを考える必要があります。
たとえば、特定の業務に対する習熟が遅れている場合、その業務に対するトレーニングの頻度を増やすことが考えられます。
また、指導内容を見直し、難易度が高い場合は分解して小さなステップにすることで、新人がより理解しやすくなるよう調整することも効果的です。
さらに、他の業務との関連性を示すことで、新人が全体像を把握しやすくし、興味を持たせる工夫も大切です。
トレーナーに計画性が伴わない場合、新人は何を優先すべきかがわからず、指導が行き当たりばったりになることがあります。その結果、重要なスキルの習得が遅れたり、業務の進捗が滞ることが考えられます。
また、指導の方向性を明確に示さないことで新人が不安や混乱を抱え、モチベーションが低下する可能性もあります。
コミュニケーション能力
OJTでは、トレーナーのコミュニケーション能力が教育効果に直結します。トレーナーが適切に情報を伝えることで、新人は理解を深めやすくなり、業務に対する自信を持つことができます。
また、オープンなコミュニケーションが促進されることで、新人は疑問や不安を気軽に相談できる環境が整います。これにより、学習の質が向上し、スムーズな成長を支援することが可能になります。
例として、トレーナーが定期的に面談を設け、新人の進捗や悩みをヒアリングすることが挙げられます。このような場を設けることで、新人は自分の状況をトレーナーに伝える機会を得ることができ、必要なサポートを受けやすくなります。
さらに、トレーナーが新人の意見や感想に耳を傾けることで信頼関係が築かれ、学びの意欲を高める効果も期待できます。
一方で、トレーナーにコミュニケーション能力が不足している場合、適切な説明ができなかったり、フィードバックが曖昧になることが考えられます。
このような状況では新人が何を改善すべきか分からず、結果として同じミスを繰り返すことになります。新人のモチベーションが低下し、自信を失う原因にもなるでしょう。
ここまで、OJTを教える側に求められるスキルについて解説しました。次章からは、OJTを実施する際に考えられるメリットやデメリットについてご紹介します。
効果的なOJTの進め方や注意すべきポイントを詳しく知りたい方は、こちらの別記事や、人材開発の専門家による以下の解説動画もご覧ください。
教える側にも影響が!OJTのメリット/デメリット
OJTは新人を育成するだけでなく、教える側にも大きな影響を与えます。ここでは、教える側にとってのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
OJTには、指導者自身のスキル向上やチームの成長など、教える側にも多くのメリットがあります。そこで、ここでは実際に以下の内容についてその具体的な効果を見ていきます。
- スキルアップが期待できる
- 人間関係が構築される
- トレーナー自身の評価につながる
スキルアップが期待できる
OJTを通じて新人に教えることは、教える側のスキル向上にもつながります。具体的なスキルとして、まずコミュニケーション能力が挙げられます。
新人が理解できるようわかりやすく説明するには、知識やノウハウを再整理し、効率的な伝え方を工夫する必要があります。加えて相手の理解度を確認しながら指導する場面も数多く求められます。この過程を繰り返すことで、指導力が高まり伝える力が自然と磨かれていきます。
さらに、フィードバック力の向上も期待できます。新人にとって効果的なフィードバックを行うことで、トレーナー自身も他者の業務に対して的確に改善点を伝える力が鍛えられ、チーム内でのサポート力や指導力の向上に寄与します。
また新人からもフィードバックを受けることで、自分自身の弱点や改善点を見つけられ、指導者自身もさらなる成長を目指せるようになるでしょう。
他にも、OJTでの教育を通じ、業務の改善点や効率化のヒントを発見することもメリットの1つだといえます。新人の視点からの質問や意見に触れることで、普段の業務で「当たり前」だと思っていたやり方や認識を見直すきっかけとなり、改善案を考える力が養われます。
このように、OJTは新人の成長を促すと同時に、教える側にとっても多くの学びと自己成長が得られる貴重な機会となりえます。
人間関係が構築される
OJTトレーナーと新人の間で日々のコミュニケーションが密になることで、職場内での信頼関係が深まります。トレーナーとの良好な人間関係があることで、新人は仕事で困った際にも質問や相談をためらわずに行えるようになり、業務上の不安や疑問が解消されやすくなります。
また、トレーナーが新人の成長をしっかりと見守り、応援している姿勢が伝わることで、新人のモチベーションも向上しやすくなります。職場全体としても、こうした信頼関係が積み重なることでチームの連携が強化され、仕事の質や効率が向上する効果が期待できます。
トレーナー自身の評価につながる
新人の成長は、OJTで指導を担当したトレーナーの評価にもつながります。新人が短期間で成長できた場合、指導者としてのスキルや貢献度が評価され、トレーナー自身のキャリアアップや昇進の可能性も高まるでしょう。
また、他の社員からも信頼される存在となり、チーム内での影響力が強まることで、教育領域におけるリーダー的な役割を担う可能性も高まります。
教育方法や指導スキルの共有を求められることも増え、他のトレーナーの指導役としても活躍する機会が出てくるでしょう。
これにより、チーム全体の教育レベルが向上し、会社全体の人材育成力強化にもつながります。
デメリット
OJTには多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも考えられます。
- OJT指導の負担が大きい
- 現場の業務を圧迫してしまう
OJT指導の負担が大きい
OJTの実施により教育担当者の負担が増え、実務が滞る可能性がデメリットとして挙げられます。
OJT担当者は日々の業務に加えて指導計画の準備や進捗管理、新人のサポート対応にも時間を割くことになります。その結果、指導に必要な時間やサポートの要望に応えるうちに、通常業務に専念できず、納期遅れなど結果的にパフォーマンスが低下してしまうことが考えられます。
また、こうした負担が続くと精神的な疲労が蓄積し、指導へのモチベーションが低下することも少なくありません。このような状況を防ぐには、チーム内で教育担当者の負担を分担する、あるいは教育担当者の業務量を調整するなどといったサポートが必要です。
現場の業務を圧迫してしまう
OJTによるデメリットのしわ寄せは、指導担当者だけでなく、ときには現場全体に影響を及ぼすことがあります。
教育担当者が新人の指導に多くの時間を費やすことで、その穴埋めを他のメンバーが担う必要が生じ、全体の業務フローが滞る可能性が高まります。特に、チームが小規模であったり、業務の繁忙期に新人が加わる場合は現場全体の負担が増大し、現場全体のパフォーマンスが低下することが懸念されます。
また、新人が業務に不慣れな状態での業務遂行はトラブルやミスを引き起こす要因となり、結果的に業務の品質や効率にも影響を及ぼすことがあります。このような負担の増加は、組織のみならず企業全体の生産性や利益にも悪影響を与えることが考えられます。
したがって、OJTを行う際はチームのリソースを適切に管理し、教育担当者と新人の負担を軽減する方法を検討することが重要です。
では、現場の負担を軽減しながらOJTを効果的に進め、新人育成を成功させるにはどのような方法が有効でしょうか?
次章からは、OJTを教える側と現場に多くのメリットをもたらすツール「動画マニュアル」について詳しくご紹介します。
教える側の負担を減らし、OJTを成功させるには「動画マニュアル」が最適!
OJTの負担を軽減しながら新人の習熟度を向上させるには、効率的な教育手段が必要です。
その中で、「動画マニュアル」は教える側の負担を減らしながら、質の高い教育を実現する手法として注目されています。
ここでは、動画マニュアルの教育効果について、以下の4つを解説します。
- 教える側のスキルに左右されず、良質な教育が実施できる
- 動画の方が教育内容を理解しやすい
- トレーナー不在でも自習学習が可能
- 文書マニュアルほど作成/更新工数がかからない
動画マニュアルが教育課題を解決し、質の高い教育を提供できる理由については、以下のハンドブックでも詳しくご紹介しています。マンガ形式でわかりやすく解説しているので、本記事と併せてご覧ください。
教える側のスキルに左右されず、良質な教育が実施できる
動画マニュアルを使用することで、OJT担当者のスキルに左右されない均一な教育を提供できます。
OJTでは、教育内容が教える側のスキルや経験に依存するため、指導の質にばらつきが生じることがあります。しかし、動画マニュアルを教材に用いることで、すべての従業員が同じ内容を繰り返し学習できるという強みがあります。これにより、指導内容のばらつきを解消し、ヒューマンエラーや業務トラブルを減少させることが可能です。
たとえば、製造業において新しい機械の操作方法を動画マニュアルで提供する場合、すべての従業員が動画という同一の教材で学ぶことで、統一された正確な手順をインプットでき、教育担当者ごとの教え方の違いによる混乱を防ぐことができます。
その結果、教育が標準化されるだけではなく、操作ミスや事故を防止し、業務の安全性と効率を向上させることが期待されます。
動画の方が教育内容を理解しやすい
動画は視覚的に情報を伝えるため、文章よりも理解しやすいというメリットがあります。
OJTで伝える内容には、PCや機械の操作方法など「動き」がある場面が少なくありません。
とくに製造業や建設業、小売業のような、人/モノ/機械の動きが伴うような業界では、OJTのような口頭ベースの教育、文書マニュアルのようなテキストによる情報共有では、動きをイメージしにくく理解が進みにくいです。
一方で、動画であれば動作のカンコツやポイントを「見たままに」伝えられる点に加え、言葉が異なる外国人従業員に対するOJTでも、視覚的に伝えるという点で効果的です。
後述するかんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」のように、動画マニュアルの字幕を自動翻訳できるようなツールを活用することで、外国人従業員へのOJTも効果的かつ効率的に行うことができます。
トレーナー不在でも自習学習が可能
OJTで教える業務の実演/説明を動画マニュアル化することで、新人は業務の基礎知識をトレーナーがいなくても学ぶことができます。
OJTでトレーナーが新人に付きっきりになる場面が、業務を見せる/実践する部分です。
この部分は、新人の特性や理解度に関わらず、誰に対しても同じ内容を伝える部分です。そのため、トレーナーが毎回目の前で実践しなくても、正しい内容で動画マニュアルを作成することで『まずは動画を見ておいて』と効率化することができます。
OJTで教える内容は、PCや機械の操作/顧客対応/商談時の所作/製品の組立手順など、「動き」にまつわる内容が多いです。このような動きにまつわるノウハウは、OFF-JTのような口頭による教育や、紙/文書マニュアルのようなテキストベースによる情報共有より、視覚的に理解することができます。
また、新人視点では見逃した部分/分かりにくかった部分を、繰り返し動画で見直しできる点もメリットです。新人は自分のペースで反復学習を行い、業務理解を深めることができます。 これにより、トレーナーの拘束時間を大幅に削減し、定常業務への影響を最小限にすることができます。
理想の教育は「動画マニュアル:OJTが8対2」
動画マニュアルを活用すれば、自分のペースで学習を進められるため、教育担当者が忙しい場合でも新人は1人でスキルアップできます。
一方で、座学や動画マニュアルだけに頼った新人教育では実践の場が不足していることや、現場でのコミュニケーション不足といった懸念も存在します。そこで、動画マニュアル:OJTが8対2となるような教育体制を整えることがおすすめです。
基礎的な知識や自学で進められる領域の学習を動画マニュアルに置き換えることで、教育係や先輩社員の負担を減らしながら自学自習できる体制が整います。
加えて、動画マニュアルで学んだ知識を実践する場としてOJT教育を行うことで、新人をより早く独り立ちさせることが可能だといえます。
そのため、教育の80%を動画マニュアルによる自己学習、残りの20%をOJTによる実践の場にすることがおすすめです。まず動画で基礎知識を習得し、その後のOJTで実務経験を積むことで、知識と実務能力をバランスよく短期間で身につけることができます。
このアプローチにより、効率的で実践的な教育が可能となり、新人の早期戦力化が期待できます。
次章からは、OJTで活用できる動画マニュアルの作成に適したツール「tebiki」について解説します。
OJTを教える側もうれしい!活用するなら動画マニュアル「tebiki」
かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」とは、製造業/物流業/小売業/ITなど、さまざまな現場で抱える人材育成の課題を解消しているツールです。
▼「tebiki」紹介動画▼
動画マニュアルの作成だけでなく、スキルマップ機能などを活用した習熟度/教育計画の管理も行うことが可能です。ここからは、代表的な機能を3つご紹介します。
誰でも簡単に動画マニュアルを作成できる
動画マニュアルtebikiは、「操作のかんたんさ」にこだわって作られたツールです。
一般的な編集ソフトの場合、クリエイター向けがゆえに機能が豊富すぎて使いこなせないこともあります。
しかし、tebikiは「人材育成に必要な機能」を厳選して取り揃えています。そのため、操作画面はシンプルで使いやすく、編集未経験の方やパソコン操作に不慣れな方でも直感的に動画マニュアルが作成できます。
実際に、tebikiを活用することによって、1本1時間弱かかっていた動画マニュアル作成が15分ほどに短縮された事例もあります。どれくらい簡単に動画マニュアルを作成できるのかは、以下の事例インタビューからご確認いただけます。
インタビュー記事:動画マニュアル作成時間が75%削減!教育体制を強化し、お客様に喜ばれる商品を提供したい
テスト機能やレポート機能で、理解度や学習進捗を把握できる
tebikiには、従業員の理解度をチェックするための「テスト機能」が搭載されています。
動画視聴後や研修後にテストを実施することで、新人がどの程度業務を理解しているかを把握したうえで、教育内容や頻度を調整することが可能です。また、テストの自動採点機能もついているため、教育担当者は手間をかけずに従業員のスキルを確認できます。
▼tebiki現場教育で作成したオリジナルテスト▼
また、レポート機能では「いつ」「誰が」「何のマニュアル」を見たのか可視化が可能です。OJTトレーナーは新人の学習進捗をリアルタイムで追えるため、進捗に合わせてフォローに入るなど、効率的にOJTを行うことが可能です。
100ヶ国語以上の言語に自動翻訳
tebikiで作成した動画マニュアルは、100ヶ国語以上の言語に字幕を自動翻訳できます。
外国人従業員にOJTを行う場合、言語の違いによる教育/コミュニケーションの難易度が上がることに加え、文書マニュアルの多言語化などの工数が発生します。
tebikiでは、字幕の自動翻訳機能が備わっていることで、外国人従業員がそれぞれの母国語で業務理解を深めることが可能です。さらに2024年10月現在、英語やベトナム語などの計15言語で字幕を読み上げられるため、視覚的な情報だけでなく、耳からの情報でも学習が可能です。
▼tebiki現場教育の自動翻訳イメージ▼
気になる「翻訳精度」ですが、日本語の日常会話程度であれば、問題なく伝わるレベルです。もし自動翻訳で伝わらないということであれば、後から修正することも可能です。
このような機能を活用したことで、外国人従業員の業務理解度の向上につながった事例もあります。詳細は以下のインタビュー記事をクリックしてご覧ください。
インタビュー記事:新人研修の手間が1/10に!自動字幕翻訳で、外国⼈スタッフの理解度テスト正答率が100%になりました。
今回ご紹介した内容以外にも、tebikiにはさまざまな機能を搭載しています。
『他の機能も知りたい』『紹介されていた機能をより詳しく知りたい』『tebikiのプランを知りたい』といった方は、以下の画像をクリックして概要資料をご覧ください。
次章では、tebikiによる動画マニュアルの活用で、OJTによる新人の即戦力化/効率化に成功している事例をご紹介します。
tebiki活用によるOJTの成功事例
ここからは、OJTによる即戦力化やOJTの効率化に成功している企業事例をご紹介します。本章でご紹介する事例は、tebikiによる動画マニュアル活用で改善に成功しています。
- 株式会社神戸製鋼所
- 株式会社GEEKLY
- ソニテック株式会社
「他にもOJTに成功している企業事例を知りたい!」という方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:OJTの成功事例15選!成功した企業の特徴、OJTの弱点を克服するツールを紹介
株式会社神戸製鋼所
株式会社神戸製鋼所は、素材系事業、機械系事業、電力事業を展開する大手製造業です。
同工場では、紙の作業手順書とOJTによる人材教育に課題を抱えていました。紙のマニュアルでは作業内容の詳細を十分に伝えられず、OJTでは教育者によって教え方にばらつきがあり、結果として作業の出来栄えにもばらつきが生じていました。
これらの課題を解決するため、同社はtebikiを導入し、紙と動画を融合させた作業標準書・手順書の作成に着手しました。
tebiki導入後の成果としてはまず、OJTの時間が約3割削減されました。OJTを行う前に、OJTで教えなくても理解できそうな内容を予習させておくことで、OJT本番で教える内容を減らすことに成功。作業手順を忘れたときも自ら動画マニュアルを視聴して確認できるので、教育者に聞き直すことがなくなりました。
また、作業手順書の作成工数も大幅に軽減。もともと1つの作業手順書を作成するのに0.5~1ヶ月程度かかっていたのが、tebikiを導入してからは1〜2日程度で作成できるようになったそうです。
より詳しい内容を知りたい方は、以下からインタビュー記事をご覧ください。
インタビュー記事:動画を活用した現場の人材教育効率化と作業標準化
株式会社GEEKLY
IT・WEB・ゲーム業界に特化した人材紹介を行っている株式会社GEEKLYでは、従来のOJT教育において、教え方のばらつきとトレーナーの負担が大きいという問題を抱えていました。
そこで、教育内容を統一し属人的な業務を減らすためにtebikiを導入し、1年間で1,300本以上の動画マニュアルを作成。
新人教育の7割近くを動画マニュアルに置き換えた結果、業務内容や営業品質のばらつきを解消することに成功しました。さらに、新人教育にかかる工数を年間で約3,700時間削減し、教育の負担を大幅に軽減できました。
株式会社GEEKLYの導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらのインタビュー記事をご覧ください。
インタビュー記事:年間の新人教育時間を3,700時間削減。トレーナーの教育時間が大幅に減り営業成績も向上!
ソニテック株式会社
建築副資材を提供するソニテック株式会社では、物流倉庫で3ヶ月間のマンツーマン指導を行っていたため、指導者がスムーズに日常業務を進められないという問題を抱えていました。そこで、新人教育を効率化するためにtebikiを導入し、ピッキング作業の動画マニュアルを作成。
その結果、3ヶ月かかっていた教育時間が実質ゼロとなり、指導者の負担が大幅に軽減されました。また、教育内容の一定化により、教える側と教えられる側双方のストレスが緩和され、業務全体を効率化することに成功しました。
ソニテック株式会社の導入事例をより詳細に知りたい方は、こちらのインタビュー記事をご覧ください。
インタビュー記事:3ヶ月間の直接指導を動画マニュアルで完全に置き換え、業務の効率化を実現
tebikiを活用して効果のあるOJTを実現しよう!【まとめ】
OJT(On the Job Training)は、新人社員のスキル習得や成長に欠かせない教育手法ですが、効果的に実施するには、教える側の質が重要です。教える側には観察眼、褒める力、叱る力、自己開示、フィードバックスキル、計画性、コミュニケーション能力といったスキルが必要です。
OJTのメリットは、指導者自身もスキルアップできる点や、新人との人間関係を深められることです。しかし指導者の負担が増えやすく、教える側の実務に影響を与えるデメリットもあります。
そこで、教育の効率化を図るために動画マニュアル「tebiki」が非常に有効です。
動画は新人が視覚的に理解しやすく、指導スキルに自信がないトレーナーでも高い教育水準を保てます。さらに、多人数に対しても一度に教育が行え、学習進捗も簡単に管理できるため、現場でのOJTを補完する最適なツールです。
この記事で紹介したtebikiの資料は無料でダウンロード可能です。以下の画像をクリックし、是非ご覧ください。