他社ツールの失敗を乗り越え、技能伝承を仕組み化。
習熟スピード2倍・教育工数4割減・生産性3倍を実現
株式会社デンソーエアクール
- 業種 :製造
- 従業員数 :501-1,000名
- テーマ :技能伝承,生産性向上,新人教育
お話を伺った方:製造部 現場効率化推進支援室 室長 長嶺様
製造部 係長 小澤様
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課題
- 特定工程が長年属人化しており、習熟に時間がかかっていた
- ベテランが長期間付き添う必要があり、教育負担が大きかった
- 手順書だけでは作業の細かな動きが伝わらず、理解にばらつきがあった
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効果
- 習熟期間が約1か月 → 約2週間に短縮
- 教育工数を約4割削減
- 誰でも再現できる教育環境を構築し、技能伝承を加速
多品種少量・長工数の現場で求められていたのは、「誰がやっても同じ品質」
事業内容と、製造現場の特徴について教えてください
長嶺様:当社は、株式会社デンソーが100%出資するデンソーグループ企業として、バス、冷凍機をはじめ、トラック、農業・建設機械向けの空調機器を中心に、業務用・家庭用空調システムまで含めて、開発から製造までを行っています。特徴としては、多品種少量生産で、しかも製品1つひとつの作業工数が長い点ですね。
さらに季節変動で人の入れ替わりも多く、「誰がやっても同じ品質を出せること」が現場では強く求められています。
現場の教育について、当時どのような課題がありましたか
長嶺様:当初の一番の課題は、標準作業があっても、教える人によって教え方に差が出たり、作業者ごとに理解や解釈にばらつきが出ていたことです。
不良が出ると「手順が曖昧だった」「標準が守られていなかった」という話になるのですが、そもそも“誰が見ても同じように理解できる標準”になっていなかったことが問題でした。
長嶺様:作業要領書自体はあったものの、図面ベースで注意点だけが書かれた、どちらかというと最終確認用の帳票という位置づけでした。そのため新人や応援者にとっては、完成形は分かっても、「手順の間の動きがわからない」「カンコツが伝わらない」という状態だったんです。
結果として、ベテランが5日から長いと2週間ほど付きっきりで教える必要があり、教育そのものが生産性のボトルネックになっていました。そこで、紙では伝わらない部分を補うには「これはもう動画しかないのではないか」と考えるようになりました。
「見た目が近いから置き換えやすい」は誤算だった。以前のツール導入で起きたこと
動画マニュアルを導入してみて、どのようなギャップがありましたか
長嶺様:当時は、既存の紙手順書と見た目や構造が近いツールを導入していました。「これなら、今の手順書をそのまま置き換えられる」と期待していたのですが、実際にはそうはいきませんでした。 まず、紙の手順書はそう簡単には無くせません。長年現場に根付いた運用や承認・改訂の仕組みを変えるのは、想像以上にハードルが高いんです。 そのため、以前のツールでは、紙と同じ内容をツール上でもう一度作り直す必要がありました。 結果として、作成も更新も二重に発生し、管理工数は実質2倍になってしまったんです。
小澤様:すでに導入していたため、なんとか忙しい業務の合間を縫って動画を作成していましたが、「なぜここまでやる必要があるのか」が腹落ちせず、現場では不満の声も多かったですね。 さらに、整備した動画も現場ではほとんど使われませんでした。作業中にすぐ確認できる導線がなく、結局は先輩を呼ぶ形になり、教育もOJTのまま変わらなかったんです。 結果として、現場からすると「やることが増えただけ」。改善の取り組みが、かえって現場との距離や信頼感を削ってしまったと感じています。
なぜ現場活用が進まなかったとお考えですか
長嶺様:原因は、「誰が・誰に・いつ・どう使うのか」という“使い方の設計”がないまま、作成だけが先行してしまったことです。 サポートも操作説明が中心で、教育のどのタイミングで使うのか、現場でどう参照するのかといった前提が整理されていませんでした。 その結果、端末や環境も整わず、「使いたくても使えない」状態になっていたんです。
「同じ失敗を繰り返さずに済む」と思えた。
tebikiを選んだ決定的な理由
その後、動画マニュアルについてどのように考えていましたか
長嶺様:一度挫折したことで、「動画マニュアルは現場に合わないのでは」と感じていました。ただ、多品種少量で人の入れ替わりも多い現場では、長期的には動画教育は不可欠だとも思っており、「やらない」のではなく「やり方を変えるしかない」と考えていました。
そんな中でtebikiの話を聞いたのですが、印象的だったのは、ツールの説明よりも先に「なぜ前回うまくいかなかったのか」を一緒に整理してくれたことです。
他社と一番違うと感じた点はどこでしたか
長嶺様:一番の違いは、「どう作るか」ではなく、「現場でどう使われ、どう定着するか」まで含めて設計してくれた点です。どの工程から始めるのか、誰を巻き込むのか、どうすれば“作って終わり”にならないかまで具体的にイメージできました。 特に、「現場が主体で動画を作っていく」前提で、無理なく回る運用体制まで一緒に設計してもらえたことが大きかったですね。 前回つまずいたポイントを踏まえて、「これなら同じ失敗を繰り返さずに済む」と思えたことが、導入の決め手でした。
tebikiの説明を受けた際、現場の反応はいかがでしたか
小澤様:現場の反応も非常に前向きでした。事前アンケートでは、36人中30人が「tebikiの方が使いやすそう」と回答しています。
「必要な部分だけ動画にできる」「工程やスキルごとに柔軟に使える」といった点が評価されており、一部の担当者だけでなく、「現場全体で継続的に使えそう」というイメージを持てたことが、導入の後押しになりました。
ベテラン頼みだった属人化工程でも、
習熟期間を約1か月→約2週間に短縮
tebiki導入後、一番大きかった現場の変化は何ですか
小澤様:一番の変化は、習熟スピードです。これまで約1か月かかっていた工程が、今では2週間で立ち上がれるようになりました。
特にバス燃ヒーター組付工程は、20年近く特定の作業者に依存していた完全な属人化工程でした。 それがtebiki導入後は、わずか2週間で新たに習熟者を育成できるようになり、現場としても非常に大きな変化でした。
教育の進め方や、教える側の負担にはどんな変化がありましたか
小澤様:以前は、ベテランが横について細かく教えるOJTが中心で、長いと2週間近く張り付く必要がありました。現在は「まず動画で理解し、分からない部分だけ質問する」形に変わり、教育負担は大きく軽減されています。
また、マニュアルも1本あたり約30分で作成できるため、作成工数や属人化も解消されました。
結果として、習熟スピードは約2倍、教育工数は約4割削減。 生産性も3倍以上に向上しており、現場として非常にインパクトの大きい変化だと感じています。
“言葉に頼らない教育”で、誰でも理解できる現場へ
想定していなかった変化や、副次的な効果があれば教えてください。
小澤様:副次的な効果ではありますが、聴覚に配慮が必要な方への指導が大きく変わりました。
以前は筆談でのやり取りが中心で、教える側・教わる側ともに負担が大きかったんです。今は、動画で実際の動きや手順をそのまま確認できるため、言葉に頼らず理解できる場面が増えました。
結果として、特定の人のための工夫ではなく、誰にとっても分かりやすく、働きやすい環境になったと感じています。現場としても、非常に前向きで、誇れる変化ですね。
動画マニュアル選定で見るべきは
「機能」ではなく「実行性」
動画マニュアル選定で失敗しやすいポイントと、重視すべき点を教えてください
長嶺様: 機能や価格だけで選んでしまうと、正直かなりの確率で失敗します。今はどのツールも機能差は大きくなく、本当に重要なのは「現場で使い続けられるか」「成果につながるか」です。実際には、動画は作られるものの使われず、結局人が教え続ける状態になり、「仕事が増えただけ」と現場の反発を招いてしまうケースが多いと思います。
だからこそ重視すべきは、“実行性”です。どの工程から始めるのか、現場でどう使うのか、どう定着させるのか。そこまで含めて設計・伴走してくれるかどうかが重要で、これがないとどんなツールでも、作って終わりになってしまいます。
その点で、tebikiを選んだ理由は何ですか
長嶺様:tebikiさんは、最初から「どうすれば失敗しないか」を前提に話をしてくれました。ツールの説明ではなく、過去の失敗要因やつまずきポイントを具体的に整理してくれた点が大きかったです。導入後も、現場で実際に使われているかまで一緒に見ながら支援してもらえているので、一部の担当者に依存せず、現場主体で運用が回る状態を作ることができました。単なるツールではなく、現場改善まで伴走してくれるパートナーだと感じています。
動画マニュアル導入を検討している方へ、一言お願いします
長嶺様:動画マニュアルは、入れること自体がゴールではありません。どうやって現場に根付かせるか、どうやって成果につなげるか、そこまで一緒に考えてくれるパートナーを選ばないと、必ず失敗します。その意味で、製造業の現場で動画マニュアルを本気で活用するなら、率直に言って、tebikiさん一択だと思っています。
今後について、どのような展望をお持ちですか?
長嶺様:まずは、今年度の成果を踏まえて、対象となる工程をさらに広げていきたいと考えています。動画を見ることが当たり前になり、教育が属人化しない。そうした状態を、全社として実現していくことが今後の目標です。