現場改善ラボ 記事一覧 お役立ち情報 OJTの成功事例15選!成功した企業の特徴、OJTの弱点を克服するツールを紹介

動画マニュアル「tebiki」が運営するWEBメディア・現場改善ラボです。

OJTを実施することで、新人に業務内容や作業手順を習得させることが可能です。しかし「OJTをやっているが、いまいち効果を感じられない」「どのように改善すればいいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではOJTの成功事例15選を紹介します。成功した企業の特徴や注意したいポイント、OJTの弱点を克服するツールも紹介するので、是非ご覧ください。

OJTをはじめ、現場教育には「教育の質や内容にムラが生じ、属人化する」「教育係に負担が集中し、現場が疲弊する」といった課題が多数存在しています。

このような課題を解決するには、「動画マニュアルの活用」がおすすめです。詳細について、本記事の他にマンガでわかりやすく解説したガイドブックもご用意いたしました。以下の画像からダウンロードし、是非ご活用ください。


マンガでわかる!動画マニュアルで現場の教育をカンタンにする方法-1

OJT教育に成功した事例15選

OJT教育を成功させた事例15選を紹介します。

成功事例を踏まえて、自社に適したOJTの進め方や取り入れたいポイントについて考えてみましょう。OJTのメリットや特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は1987年に設立された自動車メーカーで、世界最大の自動車製造企業の1つです。

同社のOJTで重視している点は、職場での日常業務を通じて上司や先輩からの指導を受け、部下や後輩を教える「教え、教えられる関係」です。OJTを通じて部下の能力や成果を適切に評価し、上司からのフィードバックを活用することで、従業員一人ひとりが効率的なスキルアップを図っています

具体的には、日々の業務を通じて、上司が部下に問題解決に向けた分析手法や対策の方向性を追加・修正し、対策を実行していく上でのプロセスを伝授しています。さらに、決裁過程で徹底的に議論することや、年間業務テーマの遂行を部下に求めることもOJTのポイントです。

OJTを繰り返し行うことにより、上司は部下の実力や強み・弱みを具体的に把握し、それらにもとづいた育成が可能となります。また、社員が自ら成長を望んだ際に会社がその情熱を真正面から受け止められるよう、OJTを補完するためのOFF-JTも実施しています。

▼参照元▼
トヨタ自動車株式会社「人事の変遷|詳細解説(トヨタの人材育成)」
トヨタ自動車株式会社「人材育成制度」

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、繊維・機械・金属・エネルギー・化学品・食料など、幅広い事業分野を扱っている総合商社です。同社は「グローバルマネジメント人材」の育成に重点を置き、グループ全体の企業価値を向上させるために、連結ベースで経営者人材の育成を推進しています。

しかし、事業領域が幅広く顧客も多様であるため、一律の座学研修では必要な知識やスキルを習得するのが難しいという問題を抱えていました。そのため、育成の主軸をOJTに置き、上司や先輩からの指導を受けることで実践的なスキルを身につける環境を整えています

具体的には、各部門で毎年キャリアミーティングを実施し、部門長や先輩社員が自らの経験やビジョンを若手に語ることで、若手が自身のキャリアビジョンをイメージしやすくなるようにサポートしています。

キャリアミーティングの場では、社員は自身の強み・弱みやキャリア観の棚卸しを行い、自身の能力開発計画や目指す将来像をキャリアビジョンシートに記入します。その内容を上司と共有し、自分に必要な研修を受講することで、適材適所の判断や効果的な人材育成を可能にしています。

さらに、国家資格を取得した専任社員が常駐した部署を設け、いつでもキャリア相談できる体制も構築し、階層別研修や特定のスキルを習得するための研修も実施しています。

参照元:厚生労働省「実践事例 変化する時代の キャリア開発の取組み」

大王電機株式会社

大王電機株式会社は、1972年に設立された生産設備や検査装置の開発を手掛けている企業です。同社では事業の成長目標や中期的な計画が確立しておらず、計画的な採用・育成が行えないという問題がありました。

そこで、ベテラン従業員から若手従業員への技術伝承を優先順位をつけて計画的に実施することに。具体的にはスキルマップを活用して引き継ぐべき技術を明確にし、新設された事業横断の部署がリードすることで、現場任せにならないOJTを進めています。その結果、ミスや不具合が減少し、一人あたりの生産量が増加しました。

スキルマップとは何か?や、具体的な活用方法・メリットについて知りたい方は別記事「スキルマップとは?作り方や項目例、テンプレートをご紹介」もご覧ください。

参照元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材活用事例集」

株式会社興電舎

株式会社興電舎は、宮城県にある電気工事や配電盤・制御装置の製造を手掛けている企業です。同社は体系的な教育制度がなく、配属した部署でのOJTのみで教育を進めていたため、新人が効率よく業務を習得できないという問題がありました。

そこで、経済産業省が提唱している「社会人基礎力」の考え方をベースに、産業能率大学に自社専用の教育プログラムの作成を依頼。集合型のOFF-JT体系を作成し、自社OJTと使い分けながら人材育成を強化しました。

結果、人材育成や人事制度を改善することで従業員のモチベーションが高まり、大卒社員の3年以内離職率を0%にすることに成功しています。

参照元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材活用事例集」

アサヒ飲料株式会社

三ツ矢サイダーやカルピスなどの飲料を製造販売しているアサヒ飲料株式会社では、従来のOJT教育だと習熟者の力量が安定しないという課題がありました。また、手順書の作成に多大な労力がかかることで、手順書が一部整備されていない業務が発生し、業務品質のばらつきを課題視していました。

そこで、教育内容を統一するために動画マニュアル「tebiki」を導入し、個々の作業者が培ってきたコツをマニュアル化することに。その結果、すべての新人が視覚的に作業内容を確認できるようになり、短時間で熟練者と同じような作業ができるようになりました。

さらに、シンプルなマニュアル作成に特化したtebikiを活用することで、3〜10時間かかっていた手順書の作成時間を30分程度に短縮できました。アサヒ飲料株式会社のOJT事例やtebikiの詳細をより詳しくに知りたい方は、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や、こちらの記事をご覧ください。

アサヒビール株式会社

アサヒビール株式会社は、アサヒスーパードライやアサヒ贅沢搾りなどの酒類を製造販売している企業です。同社では、所定の研修を修了した先輩社員が配属後の新入社員を指導する「ブラザーシスター」制度を導入しています

同じ部署の先輩社員を兄(ブラザー)や姉(シスター)と見立て、新入社員1人ひとりに仕事の進め方や心構えなどを指導しています。教育担当者は若手社員の自発的な立候補によって選ばれるため、意欲のある若手社員が新入社員を指導するようになり、社員同士が助け合う文化が育まれました。また、教育担当者も仕事の棚卸しや新人とのコミュニケーションを通じて得た刺激を、自らの成長につなげています。

▼参照元▼
アサヒビール株式会社「事業案内」
アサヒビール株式会社「ブラザーシスター制度|新卒採用」

株式会社フジワラテクノアート

株式会社フジワラテクノアートは、醸造機械や食品企業などの設計開発を手掛けている岡山県の企業です。同社にはベテランから若手まで多様な年齢層の従業員がおり、価値観の共有が難しいという課題があり、社会の変化に対応するには1人ひとりの能力を高めつつ、組織的なモノづくりができる体制が求められていました。

そこで、従来のOJT育成に加えて資格報奨金制度や社内勉強会、博士後期課程への入学サポートなどのOFF-JTも充実させたほか、個人別にも5か年の成長計画を作成し、計画に基づた資格取得や実務経験蓄積の推進も行いました。さらに、さまざまな年代の従業員がコミュニケーションを取れるよう、月に1回全従業員が集まる場を設け、情報共有や社内ベンチャーコンテストも実施。

その結果、スキルアップやコミュニケーション能力の向上が促進されたことに加え、ビジョンの策定・浸透や人材育成に関する取組内容の発信により新卒の応募者数も増加しています。実際に、2022年卒の応募者数は2019年卒に比べて3倍に増加と、採用環境の改善にも貢献しています。

参照元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材活用事例集」

マルハニチロ株式会社

水産物の輸出入やレトルト食品の製造販売を手掛けているマルハニチロ株式会社ではOJT制度を導入し、入社1年間はOJTリーダーと呼ばれる先輩社員を中心に新入社員をサポートしています。OJTリーダーは業務の指導をはじめ、目標設定や日々の悩み相談まで、新入社員のあらゆる場面を支えています

また、同社はOJTに加えて、入社2~3年目の社員を対象にしたフォローアップ研修を実施しています。フォローアップ研修では同期同士の意見交換や今後の目標設定の機会を設けることで、継続的にスキルアップできる環境を作り上げています。

▼参照元▼
マルハニチロ株式会社「会社概要」
マルハニチロ株式会社「キャリアについて|リクルート|」

株式会社Olympic

株式会社Olympicは、首都圏を中心にディスカウントストアやスーパーマーケットを運営している企業です。同社の精肉部門では、OJTの回数を十分に確保することが難しく、新人が一人前になるまでに時間がかかるという問題を抱えていました。

そこで、教育の効率化を図るために動画マニュアル「tebiki」を導入し、精肉業務に関する動画マニュアルを作成することに

その結果、新入社員は動画マニュアルを使って自発的に業務を習得できるようになり、一人前になるまでの期間を6年から3年程度に短縮できました。また、エース社員が教育に費やす時間が減り、その分売り上げに直結する業務に集中できるようになったため、全体の業務効率が向上しました。

株式会社Olympicの導入事例やtebikiの詳細をより詳しく知りたい方は、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や、こちらの記事をご覧ください。

株式会社八雲ソフトウェア

株式会社八雲ソフトウェアは、ソフトウェア開発や人材派遣事業を行っている島根県の企業です。同社ではプログラミングスキルに加えて、コミュニケーション能力やマネジメント能力が重要視されていますが、従業員数が増加する中でOJTによる教育だけではスキルの育成が難しいと感じていました。

そこで、勤務時間内に1on1面談スキルやオンライン営業に関する外部研修を実施しました。その結果、従業員はOJT教育のみでは獲得が難しいコミュニケーションスキルやマネジメント能力を習得し、社内外の業務が円滑に進められるようになりました。

参照元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材活用事例集」

株式会社KMユナイテッド

株式会社KMユナイテッドは、塗料の販売および塗装工事を行っている京都府の企業です。同社では若年層の入職が減少しており、技術伝承に課題を感じていました。そこで、塗装職人の育成に特化したOJTプログラムを導入し、短期間で一流の職人を育む環境を整備することに

入社後は、まず3年以内の独り立ちを目指し、シニアインストラクターと呼ばれるベテラン職人が個別に指導を行います。1人の職人として十分な水準に達したと判断された場合は「サブインストラクター」と呼ばれる地位に昇格し、他者に指導できる「インストラクター」を目指します。

このように、教育体制を整備することで育成効率が向上し、生産性の向上を通じて事業規模の拡大を実現しました。

参照元:厚生労働省「実践事例 変化する時代の キャリア開発の取組み」

日本クロージャー株式会社

金属キャップや樹脂キャップの製造販売を手掛けている日本クロージャー株式会社では、日常の業務が忙しく、OJTに時間を割けないという問題を抱えていました。

そのため、新人教育の効率化を図るために動画マニュアル「tebiki」を導入し、組み込み・分解・金型作業を動画マニュアル化することに

その結果、新人が自主的に業務を覚えられるようになり、教える側も教わる側も時間を気にせず学べる環境を確立できました。さらに、tebikiで作成した動画マニュアルはクラウド上に一元管理されているため、必要な動画をすぐに見つけられるようになり、教育の効率が向上しました。

日本クロージャー株式会社の導入事例やtebikiの詳細をより詳しく知りたい方は、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や、こちらの記事をご覧ください。

双日株式会社

双日株式会社は、2003年に設立された総合商社です。同社では多様な経験を重視しており、研修が2割、実践を重視するOJTが8割という学習形式を採用しています。研修前には目標を設定し、研修後の3ヶ月や半年後にフォローアップを行い、現場で実践できているかを確認しています

これにより、従業員は自身の成長を実感し、キャリア目標と現状を正しく認識できるようになりました。さらに、ライフイベントでキャリアの遅れを防ぐため、若手に早期から経験を積ませる「トレーニー制度」を導入し、意欲と実力を持つ若手がキャリアアップしやすい環境を整備しています。

参照元:厚生労働省「実践事例 変化する時代の キャリア開発の取組み」

ソフィアメディ株式会社

指定訪問看護ステーションやデイサービスを運営しているソフィアメディ株式会社では、育成の効率化を図るために「YAMASATOシステム」を導入しています。育成は山レーン(OFF-JT)と里レーン(実践)に分かれており、山レーンでは研修や面談を通じて専門性を高め、里レーンではOJTやメンター制度を活用して実践スキルを強化しています

このシステムを導入した結果、専門的な医療技術や知識だけでなく、高い人間力を備えて顧客と向き合い、質の高いサービスを提供できるようになりました。

参照元:厚生労働省「実践事例 変化する時代の キャリア開発の取組み」

株式会社ハングリータイガー

オリジナルハンバーグとステーキの専門店を12店舗展開している株式会社ハングリータイガーでは、従来のOJTでは担当者によって教え方にムラがあり、業務品質が安定しないという課題がありました。
また、文字情報だけでは調理手順や接客の細かい所作を伝えきれないという問題を抱えていました。
そこで、教育体制を改善するために動画マニュアル「tebiki」を導入し、具材の準備手順や切り方、接客の所作などを動画マニュアル化することに

その結果、新人がスムーズに業務を理解できるようになり、新人が動画を見るだけでキッチンやホールなどの現場に出る一歩前までレベルアップできるようになりました

株式会社ハングリータイガーの導入事例やtebikiの詳細をより詳しく知りたい方は、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や、こちらのインタビュー記事をご覧ください。

インタビュー記事:マニュアル作成やOJTの工数削減!接客の所作や業務の動きを伝えるには動画がベスト

ここまで、OJTによる教育に成功している15社の事例をご紹介しました。

それぞれ特徴的な取り組みがある一方で、成功事例の共通項には「OJT以外の取り組みも+α実行している点」があります。+αの施策があることが、結果的にOJTの成功を手助けしているともいえるでしょう。『OJTだけで手一杯…』という方は、まずOJTの効率化から着手することがおすすめです。

OJTを効率化する手段としては、本章でも数社ご紹介した「動画マニュアルの活用」が有効です。動画を活用したことで、年間の新人教育時間を3,700時間削減した事例もあります。OJTなど、新人教育の場で動画マニュアルを活用する効果は、以下のバナーをクリックしてガイドブックをご覧ください。

次章では、成功企業における他の共通点についてご紹介します。


動画マニュアルで現場の教育をかんたんにする方法

OJTに成功した企業に共通する特徴は?

OJTを成功させた企業には、以下のような特徴があります。

OJTを成功させたい方は、成功事例の共通点を確認しながら、自社の取り組みをどのように改善できるかを考えてみてください。
効果的なOJTの進め方や注意ポイントを詳しく知りたい方は、別記事「OJTを効果的に進めるコツ6選!製造現場で使える具体的な指導のポイントを紹介」や、人材開発の専門家による以下の解説動画もご覧ください。


製造現場における令和時代にフィットしたOJTアプローチ

OJTの目標が明確になっている

目標が明確であれば、OJTを受ける側は達成すべきことが理解しやすくなり、自分の成長やスキルアップに対するモチベーションが高まります。たとえば、新人に営業のOJTを行う際には、「営業のやり方を学ぶ」といった漠然とした目標ではなく、「1ヶ月以内に10件の新規顧客を獲得する」といった具体的な目標を設定することが大切です。逆に、漠然とした目標を設定すると達成すべき基準があいまいとなり、モチベーションの低下や挫折感を引き起こす可能性があります。

目標を明確にすることは、新人だけでなく、教育係にもメリットがあります。具体的な目標を設定することで、新人がどの程度のスキルを身につけているかを把握しやすくなります。その結果、新人のスキルや成果を正確に評価し、教育内容を最適化することが可能です。

専属のOJT担当者がフォローしている

専属のOJT担当者を配置することで、新人は相談相手が明確になり、安心して業務に取り組めるようになります。さらに、担当者が固定されていると信頼関係が築きやすくなり、新人が本音の悩みを相談しやすくなります。

これにより、新人は不満を抱えることなく働けるようになり、結果的に退職率の低下も期待できるでしょう。
実際に、先述したアサヒビール株式会社では、新人一人ひとりに先輩社員がついて仕事の進め方や心構えを教える「ブラザーシスター」制度を導入し、自発的に立候補した若手社員が新人を指導しています。

この制度により、社員同士が助け合う文化が育まれ、指導する側のブラザーシスターの成長にもつながっています

OJTとOFF-JTを組み合わせている

現場での実践的な教育と、座学での理論的な学習をバランスよく取り入れることで、従業員は効率的にスキルと知識を習得できます。新人が現場で実際の業務を学びつつ、定期的に座学研修で理論や知識を補完することで、理解度が深まり実践力が向上します

OFF-JTの一環として、最も実施されているのが座学研修です。座学研修は理論や背景知識を習得する上で重要ですが、一度の研修で教わったことを完全に理解するのは難しく、その内容を日常業務に活かせない企業も少なくありません。そのため、何度でも繰り返し視聴が可能な動画マニュアルを活用して、継続的に学習を進めるのがおすすめです。

動画マニュアルの教育効果については、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や、以下のガイドブックをご覧ください。動画マニュアルの有効性について、マンガで分かりやすく解説しています。


マンガでわかる!動画マニュアルで現場の教育をカンタンにする方法-1

教育体制が整備されている

明確な教育プログラムや研修計画が整っていると、従業員が継続的に学べるため、OJTの成功率が高まります。新人をスムーズに教育するには、業務内容や社内のルールを学ぶ研修からキャリアに応じた専門的な教育プログラムまで、段階的にスキルアップできる仕組みを用意する必要があります。

例として、先述したマルハニチロ株式会社伊藤忠商事株式会社など、OJTを成功させている企業では担当者が定期的にフィードバックを行い、新人の成長を徹底的にサポートする体制が整っています。

一方で、教育体制が整っていない状態でOJTを実施すると新入社員と教育担当者の双方に大きな負担がかかり、会社全体の生産性が大きく低下する可能性が高いです。

教育体制が整っていない場合、OJTにおける教育内容や進行方法が曖昧になり、新入社員は効果的な学習が難しくなります。同様に、教育担当者も何を重点的に教えるべきか判断できず、一貫性のない指導となってしまうでしょう。

企業独自の取り組みを実践している

自社の文化や価値観を反映した教育方法を取り入れることで、従業員のモチベーションを高め、効果的にOJTを実施することが可能です

たとえば、先述した株式会社KMユナイテッドでは、「短期間で一流の塗装職人を育む」という目標に沿って「サブインストラクター」や「インストラクター」などの役職を設けた教育を展開し、その役職相応のスキルを獲得できるようOJTを行っています。結果として、新人は何をすべきかやどうあるべきなのかが明確になるほか、その役職ごとに達成すべきスキルや知識が具体的に示されているため、自分の成長過程を実感しやすくなります

他の例として、トヨタ自動車株式会社のOJTでは「教え、教えられる関係」を大切にしており、新人だけでなく教育担当者も成長できる仕組みを整えています。
業務の内容や社風によって最適なOJTのやり方は異なるので、他社の成功事例を参考にして、自社に適した方法を模索することが大切です。

そこで次章からは、OJTを進めるうえで注意したいポイントや、ありがちな失敗例についても解説します。自社で実施しているOJTの実態と照らし合わせながら、改善点を模索しましょう。

OJTに弱点はある?おさえておきたい注意点やデメリット

先述したようなポイントをおさえたOJTを実施することで、スムーズに新人を育成できます。しかし、OJTには次のような弱点もあるため、実施する際は注意が必要です。

  • 教育の質がばらつき、属人化しやすい
  • 教育係の負担が大きくなりやすい
  • 新人が独り立ちするまでに時間がかかる

効果的なOJTは新人の速やかな独り立ちやスキル獲得に繋がりますが、問題点を改善せずに継続してしまうと、新人教育の失敗や教育係・現場の負担を招いてしまいます。

そこで、若手の採用・育成・定着に強い専門家による「新人/若手教育のポイント」を解説した動画を以下にご用意いたしました。本記事と併せてご覧ください。


若手が育たない原因は『現場』にあり。製造現場に求められる新人若手教育の掟  (1)

教育の質がばらつき、属人化しやすい

OJTは現場での実務を通じて行われるため、教育の質が担当者のスキルや経験に大きく依存する場合があります。たとえば、担当者に十分な経験がなく正確な手順を教えられなかった場合、その新人は誤った方法で作業を行い続けることになり、作業不順守が業務上のミスや作業の非効率化など業務に支障をきたす可能性があります。

さらに、OJTでは担当者ごとに指導内容や教育方法が異なることが多く、教育の質にばらつきが生じやすくなります。たとえば、ある担当者が強調するポイントと別の担当者が重要視する点が異なると、新入社員が習得するスキルや知識に一貫性がなくなり、結果として業務の成果に差が生じることがあります。

このように教育の質にばらつきがあると、新人が正しくスキルを身につけられず、業務効率や成果に差が出てしまいます。また、属人化が進むと特定の教育担当者にOJTを依存する状況が生まれ、突発的な休みや長期休暇の際にOJTを進められないという問題も発生します。

このような問題を解決する方法について、後述する『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』や下記のウェビナー動画で詳しく解説します。是非ご参照ください。


属人的な教育が引き起こす品質不良 -解決への処方箋-

教育係の負担が大きくなりやすい

教育係は日常業務をこなしながらOJTを進める必要があるため、身体的にも精神的にも負担が大きくなりがちです。たとえば、日常業務が繁忙期に入った際、教育係は自分の業務を進めながら新人を指導することになり、新人教育のために残業や休日出勤が増える可能性があります。

特に、教育体制が整備されていない場合はOJTの教育計画や教える内容などが教育係に丸投げされることが多いため、教育係が抱える負担がさらに大きくなってしまうことも。負担が増大すると教育係が過度なストレスを抱え、教育の質が低下することや早期離職の原因となります

また、通常業務と新人教育を同時に行おうとすると、両方に十分な時間とリソースを割けず、結果としてどちらも中途半端になってしまう可能性があります。このような状況では通常業務の効率が下がり、生産性が低下するリスクが高まります。

さらに、新人教育が不十分だと新入社員の成長が遅れ、長期的には組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことにもつながります。OJTを実施する余裕がないと悩んでいる方は、現場に負担をかけずにOJTを進めるヒントをまとめたこちらの記事もご覧ください。

新人が独り立ちするまでに時間がかかる

OJTの期間は中長期にわたることが多く、1年ほどかかる場合も少なくありません。この期間中に以下のような問題が発生すると、OJTの進捗が遅れ、教育期間が予定よりも長引くことがよくあります。

  • 先輩社員が忙しいことでOJTが滞り、計画通りに教育が進まない
  • 教育担当者が多忙のため新人が質問できず、疑問が解消されない
  • 教育担当者のタスク増加により、新人が放置される時間が増える

新人が独り立ちするまでに時間がかかると、その間教育担当者の業務が圧迫され、チーム全体の業務効率が低下するリスクが高まります。

たとえば、教育担当者が新人の指導に時間を取られて重要な会議の準備が後回しになると、会議資料が不十分になり、結果として会議での意思決定が遅れる可能性があります。この遅延がプロジェクト全体のスケジュールに影響を与え、大幅な遅れを引き起こすことも考えられるでしょう。

このような課題を回避するには、現場に負担をかけずにOJTを遂行できる教育体制の整備が欠かせません。

OJTを効率的に行うポイントについては、別記事「【新人教育】OJTを効率的に行うポイントとは?事前準備から役立つツールまで解説」のほか、次章『OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」』で詳しくご紹介します。

OJTの弱点を克服し、成功するには「動画マニュアルtebiki」

先述したようなOJTの問題点を解消し、教育効果を高めるには「動画マニュアル」の活用が効果的です。本章では、動画マニュアルを活用するメリットや、特におすすめな動画マニュアル「tebiki」についてご紹介します。

動画マニュアルによる教育効果

動画マニュアルとは、業務手順や操作方法などを動画で解説するマニュアルのことです。動画マニュアルには以下のような教育効果があるため、効率よく新人教育を進められます。

  • 教育や育成のばらつきを解消
  • 教える側/教わる側双方の負担減少
  • OJTとの併用で新人がより早く独り立ちできる

教育や育成のばらつきを解消

従来のOJTでは、教育内容が教える側のスキルや経験に依存するため、指導の質にばらつきが生じることがあります。しかし、動画マニュアルを教材に用いることで、すべての従業員が同じ内容を繰り返し学習できるという強みがあります。これにより、指導内容のばらつきを解消し、ヒューマンエラーや業務トラブルを減少させることが可能です。

たとえば、製造業において新しい機械の操作方法を動画マニュアルで提供する場合、すべての従業員が統一された正確な手順を学ぶことができ、教育担当者ごとの教え方の違いによる混乱を防ぐことができます。その結果、操作ミスや事故を防止し、業務の安全性と効率を向上させることが期待されます。

加えて動画マニュアルは、紙マニュアルに比べて視覚的な理解を促進しやすく、かつOJTのように実際の操作手順を動画で確認できるため、学習効果が高まるという利点もあります。

これにより、教育の均一性を保ちながら新人育成を促進し、業務全体の生産性を向上させることが可能になります。

教える側/教わる側双方の負担減少

動画マニュアルを活用することで、教える側は毎回同じ内容を繰り返し説明する必要がなくなり、時間と労力を大幅に節約できます。

▼動画マニュアルの活用で、OJTの負担を軽減できる▼

動画を活用することでOJTの負担が軽減されることが分かる図

一方で、教わる側も自分のペースで動画を視聴して学習できることに加え、動画マニュアルを何度も再生して確認することで不明点や疑問点を解消し、業務への理解を深めるといった自学自習が可能です。

特に、新人社員は基本的なことを教育担当者に尋ねることに対して遠慮しがちで、その結果、疑問を抱えたまま業務を進めてしまうことがあります。しかし、動画マニュアルがあれば基本的な業務を自分で学ぶことができ、疑問や不安を解消しながら業務に取り組むことができます

これにより、新人が抱える不安を軽減し、業務の質を向上させることができます。

OJTとの併用で新人がより早く独り立ちできる

動画マニュアルを活用すれば、自分のペースで学習を進められるため、教育担当者が忙しい場合でも新人は1人でスキルアップできます。

一方で、座学や動画マニュアルだけに頼った新人教育では実践の場が不足していることや、現場でのコミュニケーション不足といった懸念も存在します。そこで、動画マニュアル:OJTが8対2となるような教育体制を整えることがおすすめです。

理想の教育方法 動画80% OJT20%であることを示した図

基礎的な知識や自学で進められる領域の学習を動画マニュアルに置き換えることで、教育係や先輩社員の負担を減らしながら自学自習できる体制が整います。

加えて、動画マニュアルで学んだ知識を実践する場としてOJT教育を行うことで、新人をより早く独り立ちさせることが可能だといえます。

そのため、教育の80%を動画マニュアルによる自己学習、残りの20%をOJTによる実践の場にすることがおすすめです。まず動画で基礎知識を習得し、その後のOJTで実務経験を積むことで、知識と実務能力をバランスよく短期間で身につけることができます。

このアプローチにより、効率的で実践的な教育が可能となり、新人の早期戦力化が期待できます。

動画マニュアルの教育効果やメリット、導入の様子について詳しく知りたい方は、こちらの資料もご覧ください。


動画マニュアルで現場の教育をかんたんにする方法

動画マニュアルを簡単に作れる!現場教育システム「tebiki」

いざ動画マニュアルを内製化しようと進めると、以下のような課題に直面することが多いです。

  • クリエイター向けの動画編集ソフトでは操作が大変
  • 作る人が属人化することで特定の人に負荷がかかる体制になってしまう

上記のような課題に直面すると、せっかく作成した動画マニュアルも伝わりづらく、形骸化してしまう恐れがあります。

このような状態を防ぐためには「誰でも簡単に動画マニュアルが作れる」ようにすることが必要で、これを実現できるツールが現場教育システム『tebiki』です。

tebikiの編集画面は現場教育に必要な機能を厳選して取り揃えているため、一般的な動画編集ソフトと比較して非常にシンプルでわかりやすいものとなっています。

そのためPCに慣れていないような、作業を熟知するベテランでも動画マニュアルを作ることができるため、作業のポイントが完全に盛り込まれている動画マニュアルを整備することができます。

また動画マニュアルの作成だけでなく、作成したマニュアルの一元管理や習熟度チェックなど現場教育に必要な機能が一気通貫で揃っているサービスです。tebikiの詳細については以下の資料も併せてご覧ください。


動画マニュアルがかんたんに作れる「tebiki」の概要を見る

まとめ

この記事では、OJTの成功事例や注意点について解説しました。OJTの成功事例を学ぶことで、自社に適した教育方法や現状の課題を把握できます。

また、OJTを成功させた企業の共通点を参考にすることで、自社でも効果的なOJTを実施することが可能です。そのため、現在の教育に課題を感じている方は、この記事を参考にしながら教育体制や指導内容を改善してみてください。

新人教育の成功確率を高めるためには、動画マニュアル「tebiki」を活用するのがおすすめです。動画マニュアルを活用することで、教育内容のムラを解消し、すべての新人が正しい業務を習得できます。

さらに、OJTでは教育係の負担が大きくなりがちですが、tebikiではOJTの様子を撮影するだけで動画マニュアルが作成できるため、教育の負担を大幅に軽減できます。

動画マニュアル「tebiki」の資料は、以下の画像から無料でダウンロード可能ですので、ぜひ詳細をチェックしてみてください。


動画マニュアルがかんたんに作れる「tebiki」の概要を見る

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