現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 【品質改善】製造業の品質向上策9選!改善事例も解説

かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」を展開する、現場改善ラボ編集部です。

品質向上とは、業務プロセスや製品の品質を改善し、顧客に提供する「価値」を高める活動全般を指します。業務効率の向上やコスト削減にも繋がり、企業の競争力強化に不可欠です。本記事では、製造業における品質改善/向上で代表的な9つの手法を解説します。取組事例についても解説しますので、品質安定を実現するヒントを得ていただけますと幸いです。

目次

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製造業における品質向上とは?

製品の品質向上

製品の品質向上とは、最終的に顧客に届けられる製品そのものの質を高めることを指します。製品の種類や顧客のニーズによって大きく異なりますが、一般的には以下の要素が含まれます。

  • 機能性
  • 使いやすさ
  • 安全性
  • デザイン など

作業の品質向上

作業の品質向上とは、製品を作る・サービスを提供するといった「作業」そのものの質を高めることを指します。作業品質の向上は、製品品質向上に直接繋がる重要な要素です。作業の種類によって異なりますが、一般的には以下の要素が含まれます。

  • 正確性
  • 効率性
  • 安全性
  • 一貫性 など

現場改善ラボでは、品質問題の原因を洗い出す手法について解説したセミナーを無料配信中です。「はじめて分析をする」という方でもわかりやすく解説していますので、以下をクリックして動画をご視聴ください。

「品質向上」と「品質改善」の違い

品質改善と品質向上は、どちらも品質を良くする活動ですが、「現状」と「目標」が異なります

品質改善は、修正して正しい状態にする活動です。現状が本来望んでいた姿や期待していた品質状況になっていないのを改め、「不良率の高い状態を改善する」「入力ミスの多い事務処理を改善する」などのように使います。

品質向上は、今よりも上の目標を設定して、特性/バラつき/サービスを改良する活動です。現時点では問題になるような状況ではないが、「作業時間を短縮して生産性を向上する」「帳票の電子化により事務処理を楽にして従業員満足度を向上する」などのように使います。

以下からは、製造業における品質改善/品質向上策をご紹介します。

製造業における品質改善/品質向上策9選

品質の概要や品質改善の重要性がわかったところで、次は品質改善のための具体的な手法を学んでいきましょう。ここでは、製造業における以下の品質改善手法を9つご紹介します。

今回ご紹介している内容以外にも、品質改善活動には多くの手法が挙げられます。現場改善ラボでは、専門家が品質改善活動の具体的な手法について解説している動画も無料で公開していますので、以下よりご覧ください。


利益の源泉としての品質改善

手法① 現在の課題を深堀する

品質改善の第一歩は、現状を正しく理解することです。事実を受け入れ、取り組むべきことを明確にすることから始めます。そのために、「なぜなぜ分析」や「QC7つ道具」「新QC7つ道具」などの分析方法をご紹介します。

「なぜなぜ分析」を行う

なぜなぜ分析の全体像が分かる図

「なぜ」を繰り返し、課題を深堀することを「なぜなぜ分析」と呼びます。

なぜなぜ分析の目的は、製造現場で発生する問題の原因を突き止め、対策を考し、現場の課題の改善を目指すことにあります。発生する問題は、業種ごとに異なり、原因を導き出す方法も複数存在します。

たとえば、設備機器の不具合が見られる場合は、「なぜ起きたのか」という因果関係をたどり、原因を特定するものです。なぜなぜ分析についてのより詳しい解説を知りたい方は別記事『改善につなげる『なぜなぜ分析の進め方』は?鉄則や落とし穴、事例を解説!』もご覧ください。

そもそも、なぜなぜ分析とは、トヨタ自動車が発案した分析手法の1つ。そこで、現場改善ラボでは、実際にトヨタ社内にてなぜなぜ分析を教えていた訓練指導者 伊藤氏をお招きし、なぜなぜ分析の方法などを動画で解説しています。本場のなぜなぜ分析を知りたい方は、以下のバナーから動画をご覧ください。


トヨタで学んだ『なぜなぜ分析』 (4)

「QC7つ道具」「新QC7つ道具」を用いる

現状分析をするための手法として、品質管理でよく知られているQC7つ道具」と「新QC7つ道具があります。これらのツールは、情報を視覚的にわかるようにまとめる/頭の整理をするために使うことができるので、製造品質の現状分析や不良発生時の原因分析に役立ちます。(QC=Quality Control[品質管理]の頭文字)

▼QC7つ道具の一覧

  • パレート図
  • 特性要因図
  • グラフ(層別)
  • ヒストグラム
  • 散布図
  • 管理図
  • チェックシート

▼新QC7つ道具の一覧

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリックスデータ解析法

QC7つ道具と新QC7つ道具の詳しい解説は、別記事「品質改善につなげる!QC7つ道具と新QC7つ道具の使い方」をご覧ください。

現場改善ラボではQC7つ道具/新QC7つ道具それぞれの分析方法、品質改善の考え方について、専門家による解説動画を無料で公開中です。それぞれ以下のリンクをクリックするとご覧いただけますので、ぜひご活用ください。

手法② PDCAサイクルに取り組む

PDCAサイクルイメージ図

「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」のサイクルを繰り返し回すことで、段階的に品質改善や職場の効率化を図るのがPDCAサイクルの考え方です。

たとえば、伝票処理に1時間かかっていたとします。これを1日に4枚処理するだけで半日かかってしまいます。原因は、1つの伝票ごとに上司へ確認/承認をもらっているため、上司がいるときにしか処理が進まないためだと分析できました。この状況を改善すべく活動することにしたとします。

  • PLAN:4件の伝票を先に作成し、まとめて確認/承認をもらうように業務フローを変える
  • DO:1週間伝票処理の方法を変える
  • CHECK:業務フローを変える前後で、仕事の効率がどれだけ良くなったかを確認する
  • ACTION:効果ありと判断されたら、作業手順書や規定類を改訂してルール化する

PDCAサイクルは1回で終わりではありません。伝票処理のワークフローを再確認すると、伝票を印刷する時間/ハンコを押す時間/確認者や承認者のデスクまで運ぶ時間など、まだまだ削減できそうなところがあります。これらを作業分析して、PDCAを2、3回実行すると、どんどん効率よい職場にできますよね。

このように、PDCAサイクルを回すメリットには「目標がわかりやすくなる」「業務改善の方法を短時間に検証できる」「業務が継続的に改善され、効率が上がる」などがあります。

達成すべき目標を自分たちで設定すれば、従業員のモチベーションアップにつながります。PDCAサイクルが上手く回り始めれば正のスパイラルになり、より高い目標を達成したり、業務改善する意識が当たり前になったりするでしょう。

手法③ 業務のムダを取り除く

業務のムダとは、行っている作業工程における不要な部分です。例として以下があります。

  • 過剰な手順
  • 過剰な在庫
  • ムダな移動
  • ムダな手作業 など

業務のムダを取り除くことで、エラーやミスが減少し、品質改善につながると考えられます。さらに、時間や経費といったコストも削減できるため、利益率が大きくなります。効率化に伴い、生まれた余剰資源を利用して、新規事業に着手することも可能でしょう。

現場改善ラボでは、作業現場におけるムダの見つけ方や改善方法の解説動画を公開中。3Mを現場で行うためのポイントもご紹介していますので、実践的な方法を知りたい方は以下をクリックしてご覧ください。

手法④ 多能工を進める

多能工とは、1人で複数の業務を進められることを指します。多能工化を推進することで、「組織全体の業務フローを理解した、高い品質意識を持つ従業員」を増やせるでしょう。その結果、品質改善/生産性の向上/バリエーションに富んだ生産工程を組むことが可能になります。

業務が属人化している場合とそうでない場合の業務フロー比較図

多能工化は、おもに製造業の現場などで推し進められています。しかし、時代の変化により様々な業界で多能工化が必要とされるようになりました。とくにサービス性が多岐にわたるホテル業や、レジや鮮魚などの部門が多いスーパーマーケットなどの流通業などでは多能工化が重要になってきており、他社との競合に勝つために柔軟な対応力が求められるようになっている背景があります。

多能工化を推進すべき理由や進める方法は、別紙のガイドブックで詳しく解説しているので、以下のリンクをクリックして参考資料をご覧ください。

手法⑤ 技術/技能の伝承に取り組む

スキルの高い人がいつまでも職場にいるとは限りません。ベテラン従業員が定年退職したり、事情で退職/転職したりするケースが多々あります。そのような時に、急に仕事の効率が下がったり、品質不良が起きたりしては困ります。

高度な技術や技能は属人化になりがちですが、これを避けるために以下の方法などで伝承することが重要です。

  • カンコツを手順書に記載する
  • お手本の作業者の動きをビデオに残す

ほかにも、顧客からのクレーム対応の記録を残す/改善活動を年度ごとに電子掲示板に残すなど、後世の人が過去の活動の様子がわかるように記録を残しましょう。

現場改善ラボでは、「品質不良を改善するトヨタ式技能伝承」を元トヨタのトップ技能者が解説した動画も無料公開しています。品質不良の原因の1つである技能伝承の停滞を解消するために、以下からぜひご視聴ください。


元トヨタのトップ技能者に聞く、品質不良を改善するトヨタ式技能伝承

手法⑥ QCサークル活動に取り組む

QCサークル活動とは、職場で働く人たちを数人の小グループに分けて、職場の課題に対してテーマを見つけ、共同で改善する活動です。小集団活動とも言われます。

QCサークル活動では、「課題達成型」や「問題解決型」など、活動の目的によって型が決まっています。よって過去の事例を自分の職場課題にアレンジしやすく、取り組みやすい品質改善活動だと言えるでしょう。

現場改善ラボでは、QCサークル活動を成功に導くためのポイントを動画でも解説しています。製造業に従事して50年、品質管理から製造技術まであらゆる業務に従事した専門家による解説動画を視聴したい方は、以下をクリックしてご覧ください。

手法⑦ 変化点管理に取り組む

多くのトラブルが「変化点(製造工程で何かを変化させたときのこと)」に起因しています。たとえば、「銀行のシステムを最新版にしたらATMが広域で動かなくなってしまった」など、良くしたはずなのに別の問題が発生するということがたびたび起こります。

改善活動を良い結果に結びつけるためには、以下のような変化点管理が重要です。

  • 変更を導入する前にリスクを検証する
  • 変更に際して、確認項目を決める
  • 事前にテスト導入をして、問題が発生しないことを確認する

上記のような準備を行い、その結果をチームで検証/承認して導入しましょう。導入して終わりではなく、初期流動管理と呼ばれる「確認期間」を経て変更活動をクローズします。このような変更点管理の仕組みを構築することが重要です。

デンソーで約34年間、生産技術者として従事してきた専門家による「変化点管理の方法」の解説動画を見たい方は、以下をクリックして動画をご視聴ください。

手法⑧ 異常に気づける仕組みを作る

製造現場では、設備、原材料、人員の管理など多岐にわたる要因によって様々な異常が発生します。こうした異常に気付ける仕組みを作ることで、異常の早期発見による品質の安定化が期待できます。異常の早期発見は、従業員の安全や設備の保全にも影響します。

異常を検知・対処するために、以下の方法などが挙げられます。

  • センサーやモニタリングシステムを導入して異常をリアルタイムで検知
  • 定期的なメンテナンスや点検で設備の状態を確認
  • 作業標準書の見直しや従業員のトレーニングを強化

「異常に気づける仕組み」を構築することで、設備の故障や動作不良の異常といった問題に迅速に対応でき、品質向上と安定した生産につながります。

なるべく難しいことは省いて異常検知を実施したいという方は、かんたんデジタル現場帳票「tebiki現場分析」の活用がおすすめです。日々の製造記録などを入力するだけで、機械学習なしで異常検知が可能で、現場状況をリアルタイムで把握できます。
tebiki現場分析の機能やメリットについては、以下をクリックしてぜひご覧ください。


かんたんデジタル現場帳票 tebiki現場分析サービス資料

手法⑨ 業務品質の標準化を徹底する

業務品質の標準化とは、「業務品質の基準を作り、その基準に対して正しく実行する」ことを指します。業務品質の標準化を行えば、品質のバラつきが削減でき、品質改善につながるでしょう。

標準化を行うには、まずルールを浸透させる必要があります。「なぜこのルールが存在するのか」という目的や重要性から周知すると良いでしょう。言葉の認識や基準は人によって違いがあるため、動画を活用してルールを周知させるのがおすすめです。動画を活用すれば、教育工数の削減/理解度の向上にもつながります。

現場改善ラボでは、品質のバラつきを抑えるための「トヨタ式標準化」の進め方の解説動画を無料公開しています。元トヨタ自動車主幹による実践的な方法を知りたい方は、以下のリンクをクリックしてぜひご視聴ください。

製造業の品質改善/品質向上を難しくしている課題

製造業で品質改善や品質向上を難しくしている主な課題としては、以下の通りです。

  • 手順書の不整備などによる手順のバラつき
  • 教育リソースの不足による人的ミスの発生
  • 熟練工による高度な技術の伝承が困難
  • 紙帳票によるデータ管理の不十分さとリアルタイム性の欠如
  • 従業員の安全性や品質意識の欠如
  • 検査基準の曖昧性
  • 潜在的不良の発見の困難

経済産業省が公開している『2019年版ものづくり白書』によると、品質トラブルの原因として「従業員教育の不足」だと認識している企業が最も多いという結果が出ました。みなさんの現場でも、作業手順が標準化されておらず、非効率的な作業やミスによる不良品が発生しているということはございませんか?

上に箇条書きで示したような課題を放置していると“現場力”が弱まってしまい、品質管理や改善施策の対応力低下、異常の早期検知や予防の遅れが発生しかねません。次章で、課題解決のための大きな打ち手をご紹介します。

品質改善/品質向上には、「標準化」「異常検知」の徹底が不可欠

前述した労働力不足や技術革新導入の遅れといった課題を解消して、品質改善/品質向上を進めるためには、「標準化」と「異常検知の体制づくり」が重要です。以下にそれぞれの重要性をご紹介します。

標準化と異常検知を“かんたんに効率的に”行うためのツールを知りたい方は、後述する『品質改善/品質向上を叶える「tebiki現場教育」「tebiki現場分析」とは?』をご覧ください。

品質向上に「標準化」が重要な理由

標準化とは、「製品などの形・大きさ・性能・測定方法などを一定の“取り決め”に従って統一していく活動のこと」です。

物の形状だけでなく、会社でのルールも共通化が必要です。部門ごとに違う伝票を使っていたり、工程ごとに異なる作業ルールにしたりしていたら、仕事を効率的に進められません。そのため、全従業員が同じルールの下で、同じ作業ができるようにする必要があります。

とはいえ、「標準の内容がわかりにくい」「教育不足によって理解できていない」「教育者によって指導内容が異なる」 などの理由から、標準化が上手く進められないという事業者の方も少なくないでしょう。そこで、おすすめなのが動画マニュアルの活用です。動画の活用によって、以下のようなメリットや効果が得られます。

  • 複雑な動きも、詳細に伝えられる
  • 読解力や言語の差に習熟度が左右されない
  • 自分のペースで何度でも復習できる
  • 教育工数を大幅に削減できる

動画マニュアルに期待できる効果やおすすめのツールについては、以下のマンガでも分かりやすく解説しています。こちらも併せてご覧ください。

品質向上に「異常検知」が重要な理由

異常検知の体制を整えることで、早期に問題を発見し、迅速に対処が可能になります。その結果、不良品の発生を抑え、製品の品質を安定させられるため、異常検知は品質向上 / 改善において非常に重要であると言えます。

異常が見逃されると、不良品が大量に生産されたり、製造設備の故障が拡大したりするリスクがあります。また、顧客や消費者に不良品が流出すれば、信頼の失墜やブランド価値の低下につながります。

難しいことを省いて異常検知を実施したいという方は、かんたんデジタル現場帳票「tebiki現場分析」の活用がおすすめです。日々の製造記録などを入力するだけで、機械学習なしで異常検知が可能で、現場状況をリアルタイムで把握できますtebiki現場分析の機能やメリットについては、以下をクリックしてぜひご覧ください。

製造業で品質改善/品質向上を実現している企業事例

品質向上の手法として、「動画マニュアルの活用」と「異常検知のしくみづくり」がおすすめとご紹介しました。ここでは、これらの手法により品質改善を実現した製造業の企業事例を4選ご紹介します。

児玉化学工業株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画:児玉化学工業株式会社▼

住宅設備や自動車向けの樹脂製品を製造/販売する児玉化学工業株式会社。同社では、新人の従業員や外国人従業員を抱え、紙の作業手順書/マニュアルでは作業の手順やコツを伝えきれていないことを課題視していました。

そこで、作業内容を視覚的にわかりやすく伝えられる動画マニュアルを活用。従業員が理解しやすくなったことで作業手順の標準化が進み、結果的に手順不遵守による品質不良を9割削減しています。

この品質改善は、かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」の活用によって実現した事例です。

よりさまざまな業界の企業事例を知りたい方は、以下の導入事例集も併せてご覧ください。 各社がどのような現場教育の悩みを抱えて、動画マニュアルで解決してきたのかがわかりやすく1冊にまとまっています。

児玉化学工業株式会社の詳細な事例を読みたい方は、以下のリンクをクリックしてインタビュー記事をご覧ください。

クマガイ特殊鋼株式会社

鋼板と呼ばれる大きな鉄板切断・加工し販売している鋼板の専門商社であるクマガイ特殊鋼株式会社。作業要領書の改訂が追いつかず形骸化していたり、OJT頼りの従業員教育になっていたことを課題として認識していました。

これらの課題を解消するために、tebiki現場教育を導入。活用の定着に苦労したものの、tebikiのサポート担当者と伴走して活用を広げた結果、ある作業の社内不良を「月4.3件」から「月2.4件」へと大きく削減できたとのことです。

「tebiki現場教育の活用を機に、これまでの体制を見直したのも相まって、不良を減らせた」という嬉しい声もいただいています。

より柔軟な多能工化を実現したいと語るクマガイ特殊鋼株式会社の事例をより詳しく読みたい方は、以下のリンクをクリックしてインタビュー記事をご覧ください。

大同工業株式会社

大同工業株式会社は、自動車/産業機械/福祉機器などさまざま領域を展開し、2022年には海外11カ国に拠点を持つグローバル企業です。言語化しにくい高度な技術が多いゆえに、業務手順が“我流化”し、品質にバラつきが発生していることを課題視していました。

この我流化を防ぐために、社内にtebiki現場教育を導入。各メンバーが持つカンやポイントを活かしながらマニュアルを整備したことで、業務の効率化や最適化、最終的には部内での業務標準化を実現し、評価エラーを削減することを実現しました。

大同工業株式会社のインタビュー記事をもっと読みたい方は、以下からご覧ください。

 株式会社日本電気化学工業所

アルミニウムの表面処理を専門に行う株式会社日本電気化学工業所では、現場帳票のデジタル化によって現場の変化/異常を迅速に捉え、品質不良の発生を未然防止することを実現しています。

▼インタビュー動画:株式会社日本電気化学工業所▼

紙の現場帳票を運用していた同社は、異常値の検出に時間を要し、不良/不具合対応を迅速に行うことが難しい状況でした。現場帳票をデジタル化したことで、軽微な数値変化でも不具合傾向を判断でき、迅速な対応によって品質不良の未然防止を実現しています。

同社の品質不良を未然防止できる体制は、かんたんデジタル現場帳票「tebiki現場分析」によって実現しています。より具体的な、現場帳票デジタル化による品質改善事例は以下のインタビュー記事をクリックしてご覧ください。

品質改善/品質向上を叶える「tebiki現場教育」「tebiki現場分析」とは?

前述の内容は、私たちが展開する現場改善を目的としたシステム「tebiki現場教育」と「tebiki現場分析」による品質改善事例です。本章ではこの2つのシステムについて、機能などの概要をご紹介します。

かんたんに動画マニュアルが作れる「tebiki現場教育」

tebiki現場教育は、動画編集未経験者でもかんたんに動画マニュアルが作成できるツールです。スキルマップなどを用いた、従業員の教育管理も行えます。

▼tebiki現場教育 紹介動画▼

「現場の動き」を視覚的に分かりやすく伝え、製造現場の業務標準化が可能です。tebiki現場教育には、主に「動画を簡単に作成できる機能」と「教育管理ができる機能」があります。

  • 音声認識による自動字幕生成
  • 100カ国語以上への自動翻訳
  • 字幕の読み上げ(多言語にも対応)
  • アクセス履歴等がわかるレポート機能
  • オリジナルのテストを作成できるテスト機能
  • 従業員のスキルを評価・可視化できる機能 など

実際に導入いただいている企業からは、「tebikiは単なる動画作成ソフトではなく“社員教育ツール”」という声もいただくほど現場教育に特化したツールです。そのため、品質意識を定着させる教育体制の整備が可能になるでしょう。

tebiki現場教育には、まだまだ現場教育に便利な機能が搭載されています。より詳細な情報や料金プランについては、以下のサービス紹介資料からぜひご確認ください。

帳票のデジタル化で不良傾向を可視化「tebiki現場分析」

tebiki現場分析は、紙やExcelで運用されている製造日報などの現場帳票をデジタル化し、内容の記録/承認/集計/分析を効率的に行えるツールです。

tebiki現場分析

帳票の雛形作成が簡単で、現場の作業者はストレスなく記録できます。さらに日々の記録をデジタル化することで異常を即座に検知し、管理者は素早い対策指示が可能になります。tebiki現場分析でできる主なことは、以下の通りです。

  • クラウド上に誰でも簡単に帳票を作成・管理できる
  • 正常値を設定することで、異常値アラートを出せる
  • 記録した数値を自動でグラフ化できる
  • 画像をアップロードして、そのまま記録できる など

実際に導入いただいている企業では、「帳票の集計作業が1日2時間から1分にまで削減できた」という嬉しい声をいただいています。

今回ご紹介していない具体的な機能のご紹介、プランなどの情報は以下のリンクをクリックして概要資料をご確認ください。

品質改善/品質向上の重要性

品質改善によって、顧客の信頼獲得につながる可能性があります。そのため、「顧客が求める品質を維持し、期日までに納品する」ことは、信頼関係を生み出し継続的な取引を生み出すために重要だとされています。

逆に、顧客の求める品質水準に合わなかったり、不良品の納品や欠品が続いたりすれば、顧客の信頼を損なうことになります。顧客満足度を向上させるには、自社製品やサービスについて繰り返し見直すことが重要です。

そのためには、会社全体で品質向上を目指していくTQMの考え方が重要になってきます。TQMとは「Total Quality Management」の略称で、日本語では「総合的品質管理」と呼ばれています。TQMは、「組織全体が一体となり、品質向上を目指す」ためにつくられました。

TQMにおけるTotalの項目は、全社的あるいは全部門的な品質の向上という意味にとらわれず、品質向上のための取り組みに制約をつくらないという一面も含まれています。TQMの狙いは、質的向上を目指すと同時に、組織におけるほぼすべての業務を向上させることにあります。

TQMについては、以下の記事で詳細に解説していますので、こちらもご覧ください。

品質改善/品質向上が実現した状態になると?

品質改善や品質向上が実現した状態になると、現場では効率的で安全な働きやすい環境が整い、経営レベルでは収益や競争力が向上する「良い循環」が生まれます。これにより、企業全体が持続的な成長を実現できるでしょう。

「現場レベル」と「経営レベル」の両方で得られるメリットをご紹介します。

現場レベル経営レベル
・トラブルの早期対応
・安全性の向上
・作業負担の軽減
・設備の安定稼働
・コスト削減
・生産性の向上
・顧客満足度の向上
・ブランド価値の強化
・持続可能性と競争力の向上

上記を実現するためにも、前述した『製造業における品質改善/品質向上策』をチェックして実施しましょう。

品質改善/品質向上を実現する5つの考え方

品質改善を実現する以下のポイントを、1つずつ解説します。

  • 可視化
  • 定量化
  • 課題化
  • 実践化
  • 定着化

可視化

可視化とは、目に見えないものをデータ化して分かりやすくすることです。品質改善着手前の状態を、エクセルやドキュメントで記しておき、取り組み後にどのような効果があったのかを一目でわかるようにします。

具体的には、以下の内容をまとめるのがおすすめです。

  • 品質向上を対象とする範囲
  • 品質を形成している要素
  • 基準とする業務の状況 など

この段階で課題を定量的に組み込むことが難しければ、まずは定性的な状態について整理していきましょう。

定量化

定量化とは、可視化のプロセスで得た情報をさらに細かく数値化するための作業です。この作業において定量化した結果に合わせて品質改善についての計画を立てていくので、可能な限り数値を具体的にする必要があります。

項目は業種により異なりますが、具体的には以下を組み込むことが多いです。

  • 1ヶ月における案件数
  • 1件あたりの処理対応期間
  • 1件にかかるメンバー数
  • 1ヶ月で発生したミスの件数 など

業務情報の定量化が終わったら、最終目標も定量化します。段階を経て改善をしていくことが望ましいため、中間地点の目標値も設定もおすすめです。

課題化

課題化とは、設定した「目標」と「現状の数値」において欠落している部分を確認し、課題を明確にする作業です。課題が明確になったら、課題を解決するための解決策を検討し、実行に移していくことになります。

解決策については、具体的に業務と照らし合わせておくことで計画が細かく正確になり、迅速にアクションを起こせるようになります。チーム単位における業務の照らし合わせができたら、所属メンバーにタスクを割り振れるように細分化していきましょう。

実践化

実践化とは、打ち立てた品質改善案に沿って実践していくことです。

計画の進行においては、最初に打ち立てた計画通りに全てが進行していくことはまれで、どこかで何かしらのズレが発生することが多いです。定期的に目標値や計画との差を見直し、計画を修正しながら根気強く取り組んでみましょう。

当初設定した合格値の範囲内まで品質基準が向上すれば、品質改善に成功したということになります。あらかじめ想定していた解決策によって品質が向上しなければ、設定した課題が間違っていた可能性もあるので、課題化のプロセスから見直しを検討することをおすすめします。

定着化

品質は一時的に改良しただけでは、安定的な向上は見込めません。組織の変更やサービスの状況によって、品質は少しずつ変動していきます。実践化のプロセスによって、どの手法が品質改善に最も効率的か分かったら、その手法を定着させるための方法を話し合いましょう。

たとえば、作業者が変わる場合、業務マニュアルの更新を通達し、業務に関わるメンバーへ情報共有をすることが必須となります。使用する機械が変わる場合は作業手順書を分かりやすくしておく、使い方を説明するための講習会を開くなどの手法が挙げられます。

製造業における品質宣言例

ここでは、企業や組織が品質に関する方針や取り組みを公式に宣言している「品質宣言」の例を、製造業社のみピックアップしてご紹介します。製造業の企業がどのような品質宣言を出しているのか、チェックしましょう。

株式会社ブリヂストン

製造業における品質宣言例 ブリジストン

【引用元:品質・お客様価値(株式会社ブリヂストン)

ブリヂストンの品質に対する考え方は、「事業や製品において最高の品質を提供することが、社会に貢献し、企業として繁栄し続ける唯一の方法である」という創業者 石橋正二郎の信念に由来します。1960年代初めには、創業者の指揮のもと、品質を中心としてマネジメントシステム全般の強化を図る改革計画をデミング博士の理念に基づいて始動しました。

キヤノン株式会社

キヤノンは、1964年、ノークレーム・ノートラブルを品質の基本理念として掲げました。これは、キヤノンの企業理念「共生」のもと、今も変わることのない、キヤノンの品質に対する基本的な考え方です。優れた品質の製品とサービスを提供することで、その製品とサービスが、世界中のお客さまに信頼され、心からご満足いただけることを目指しています。【引用元:品質マネジメント(キヤノングローバル)

株式会社住化分析センター

製造業における品質宣言例 株式会社住化分析センター

【引用元:品質方針と品質保証活動(株式会社住化分析センター)

株式会社住化分析センターの『品質方針と品質保証活動』より一部抜粋してご紹介します。

安全・健康・品質・環境に関する基本方針」および「全社品質方針」のもとに、各ラボラトリー、事業部門をはじめ全部門が品質保証活動を実施し、品質保証レベルの向上に努めています。

▶安全・健康・品質・環境に関する基本方針
分析および関連技術を通じて価値ある商品・サービスを提供することによって人と社会の発展に貢献することを使命とし、「人を大切にし、活力溢れる企業風土の醸成」、「お客様、社会からの信頼」を経営の基本理念として活動している。

▶全社品質方針
当社は、最高の分析評価技術を通じて人類と社会に貢献する。お客様への製品提供に際し、法令の遵守、公正かつ公明な取引、秘密保持、品質に関する社内規定を守り、お客様の信頼と満足を得る品質を提供する。当社は、品質活動方針を定め、品質改善の取組みを計画し実施する。また、その進捗状況を継続的かつ定期的にレビューし、次期の品質活動方針、活動計画に反映させることによりPDCAサイクルを回して品質保証体制の維持、改善を図る。

まとめ

品質向上/品質改善の策として、「課題を深堀する」「多能工を進める」「技術/技能の伝承に取り組む」など9つの手法をご紹介しました。生産性の向上やコスト削減、ブランド価値の強化などへとつなげる足掛かりとなりますと幸いです。

製造現場の標準/ルール順守を徹底する手段としては、tebiki現場教育を用いた動画マニュアルによる人材育成が、実際に品質向上を実現しています。また、異常検知の仕組みを効果的に実現する手段として、tebiki現場分析を用いた現場帳票のデジタル化による、品質不良の未然防止が実現可能です。

本記事でご紹介した2つのシステムの機能概要やプラン、詳しい改善事例は以下の概要資料に掲載しています。ぜひ品質向上に向けた情報収集の一環で、フォームをご入力のうえ資料をご覧ください。

 
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