新人をなるべく早く活躍させるために、OJTを行う企業が増えています。しかし「最近の新人に対してどのように教育すればいいかわからない」「OJT担当者になったものの、なにから手をつければいいかわからない」という方も多いでしょう。
そこで、この記事ではOJTを効率的に行うポイントを紹介します。事前準備の方法や新人教育に役立つツールまで解説するので、OJT担当者の方は最後までご覧ください。
特に製造業の場合、教育担当者ごとに教える内容が異なることで教育の属人化が発生したり、新人によって理解度に差があるなどで、教える側と受ける側の認識の相違が発生することがあります。
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目次
新人教育に必要なOJTとは?事前準備に必要なこと3選
効果的な新人教育を行うためには、OJTの目的と準備すべきことを知っておく必要があります。ここでは、OJTの概要やOJTを始める前に準備すべきポイントについて解説します。
OJTの概要や目的、メリットについては以下の記事で詳しく解説しています。是非ご参考ください。
関連記事:OJTとは?OFF-JTとの違い、負担を減らして効果を出す方法も解説!
OJTとは?
OJTとは、 On-the-Job Training(オンザジョブトレーニング)の略で、職場で実際の業務を通して行う教育のことです。職場の現場で直接経験を積むことで、仕事の流れやチーム内のコミュニケーション方法をスムーズに理解できるのが特徴です。
従来行われていた研修施設での講義と比べて新入社員が効率よく業務を覚えられるため、業界・業種に関わらず多くの企業でOJT教育を導入しています。
OJT教育の事前準備はなにをすればいい?
効果的なOJT教育を行うには、以下の3点を準備しておく必要があります。
- OJTトレーナーの時間を確保する
- OJTトレーナーの育成を行う
- 新人のマインドセットを変える
OJTトレーナーの時間を確保する
教育の質を上げるためには、OJTトレーナーの時間を確保することが重要です。トレーナーが十分な時間を割くことで、新入社員の疑問や不明点をすぐに解決できるため、効率よく業務を覚えさせることが可能です。
また、トレーナーがすぐ対応できる体制が整っていると新入社員は安心して業務に取り組めるため、離職率低下の効果も期待できます。
OJTトレーナーの時間を確保するには、OJTを行う前に業務量や人員配置について見直すことが重要です。他にも教育に関するマニュアルを整備し、座学や研修の時間を増やすことも行いましょう。
OJTトレーナーの育成を行う
教育を成功させるには、トレーナーの育成を行うことも重要です。トレーナーが適切な知識と指導技術を持つことで、新入社員は正確かつ実践的な知識を身につけられます。そのため、OJTを実施する前に、トレーナーの育成を行うようにしましょう。
OJTトレーナーを育成するには、具体的な業務の進め方・ミスの修正方法・フィードバックの注意点など、OJTのポイントを確認するトレーナー向けの研修を実施することがおすすめです。
新人のマインドセットを変える
教育の効果を上げるためには、新人のマインドセット(考え方)を変えることも重要です。チームを引っ張っていく人材を育て上げるためには、仕事に積極的に取り組んでもらい、課題や困難を乗り越える経験をしてもらう必要があります。多くの経験を通して仕事の面白さや挑戦する喜びを知ってもらうことで、積極的に行動する人材に育つでしょう。
加えて、1人の考え方が変わるだけで周りの新入社員やメンバーも影響を受け、社内全体が活性化する効果も期待できます。そのため、新人のマインドセットを変えるには定期的にフィードバックの機会を用意して、進捗確認・目標修正・不安ポイント解消などを行うことが大切です。
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最近の新入社員の特徴は?
効果的に新人教育を進めるには、新入社員にありがちな傾向について抑えておくことが重要です。
ここでは最近の新入社員に多い以下3つの特徴について、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの調査をもとに解説します。
- スキルや知識を身につけたい
- 失敗への恐れから受け身の傾向がある
- 傾聴力があり、きめ細やかな指導ができる上司を望んでいる
引用元:「新入社員意識調査2023」
スキルや知識を身につけたい
調査によると、最近の新入社員は働くうえで「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」を最も大切にしている傾向があります。
理由として、キャリアへの高い関心が挙げられます。
定年まで1つの企業に勤める「終身雇用」が保証されることが減った現代では、個人が仕事を通じてスキルや知識を獲得し、キャリアアップすることが前提になりつつあるため、新入社員は自身の市場価値を高めるためにスキルや知識を身に付けることを重要視しているといえるでしょう。
そのため、新人教育を行ううえで「新人がスキルや知識を身に付けられそうか」という視点を持つことが重要です。教育の際も「教えたから自分の役目は終わり」と新人任せにするのではなく、新人1人でも問題なく業務を高い水準で進められるのかが確認できるまで、習熟度をチェックするようにしましょう。
また、新人が1人でもスキルを身に付けられるようにマニュアルや社内研修の体制を整えておくことも効果的です。
失敗への恐れから受け身の傾向がある
最近の新入社員には、受け身の傾向があります。調査によると、働くうえで大切にしたいこととして「何事も率先して真剣に取り組むこと」と考えている新入社員は過去最低数であることが明らかになっています。
原因として、失敗への不安や恐怖から率先した行動に尻込みしてしまうことが挙げられます。そのため、新入社員が受け身だと感じたら定期的なフィードバックを行い、「まずは失敗してもいいからトライアンドエラーで改善していこう」という姿勢を見せることが重要です。
他にも、教育担当社からこまめに「ここまでで不明な点はありますか?」といった声掛けを行い、分からない点や懸念点について新人が気軽に質問できるような雰囲気を築くことも同時並行で行いましょう。
傾聴力があり、きめ細やかな指導ができる上司を望んでいる
最近の新入社員の特徴として、上司に対し「相手の意見や考え方に耳を傾けること」や「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」を望んでいる傾向があることが調査により明らかになっています。
この結果より、「部下だから」「新入社員だから」と一方的に教育を進めてしまうより、部下や新入社員をいち個人として尊重するマインドを持つことが新人教育を進めるうえで重要であることがわかります。
教育の際は、一方的なコミュニケーションにならないように新入社員の意見や考えもヒアリングすることや、習熟度や学習のスピードにあわせた教育の進め方を心がけるようにしましょう。
他にも、新人教育でおさえるべきポイントや失敗例、失敗しない新人教育のコツについては以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
関連記事:新人教育の進め方で気をつけるべきポイントとは?ダメな例や失敗しないマニュアル活用法を解説!
【新人教育】OJT担当者/トレーナーに向いていない人の特徴とは?
上記の「最近の新入社員の特徴」を踏まえると、以下の3つような特徴を持つ従業員はOJT担当者/トレーナーに向いていないでしょう。
- すぐに否定をする
- 自分の仕事を優先する
- 計画性がない
OJTの場合トレーナーの業務経験は勿論、教え方のスキルも新人教育のカギを握ります。必要に応じて、先ほど「OJT教育の事前準備はなにをすればいい?」で解説したような、トレーナー向けの教育を行いましょう。
すぐに否定をする
すぐに否定する人は、OJT担当者に向いていません。
OJTでは、新しい業務を覚える際に上司や先輩からアドバイスする必要があります。その際に、問題点ばかり指摘したり、新入社員の意見を否定したりすると、新入社員は指導を素直に受け入れられません。
たとえば、新入社員が工夫して行なっている業務を「それは効率が悪い」と否定すると、新入社員は自信を失い、自ら考えて行動することをやめてしまいます。そのため、新人の考え・悩みに寄り添って適切なアドバイスができる人でないと、スムーズにOJTを進めることは難しいでしょう。
自分の仕事を優先する
自分の仕事を優先している人も、OJT担当者には向いていないといえます。
OJTを実施するには、OJT計画の立案・新入社員のフィードバック・資料作成など、膨大な時間が必要になります。そのため、OJT担当者が他の業務の締切に追われていると、新入社員の質問や悩みに寄り添えず、効果的な指導が難しくなってしまいます。
計画性がない
計画性がない人も、OJT担当者には向いていません。
新入社員が業務を覚え、ベテランとして独り立ちするには、数ヶ月〜数年単位での時間が必要になります。そのため、教育を受ける側も教育をする側も、目標設定・進捗確認・フィードバックなどを計画的に行う必要があります。
しかし、計画性がない人がOJTを行うと新人は効率よく業務を覚えられないため、実施期間に見合った効果が得られません。他にも、新人教育に余分な時間がかかってしまうだけでなく、現場全体の生産性にも響いてしまう恐れがあります。
OJTに向いていない人が新人教育を担当することで、新人の教育が上手くいかないだけでなく悪影響を及ぼす可能性があります。新人教育に潜むリスクや現場全体でOJTをサポートするコツについては以下の記事でも詳しく解説しているため、是非ご参考ください。
関連記事:OJTしたいけど余裕がない…。現場教育の改善ポイントとは?成功事例も紹介
OJT教育を進める具体的なステップ
OJT教育を進めるためには、以下のようにPDCAサイクルを回すことが重要です。
- Plan:新人教育の目標を設定し、適切な計画を立てる
- Do:実際に新人教育を行う
- Check:新人教育の振り返りを行う
- Action:次回の新人教育のやり方を検討する
適切なタイミングで目的設定や効果測定を行うことでOJT教育の質が高まり、短期間で新人が業務を覚えられるようになります。
他にも、実際にOJTを進めるにあたっての方法や成功のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
新人教育に欠かせないOJTの効果を最大限発揮させたいとお考えの方は是非ご覧ください。
関連記事:OJTの効果を最大化させる進め方とは?現場を疲弊させないコツを徹底解説
OJTによる新人教育の効率・効果を上げる3つのポイント
OJTによる新人教育の効率や効果を向上させるには、以下の3点を押さえておくことが重要です。
- 定期的に進捗確認・報告を行う
- 社内全体で取り組む
- システムやツールを使用する
定期的に進捗確認・報告を行う
新人教育の効率・効果を上げるためには、定期的に進捗確認・報告を行うことが重要です。
新人とコミュニケーションが取れていないと習熟度や進捗を把握できず、新人の状況にあった教育を行えません。そのため、定期的に新人と進捗確認・報告を行い、状況に合わせて研修スケジュールを柔軟に変更していくことが重要です。
社内全体で取り組む
新人教育には膨大な時間と労力がかかるため、OJT担当者に任せっきりにせず、社内全体で新人教育に取り組むことが重要です。
担当者の業務量を調整したり、教育体制を整えたりして、担当者がOJT業務に集中できるようにしておきましょう。担当者がOJTに集中することで教育の質が上がり、新人が効率よくスキルアップできるようになります。
システムやツールを使用する
OJTの効率を上げるためには、システムやツールを使用することも重要です。
新人教育では何度も同じことを教えなければいけないため、すべての教育を人で行うことは非効率です。また、作業手順やコツを実務を通して教える必要があることから、担当者が教育に大幅な時間を費やしてしまい、現場を圧迫してしまうリスクも考えられます。
そのため、動画マニュアルやデジタル帳票ツールなどを使って、現場に負担をかけずに効率よくOJTを進めるようにしましょう。
OJTによる新人教育は動画マニュアルで効率化できる
現場に負担をかけずに効率よく教育を行うには、動画マニュアルの活用が最適です。
ここでは、動画マニュアルのメリットや特におすすめしたい動画マニュアル「tebiki」について紹介します。
動画マニュアルはOJTに最適なツール
動画マニュアルとは、動画を通じて作業内容や操作手順を伝えるマニュアルのことです。文字だけの資料とは違い、作業の流れを視覚的に伝えられるため、効率的に業務を覚えられます。とくに、YouTubeやTikTokなどの動画に慣れ親しんでいる若手社員は、紙の資料よりも動画の方がモチベーションを高く保ちやすい傾向にあり、OJT教育に活用するのがおすすめです。
他にも、同じ動画マニュアルを使って教育を行うため、教育担当者によって教える内容に差があるといった「教育のばらつき」を解消する効果が期待できます。
加えて、動画を視聴することで自学自習の体制が整備されるため、新入社員の「質問したいけど先輩社員の時間を奪うわけにはいかない」という不安を解消することにもつながります。
このようにメリットが多々ある動画マニュアルですが「作るのが大変そう…」「どうすればわかりやすいマニュアルにできるかがわからない…」とご不安な方も多いのではないでしょうか。
現場改善ラボでは、数多くの現場を支援してきたプロならではのノウハウを詰め込んだ動画をご用意しております。動画マニュアルにご興味をお持ちの方は是非ご参考ください。
新人教育・OJTにおすすめな動画マニュアル「tebiki」とは?
「tebiki」は、現場のノウハウやカン、コツなどを可視化できる教育システムです。
特徴として、OJTで教えていることをスマホで撮影するだけで、誰でも簡単に動画マニュアルを作成できることが挙げられます。教育内容を動画にして共有することで、すべての新人に対して同じ説明・指導を行う必要がなくなり、効率よく新人教育を行えるようになります。
他にも、「誰が・どのマニュアルを・どのくらい視聴しているのか」といった教育進捗の可視化ができる組織レポート機能や、動画マニュアルで示した内容をテストとして出題できるテスト機能も有しており、教育内容を確実に現場に定着させられるような工夫が施されています。
動画マニュアル「tebiki」の詳細な機能や導入サポート体制については、以下の画像から無料で資料をダウンロードできます。
新人教育やOJTの課題を解決し、現場を改善したいとお考えの方は是非ご参考ください。
動画マニュアルtebikiを導入し、新人教育時間を大幅に削減できた企業事例
動画マニュアル「tebiki」を導入して、新人教育時間を大幅に削減できた企業事例を2つ紹介します。
- 日世株式会社
- 株式会社GEEKLY
日世株式会社
日世株式会社は、日本で唯⼀のソフトクリーム総合メーカーです。
以前のOJT研修では、週に2〜3回(各回2時間)の講習を行っていたため、OJT研修の手間が大きく担当者に負担がかかってしまうという問題がありました。加えて、担当者により教え方や内容のニュアンスに差があることでルールや手順が順守されず、結果としてヒヤリハットにつながっているという課題を抱えていました。
そこで、OJT研修を効率化するためにtebikiを導入し、機械の使い方やメンテナンス方法など、一部のマニュアルを動画マニュアルに置き換えました。これにより、教育者の稼働は各回10分に減少し、OJT研修にかかる手間が1/10にまで削減できました。
日世株式会社がtebikiを導入している様子や導入後の効果については、以下のインタビュー記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
関連記事:新人研修の手間が1/10に!自動字幕翻訳で、外国⼈スタッフの理解度テスト正答率が100%になりました。
株式会社GEEKLY
株式会社GEEKLYは、IT・Web業界に特化した人材紹介事業を行っている企業です。これまで新入社員教育に1人あたり月50時間を割り当てていたものの、エース社員である教育担当者が新人の指導に時間を取られることで担当チームが目標達成できないという問題が発生していました。それだけでなく、教育担当者ごとで教育にムラが生じ、結果として新人の営業成績にもばらつきが生じたという課題を抱えていました。
そこで、新人教育を効率化するためにtebikiを導入し、新人教育の7割をtebikiに置き換えることで、OJTにかかる時間を月15時間程度まで短縮しました。年間にすると、OJTにかかる時間を3,700時間程度削減できたため、新人を請け負うチームも目標達成できるようになりました。
株式会社GEEKLYがtebikiを導入している様子や導入後の効果については、以下のインタビュー記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
関連記事:年間の新人教育時間を3,700時間削減。トレーナーの教育時間が大幅に減り営業成績も向上!
動画マニュアルtebikiで効率的・効果的なOJT教育を実施しよう【まとめ】
この記事では、OJTを効率的に行うポイントや事前に準備しておくことを解説しました。
適切なOJTを行うことで、新入社員がスムーズに業務を覚えられるようになります。また、新入社員が短期間で活躍できるようになると、会社全体の業務効率も上がるので、担当者は入念に計画を立ててからOJTを実施しましょう。
しかし、OJTを行うためには膨大な時間・労力がかかるため、ツールを活用して効率化するのがおすすめです。動画マニュアル「tebiki」は、OJTの内容を撮影するだけで簡単にマニュアルが完成するため、資料作成にかかる時間を大幅に削減できます。時短になるだけでなく、進捗度確認やスケジュール管理が簡単に行えるようになるというメリットもあります。
効果的なOJTを行いたいと思っている方は、ぜひ下記に記載している「tebikiサービス資料」をご覧ください。