かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki」を展開する現場改善ラボ編集部です。
業務品質や生産性の向上を図る上では、自社に適した効率的な新人教育を実施する必要があります。しかし、新人教育には、明確な正解があるわけではないため、「どのようにOJTを進めていけばよいのかわからない」「教育担当者の負担が大きすぎて通常業務に支障がでてしまう…」などの課題を抱えているケースもあるはずです。
そこで、この記事では、効率的な新人教育を実施するための具体的な手段や新たな教育手法、参考になる企業事例などを解説していきます。自社の非効率な教育を改善したい方はぜひチェックしてみてください。
目次
なぜ?新人教育の非効率・ムダを生んでいる原因
新人教育には明確な正解がなく、会社ごとの状況や教育対象者の人数や経歴などの様々な要因によって、最適な教育手法が異なるため、適切に実施されていないと非効率・ムダが多い新人教育になります。
非効率・ムダが多くなる大きな原因の1つとして、従来からの教育手法から抜け出せず、形骸化していることがあげられます。教育手法は年々変化していくものであるため、教育内容やフローの調整をしないと、最適な新人教育とは言えないでしょう。
実際に現場改善ラボの会員に実施したアンケート調査(N数=156人)で、「新人教育に課題を感じていますか」という質問をしたところ、全体の93%が何かしらの課題を抱えていると回答しています。
【教育のばらつき/教育負担の削減が見込める”動画マニュアル”の有効性&活用事例】から抜粋
また、感じている課題に対して「何かしらの対策をしている」と回答した方は、およそ3割に留まっています。このことからも、新人教育が形だけのもの(形骸化)になっていることが伺えます。
詳しい調査内容、従来の教育から抜け出して新人教育の課題を解消するポイントを知りたい方は、以下のリンクをクリックしてPDF資料をご覧ください。
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非効率から抜け出し、効率的な新人教育を実施するための具体的な手段
ムダや非効率が発生しがちな新人教育を効率的に実施するにはどうすべきか、ここからは具体的な手段について解説していきます。
誰が教えても同じ教育内容になる教育体制の整備
新人教育の課題の1つとして、担当者によって教育内容にばらつきが発生する点があげられます。担当者ごとにばらつきがあると、教育を受けた各従業員ごとで作業の手順や考え方が異なり、再度教育をし直す可能性もあるため非常に非効率です。また、正しく作業が行われないことによって別の担当者が再度修正するなど、二度手間が生まれることもあるでしょう。
そのため、教育内容にばらつきが生じないように「誰が教育担当でも教育内容がある程度同じ」になる教育体制を構築する必要があります。この教育体制を構築するためにも、一目で作業内容や手順がわかる「動画マニュアルの活用」が手段の1つとして有効です。
▼小売業で実際に活用されている動画マニュアルサンプル▼
※tebiki現場教育で作成されています。
▼製造業で実際に活用されている動画マニュアルサンプル▼
紙マニュアルの場合、作業や業務に関する情報全てを網羅的に記載する必要があるので、作成工数の増加や読み手によって誤った形で情報が伝わるなどのリスクが考えられます。一方で動画であれば、業務風景を撮影し、字幕や動画の静止などかんたんな編集のみで動画を作成できます。
サンプルとして紹介した2つ以外に動画マニュアルのサンプルを見てみたい方は、様々な業界で活用されているマニュアルのサンプル集をご覧ください。
>>「実際に業務で使われている動画マニュアルのサンプル集」を見てみる
教育負担を最小限にする”自発的な学習を促す”環境の構築
新人教育において、OJTのフローが整備されていない場合、「この業務はOJTで教えてもらっていない」「作業内容が正しくないため、再度教育する必要がある」など、同じ教育が繰り返し行われることもあります。
そのため、想定以上に教育担当者の負担が増加してしまい、他の業務に影響が生じてしまうことに。このようなリスクを回避するためにも、自発的な学習を促せるような教育環境を構築し、担当者の負担軽減を進めるのが大切です。
自発的な学習を促す工夫としては以下のような取り組みがあげられます。
- 作業する前に動画で手順ややり方を視聴する
- 始業後 / 終業前にその日の作業の事前事後の学習を実施する
熟練者のノウハウ・カンコツを体系的に学べる手順書やマニュアルの整備
熟練者のノウハウやスキルなどを新人が体系的に学べるように、既存の手順書やマニュアルを整備する取り組みも有効です。体系的に学べる手順書やマニュアルがあることによって、作業の不明点や疑問があった際にまずマニュアルを見る文化が醸成されます。
また、作業手順や今やるべきことが明確にわかるので、作業ミスや抜け漏れの防止にもつながるでしょう。
実際に、業務範囲が広く膨大な作業ノウハウが属人化していた堺化学工業株式会社では、ノウハウを標準化するためにマニュアルの動画化を推進し、あらゆる業務を動画マニュアルに落とし込む形で整備。その結果、従業員の理解度が大幅に向上し、教育する側・される側それぞれの負担軽減につながり、属人化の解消や標準化も実現しています。
同社の事例を詳しく読んでみたい方は、インタビュー記事「製造現場の教育を全社的にIT化作業ノウハウを凝縮したデータベースを構築」をご覧ください。
また、新人従業員に対して教育を実施しても、「思うように伝わらない」ことで、属人化しているカンコツ作業は数多くあるはずです。このようなカンコツ作業を標準化するための方法や標準化を実現した企業の事例については以下の資料で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
新人教育の効率化につながる新たな教育手法
ムダ / 非効率をなくし、新人教育の効率化を進める上で重要なのは、つきっきりで実施するOJTや、見て覚える組織風土などの従来の教育から抜け出し、環境に適した新たな教育手法を取り入れることです。
新たな教育として、様々な業界で取り入れられている手法は「動画マニュアルの導入」です。
【教育のばらつき/教育負担の削減が見込める”動画マニュアル”の有効性&活用事例】から抜粋
OJT内で動画マニュアルを教育対象者に視聴させることで、実際の動きを動画で学べて、視聴者ごとの解釈や認識のズレを防止できるのが大きな特徴です。また、動画である程度の作業手順やルールを理解できるので、担当者からの説明は最小限で済みます。そのため、OJT担当者の教育負担の削減にもつながるでしょう。
新人教育に動画マニュアルを活用する有効性や実際に活用している企業事例などは、以下の資料で詳しく解説していますので、リンクをクリックしてご覧ください。
>>「教育のばらつき/教育負担の削減が見込める”動画マニュアル”の有効性&活用事例(pdf資料)」を見てみる
動画+OJTで新人教育を効率化している企業事例
ここでは、新人教育の効率化につながる「動画+OJT」をメインに教育を実施している企業の好事例について紹介していきます。
株式会社神戸製鋼所
「素材系事業」「機械系事業」「電力事業」3つの事業を展開している株式会社神戸製鋼所では、紙帳票とOJTによる新人教育によって、作業内容にばらつきや非効率が発生していました。OJT担当者ごとの教育内容の違いから習熟度に差が発生し、結果的に作業品質の低下が起きていたそうです。
OJTと紙マニュアルによる新人教育に限界を感じている中で、作業内容や微妙なニュアンスが伝わりやすい動画マニュアル(tebiki現場教育)を導入。現場でのOJTを実施する前に、作成した動画マニュアルを視聴する教育体制を構築した結果、OJTの時間をおよそ3割程度削減することに成功しています。
OJTに動画マニュアルを活用することで、教育者による教え方のばらつきがなくなり、作業の間違いや理解不足を低減できていると語る同社の事例は以下のインタビュー記事からご覧ください。
インタビュー記事:動画を活用した現場の人材教育効率化と作業標準化
株式会社GEEKLY
IT・WEB・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開している株式会社GEEKLYでは、OJT教育において、教え方にばらつきがあることで新人ごとで理解度に差が生まれたり、OJT担当者に負担が集中するなどの課題を抱えていました。特に、新人従業員1人につき、1ヶ月で50時間ほど教育負担がかかっており、新人教育を請け負ったチームの目標が未達になることもあったそうです。
これらの課題を解決するために、新人教育・営業ノウハウ・システム操作・管理業務など様々な業務などを動画マニュアル(tebiki現場教育)に集約し新人教育に活用したところ、OJT負担の削減を実現しています。結果として、教育時間が導入する前と比べて1/3程度になっています。
動画による教育で指導内容が統一され、業務内容や営業品質のバラツキの解消にもつながったと語る同社のインタビュー記事は以下からご覧ください。
インタビュー記事:年間の新人教育時間を3,700時間削減。トレーナーの教育時間が大幅に減り営業成績も向上!
株式会社Olympic
首都圏を中心に専門店/ディスカウントストア/スーパーマーケットを展開する株式会社Olympicでは、精肉部門において高度なスキルが要求される精肉加工で、新人に対してのトレーニングが思うように進まない課題を抱えていました。トレーナーとトレーニーのシフトを合わせて実施されるOJTのみの教育だったため、スキルアップにつながらなかったそうです
そこで、タブレットで正しい精肉加工の手順を学べるように動画マニュアルを「tebiki現場教育」を活用して作成し、作業前と作業後に視聴するように整備したところ、OJTの工数を削減することに成功しています。
教わる側にとって一番良いタイミングで見本を見ることができるようになって、ものすごく教育が効率化したと語る同社の事例は以下のインタビュー記事からご覧ください。
インタビュー記事:違いはOJTの回数です。動画で復習できるようになってものすごく効率化しました。
新人教育に活用できる教育改善ツール
『動画+OJTで新人教育を効率化している企業事例』で紹介した企業では、OJTに動画を組み合わせる形で教育を効率化していることがわかったかと思います。
しかし、動画マニュアルを作成するにあたって、「編集経験や専門的なスキルがないとできないのでは…?」と感じる方がいるかも知れません。しかし、tebiki現場教育であれば、直感的な操作性とシンプルな画面設計で、はじめて動画編集をする方でもかんたんに動画マニュアルを作成できます。
実際に、tebiki現場教育を導入している「東急リゾーツ&ステイ株式会社」では、導入から2年で9,000本以上の動画マニュアルを作成しています。同社からは、使いやすさだけではなく、teiki現場教育のサポート体制についても、以下のように語っています。
tebikiでは、導入直後から専任担当が付き、動画作成の基本だけでなく、各現場の課題設定やそれに応じたシナリオ設計、組織構築など、運用面全般を共に考えてくれます。さらに、定期的なミーティングを通じた継続的運営支援や、タイムリーな他社運用事例共有による新たな視点や気づきの切欠を提供頂き、本当に心強く感じています。
tebiki現場教育の詳しい機能やサポート内容、料金などについて詳しく知りたい方は、以下の画像をクリックして、サービス資料をご覧ください。
【補足】非効率な新人教育が引き起こすリスク
新人教育にムダや非効率があったとしても、ついつい目を背けてしまいがちですが、非効率を解消せずに新人教育を実施することで様々なリスクを引き起こす可能性があります。
ここでは、具体的なリスクについて解説していきます。
教育内容にばらつきが発生し、技術伝承/多能工化が進まない
担当者ごとに新人に対しての教育内容に、ばらつきが発生する可能性があります。
正しい作業やルールが共有されずに、誤った情報や我流のやり方などが伝わってしまうと、技術伝承や多能工化が推進されずに作業品質の低下やヒューマンエラーの頻発など様々なリスクが考えられるでしょう。
また、教育を受ける側の受け取り方や解釈によって、正しく伝えているつもりでも誤った形で情報が伝わってしまう可能性も十分に考えられます。なお、技術伝承は進めようと思ってもそう簡単に推進できるものではありません。
以下の資料では、技術伝承が進まない原因や新人に対して効率的にベテランの技術伝承を進めるためのポイントなどをわかりやすく解説しています。以下のリンクをクリックして資料をぜひご覧ください。
>>「新人にベテランの技術伝承を効率的に進めるポイント」を見てみる
OJT担当者の負担が増加し、組織全体の生産性に影響する
新人教育の中で、同じことを何度も伝える必要があったり、新人の作業品質が低く担当者の確認や修正に時間がかかるなどの状況も十分に考えられます。
この場合、OJT担当者への教育負担が大きくなってしまい、通常業務に手が回らなくなり組織全体の生産性に影響してしまうこともあるでしょう。
外国人労働者とスムーズなコミュニケーションが取れない
製造業や飲食、接客業などの現場産業では、日本人だけではなく様々な国籍の外国人労働者も増えています。
そのため、外国人労働者に対する教育体制が構築できていない現場では、スムーズなコミュニケーションが取れないことで教育が十分に進まないケースが考えられます。教育が進まないことで、業務品質のばらつきや労働災害の発生、生産性の低下など現場に様々な問題を引き起こすでしょう。
外国人労働者への教育課題の解消に向けては、関連記事「外国人労働者の教育課題はこう解決する!5つの指導ポイント」をご覧頂くか、言語の壁を超えて外国人教育の課題を解消するポイントや企業事例を紹介している以下の資料をご覧ください。
>>「外国人労働者に「伝わらない」を解決した動画マニュアル活用事例集」を見てみる
モチベーションが低下して早期離職者が増加する
効率が悪い新人教育によって、同じような作業内容が続いてしまったり、待ち時間が発生したりすると、教育を受ける側のモチベーションが低下する可能性があります。
モチベーションが低下した状態が続くと、ギャップやミスマッチにつながってしまい、早期離職が発生するリスクも十分に考えられるでしょう。
不十分な安全教育によって労働災害につながる
物流や製造、建築などの現場作業では、業務の中に様々な危険が潜んでいます。新人教育の一部である安全面での教育が不十分な場合、手順不遵守や不安全行動などにより、ヒヤリハットや労働災害が発生する可能性が大幅に高まるでしょう。
労働災害を防止するためにも、5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、躾)による職場環境の改善、KY活動(危険予知)による危険が潜んでいる箇所の特定と対策などが有効になります。
また、従業員の安全意識を向上させるための効率的な安全教育への取り組みも非常に重要です。以下の資料では、安全意識が高い現場の取り組みを体系的に解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。効率的な安全教育の実施方法や労働災害を防止するヒントが得られるはずです。
まとめ
この記事では、新人教育が非効率になってしまう原因、効率的に実施する方法などを解説してきました。新人教育を効率化することによって教育担当者の負担が軽くなり、会社全体の業務効率も向上します。
効率的な新人教育を実施するための1つの手段として有効なのは、動画マニュアルの活用です。普段実施しているOJTや紙マニュアルによる教育を動画マニュアルに置き換えることで、担当者の負担が軽減され、教育内容の標準化も実現します。
記事内で紹介した、動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」のサービス資料については、以下の画像をクリックするとダウンロードできますのでぜひ詳細をチェックしてみてください。