現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 製造業における品質改善/向上8つの手法は?品質バラつき防止の取組事例を解説

「自社の製品品質や作業品質が安定しない」「品質バラつき防止のための取り組み事例は何がある?」このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。本記事では、品質改善/品質向上の重要性や製造業における品質改善/向上で代表的な8つの手法を解説します。また、品質バラつき防止の取組事例についても解説しますので、品質安定を実現するヒントを得ていただけますと幸いです。

現場改善ラボでは、株式会社良品計画の品質推進課長である今澤氏に、品質改善を「利益を生む活動」と捉えてお話しいただいたセミナー動画を以下のバナーから無料でご覧いただけます。品質改善の具体的かつ実践的な手法なども解説しているので、本記事と併せて現場改善ラボ限定の動画をご活用ください。


利益の源泉としての品質改善

品質とは?

製品の品質

製品の品質とは、自社製品が持つ特性のことを指します。

一般的に、消費者がイメージする品質は「製品に対する品質」がほとんどです。製品の品質は1つの要因ではなく、様々な要素で決まり、具体的には以下の4点で評価が決まる傾向があります。

  • 自社製品・サービス供給は安定しているか
  • 納品まで対応は早いか
  • 消費者との信頼関係はあるか
  • 顧客対応にミスはないか、不良品は発生していないか

作業の品質

作業の品質とは、生産過程の一連の流れにおける品質のことを指します。

作業の品質は、従業員のパフォーマンスに関わるものです。個人単位の作業品質を指す場合もあれば、チームとしての作業品質を指す場合もあります。具体的には、以下の4点によって評価が決まる傾向があります。

  • 作業手順に抜けやミスはないか
  • 作業工程に遅れは発生していないか
  • 標準作業フローは明確化
  • 最終的なアウトプットにバラつきはないか
  • 多能工を進める

「品質改善」と「品質向上」の 違い

品質改善と品質向上は、どちらも品質を良くする活動ですが、「現状」と「目標」が異なります

品質改善は、修正して正しい状態にする活動です。現状が本来望んでいた姿や期待していた品質状況になっていないのを改め、「不良率の高い状態を改善する」「入力ミスの多い事務処理を改善する」などのように使います。

品質向上は、今よりも上の目標を設定して、特性/バラつき/サービスを改良する活動です。現時点では問題になるような状況ではないが、「作業時間を短縮して生産性を向上する」「帳票の電子化により事務処理を楽にして従業員満足度を向上する」などのように使います。

品質改善の重要性とTQMの考え方

品質改善によって、顧客の信頼獲得につながる可能性があります。そのため、「顧客が求める品質を維持し、期日までに納品する」ことは、信頼関係を生み出し継続的な取引を生み出すために重要だとされています。
逆に、顧客の求める品質水準に合わなかったり、不良品の納品や欠品が続いたりすれば、顧客の信頼を損なうことになります。顧客満足度を向上させるには、自社製品やサービスについて繰り返し見直すことが重要です。

そのためには、会社全体で品質向上を目指していくTQMの考え方が重要になってきます。TQMとは「Total Quality Management」の略称で、日本語では「総合的品質管理」と呼ばれています。TQMは、「組織全体が一体となり、品質向上を目指す」ためにつくられました。

TQMにおけるTotalの項目は、全社的あるいは全部門的な品質の向上という意味にとらわれず、品質向上のための取り組みに制約をつくらないという一面も含まれています。TQMの狙いは、質的向上を目指すと同時に、組織におけるほぼすべての業務を向上させることにあります。

TQMについては、以下の記事で詳細に解説していますので、こちらもご覧ください。

製造業における品質改善8つの手法

品質の概要や品質改善の重要性がわかったところで、次は品質改善のための具体的な手法を学んでいきましょう。ここでは、製造業における以下の品質改善手法を8つご紹介します。

今回ご紹介している内容以外にも、品質改善活動には多くの手法が挙げられます。現場改善ラボでは、専門家が品質改善活動の具体的な手法について解説している動画も無料で公開していますので、以下よりご覧ください。


利益の源泉としての品質改善

手法① 現在の課題を深堀する

品質改善の第一歩は、現状を正しく理解することです。事実を受け入れ、取り組むべきことを明確にすることから始めます。そのために、「なぜなぜ分析」や「QC7つ道具」「新QC7つ道具」などの分析方法をご紹介します。

「なぜなぜ分析」を行う

なぜなぜ分析とは

「なぜ」を繰り返し、課題を深堀することを「なぜなぜ分析」と呼びます。

なぜなぜ分析の目的は、製造現場で発生する問題の原因を突き止め、対策を考し、現場の課題の改善を目指すことにあります。発生する問題は、業種ごとに異なり、原因を導き出す方法も複数存在します。

たとえば、設備機器の不具合が見られる場合は、「なぜ起きたのか」という因果関係をたどり、原因を特定するものです。なぜなぜ分析についてのより詳しい解説を知りたい方は別記事『改善につなげる『なぜなぜ分析の進め方』は?鉄則や落とし穴、事例を解説』もご覧ください。

そもそも、なぜなぜ分析とは、トヨタ自動車が発案した分析手法の1つ。そこで、現場改善ラボでは、実際にトヨタ社内にてなぜなぜ分析を教えていた訓練指導者をお招きし、なぜなぜ分析の方法などを動画で解説しています。本場のなぜなぜ分析を知りたい方は、以下のバナーから動画をご覧ください。


トヨタで学んだ『なぜなぜ分析』 (4)

「QC7つ道具」「新QC7つ道具」を用いる

現状分析をするための手法として、品質管理でよく知られている「QC7つ道具」「新QC7つ道具」があります。これらのツールは、情報を視覚的にわかるようにまとめる/頭の整理をするために使うことができるので、現状分析や原因分析に役立ちます。(QC=Quality Control[品質管理]の頭文字)

「QC7つ道具」と「新QC7つ道具」の違いや、実務で実践できる7つ道具の使い方などは、動画でも解説しています。元製造部門長が教える品質管理を知りたい方は、以下から動画をご覧ください。


品質問題の原因を見つける『正しいQC7道具の使い方』と『改善の考え方』 (1)
  • QC7つ道具

諸説ありますが、QC7つ道具は、弁慶の7つ道具になぞられて名づけられたと言われています。

▼QC7つ道具▼

特性要因図特性や不具合に対して影響を与えると考えられる要因をすべて書き出して、さらにその副要因を枝のように書き出して図にしたもの。
パレート図不良や作業ミスの種類を、発生頻度が多い順に並べて棒グラフにしたもの。問題発生の多い順にならんでいるので、取り組むべき課題の優先順位付けができます。
ヒストグラムサンプルをたくさん集めてデータを区間ごとに分け、頻度を棒グラフに表したもの。
管理図決まった周期でサンプリングしてデータをプロットしたもの。横軸が時間なので、ある時点での変動(郡内変動)とサンプリング周期ごとの変動(群間変動)を見ることができます。
散布図2つのものを比較して、相関があるかを調べるときに使うグラフ。同じ型式の計測器が同じ値を示すかを確認したり、場所を移動する前後で同じ値を示すかなどを確認することができます。
グラフ情報を視覚的にわかりやすくするために図にしたもの。折れ線グラフ/円グラフ/レーダーチャートなど、いろいろな種類のグラフがあります。
チェックシート品質管理において重要なのは、定期的に状態を知ることです。設備から異音がしていないかを毎朝確認したり、職場がきれいに片付いているかを確認するのにチェックシートを使います。
QC7つ道具

QC7つ道具について、記事でより詳しく知りたい方は以下も併せてご覧ください。実際の製造業務に当てはめてわかりやすく解説しています。

  • 新QC7つ道具

新QC7つ道具は数値を扱うQC7つ道具と異なり、言語データなどのあいまいな情報を整理し、課題を明確にしたいときに使うツールです。

▼新QC7つ道具▼

親和図法漠然とした課題に対して情報や意見を集め、関連性の高い情報をグルーピングして整理する手法。
連関図法問題に対して複雑に入り組んだ要因を書き出し、その背後にある2次要因や、影響をおよぼす複数の要因などを図示したもの。問題から「1次要因」、「2次要因」をつなげて関連性を整理する手法が連関図法です。
系統図法解決したい問題や達成したい目標を先頭にして、それを実現するための目的と手段を樹形図のように書き表したもの。目標を達成するための手段を深堀して、実行できる施策に落とし込んでいくための手法が系統図法です。
マトリックス図法いくつか問題がある中でどれを優先的に取り組むかを決めたいときに使います。問題が発生する状況を2つの観点で行列を作り、クロスする点が多い項目から優先的に取り組むという使い方をします。仕事の効率がよくなることが期待できます。
アローダイアグラム法作業を矢印でつないで仕事の流れを図示したもの。
PDPC法あらかじめ「こういう事が起きたらこうする」という計画を立てておくためのツール。計画通りにいかないことを想定して、事前に代替案を作っておくような使い方をします。
マトリックス・データ解析法新QC7つ道具の中で唯一数値データを扱う手法。複雑に入り組んだ多くの因子を、なるべく少ない項目でまとめて見通し良くする=わかりやすくします。
新QC7つ道具

新QC七つ道具について、詳しい記事を読みたい方は以下も併せてご覧ください。各手法の活用ポイントなどを解説しています。

手法② PDCAサイクルに取り組む

PDCAサイクル

「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」のサイクルを繰り返し回すことで、段階的に品質改善や職場の効率化を図るのがPDCAサイクルの考え方です。

たとえば、伝票処理に1時間かかっていたとします。これを1日に4枚処理するだけで半日かかってしまいます。原因は、1つの伝票ごとに上司へ確認/承認をもらっているため、上司がいるときにしか処理が進まないためだと分析できました。この状況を改善すべく活動することにしたとします。

  • PLAN:4件の伝票を先に作成し、まとめて確認/承認をもらうように業務フローを変える
  • DO:1週間伝票処理の方法を変える
  • CHECK:業務フローを変える前後で、仕事の効率がどれだけ良くなったかを確認する
  • ACTION:効果ありと判断されたら、作業手順書や規定類を改訂してルール化する

PDCAサイクルは1回で終わりではありません。伝票処理のワークフローを再確認すると、伝票を印刷する時間/ハンコを押す時間/確認者や承認者のデスクまで運ぶ時間など、まだまだ削減できそうなところがあります。これらを作業分析して、PDCAを2、3回実行すると、どんどん効率よい職場にできますよね。

このように、PDCAサイクルを回すメリットには「目標がわかりやすくなる」「業務改善の方法を短時間に検証できる」「業務が継続的に改善され、効率が上がる」などがあります。

達成すべき目標を自分たちで設定すれば、従業員のモチベーションアップにつながります。PDCAサイクルが上手く回り始めれば正のスパイラルになり、より高い目標を達成したり、業務改善する意識が当たり前になったりするでしょう。

手法③ 業務のムダを取り除く

業務のムダとは、行っている作業工程における不要な部分です。例として以下があります。

  • 過剰な手順
  • 過剰な在庫
  • ムダな移動
  • ムダな手作業 など

業務のムダを取り除くことで、エラーやミスが減少し、品質改善につながると考えられます。さらに、時間や経費といったコストも削減できるため、利益率が大きくなります。効率化に伴い、生まれた余剰資源を利用して、新規事業に着手することも可能でしょう。

作業現場におけるムダの見つけ方や改善方法については、動画で詳しく解説しています。3M(ムリ、ムダ、ムラ)や生産性向上にご興味がございましたら、以下のバナーから動画をご視聴ください。


3M(ムリムダムラ)の視点と改善  製造業の品質向上と生産性向上への鍵

また、業務のムダを徹底的に取り除いた代表的な事例が「トヨタ生産方式」です。ムダな在庫や作業を現場から取り除くことで、在庫過多による経営圧迫を避けることを狙った方式となっており、特に「7つのムダ」と呼ばれる要素を、徹底的に取り除いていきました。トヨタ生産方式や7つのムダについては、以下の記事で詳細に解説していますので、併せてご覧ください。

手法④ 多能工を進める

多能工とは、1人で複数の業務を進められることを指します。多能工化を推進することで、「組織全体の業務フローを理解した、高い品質意識を持つ従業員」を増やせるでしょう。その結果、品質改善/生産性の向上/バリエーションに富んだ生産工程を組むことが可能になります。

業務の属人化・多能工

多能工化は、おもに製造業の現場などで推し進められています。しかし、時代の変化により様々な業界で多能工化が必要とされるようになりました。とくにサービス性が多岐にわたるホテル業や、レジや鮮魚などの部門が多いスーパーマーケットなどの流通業などでは多能工化が重要になってきており、他社との競合に勝つために柔軟な対応力が求められるようになっている背景があります。

多能工化のメリットやデメリットは、別記事『多能工とは?メリット/デメリット、失敗しない進め方を解説』をご覧ください。専門家による多能工化の進め方を動画でチェックしたい方は、以下のバナーから解説動画をチェックしていただけますと幸いです。


省人化による生産性_品質低下を改善する『多能工化の進め方』

手法⑤ 技術/技能の伝承に取り組む

スキルの高い人がいつまでも職場にいるとは限りません。ベテラン従業員が定年退職したり、事情で退職/転職したりするケースが多々あります。そのような時に、急に仕事の効率が下がったり、品質不良が起きたりしては困ります。

高度な技術や技能は属人化になりがちですが、これを避けるために以下の方法などで伝承することが重要です。

  • カンコツを手順書に記載する
  • お手本の作業者の動きをビデオに残す

ほかにも、顧客からのクレーム対応の記録を残す/改善活動を年度ごとに電子掲示板に残すなど、後世の人が過去の活動の様子がわかるように記録を残しましょう。

技術伝承を成功させるポイントをまとめた資料のご用意もございます。技術伝承を進める際の課題なども掲載していますので、ご興味のある方は以下から資料をダウンロードのうえご覧ください。


技術伝承を成功させるポイント-2

手法⑥ QCサークル活動に取り組む

QCサークルとは、職場で働く人たちを数人の小グループに分けて、職場の課題に対してテーマを見つけ、共同で改善する活動です。小集団活動とも言われます。

各小集団ごとにリーダーを決め、打ち合わせの書記を取る人/データを取る人/発表する人など、各自に必ず1つ役割を与えます。そうすることで活動への参加意識を高め、チームでの達成感を共有できるようにします。QCサークル活動では、「課題達成型」や「問題解決型」など、活動の目的によって型が決まっているので、過去の事例を自分の職場課題にアレンジしやすく、取り組みやすい品質改善活動です。

現場改善ラボでは、QCサークル活動を成功に導くためのポイントを動画でも解説しています。製造業に従事して50年、品質管理から製造技術まであらゆる業務に従事した専門家による解説動画を視聴したい方は、以下のバナーからご覧ください。記事で読みたい方は、『【事例付】QCサークル(小集団改善)活動の進め方とは?』も活用いただけますと幸いです。


形骸化させない『トヨタ式』QCサークル活動の進め方

手法⑦ 変化点管理に取り組む

多くのトラブルが「変化点(製造工程で何かを変化させたときのこと)」に起因しています。たとえば、「銀行のシステムを最新版にしたらATMが広域で動かなくなってしまった」など、良くしたはずなのに別の問題が発生するということがたびたび起こります。

改善活動を良い結果に結びつけるためには、以下のような変化点管理が重要です。

  • 変更を導入する前にリスクを検証する
  • 変更に際して、確認項目を決める
  • 事前にテスト導入をして、問題が発生しないことを確認する

上記のような準備を行い、その結果をチームで検証/承認して導入しましょう。

導入して終わりではなく、初期流動管理と呼ばれる「確認期間」を経て変更活動をクローズします。このような変更点管理の仕組みを構築することが重要です。

元デンソーで、現在は大学院で「生産マネジメントシステム論」の講義を担当している原嶋氏に変化点管理について解説いただいている動画のご用意もございます。実践的な変化点管理の方法を知りたい方は、ぜひご覧ください。記事でご覧になりたい方は、別記事『品質を担保する変化点管理の進め方は?』をご覧いただけますと幸いです。


トヨタ流品質管理に学ぶ!初めての変化点管理

手法⑧ 業務品質の標準化を徹底する

業務品質の標準化とは、「業務品質の基準を作り、その基準に対して正しく実行する」ことを指します。業務品質の標準化を行えば、品質のバラつきが削減でき、品質改善につながるでしょう。

標準化を行うには、まずルールを浸透させる必要があります。とはいえ、ルールを浸透させるのは簡単なことではないでしょう。職場内のルールが守られない原因の1つは、「なぜこのルールが存在するのか」という目的や重要性が理解されていない点にあります。

ルールの目的は従業員が多数集まる場所、たとえば朝礼や夕礼の場所で繰り返し周知を促すことが重要です。言葉の認識や基準は人によって違いがあるため、動画を活用してルールを周知させると良いでしょう。動画を活用すれば、教育工数の削減/理解度の向上にもつながります。

業務標準化のメリットなど、基礎知識を知りたい方は別記事『現場の生産性を上げる業務標準化の進め方とは?実現に向けた取り組みを徹底解説をご覧ください。

また、業務標準化の具体的な手法は、動画でも詳しく解説しています。従業員に対する意識共有/参加を促すポイントなども解説していますので、チーム一丸となって標準化を進めたい方は、以下のバナーから動画をご視聴ください。

品質改善/向上には、標準化の徹底が不可欠

標準化とは、「製品などの形・大きさ・性能・測定方法などを一定の“取り決め”に従って統一していく活動のこと」です。(引用元:日本規格協会「JIS規格ってなに?」

物の形状だけでなく、会社でのルールも共通化が必要です。部門ごとに違う伝票を使っていたり、工程ごとに異なる作業ルールにしたりしていたら、仕事を効率的に進められません。そのため、全従業員が同じルールの下で、同じ作業ができるようにする必要があります。

業務標準化を徹底すべき理由については、以下の資料でより詳しく解説していますので参考情報としてご活用ください。

標準化が進まない理由

品質改善において、標準化は非常に重要です。しかし、以下のような理由から標準化を進めるのは難しいと考えられます。

  • 標準類の内容がわかりにくい
  • 標準類の通りに実行するのが困難
  • 教育不足によって理解できていない
  • 教育者によって指導内容が異なる など

これらの理由を解消するためには、「動画」の活用がおすすめなのです。

標準化を進めるには動画がおすすめ

品質改善の手法として『業務品質の標準化を徹底する』の章でも少しご紹介しましたが、標準化を徹底させるなら動画の活用がおすすめです。ここでは、動画の活用がおすすめである理由を詳しく解説します。

動画を活用するメリットや導入方法などを、1冊にまとめたガイドブックのご用意もあります。教育効果などを詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

読解力や言語の差に左右されない

文章や口頭で説明する場合、受け手の解釈に幅が出てしまい、上手く標準化の基準を伝えられない可能性があります。一方、動画は内容を「目で見て」理解するため、解釈に幅が出ず、正しい内容を伝達できるでしょう。また、動画ならば外国人従業員の方へも、内容を伝えやすいというメリットがあります。

自分のペースで何度でも復習できる

対面での教育と違って、動画を活用すれば自分の都合の良い時間に学習を行えます。また、難しい部分を繰り返し動画を視聴し、理解を深めることもできるでしょう。

教育工数を大幅に削減できる

標準化する内容を伝えるには、何度も周知を促す必要があります。そのため、教育工数が膨大になり、生産性が低下してしまうことも……。しかし、「標準化については動画を見る」という方法を取れば、教育工数を大幅に削減できます。その中でもしもわからないことがあれば、熟練者に聞くというフローにすれば、メリハリのある教育体制を実現でき、効率的に標準化を進められるでしょう。

動画マニュアル作成なら「tebiki」にお任せ!

動画活用によるメリットはご理解いただけたかと思いますが、「動画編集のスキルがないから、動画を活用できない」とお思いの方が少なくないでしょう。たしかに、一般的な動画編集ソフトを使用する場合はある程度のパソコンスキルが必要ですが、動画マニュアル作成ツール『tebiki』であれば、誰でもかんたんに動画の編集が可能です。

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼

誰でもかんたんに編集~管理が可能

tebikiを使う最大のメリットは、誰でもかんたんに効率よく動画マニュアルを作成できることです。このかんたんさを実現しているおもな理由として、以下の特長が挙げられます。

  • シンプルな操作画面
  • 現場教育に必要な機能を厳選
  • スマートフォンなどで撮影するだけで動画マニュアルが作成できる

実際に導入いただいている企業からは、「パソコンの操作すら知識が浅かったけれど、tebikiならマニュアルをかんたんに作成できた」という声をいただいています。

また、tebikiは動画マニュアルをクラウド上に一元管理できるため、「マニュアルをどこに保存したかわからない」という事態がなくなり、活用されやすい体制を構築できるでしょう。

tebikiなら実現できる!現場改善/現場教育の主な機能

tebikiには、現場改善や現場教育を行うために必要な機能が搭載されています。以下でご紹介するのは、その代表的な機能です。tebikiのサービスについて、より詳しく知りたい方は以下の資料も併せてご覧ください。


動画マニュアルがかんたんに作れる「tebiki」の概要を見る

習熟度管理

動画編集機能だけではなく、テスト機能レポート機能があるため、習熟度の管理が可能です。そのため、「マニュアルを作って終わり」ではなく作成の目的への効果を出しやすいでしょう。

テスト機能テストをオリジナルで作成できる機能です。回答形式は、単一選択式/複数選択式/記述式が選べます。作成時に正解となる回答を入力できるため、自動採点が可能です。
レポート機能ユーザーごとのマニュアル視聴状況などが可視化できる機能です。アクセスされているマニュアルのランキングもわかるため、従業員がどの項目を理解していないのかもわかります。

自動字幕生成

動画の撮影時に声を吹き込めば、音声認識機能により字幕が自動生成されます。編集時に音声上書きもできるため、撮影時にナレーションをつけられなかったときでも対応可能です。

自動翻訳

動画に字幕を入れていただければ、その字幕を100か国語以上の言語への翻訳が可能です。翻訳の精度は非常に高く、導入いただいた企業からは「マニュアルの翻訳工数がゼロになった」という声もいただきました。

翻訳は、動画再生画面の言語選択欄で翻訳したい言語を選ぶだけでOK! 言語によっていくつもマニュアルを作らずに済むため、管理も手間なく行えます。

オフライン再生

1度tebikiで動画マニュアルを最後まで閲覧すると、ブラウザに動画のキャッシュが残ります。そのため、インターネット環境がないオフライン状態でも動画を閲覧することができます。

万全なセキュリティ対策

社内で周知させたい標準化の内容には、社外秘の情報もあるでしょう。そんなときでも、tebikiならば安心です。tebikiは、国際規格ISO27001を取得しているため、暗号化通信/監視ログ/IP制限など安心安全の体制をとっています。IPアドレス制限/2要素認証といった制御機能もあるため、第三者からのアクセスを防ぐことも可能です。

品質のバラつき防止に取り組んだ企業事例

品質がバラついていた状態から、tebikiの活用により品質改善を実現した製造業の企業事例をご紹介します。より多くの業界の事例を知りたい方は、以下の活用事例集も併せてご覧ください。


tebiki導入事例集

大同工業株式会社

大同工業株式会社は、自動車/産業機械/福祉機器などさまざま領域を展開し、2022年には海外11カ国に拠点を持つグローバル企業です。言語化しにくい高度な技術が多いゆえに、業務手順が“我流化”し、品質にバラつきが発生していることを課題視していました。

この我流化を防ぐために、社内に動画マニュアルtebikiを導入。各メンバーが持つカンやポイントを活かしながらマニュアルを整備したことで、業務の効率化や最適化、最終的には部内での業務標準化を実現し、評価エラーを削減することを実現しました。大同工業株式会社の取り組み事例は、以下の資料で詳細にご紹介しています。

大同工業株式会社のインタビュー記事をもっと読みたい方は、以下からご覧ください。

新日本工機株式会社

工作機械や遠心力鋳造管の製造販売を行っている新日本工機株式会社では、作業の標準化ができておらず、基準が曖昧な状態で仕事を進めてしまっていた過去がありました。そこで、標準化プロジェクトを立ち上げて、動画マニュアルtebikiの導入を決定。

文字ベースのマニュアルから動画に置き換えることで、作業手順を視覚的にわかりやすく伝えることに成功し、作業品質の安定を実現しました。さらに、tebikiの自動翻訳機能により、海外向けの手順書作成の工数がゼロに。プロジェクトメンバーへの負担軽減という点でも大きな効果を発揮できました。

新日本工機株式会社のインタビュー記事をもっと読みたい方は、以下からご覧ください。

日世株式会社

⽇世株式会社は、日本で唯⼀のソフトクリーム総合メーカーです。⽂章だけのマニュアルや対面での教育依存に限界を感じ、動画で繰り返し学べる環境を求めて、動画マニュアルtebikiを導入いただきました。

効果として大きく感じていただいているのは、⼊職時研修の教育工数削減です。tebikiの導入によって、なんと教育者の⼿間が1/10に!教育工数を削減できただけでなく、正しい内容がしっかり新⼈に伝わるので、新⼈スキルのボトムアップにつながっているそうです。お話を伺った品質管理担当の方からは、「⼯場全体の効率と品質が向上しているのを実感しています」という嬉しい声もいただいています。

⾼品質/⾼安全/お客様第⼀の製品作りを追求している日世株式会社のインタビュー記事をもっと読みたい方は、以下からご覧ください。

品質改善/品質向上を実現する5つのポイント

品質改善を実現する以下のポイントを、1つずつ解説します。

可視化

可視化とは、目に見えないものをデータ化して分かりやすくすることです。品質改善着手前の状態を、エクセルやドキュメントで記しておき、取り組み後にどのような効果があったのかを一目でわかるようにします。

具体的には、以下の内容をまとめるのがおすすめです。

  • 品質向上を対象とする範囲
  • 品質を形成している要素
  • 基準とする業務の状況 など

この段階で課題を定量的に組み込むことが難しければ、まずは定性的な状態について整理していきましょう。

以下に、業務の可視化を行えるExcelのテンプレートをご用意しています。現場改善ラボのメルマガを登録するだけで、無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

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定量化

定量化とは、可視化のプロセスで得た情報をさらに細かく数値化するための作業です。この作業において定量化した結果に合わせて品質改善についての計画を立てていくので、可能な限り数値を具体的にする必要があります。

項目は業種により異なりますが、具体的には以下を組み込むことが多いです。

  • 1ヶ月における案件数
  • 1件あたりの処理対応期間
  • 1件にかかるメンバー数
  • 1ヶ月で発生したミスの件数 など

業務情報の定量化が終わったら、最終目標も定量化します。段階を経て改善をしていくことが望ましいため、中間地点の目標値も設定もおすすめです。

課題化

課題化とは、設定した「目標」と「現状の数値」において欠落している部分を確認し、課題を明確にする作業です。課題が明確になったら、課題を解決するための解決策を検討し、実行に移していくことになります。

解決策については、具体的に業務と照らし合わせておくことで計画が細かく正確になり、迅速にアクションを起こせるようになります。チーム単位における業務の照らし合わせができたら、所属メンバーにタスクを割り振れるように細分化していきましょう。

実践化

実践化とは、打ち立てた品質改善案に沿って実践していくことです。

計画の進行においては、最初に打ち立てた計画通りに全てが進行していくことはまれで、どこかで何かしらのズレが発生することが多いです。定期的に目標値や計画との差を見直し、計画を修正しながら根気強く取り組んでみましょう。

当初設定した合格値の範囲内まで品質基準が向上すれば、品質改善に成功したということになります。あらかじめ想定していた解決策によって品質が向上しなければ、設定した課題が間違っていた可能性もあるので、課題化のプロセスから見直しを検討することをおすすめします。

定着化

品質は一時的に改良しただけでは、安定的な向上は見込めません。組織の変更やサービスの状況によって、品質は少しずつ変動していきます。実践化のプロセスによって、どの手法が品質改善に最も効率的か分かったら、その手法を定着させるための方法を話し合いましょう。

たとえば、作業者が変わる場合、業務マニュアルの更新を通達し、業務に関わるメンバーへ情報共有をすることが必須となります。使用する機械が変わる場合は作業手順書を分かりやすくしておく、使い方を説明するための講習会を開くなどの手法が挙げられます。

製造業における品質宣言例

ここでは、企業や組織が品質に関する方針や取り組みを公式に宣言している「品質宣言」の例を、製造業社のみピックアップしてご紹介します。製造業の企業がどのような品質宣言を出しているのか、チェックしましょう。

株式会社ブリヂストン

株式会社ブリヂストン 品質宣言

【引用元:品質・お客様価値(株式会社ブリヂストン

ブリヂストンの品質に対する考え方は、「事業や製品において最高の品質を提供することが、社会に貢献し、企業として繁栄し続ける唯一の方法である」という創業者 石橋正二郎の信念に由来します。1960年代初めには、創業者の指揮のもと、品質を中心としてマネジメントシステム全般の強化を図る改革計画をデミング博士の理念に基づいて始動しました。

キヤノン株式会社

キヤノンは、1964年、ノークレーム・ノートラブルWsup を品質の基本理念として掲げました。これは、キヤノンの企業理念「共生」のもと、今も変わることのない、キヤノンの品質に対する基本的な考え方です。優れた品質の製品とサービスを提供することで、その製品とサービスが、世界中のお客さまに信頼され、心からご満足いただけることを目指しています。

【引用元:品質マネジメント(キヤノングローバル)

株式会社住化分析センター

株式会社住化分析センター SCASの品質保証

【引用元:品質方針と品質保証活動(株式会社住化分析センター

株式会社住化分析センターの『品質方針と品質保証活動』より一部抜粋してご紹介します。

「安全・健康・品質・環境に関する基本方針」および「全社品質方針」のもとに、各ラボラトリー、事業部門をはじめ全部門が品質保証活動を実施し、品質保証レベルの向上に努めています。

▶安全・健康・品質・環境に関する基本方針
分析および関連技術を通じて価値ある商品・サービスを提供することによって人と社会の発展に貢献することを使命とし、「人を大切にし、活力溢れる企業風土の醸成」、「お客様、社会からの信頼」を経営の基本理念として活動している。

▶全社品質方針
当社は、最高の分析評価技術を通じて人類と社会に貢献する。お客様への製品提供に際し、法令の遵守、公正かつ公明な取引、秘密保持、品質に関する社内規定を守り、お客様の信頼と満足を得る品質を提供する。当社は、品質活動方針を定め、品質改善の取組みを計画し実施する。また、その進捗状況を継続的かつ定期的にレビューし、次期の品質活動方針、活動計画に反映させることによりPDCAサイクルを回して品質保証体制の維持、改善を図る。

まとめ

品質改善を行う理由はいくつか考えられますが、その最たるものとして「顧客との信頼関係を獲得し継続してもらうこと」が根底にあります。近年の品質改善においては、あるセクションの一部のみの品質を限定的に引き上げるのではなく、組織全体の品質を上げるという認識に変わってきています。

本記事では、品質改善において標準化が重要であるとお伝えし、その標準化を推進させるツールとして「動画マニュアルtebiki」を紹介しました。tebikiの活用によって、標準化を達成できるだけではなく、効率的なマニュアル整備や教育状況の可視化も可能になるため、ご興味のある方はぜひ利用を検討してください。


動画マニュアルがかんたんに作れる「tebiki」の概要を見る

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