製造現場でよく聞く見える化や可視化ですが「見える化とは何か?」「見える化の重要性は何か?」「見える化と可視化の違いは何か?」など、疑問に抱く方も多いでしょう。
現場改善を目指す方にとって、見える化は避けては通れません。
そこでこの記事では、見える化と可視化の概念を深く掘り下げ、その違いとそれぞれのメリット・デメリット、見える化が求められる背景や、具体的な実践方法についても詳しく解説します。
さらにこの記事では、労働人口の減少、生産性の向上、効率化の進展、DX化の進展、属人化といった、現代の問題を解決するために、いかに見える化と可視化が重要なのかも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
見える化とは
見える化とは、物事を目に見える形にすることで、問題を早期に発見し、改善を促進する手法です。
見える化は、情報や状況やプロセスなどを視覚的に表現することで、問題や改善点を把握しやすくすることを目指します。
例えば、製造ラインの作業進行状況をホワイトボードに書き出すことや、生産数をグラフで表示することなどが見える化の一例です。
見える化によって、情報が視覚的に捉えやすくなり、全体像を理解しやすくなる利点があります。また、見える化によって問題が明確になり、問題に対する解決策を見つけやすくなります。問題が見える化されることで、問題の原因や影響を具体的に把握することが可能になります。
見える化によって作業の進行状況や問題点が一目でわかり、迅速な対応や改善が可能になるため、製造業における現場改善を目指す方々にとって、見える化は重要な手段となるでしょう。
見える化の特徴
見える化とは、情報や状況を目に見える形で表現することです。人間は視覚情報を最も効率的に処理する能力を持っているため、見える化は有効と言えるでしょう。
ここでは、見えるかの特徴として、
- いつでも情報が見える状態にしておく
- 判断基準が関係者に共有されている
について解説します。
いつでも情報が見える状態にしておく
見える化のひとつの特徴は、いつでも情報が見える情報をいつでも見える状態にしておくことです。情報が常に目に触れることで、問題や改善点が明確になり、問題に対する意識が高まることが期待できます。
例えば、製造業の現場では、生産ラインの状況をホワイトボードやデジタルディスプレイに表示し、全員が状況を把握できるようにすることが一般的です。
判断基準が関係者に共有されている
見える化のもうひとつの特徴は、判断基準が関係者全員に共有されていることです。共有された基準に基づいて情報を解釈することで、全員が同じ認識を持ち、一致した行動をとることが可能になることが期待できます。
例えば、製品の品質基準を明確にし、全員が品質基準を理解していれば、品質の良し悪しを一貫して判断することが可能です。
トヨタ生産方式が見える化の原点
見える化を最初に取り入れた企業はトヨタ自動車で、トヨタ生産方式の「あんどん方式」が有名な見える化の実施例です。
「あんどん方式」は、作業者が問題を発見した際に、ランプを点灯させて問題の事実を周囲に知らせるシステムです。「あんどん方式」によって、問題が即時に可視化され、迅速な対応が可能になりました。
また、あんどん方式は、問題の早期発見と共有を促進し、組織全体の改善が可能になりました。問題が見える化されることで、解決策を一緒に考え、実行することが可能になるからです。
可視化とは
可視化とは、目に見えない内容を見える状態に整えておくこと、また見たいときに見られる状態にしておくことです。可視化の意義は「誰が見てもわかりやすい状況にしておくこと」で、情報が明確でわかりやすい形になり、全員が同じ理解を持て、誤解や混乱を防げます。情報が見える状態になることで、理解しやすくなるだけでなく、必要なときに参照することが可能になります。
例えば、製造業の現場であれば、生産ラインの進捗状況や品質管理のデータなどを可視化することで、問題が発生したときに迅速に対応することができます。
さらに、顧客満足度、エンゲージメントサーベイ、アンケート調査などを数字やグラフを用いて可視化することで、行動に起こさなければ見えてこない満足度や感想を表面化することが例に挙げられます。結果として、現場の声を具体的なデータとして捉え、改善策を考えるための具体的な材料を得ることが可能です。
可視化の特徴
可視化は、複雑な情報や大量のデータを視覚的に表現することで、理解や分析が容易になります。
ここでは、可視化の特徴として、
- 必要な時に見えるようにする
- 把握した情報の判断や活用は主体者に委ねられる
について解説しましょう。
必要な時に見えるようにする
可視化の特徴のひとつは、必要な時に情報を見えるようにすることです。情報は時と場合によって必要性が変わるため、必要な時に必要な情報を提供することで、効率的な意思決定を可能にします。
例えば、製造業の現場では、生産量や品質データをダッシュボードに表示し、必要な時に参照することで、生産計画の調整や品質改善の方向性の決定が可能になります。
把握した情報の判断や活用は主体者に委ねられる
可視化のもうひとつの特徴は、把握した情報の判断や活用は主体者に委ねられることです。情報の解釈や活用方法は、人の視点や状況によって異なるため、情報を提供するだけでなく、情報の活用方法を主体者に委ねることで、より効果的な結果を生むことが可能になります。
例えば、製造業の現場では、各部門や各個人が自分たちの視点でデータを解釈し、解釈にもとづいて改善策を提案することが求められます。結果として、多角的な視点からの改善が可能となり、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。
可視化は見える化の一部
見える化の実現のために可視化が手段として用いられることが多いため、可視化は見える化の一部といえます。目に見えないデータや状況をいつでも目に見える状態(可視化)にすることで課題を発見し、発見した課題を解決へつなげていくということです。
例えば、製造業の現場であれば、機械の稼働状況や生産数などをデータとして可視化し、生産状況がどうなっているのか、生産効率上でどこがボトルネックになっているのか、課題の分析や問題点の特定など、見える化を通じた改善策を考えることが可能になります。ただし、可視化だけが目的になると、問題解決には結びつかないことがあるので注意が必要です。
見える化と可視化の違い
見える化と可視化は似ていますが少し異なる概念です。見える化は、情報や状況を常に目に見える形で表現し、判断基準を全員で共有することを指します。結果として、問題を明確にし、解決策を見つけやすくします。
一方、可視化は、目に見えない情報やデータを視覚的に表現し、必要な時に参照できるようにすることを目指します。
以下は見える化と可視化の違いについて、まとめた表です。
見える化と可視化は似ている概念ですが、意識が必要かどうか、適切な行動につながりやすいかどうかという違いがあります。
見える化 | 可視化 |
無意識のうちに把握している情報に対して ・判断基準が関係者で共通認識される ・適切な行動につながりやすい | 自ら取り情報を取りに行く必要で 情報を判断や活用できるかは主体者次第 |
見える化・可視化が求められている背景
現代の社会では製造現場だけでなく、多様な業務現場で見える化が重視されています。深刻化する人手不足、社会課題の顕在化と企業の責任、データドリブン経営とデジタルトランスフォーメーション(DX)への期待、そしてITとデジタル技術の進化が、見える化が求められている背景と言えるでしょう。
見える化が求められる理由
ここでは、見える化が求められる理由として、
- 労働人口の減少
- 生産性の向上
- 効率化の進展
- DX化の進展
- 属人化からの脱却
の5つに焦点をあてて解説しましょう。
労働人口の減少
生産年齢人口が減少し続け、人手不足が深刻化している現代では、業務の効率化と生産性向上は企業の持続的な成長に欠かせません。
見える化により、業務プロセスを標準化し、作業員の違いに依存しない再現性を確保することで、効率化を実現できます。結果として、人手不足の問題を緩和し、企業の競争力を維持することが可能となります。
生産性の向上
見える化により客観的な情報に基づいた状況把握が迅速に行えるため、問題の予防管理と早期発見に役立ちます。
異常が発生した場合は、迅速なトレース(追跡)により被害の拡大防止に役立つほか、的確な原因究明によって、適切な再発防止策の実行が可能になります。
効率化の進展
作業進捗やリードタイムなどで作業状況の見える化を進めることで、ムダな作業や待ち時間を削減し、全体の業務フローをスムーズにすることが可能となります。
例えば、製造ラインの各工程での作業時間や待ち時間を可視化することで、ボトルネックを特定し、改善策を立案することが可能です。結果として、全体の生産性向上と効率化を実現することが可能となります。
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DX化の進展
デジタル技術の進化により、従来は人間が行っていた業務の一部をAIやロボットが担当することが可能となりました。結果として、労働力をより高度な業務に集中させることが可能になり、今後は、IoTやAIを活用したデータ分析により、業務の見える化を一層進めることが期待できます。
属人化からの脱却
業務の見える化により、個々の作業者のスキルや経験に依存する属人化を防ぐことが可能です。
例えば、作業手順や品質管理の基準を明確にし、見える化することで、新人や未経験者でも安定した品質で作業を行えます。結果として、人材の流動性を高め、組織全体の生産性を向上させることが可能となります。
属人的な教育による品質不良の改善については下記セミナーをご参考ください。
見える化のメリット・デメリット
見える化にはメリットしかないと思われがちですが、デメリットも存在します。
ここでは、見える化のメリットとデメリットを詳しく解説しましょう。
見える化のメリット
見える化のメリットとして主に、
- 問題の早期発見
- 属人化の解消
- ムダの削減
- 情報の共有
の4つがあります。それぞれ解説しましょう。
問題の早期発見
見える化により業務の全体像が明確になり、各部署の進捗具合が把握することが可能です。結果として、問題点をいち早く発見できます。
例えば、製造ラインでの遅延や品質問題など、早期に発見し対策を立てることが可能になります。
属人化の解消
業務を可視化することで、特定の人物に依存する作業を洗い出し、標準化することが可能になります。
例えば、特定の技術者だけが行っていた機械のメンテナンス作業を、マニュアル化し他のスタッフも行えるようにすることなどが考えられるでしょう。
ムダの削減
業務の全体像が見える化されることで、ムダな作業や重複する作業を発見し、改善できます。
例えば、同じ情報を複数の部署でそれぞれ作成していた場合、一元化することで作業時間を削減できます。
情報の共有
見える化により、情報が明確になり、全員が同じ情報を共有できるようになるでしょう。
例えば、製造現場の状況をリアルタイムで共有することで、必要な情報を必要な時に得ることが可能です。
見える化のデメリット
見える化のデメリットとして、
- 見える化のしすぎによる情報過多
- 業務効率が下がる
- 業務内容が想像以上に開示されうる
- 従業員へのプレッシャーになる
の4つが考えられます。それぞれ解説しましょう。
見える化のしすぎによる情報過多
見える化は、情報を明確にし、課題を解決するための重要な手段ですが、一方で、見える化のしすぎによる情報過多が問題となることもあります。なぜなら、情報が過多になると、重要な情報が埋もれてしまい、結果的に意思決定の遅延や誤った判断を招く可能性があるからです。
例えば、製造現場であれば、全てのデータを見える化しすぎると、本当に注目すべき指標が見えにくくなり、結果的に生産性の低下を招く可能性があります。
業務効率が下がる
見える化の取り組みは、情報を整理し、共有するための時間と労力が必要です。なぜなら、データの収集、整理、分析、そしてそれを視覚的に表現するための時間が必要となるからです。特に、見える化の取り組みを始めたばかりの段階では、労力は大きく、業務効率が一時的に下がる可能性があります。
例えば、製造業の現場では、生産ラインの各工程のデータを収集し、見える化するためのダッシュボードを作成するためには、一定の時間と労力が必要となります。
業務内容が想像以上に開示されうる
見える化は、業務の透明性を高める一方で、業務内容が想像以上に開示される可能性もあります。なぜなら、見える化により、個々の業務の詳細や進捗状況が他のメンバーや上層部に明らかになるからです。
従業員へのプレッシャーになる
見える化は、従業員のモチベーション向上や公平な評価を促す効果がある一方で、従業員にプレッシャーを与える可能性もあります。なぜなら、業務の進捗や成果が常に他者から見える状態になると、一部の従業員は常に評価されていると感じ、ストレスを感じる可能性があるからです。
例えば、製造業の現場であれば、生産数や品質などの指標が見える化されることで、一部の従業員は自分の業績が常に他者から見られていると感じ、プレッシャーを感じる可能性があります。
可視化のメリット・デメリット
可視化にもメリットがある一方でデメリットも存在します。
ここではメリットとデメリットの両方を解説しましょう。
メリット
可視化のメリットとして、
- 全体像を把握できる
- 問題の早期発見につながる
- 属人化の解消につながる
- 新しい分析につながる
の4つが考えられます。それぞれ解説しましょう。
全体像を把握できる
製造業における業務は多岐にわたり、全体像を把握することは困難な場面が多々あります。なぜなら、各部署やチームが独立して動いていると、全体の流れや他の部署との連携が見えにくいからです。しかし、業務を可視化することで、全体像を把握しやすくなります。
例えば、生産ラインの各工程を可視化することで、全体の流れやボトルネックが一目でわかり、改善策を立てやすくなります。
問題の早期発見
可視化は問題の早期発見にもつながります。なぜなら、業務の全体像が見えていると各部署の進捗具合が把握でき、問題点をいち早く発見できるからです。
例えば、生産工程の進捗をリアルタイムで可視化することで、遅延が発生している工程をすぐに特定し、対策を講じることが可能になります。
属人化の解消につながる
業務を可視化することで、特定の人物に依存する作業(属人化)を解消することが期待できます。なぜなら、業務の詳細を明確にすることで、作業を誰もが行えるように標準化できるからです。
例えば、特定の作業手順を可視化し、マニュアル化することで、その作業を誰でも行えるようになります。
新しい分析につながる
データを可視化することで、新たな分析や洞察を得ることが可能になります。なぜなら、データの関連性やパターンが明確になり、それに基づいた新たな仮説や予測が可能になるからです。
例えば、生産データを時間帯別に可視化することで、特定の時間帯に生産効率が下がる傾向を発見し、原因を分析することが可能になります。
デメリット
可視化のデメリットとして、
- 可視化の考え方を浸透させるまでに時間がかかる
- データの誤解を招く可能性がある
の2つがあります。
可視化の考え方を浸透させるまでに時間がかかる
可視化の考え方を組織全体に浸透させるには時間と労力が必要です。理由として、新しい考え方や手法を導入する際には、従業員の理解が必要であり、時間がかかることが挙げられます。
例えば、新たにダッシュボードツールを導入して業務を可視化する場合、理解してもらい、日々の業務に取り入れるまでには一定の時間が必要です。
データの誤解を招く可能性がある
可視化は情報を明確にし、理解を深める一方で、誤った解釈や誤解を招く可能性もあります。なぜなら、データの可視化はその解釈に大きく依存し、同じデータでもその表示方法や視覚化の手法によって、異なるメッセージを伝えることがあるからです。
例えば、同じ生産データでも、グラフのスケールや色の使い方によって、生産効率が良好に見えたり、逆に問題が大きく見えたりすることがあります。そのため、データを可視化する際には、解釈や表示方法に十分な注意が必要です。
見える化・可視化のやり方
見える化・可視化のやり方には主に、
- ツールを利用する
- 業務内容を洗い出す
- 見える化・可視化する情報を選定する
- 誰が見ても分かるシンプルな共通の判断基準をつくる
の4つがあります。それぞれ解説しましょう。
ツールを利用する
ツールと言っても多岐にわたり主に以下の4つのツールがあります。
- 作業手順書
- 動画マニュアル
- グラフやチャート
- センサーデバイス
作業手順書
作業手順書は業務の流れを明確にし、誰でも同じ手順で作業を進められるので有効なツールと言えるでしょう。製造業では、特に作業の標準化が重要であり、作業手順書はそのための重要なツールとなります。
例えば、製品の組み立て手順を明確に記載した作業手順書を用いることで、作業者間のバラツキを減らし、製品の品質を一定に保つことが可能となります。
動画マニュアル
動画マニュアルは視覚的に作業手順を理解でき、文字だけの手順書よりも直感的に理解することが可能です。製造業では、特に複雑な作業手順や機械の操作方法を覚える際に、動画マニュアルは非常に有用です。
例えば、新型の機械を導入した際に、その操作方法を動画で撮影し、動画マニュアルとして活用することで、作業者が迅速に新しい機械の操作方法を習得することが可能となります。
動画マニュアルでおすすめのソフトウェアとしてはtebikiの動画マニュアルなどがあります。
グラフやチャート
グラフやチャートは数値データを視覚的に表現でき、データの傾向やパターンを一目で把握することが可能です。製造業では、生産量や品質データ、機械の稼働率などの数値データを扱うことが多いでしょう。数値データをグラフやチャートにすることで、データの傾向を把握しやすくなり、現場改善のための意思決定を行いやすくなります。
センサーデバイス
センサーデバイスは機械の稼働状況や環境条件など、目に見えない情報を可視化できます。製造業では、機械の異常発生を早期に検知したり、作業環境を改善したりするためにセンサーデバイスの活用は不可欠です。
例えば、温度や振動センサーを機械に取り付けることで、機械の異常を早期に検知し、大きなトラブルを防ぐことが可能となります。また、環境センサーを活用することで、作業環境の温度や湿度をモニタリングし、作業者の作業効率や安全性を向上させることが可能です。
業務内容を洗い出す
製造業での見える化の手法のひとつとして考えられることは、業務内容を洗い出すことです。なぜなら、業務の全体像を理解することが、問題点の特定や改善策の立案に繋がるからです。
例えば、製造ラインの各工程を詳細に洗い出し、見える化することで、ボトルネックや無駄な工程が明らかになります。結果として、具体的な改善策を考えるための情報が得られます。
見える化・可視化する情報を選定する
全ての情報を見える化すると情報過多になり、重要な情報が埋もれてしまう可能性があるため、見える化・可視化する情報を選定しましょう。
例えば、製造工程の中で特に問題が発生しやすい工程や、生産効率に大きな影響を与える工程の情報を優先的に見える化することで、効果的な改善が可能となります。
誰が見ても分かるシンプルな共通の判断基準をつくる
共通の判断基準があることで、全員が同じ視点で情報を理解し、適切な行動を取ることが可能となるため、誰が見てもわかる共通の判断基準をつくりましょう。
例えば、製品の良品・不良品を判断する基準を明確にし、見える化することで、全員が同じ基準で製品の品質を判断できます。結果として、品質のバラつきを減らし、製品の品質向上につながります。
見える化・可視化の事例
見える化・可視化の事例として、
- 事務の事例
- 製造業の事例
を紹介しましょう。
事務の事例
事務作業における見える化の取り組みの具体的な事例としては、業務フローや知識の共有の可視化が挙げられます。
業務フローの可視化は、業務の手順書を文章や図を用いて作成し、全社員で共有できる状態にすることです。社員が業務の正しい手順を理解でき、情報の伝達ミスによるトラブルの減少が期待できます。
知識の可視化は、社員一人ひとりが持つ知識、さらに言えば経験・ノウハウ・スキルなどを共有することです。社員全体のスキルアップが可能で、情報を蓄積することで、資料作成や営業事務の営業にも役立つでしょう。
製造業の事例
製造業の現場で見える化を実現するひとつの方法として、IoTを活用したデータの可視化があります。
インターネットを通じて、設備や機械情報をクラウド等に集約し、データをグラフを使って表示したり、数字で表示したりすることで、データを見える化することで効果があげられます。
これにより見える化した結果、現場の状況を把握でき、迅速な現場対応や現場改善が可能となります。
また、生産管理システムを導入することも製造現場の見える化を実現する手段のひとつでしょう。生産管理システムとは、製造現場における生産工程を総合的に管理できるシステムのことです。システム上で製造の実績や工程を管理し、全体に共有すれば、現場の見える化の実現が可能です。
関連記事:生産管理システムとは?製造業で導入するメリットやデメリットをわかりやすく解説
見える化/可視化をして業務改善をしよう!【まとめ】
この記事では、製造業に勤めている人や現場改善をしたい人を対象に、見える化と可視化の概念、違い、背景、メリット・デメリット、具体的な実施方法、そして事例について詳しく解説しました。
見える化とは、いつでも見える状態にしておき、判断基準が関係者に共有されている状態を指します。一方、可視化は必要な時に見えるようにする意味で使われ、可視化は見える化の一部です。
見える化や可視化の取り組みは、問題の早期発見、属人化の解消、ムダの削減、情報の共有など、業務改善に大きなメリットをもたらしますが、情報過多や業務効率の低下、従業員へのプレッシャーなどのデメリットを考える必要もあるでしょう。
見える化や可視化の具体的な実施方法としては、作業標準書、動画マニュアル、グラフやチャートの活用、センサデバイスの導入などがあります。
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