かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
「人手不足なのに、生産目標は変わらない」「毎日忙しいのに、なぜか生産性が上がらない」多くの製造現場が抱えるこのような課題は、「作業効率」を見直すことで解決できるかもしれません。
製造現場での作業効率向上は、人手不足や生産性改善といった課題に直結する重要テーマです。本記事では、作業効率を上げるために明日から実践できる5つの対策と、失敗しない改善の進め方を4つのステップで具体的に解説します。
目次
作業効率とは?
作業効率とは、投入した時間や人員(リソース)に対して、どれだけ大きな成果を生み出せたかを示す指標です。特に製造現場では、作業効率が生産性、品質、コストといった経営の根幹に直接影響します。
作業効率改善のメリット
作業効率が改善されることでムダな作業や工程が減り生産性が向上し、コスト削減や納期短縮、品質の安定など多くのメリットが得られます。さらに、従業員の負荷が軽減されることで職場環境も良くなり、離職率の低下にもつながるといった副次的な効果も期待できます。
▼作業効率改善によるメリットの例▼
メリット | 作業効率改善の具体例 |
---|---|
生産性の向上 | 作業手順の標準化により、1時間あたりの製品数が20%アップ |
コスト削減 | ムダな在庫・動作・工程の削減で原材料と人件費、納期が圧縮 |
品質の安定 | 手順ミスが減少し、不良率が10%から3%に改善 |
働きやすい職場づくり | 作業の負担が減り、スタッフの離職率や疲労感が低下 |
あなたの現場はどっち?作業効率が高い現場・低い現場
作業効率の良し悪しは、品質、安全、コストの3つの側面で明確に現れます。作業効率の高い現場とは、工程が明確でムダが少なく、作業員の動線や時間の使い方が最適化されています。一方、作業効率の低い現場とは属人的な作業や情報の分断、手待ちや手戻りが多く、生産性が停滞する傾向があります。
作業効率の高い現場 | 品質 | 作業ミスや不良が少なく、安定した品質を確保できる |
安全 | 標準化された作業によりリスクが低減し、安全性が向上する | |
コスト | 無駄な作業・在庫が減り、無駄なコストがかかっていない | |
作業効率の低い現場 | 品質 | 手順ミスや不良品が多発し、品質トラブルが発生しやすい |
安全 | 作業手順のバラつきにより、ヒューマンエラーや事故リスクが高まる | |
コスト | 手戻り・ロスが多く、必要以上のコストがかかる |
なぜ?現場の作業効率が上がらない3つの根本原因
作業効率が悪くなる背景には、情報共有の不足、属人化した作業、設備のムダな待機や移動時間の長さなどが挙げられます。これら1つ1つのロスは小さく見えても、積み重なると大きな生産性の低下を招きます。
解決には現場の実態を把握し、情報共有体制の構築、作業の標準化、設備レイアウトの最適化など、仕組みを見直す効率改善が必要です。「まずは現場に潜む非効率=ムリ・ムダ・ムラを洗い出したい」という方は、以下のリンクをクリックし専門家による解説動画をご覧ください。
>>3M(ムリムダムラ)を見つける視点と改善策! 製造業の品質向上と生産性向上への鍵は〇〇にあり(無料公開中)
情報共有の不足
情報共有が不足している製造現場では、工程間の連携ミスや作業の二重対応、設備トラブルの報告漏れなどが発生しやすくなります。例として、前工程での不良の発生が後工程に伝わっていないために後続の作業者はそのまま通常通りの工程で作業を進め、不良品が量産されてしまうケースが考えられます。
また作業指示が紙ベースで各所に配布されているため最新情報が反映されておらず、作業者によって対応がバラバラになり、ムダな手戻りやトラブルの原因になることも。
このような情報共有不足は作業効率の低下だけでなく品質リスクの増大にも直結するため、日常的な情報共有の仕組み化が重要です。
特定の担当者しかできない作業(属人化)
属人化がされてしまった現場では、特定の作業が一部の熟練者にしかできず非効率になってしまいます。
例として、ベテラン作業者でなければ組立のコツがわからず、他の作業者が同じ品質・スピードで対応できないことが該当します。この場合、ベテラン作業者が不在になると生産が滞る、品質がばらつく、教育に時間がかかるといった問題が発生します。
このように作業方法が言語化されておらず「見て覚える」文化が根付いていると、新人や外国人スタッフの育成に多大な時間がかかり、生産性が向上しにくい状態が続きます。属人化の解消には作業の標準化や教育ツールの整備が必要です。
見過ごされている「ムダな待機・移動」
製造現場では、作業者や設備の“待ち時間”や“移動時間”が見えにくいムダとして潜在しています。材料が届くまで作業者が次の工程に入れない、共有設備の順番待ちでラインが停止するといった状況が日常的に発生している場合、大きなロスとなります。
また、部品や工具が現場内で分散配置されており、必要なたびに取りに行く移動が頻繁に発生する現場では、それだけで1日に数十分〜数時間のムダが発生していることもあります。そのため、設備や動線のレイアウトの見直しによる改善が必要です。
作業効率を劇的に改善する5つの視点と対策
本章では、どの製造現場でも使える基本的な作業効率改善の5つの視点をご紹介します。「作業効率を改善したいが、どこから手をつければ良いかわからない…」という場合は、以下の5つの視点で現場を見直してみましょう。
「その作業、本当に必要?」改善の4原則(ECRS)でムダをなくす
1つ目の視点として、作業の「廃止(Eliminate)」「結合と分離(Combine)」「入替と代替(Rearrange)」「簡素化(Simplify)」という改善の4原則にしたがい、作業効率を改善できないかを考えます。この4原則はそれぞれの要素の頭文字から「ECRS(イクルス)」と呼ばれています。
「廃止」→「結合と分離」→「入替と代替」→「簡素化」の順に改善の効果が高いので、この順番でできることがないか検討しましょう。
▼改善の4原則(ECRS)▼
改善効果 | 改善の4原則 | 概要 |
---|---|---|
高い↑ ↓低い | 廃止 | その作業自体をやめられないか? |
結合と分離 | 複数の作業をまとめられないか? 逆に分離できないか? | |
入替と代替 | 手順や場所を入れ替えられないか? 他の方法に代替できないか? | |
簡素化 | もっと単純に、楽にできないか? |
この原則に従った改善策の例もご紹介します。
改善の4原則 | 例1:作業記録の手書き記入 | 例2:梱包作業 (ダンボールへの箱詰め) |
---|---|---|
廃止 | 記録を残す項目を見直し、不要項目を削減 | 一部の製品を梱包せず専用コンテナで出荷 |
結合と分離 | 作業終了後のまとめ記入をやめ、作業中の簡易入力に変更 | 複数製品をまとめてパックし梱包 |
入替と代替 | 手書き記録をタブレット入力に代替 | 手作業のテープ貼りを自動梱包機に代替 |
簡素化 | チェックリスト形式にして「○をつけるだけ」に簡素化 | 段ボールサイズを統一し迷わないように簡素化 |
対策の立て方としては、以下のステップ順に進めると良いでしょう。
Step1:全作業の洗い出し | まず、対象となる工程の作業を「部品を取る」「ネジを締める」「記録する」といったレベルまで細かくリストアップします。 |
Step2:必要性の判断 | 洗い出した各作業が、「製品の価値に直接結びつくか?」という視点で分類します。付加価値を生まない作業(運搬、検査、手待ちなど)が、改善の主なターゲットです。 |
Step3:ECRSの適用 | 分類した作業に対し、「E→C→R→S」の順で改善できないかを検討します。「この報告書は本当に必要か?(E)」「検査と梱包を一緒にできないか?(C)」のように具体的な改善案を策定していきます。 |
「その動き、最短・最適?」動作経済の4原則で動線の見直し
2つ目の視点では、作業を動作レベルで分解し1回当たりの作業時間の短縮を検討します。作業者の細かな「動き」の中に、改善のヒントは隠されています。以下の「動作経済の4原則」のもと身体的な負担を減らし、作業時間を短縮できないか探るとよいでしょう。
- 原則1 動作の数を少なくする
- 原則2 両手は同時に使う
- 原則3 移動距離を短縮する
- 原則4 動作を楽にする
この原則に従った改善策の例もご紹介します。
課題:ネジ締めのために工具を毎回取りに行くムダを削減したい
改善原則 | 課題 | 改善策 |
---|---|---|
動作の数を少なくする | 工具をとりに行く | 工具を腰ベルトやマグネットホルダーで常時携帯 |
両手は同時に使う | ネジ締め作業 | 一方の手で位置を固定し、他方で締め付け作業を同時進行 |
移動距離を短縮する | 工具をとりに行く | 工具置き場を作業エリア内に設置 |
動作を楽にする | ネジ締め作業 | 電動ドライバーを導入し、ねじ込み時間と力を削減 |
対策の立て方としては、以下のステップ順に進めると良いでしょう。
Step1:作業の録画 | スマートフォンなどで実際の作業風景を動画で撮影します。これにより、作業者本人も気づいていない無意識のムダな動きを発見できます。 |
Step2:動作の分解・分析 | 撮影した動画をスロー再生やコマ送りで見ながら、「取る」「置く」「運ぶ」「探す」といった動作レベルまで分解します。その一つひとつの動きが、動作経済の4原則に反していないかチェックします。 |
Step3:改善案の立案と実行 | 分析結果に基づき「工具の配置を変えてみよう」「治具を試作してみよう」といった具体的な改善策を立案し、すぐに試します。小さな改善でも、効果があれば水平展開しましょう。 |
上記のような作業は「時間分析」と呼ばれ、最もムダのない効率的な動作である「標準作業」を定めるうえで重要な要素です。標準作業の定め方や見直しのポイントについて詳しく知りたい方は、以下のリンクから詳しい資料もご覧ください。
>>元トヨタマンが解説!作業標準の見直しで実現する製造現場の生産性向上とは?(無料公開中)
「ムリ・ムダ・ムラが常態化していないか?」3Mの削減
3つ目の視点では、「ムリ・ムダ・ムラ」の3Mの削減を検討します。「ムリ・ムダ・ムラ」は作業者の疲弊やミスの増加や余分なコスト、品質のばらつきなど生産性を低下させる元凶です。これらが「当たり前のこと」として現場に定着していないか、厳しい視点で見直しましょう。
▼3Mの具体例と対策▼
3M | 課題 | 対策 |
---|---|---|
ムリ | 能力以上の負荷がかかっている状態(過度な力、窮屈な姿勢、長時間の作業) | ・重量物の運搬に台車やアシストスーツを導入する ・過度な生産ノルマを見直す |
ムダ | 付加価値を生まない全ての活動(手待ち、在庫、運搬、不良品など) | ・ジャストインタイム方式を参考に在庫を最適化する ・5S活動で「探すムダ」を徹底的に排除する |
ムラ | 作業方法や品質、時間にばらつきがある状態(人による違い、日による違い) | ・作業手順を動画マニュアルで標準化し誰がやっても同じ結果にする ・機械の定期メンテナンスを徹底し性能のバラつきをなくす |
対策の立て方としては、以下のステップ順に進めると良いでしょう。
Step1:現場からの情報収集 | 現場の作業者に「やりにくい作業」「時間がかかる作業」「人によってやり方が違う作業」などをヒアリングし、3Mのタネを拾い集めます。 |
Step2:データの活用 | 生産量、不良率、作業時間などのデータを収集・分析し、特に「バラつき(ムラ)」が発生している箇所を客観的に特定します。 |
Step3:根本原因の追及と対策 | なぜなぜ分析などを用いて3Mが発生する根本原因を探ります。「作業にムラがある」→「なぜ?人によって手順が違うから」→「なぜ?手順書が分かりにくいから」のように深掘りし、「動画マニュアルを導入する」といった本質的な対策を立てます。 |
▼すぐに使える!なぜなぜ分析のテンプレートや例題、専門家による解説が詰まったガイドブックはこちらをクリック(無料公開中)▼
「効率改善は実際の現場・作業から」5ゲン主義に基づく課題の可視化
4つ目の視点は、5ゲン主義です。改善活動は、必ず「現場」で「現物」を「現実」的に見て、「原理」「原則」に沿って行う必要があります。会議室で立てた計画が、現場の実態と乖離しないようにするための重要な心構えです。
5ゲン主義の概要や具体的な作業改善については、以下の表をご参照ください。
5ゲン | 概要 | 具体的な行動例 |
---|---|---|
現場 | 問題が起きている「場所」そのもの | 現場に出向いて作業動線やレイアウトを確認し、ムダな移動や待ち時間を削減する |
現物 | 不良品や故障した機械など「モノ」そのもの | 不良品や機械の状態を直接確認し、品質ロスや手戻り作業を未然に防ぐ |
現実 | 実際に起きている「状況や事実」 | 作業状況を記録・観察し、実際のボトルネックを把握して効率化に反映する |
原理 | 物事がそうなる「科学的な法則や仕組み」 | 作業方法や設備稼働を科学的に分析し、より少ない工数で成果を出せる仕組みに改善する |
原則 | 守るべき「ルールや基準」 | 標準手順を徹底し、誰が作業しても同じ時間・品質で仕上げられるようにする |
5ゲン主義は、問題解決のプロセスそのものです。対策の立て方として、以下のステップ順に進めると良いでしょう。
Step1:問題発生の覚知 | 不良や遅延などの問題が発生したら、まず「なぜだろう?」と疑問を持つことから始まります。 |
Step2:三現主義での事実確認 | すぐに現場へ向かい、現物を観察し、現実のデータや状況を確認します。ここで思い込みを捨て、事実を正確にインプットすることが重要です。 |
Step3:原理・原則に基づく原因分析 | 収集した事実を基に、「なぜこの現象が起きるのか?」を原理・原則に照らして議論し、真の原因を特定します。このプロセスを経て立てた対策こそが、再発を防ぐ本質的な改善策となります。 |
「改善のための改善になっていないか?」活動負荷のチェック
意欲的な改善活動も、活動そのものが現場の大きな負担となり「改善疲れ」を引き起こしては本末転倒です。活動が目的化せず、現場のエネルギーを持続させるための工夫が不可欠です。
作業効率を根本から高めるには、現場に負荷を増やさず「少ない力で大きな成果を生む仕組み」を整えることが重要です。単に小さな改善を積み重ねるだけでなく、視点を切り替えることで劇的な効率化につながります。
具体的には、属人的な作業を動画マニュアルで標準化することで教育コストと作業時間を同時に削減したり、レイアウトや治具を見直して「歩かない・探さない」職場をつくることで、1日の作業効率が飛躍的に向上します。
また、対策の立て方としては以下のステップ順に進めると良いでしょう。
Step1:成果ベースの目標設定 | 改善活動の目標を「改善案を月10件出す」といった活動件数ではなく、「〇〇工程の作業時間を5%削減する」といった成果に設定します。これにより、活動が自己目的化するのを防ぎます。 |
Step2:負担を考慮した計画 | 改善活動のスケジュールを立てる際は現場の繁忙期を避けるなど、通常業務への影響を最小限に抑える計画を立てます。担当者を1人にせず、チームで進めることも重要です。 |
Step3:こまめなフォローと動機づけ | 管理者は活動を「指示して終わり」にせず、定期的に進捗を確認して課題を一緒に解決します。朝礼などで成功事例を共有し、他のメンバーの「自分たちもやってみよう」という意欲を引き出します。 |
作業効率を改善する4ステップ
作業効率を高めるには、現場の感覚だけに頼らず、段階的に課題を見つけて解決していくPDCAサイクルの活用が効果的です。以下の4つのステップを踏むことで、現場の改善活動を持続可能かつ成果につながる形で進めることができます。
ステップ1:改善点を見つける
まずは現場の状況を可視化し、何が非効率なのかを特定します。作業手順や人の動線、時間配分、使用している設備や道具を洗い出し、工程ごとのムダやムラを見つけていきます。
代表的な方法には、作業を動画で録画し、時系列で記録する「見える化」があります。現場の実態を客観的に捉えることで、問題の本質に迫る準備段階です。
関連記事:製造業の「見える化」実現方法は?工場事例や現場DXツールも解説
ステップ2:改善対象と目標、改善策を決定する
次に、改善対象と改善の方策、目標を明確に設定します。誰のどの作業を対象とするのか優先順位をつけて、改善内容を関係者と共有します。
改善対象が曖昧だと現場での実行に結びつきづらいため、範囲を明確に定義することが重要です。
たとえば、出荷に関わる作業でも倉庫作業、物流業務、出荷作業と作業によって行う改善策はさまざまです。
目標は”ムダな動作を30%削減”や”作業時間を10分短縮”など、数値で測れる目標が望ましいです。
ステップ3:計画を立てて実行する
改善策を実行に移す際には、スケジュールや手順を明文化し、関係者で共有します。誰が何をどう実施するかを明確にしておくことで、現場での混乱を防げます。改善活動に必要なリソースや支援体制もこの段階で整えておきましょう。最初から大がかりに始めず、小さな成功体験を積み重ねるのがコツです。
また、出荷作業やペーパーレス、業務効率化ツールを使用した改善策の実行中に潜む課題や導入のコツについてはリンク先の記事も参考にしてください。
ステップ4:実行した結果を振り返り、次の改善策を検討する
改善策を実行したら、その結果を定量的に評価します。改善前後の作業時間やミス件数などを比較し目標に対する進捗を確認し、成果と課題を整理したうえで次の改善策へとつなげることが重要です。
このPDCAを継続的に回していくことが、改善文化の定着につながります。
▼改善のPDCAサイクルの例▼
PDCA | 具体例1 作業手順の標準化によるミス削減 | 具体例2 部品の置き場見直しによる探し時間削減 |
---|---|---|
Plan(計画) | 頻発する作業ミスの原因を分析し、作業手順書の見直しを計画する | ピッキング時の部品探しに時間がかかっている問題を分析する |
Do(実行) | 動画や図解を使った手順書を作成し、全員に教育を実施する | 5S活動を活用し、部品の定位置管理を導入する |
Check(評価) | 作業ミスの件数を記録し、改善前後で比較する | 部品を探す平均時間を計測し、改善前後で比較する |
Act(改善) | 改善効果の低い部分の教育内容や手順書をさらにわかりやすく修正し、定期的な再教育を実施する | 運用で不便な点をフィードバックし、定位置のレイアウトをさらに微調整する |
ここまで、作業効率を改善するための視点や対策例、対策の立て方について解説しました。次章では、改善の土台となる「標準化」の実践方法について解説します。
作業効率を上げるにはまず「標準化」から
作業効率を改善する第一歩は「標準化」です。なぜなら現場に標準(基準)がなければ、そもそも作業のムダやムラに気づくことができません。標準がない現場では作業手順や品質にばらつきが生じ、「見えないムダ」が積み重なっていきます。
さらに標準がない状態で改善策を実施したとしても、効果を測定できず方向性がブレてしまいます。また、改善が属人的になり、再現性がない場当たり的な対応に陥ってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、「現時点での現場の標準化」と「改善策の標準化」という2つのアプローチが必要になります。まずは今ある作業の現状を基準化し、そのうえで改善内容も標準として定着させていく、この2段構えが持続的な作業効率改善の鍵となります。
次章では、標準化を実際に進めていくうえで有効なツールである「動画マニュアル」について解説します。他にも、以下に記載した資料でも標準化の実践策について詳しく解説しているため、本記事と併せてご参照ください。
>>標準化を促進して生産性を高める実践的な方法とは?属人化した業務を「形式知化」するポイントをみる(無料公開中)
現場で標準化を浸透させるには「動画マニュアル」
製造現場の標準化ツールとして、今「動画マニュアル」が注目されています。文章だけでは伝わりにくい動きやコツを映像で直感的に共有できるため、新人や外国人スタッフでも理解しやすく、標準作業の標準化を通して作業効率の改善が期待できます。
動画マニュアルが役立つ理由
従来の紙マニュアルでは「見て覚える」といった属人的な指導から抜け出せず、教育の質が指導者によってばらつくことで標準化を進められないという課題がありました。一方で動画マニュアルはこうした課題を解決し、標準化を加速させる多くの利点を持っています。
例として、「ヤスリでバリを取る」作業を動画マニュアル化したものをお見せします。
▼動画マニュアルの例▼
※「tebiki現場教育」で作成
上のような複雑な業務作業も、動画で手順をおさめれば「誰が見ても同じ解釈」になるので、作業者ごとのやり方の「ムラ」がなくなり業務品質の安定=標準化に直結します。
ちなみに本動画は、製造業の現場教育に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」で作成されています。tebikiのサービス詳細や導入事例についてはサービス資料をご覧ください。
>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる
かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」とは?
「tebiki現場教育」は、現場での作業をスマートフォン1つで撮影・編集・共有できる動画マニュアル作成ツールです。直感的な操作で誰でも簡単に使え、テキストや吹き出しを動画上に追加できるため、重要ポイントの強調も可能です。
従来の紙マニュアルに比べてマニュアル作成にかかる時間とコストを大幅に削減でき、更新も容易です。常に最新の情報を現場に届けることで、教育の効率化と作業の標準化が進みます。
実際に、HOEI THAILAND CO.,LTD.ではタイ工場で動画マニュアルtebikiを活用しています。紙マニュアルだと教育が難しく、新人の独り立ちまでに最大5か月かかっていたのが最短1か月前後に短縮、作業手順が統一され品質が安定しダウンタイム短縮を実現できました。
さらに株式会社アルバックでは動画マニュアルtebikiを活用し、拠点間の生産性の差を解消しました。全体の生産性が向上するとともに、ベテラン作業者も自身の作業を客観的に見直すことでさらなる改善点が見つけられ、作業効率の改善に繋がっています。
tebikiのサービス詳細や導入事例についてより詳しく知りたい方は、以下のサービス資料をご覧ください。
>>かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育サービス資料」を見てみる
まとめ
製造現場の作業効率を上げるには、PDCAサイクルによる段階的な改善とともに「標準化」が欠かせません。現場のばらつきを抑えムダやムラを減らすためには、まず現状の基準を作り、そこから改善を積み重ねていく必要があります。
作業効率改善は一度で完結するものではなく、継続的な取り組みが求められます。現場分析やマニュアル整備といった基盤づくりから始め、ツールを活用してPDCAを回していくことで現場力を底上げし、持続的な成果につなげていきましょう。
実現へ向けたアプローチをお探しの方は、是非本記事でご紹介した「tebiki現場教育の活用を通じ、標準化による作業効率の改善にお役立てください。